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保育の社会保障システム化による保育システム改革-2

【2030年の社会システム改革シリーズ4】

「2030年の社会システム改革シリーズ」第4弾として、前回<保育システム改革>を取り上げ、前回、第1回を
◆ 保育園義務教育化と保育グレード設定による保育システム改革-1
とした。

今回は、その第2回

子ども年金、養育年金化による保育の社会保障制度組み入れ

夫婦共働き世帯、女性就労の一般化で保育ニーズが一気に高まった。
上がらない賃金、非正規社員の増加等による家計不安の増幅、少子高齢化・生産労働(力)人口減少に対応するために女性活躍と煽っての女性就労化脅迫などがある。
保育無償化も保育所不足と希望する保育所への入所がかなわない状況の改善に逆行する皮肉を招いている。

子育てをするためには、以前以上に共働きが必要になっている。
ならば、その経済的な負担をより削減し、不安のないようにどうするか?

年金・医療等社会保険の現役世代の負担が、給付を受ける高齢者に比し不公平で重すぎる。
安倍政権による全世代型社会保障制度改革の小手先対応では、根本的な解決にはならない。
単に高齢者負担を増やすことと、高齢者にもっと働かせようというのがその手だから。

その不公平感をなくし、少しでも現役世代に還元される制度に改革する方策だ。

そこで考えたいのが、全世代年金受給可能社会保障制度改革。

先に【2030年の社会システム改革シリーズ2】として『社会保障システム改革』を提起し、そのなかで以下そのことについて述べた。

◆ ○○手当は○○年金!?:全世代が年金受給機会を持つ社会保障システム改革-2

詳しくは、その稿を見て頂くとして、本稿に関連する年金をその中から、以下に拾い上げた。


1.後継世代:新生児から成人を迎える前までの世代。本人受給分
 (1)新生児年金(現状の児童手当を年金化。金額再検討)
 (2)児童年金( 同上 )

2.現役世代
 (1)新生児養育年金(満1歳未満の新生児を養育する親権者に給付)
 (2)幼児養育年金(未就学児童を養育する親権者に給付)

親たる現役世代とその子、後継世代両方が年金を受け取る制度だ。
その原資として、現状の年金保険以外の保険制度や公費負担制なども包括して、財源・財政方式を変革する必要があるのは言うまでもない。

このシステム改革で、現役世代の経済的負担・不安を大きく解消し、安心して仕事と保育・子育てを両立できるようにする。

もちろん、現状の育児休暇制度なども、これらの年金で一部をカバーできるだろうし、制度自体の拡充整備も課題となる。


保育士の准公務員化による行政改革との連動

保育施設不足への対応は、前回の保育グレード別システム改革でかなりの改善の目処がたつだろう。

もう一つ、保育士不足問題も、この保育グレード制の導入とそれに連動する公務員化・准公務員制などで、保育士業務の安心度・やりがい度が高まり、相当の改善が期待できる。

それらの人的資源・人材開発については、やはり先般【2030年の社会システム改革シリーズ3】として『行政システム改革』を取り上げた、以下の

准公務員制度導入で潜在的労働力の発掘と活躍へ:専門職体系化による行政システム改革-3

と題したブログで提起した。
確認頂ければありがたい。


人の営みとして自然な、子どもを持ち、育む暮らしと社会の支援

確かに結婚するしない、子どもを持つ持たないは、人それぞれの考えであり判断は自由だ。
しかし、結婚し、あるいは結婚しなくても子どもを持ち、育てていくことは、人の生き方における一つの選択肢として、厳然としてある。

結婚したくない、こどもが欲しくない。
そう選択する人たちには、親のあり方・親との関係や家族・家庭環境や経験などが何らかの影響を与えていることも多いのではないか・・・。
そうではないかもしれない。

いずれにしても、自分の生き方・価値観の形成に、結婚や出産、子どもを持つこと養育することとは逆の要素要因が強く影響することがあろう。
ならば、何らかのマイナス経験がプラスに働くよう、前向きに、望ましい結婚や出産・子育てをやってみようという意識・希望に変えるようになればと思う。

とにかく、子どもを産めるのは女性だけ。
その女性自身に、子どもが欲しくない、子どもを育てるのが面倒、嫌、とされたら男性は、そして社会は、どうしようもない。
そして悲しい。

育児は大変だけど、男が子育ての当事者である社会が根付きつつあり、社会が支援する制度も拡充されよう。
子どもの成長を見、身近で体験するのは嬉しいことだ。
社会人として巣立っていけば、それなりの達成感もある。

そうした営みを、子の世代も自然に、でもしっかりと意志と責任をもって進めていくことができればと思う。


社会形成・社会継承に不可欠な保育・教育制度とその公正・公平性

よく、というか、保育の重要性を語る中で、十分な保育サービスの提供が、それに見合う経済的効果をもたらすことを理由に挙げられることがある。

それも確かなことだろうが、それを最も重要な要素要因として保育について語ることには少々違和感を持つ。

まず、個人個人が配偶者を持ち、子どもをもうけ、家族社会を形成することが起点。
その家族生活を維持し、望ましいものにしていくために、あるいは子どもの成長や自分たちの加齢に応じた生活を維持し、対応していくために、さまざまな社会とその機能と関係していく必要がある。
保育行政・保育サービスもその一つである。

もちろん、家族を形成せず、単身・独身の暮らし・生き方を選択する人も、その社会との関係は不可欠である。

社会とは、例えば働く場と機会を提供する企業等であり、種々の行政サービスを提供する国や自治体など、社会福祉法人やNPO法人などである。

そして、その機能を担うのは人であり、それらを継続的に、持続して機能させていくには、世代を継承していく人々が存在してこそのことだ。
それをある側面から見れば経済的効果と言えなくもないが、そう結びつける必要があるだろうか。
1つの合理かもしれないが、なんとも情緒に欠く、共感を呼びにくい表現だ。

そうした望ましい社会を維持形成し、個々人も望ましい、希望する生き方・暮らし方を選択していく存在としての次世代の子どもたち。
その子どもたちの保育・教育が、社会が担うべき責任の一つであることは、否定しようがない、当然なのだ。

個々の家庭環境や経済的な違い・格差等のいかんともしがたい要素・条件は別として、保育こそは、公正・公平に同様の質と量のサービスを、すべての子と親に提供する保育行政を実現すべきだ。


個別・小手先対応では不可能な子育て・保育問題の根本的解決

施設が足りなければ、認可基準を下げて保育サービスの質が低下するのを承知で認可外保育所の設立を認めたり、建設コストの補助金を出す。
企業内保育所や認可外保育所には事業運営が困難な例も増えている。
保育所新設が地域住民の反対を受けて滞る例もあるという。

保育士の賃金が一般的な他の職種に比べ低いので、少しはその差を埋めるため、事業者に補助金を出す。
しかし、それが間違いなく保育士に行き渡っているかどうかは分からないし、調べもしない。
保育士不足は恒常化したまま。

「保育園落ちた!」に端を発した保活の非常・異常事態対策も、地方自治体への権限移譲た保育無償化などで改善できると踏んだが、待機児童・学童保育問題は解消されそうもない。

要するに、これまで行ってきたような、個々の課題とみなしての小手先・個別の対応の繰り返しでは、ほとんど何も変わっていない。
抜本的に、総合的・包括的に、保育制度、保育システムを改革しなければいけないのだ。
先に提示したように、『保育システム』の改革は、『社会保障システム』『行政システム』などの改革と連動・連携したものになるのだ。
また、そのためには『政治システム』の改革も必要かもしれない。
政治が現状のままなら、当然、保育システム・社会保障システム・行政システムも変わらないからだ。



社会システム開発省の設置へ!

そう考えると、行政システム改革を進める上で<行政(情報)システム開発庁>の設置が必要としたように、各種システム改革を連動して進めるために、まさに【社会システム改革】を成し遂げるために【社会システム開発省】を設置すべきなのだ。
(参考)
◆ 行政システム開発庁の設置を:行政標準業務システム開発による行政システム改革-2

2050年をゴールとして、5年刻みでの中期計画が必要だろう。
そのスケジュールの中で、少子化対策でもある『保育システム改革』とそれに連動する各システム改革は最優先課題であり、2030年までに実現すべきだ。

10年前、20年前から問題視されていたさまざまな社会問題の殆どは、本質的・抜本的に改善・解決されることなく、時間だけが経過してきた。
10年という単位を一つ一つの世代問題としてとらえ、取り組んでいったとしても、決して猶予があるものではない。
むしろ、時間は足りないくらいだ。
先行世代も、現役世代も協同して取り組む必要がある。
現役世代自身のために、そして次世代・後継世代のために!


※ 2021/3/20 追記
 本稿投稿後、日本型ベーシックインカムとしてベーシック・ペンション、生活基礎年金制の導入を提案。
その中で、乳児・児童への年金として、児童基礎年金月額8万円支給を組み入れています。
 また保育士の低賃金対策としても、生活基礎年金支給で、一応初期段階は対応できると考えます。
 もちろん、継続的な労働条件・労働環境の拡充は必要です。
(参考)⇒ http://basicpension.jp
    ⇒ 保育士の皆さんに関心を持って頂きたい日本型ベーシックインカム(2020/10/26)
 
(関連記事)
⇒ 保育園義務教育化と保育グレード設定による保育システム改革-1(2020/3/23)
⇒ 幼保無償化後の現実的課題:抜本的な保育行政システム改革への途(2020/5/29)
准公務員制度導入で潜在的労働力の発掘と活躍へ:専門職体系化による行政システム改革-3(2020/3/21)

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