ビル・ゲイツもスティーブ・ジョブスも自分の子どもにはスマホもタブレットも持たせなかった:堤未果氏著『デジタル・ファシズム』から

社会政策

デジタルで侵される日本の政治、マネー、教育を赤裸々にあぶり出す『デジタル・ファシズム』ー1

 非常にインパクトがある、というか、衝撃的であり、突き動かされる内容の新刊新書を読み終えました。

 堤未果氏著『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』(2021/8/30刊・NHK出版新書)です。


 本書を、何回かに分けて当サイトで取り上げて紹介・考察し、2050年の望ましい日本社会創造を考える当サイトにおける、1)国土・資源政策 2)社会政策 3)経済政策 4)国政政策 の4つのカテゴリーそれぞれと関連する政策の内容の訂正に繋げていく予定です。
 1)では資源としての情報管理政策、2)は無論教育政策、3)では経済安全保障との絡み、4)は当然政治主権問題と関連しています。
 それぞれのカテゴリーだけでも重大な課題を指摘しているのですが、そのすべてに関わるわけですから、まさに「ファシズム」の脅威・恐怖を否が応でも認識し、すべての国民が考えるべき問題・テーマであることは間違いないでしょう。


デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』 の構成

 以下が、本書の構成です。

プロローグ
第Ⅰ部 政府が狙われる
 第1章 最高権力と利権の館「デジタル庁」
 第2章 スーパーシティの主権は誰に?
 第3章 デジタル政府に必要なたった一つのこと 
第Ⅱ部 マネーが狙われる
 第4章 本当は怖いスマホ決済
 第5章 熾烈なデジタルマネー戦争
 第6章 お金の主権を手放すな
第Ⅲ部 教育が狙われる
 第7章 グーグルが教室に来る?
 第8章 オンライン教育というドル箱
 第9章 教科書のない学校
エピローグ


 上記のように3部構成の書。
 次回から、その構成に従い、3回に分けて、重大な問題提起を確認し、考えるところをメモしていきたいと思います。

 走り読みし終えたばかりで、頭を整理するまでに至っていないのですが、今回は、まずは本書を知って頂きたく、予告とさせて頂きます。
 しかし、それではあまりにも安直なので、上記「第Ⅲ部 教育が狙われる」の<第9章 教育のない学校>の中から、デジタル・ファシズムを象徴するとも言える、以下の部分を転載させて頂き、問題提起のきっかけ、切り口・糸口になればと思います。

ビル・ゲイツは自分の子供にスマホを持たせない

 米タイム誌の「2009年の発明ベスト50」に選ばれ、ビル・ゲイツが「数学の未来」と絶賛し、シリコンバレーの億万長者たちが資金を提供してきた個別学習プログラム「Teach to One」は、10年かけて改良を重ねたにもかかわらず、学力を向上させる結果を出せていない。
 フェイスブックと共同開発したオンライン学習プログラムを導入したニューヨーク・ブルックリンの民営公立学校「Secondary School for Journalism」では、生徒たちが自ら立ちあがり、一人でタブレットに向かう時間をなくすように要求し、一斉に授業をボイコットした。
(略)

 ビル・ゲイツは自分の子供たちに14歳までスマホやタブレットを持たせず、その後も食事中と家族といる時は、電子機器の使用を禁止した。
 アップルの創業者スティーブ・ジョブスは娘たちにiPhoneもiPadも持たせなかった。
 グーグル幹部をはじめ、西海岸のテック企業幹部の子供たちが通う、シリコンバレーで一番人気のある学校「ウォルドロフ・スクール・オブ・ペニンシュラ」では、13歳より前の子供たちをテクノロジーに触れされることを、以下の理由から許可していない。
<デジタル機器によって、子供の健康な身体、創造性と芸術性、規律と自制の習慣や、柔らかい頭と機敏な精神を十分に発達させる能力が妨げられるためです>


 もうこれだけでもインパクト十分です。


 
 本書の著者堤未果氏には、他にも重要な問題提起書が多数あります。
 そのうちの1冊『日本が売られる』(2018/10/5刊・幻冬舎新書)は手元にあり、これも非常に参考になる書でした。
 これまでのいくつかの記事の参考になっています。

 なおまったく別の話ですが、別サイトで紹介した鈴木宣弘氏著『農業消滅 農政の失敗が招く国家存亡の危機』(2021/7/15刊・平凡社新書)もシリーズ化して取り上げたい農業問題・食料問題に関する警告書。
  なんとかこちらとも並行して取り組むことができれば良いのですが・・・。
  努力します!


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