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社会保障制度審議会1995年勧告に関係なく悪化を続けてきた社会保障制度

小沢修司氏著『福祉社会と社会保障改革』から考える-1


 当サイトでの提案を引き継ぐ形で今年開設したベーシックインカム専門WEBサイト http://basicpension.jp において提案している、日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金。
 その検討・考察上、是非とも参考にすべき日本のBI論の古典と位置付けているのが、小沢修司氏により2002年に出版された『福祉社会と社会保障改革―ベーシック・インカム構想の新地平』(2002/10/30刊)。

 同書を、今月11日に中古書で入手し斜め読み。21日に読み終え、どのように取り上げるかを検討し、前半の[Ⅰ 企業中心社会と社会保障制度改革]を当サイトで、後半の[Ⅱ ベーシック・インカム構想と福祉社会の展望]を、上記サイト http://basicpension.jp で取り上げることにしました。

ということで、本稿ではまず、 [Ⅰ 企業中心社会と社会保障制度改革]「第1章 いま何故、社会保障改革か 」を取り上げます。

Ⅰ 企業中心社会と社会保障制度改


 本稿で引用・紹介する内容は、ほぼ20~25年以上前の社会経済状況を示すものであり、現在の状況と基本的には変わっていないこと、そのため、現在の社会保障制度や生活状況が、悪化していることを示すことを意図しています。

1995年社会保障制度審議会勧告 「社会保障体制の再構築に関する勧告 ~ 安心して暮らせる21世紀の社会を目指して~」


 第Ⅰ編は、今から36年前の1995年7月に、社会保障審議会が行った「社会保障体制の再構築に関する勧告 ~ 安心して暮らせる21世紀の社会を目指して~」を起点にしての論述です。

 この1995年勧告は、
1)1950年勧告:わが国における戦後の社会保障制度の具体的なあり方を初めて体系的に示した
2)1962年勧告:国民皆保険、皆年金下での社会保障制度の総合的なあり方を論じた
に次いでの3つ目の大きな勧告。
 戦後50年が経過して、日本の社会経済が大きく変貌を遂げつつあるなか、いわば制度疲労を起こしている当時の社会保障制度を21世紀に向けて新たに構築していこうという問題意識から提起されたものであったとしています。

第1章 構成

第1章は、以下の構成になっています

Ⅰ 企業中心社会と社会保障改革
第1章 いま何故、社会保障改革か
1.家族・労働の変化と社会保障制度の揺らぎ
 1)家族の変化
 2)労働の変化
2.わが国社会保障制度の「企業中心社会 」的特徴
3.「企業中心社会 」 の弊害
 1)個人生活の自由度の制約
 2) 「企業中心社会 」と少子化の進展
 3) 少子化の要因への対応の視点
4.「男女共同参画社会」の戦後税制の転換
 1) 「男女共同参画社会」 を目指して
 2)政府税制調査会「基本方針」における個人所得課税の見直し
 3)配偶者控除、配偶者特別控除の異質性

「第1章 いま何故、社会保障改革か」から


 上記の構成であった第1章を、以下のように整理して、見ていくことにします。

家族の変化・労働の変化と社会保障制度

1)家族の変化と社会保障制度

 先述した1995年勧告ではこう指摘しています。

家族は変容しつつあり、これからもその傾向は続くものと考えられる。今後の社会保障制度は、『家族の本来あるべき姿』といった画一的な固定観念を前提とするのではなく、多様な家族形態を基本におき、新しい家族関係を踏まえてその生活を充実・安定させる条件を強化する施策を展開すべきである。

 この「本来あるべき家族の姿」について、前年1994年の社会保障制度審議会・社会保障将来像委員会第2次報告書での明確な指摘は以下。

核家族世帯が多数であることは依然として変わらないが、若・中年単独世帯、ひとり親世帯、高齢者夫婦世帯、高齢者単独世帯など、世帯の多様化が進んでいく。このような趨勢を踏まえ、わが国の社会保障制度は、(以下略)

 この冒頭の「核家族世帯が多数」という状況については、1962年勧告で、以下に示されています。

社会保障の給付を受ける権利が個人個人に帰属することは当然であるが、保障を行う場合には現に国民がどのような共同生活を営んでいるかという実態をとらえ、その生活の基礎となっている単位に即して保障を行うことが必要である。(略)今後は、社会保障の単位として夫婦と未成熟の子を世帯の単位とする。

 なお、加えて、1961年の税制改正によって、所得税における配偶者控除が創設されており、男女間の固定的な役割分担を前提とし、扶養する夫と扶養される妻という夫婦関係に基づく、社会保障制度や税制が展開されていったことを記しています。

 21世紀に入り既に5分の1を経過している今日、少子高齢化の加速化、人口減少社会の進行、非婚・晩婚化、単身世帯の増加、そして次項の関連での非正規雇用比率・女性就業率の増加など複合的な要因による家族モデルの変動は、長期化するデフレ経済がその一端となっているともされています。
 しかし、その基本的な傾向・リスクは、四半世紀前には、上述したように、既に明らかにされ、警鐘が鳴らされてていたわけです。
 この項では、大きな変化の象徴的な例として、農村型大家族から都市型労働者核家族形成、そして女性就業率の向上等に伴う単身・単独世帯比率の向上という道を進んできていることを示しています。
 しかし、従来の企業中心社会と家族モデルとの繋がりが変容してきていることの指摘にとどまり、それが社会保障制度上、どんな問題が現実に発生するかまでの記述はありませんが、3世代家族世帯や2世代家族世帯が育児・介護を当然担うとされた家族形態が変化に伴い困難になる、と予想されることは明らかです。

 

2)労働の変化と社会保障制度

 家族の変化に次いで、労働の変化を取りあげていますが、ここでは主に、雇用者が当然加入する社会保険制度が社会保障制度の根幹を為していること前提としての指摘です。
 その中で、国民健康保険・国民年金加入者と企業の社会保険加入者との格差の問題を指摘し、前者の保障の薄さ・弱さをまず指摘します。

 加えて、注目すべきは、重要な変化が被用者内部で生じているとし、「転職や失業の機会が増大し、派遣やパート就労者が増え、被用者保険から外れることになれば、それに伴い社会保険の受給権が喪失してしまう、と指摘していることです。
 それは、当時すでに就業構造の変化として、正規雇用の減少、パート・アルバイト・派遣など不安定雇用の増大が顕著になってきていることを意味します。
 このため、「被用者保険体制の引き継ぎとその展開として前進してきた」社会保障制度の限界が課題とされ、「社会保障の全体系の見直しが求められる」という1995年勧告に戻って確認すべきことになります。

企業中心社会に基づく社会保障制度の特徴と問題の顕在化

1)企業中心社会における社会保障制度の特徴

(前項で確認した)特定の家族・労働のあり方に依拠していた社会保障制度が、戦後日本の社会経済システムの一環として「企業中心社会」的特徴を有していることを踏まえておくことが、社会保障制度の再構築の方向性を考えるうえで重要である。

 この基本的認識と目的が、当初の基本にあるわけです。
 その内容について、1994年の国民生活審議会での指摘を整理して、著者はこう言っています。

 その社会経済システムは、性別ならびに年齢別の役割分担によって支えられており、それは一方では日本型福祉社会として、他方では日本的雇用慣行(日本型経営)として、経済成長実現を担ってきたとされます。

 前者の日本型福祉社会論では、実態としてはまだまだ西欧社会に比して低い福祉水準が、制度的にはその水準に達しており、このまま成熟すれば、いわゆる「先進国病」に見舞われるリスクをもち、それを回避するために、福祉水準を低く維持しつつ、国民の自助努力を経済成長の活力に利用するもの、としています。
 この中に、自民党内閣のキャッチフレーズの一つになっているかのような「自助努力」が用いられていることに目がいきます。
 また、日本的雇用慣行とは、言うまでもなく「三種の神器」とされる年功序列賃金、終身雇用、労使協調の企業内組合による労使の運命共同体的関係に基づくもの。
 これが、前項の標準家族モデルと固く結びつき、法定福利費、家族手当・住宅手当等の法定外福利厚生費と諸活動など企業丸抱えでの企業中心的社会福祉システムが、堅固になっていたわけです。

2)企業中心社会における社会保障制度の弊害

 しかしこうした企業丸抱えの福祉は、長時間労働や企業への忠誠心などとのバーターであり、「会社人間化」による個人生活や家族家庭生活の自由度の制約をもたらし、対等な雇用契約関係を希薄にするものだったわけです。
 ただそうした中、大企業と中小零細企業間における賃金格差に企業内福祉格差も拡大していることももう一つの日本型福祉の弊害的特徴と確認しておく必要がありました。

3)少子化の進展とその影響

 一方こうした状況下、進行していたのが少子化です。
 この時期、少子化・人口減少社会に焦点を当てた報告書が相次いで出されているとし、例として人口問題審議会の報告書にある以下の影響を指摘しています。

<経済面の影響>
・労働力人口の減少と経済成長率の低下の可能性
・高齢化の進展に伴う現役世代の社会保障費負担の増大
・現役世代の手取り所得の減少と国民の生活水準への影響
<社会面の影響>
・単身者や子どものいない世帯が増加するなど家族の変容
・子どもの健全成長への影響の懸念
・基礎的な住民サービスの提供が困難になるなど地域社会の変容

 当然少子化の要因も取り上げていますが、中でも有配偶率の低下=未婚率の上昇⇒初婚年齢の上昇=晩婚化、生涯未婚率の上昇⇒その背景としての女性の社会(労働)進出、仕事と家事・出産・育児の両立問題、それに伴う離職に拠る機会費用の増大などが、当然連鎖的に示されています。

 しかしながら、少子化対策を急ぐあまり、個人の私生活の領域に公共政策が介入し、結婚や出産を奨励するなどにより、個人の生き方の多様性を損ねることがあってはならない、としています。
 こうした状況や対策論については、25年以上経た今日においても同様に指摘されるところであり、抜本的・本質的な社会保障制度改革には、ほとんど結び付けられていないことも、本書で度々確認することになります。

 例えば、育児・介護休業支援に関しては、やはり企業責任を一層明確にした法律が拡充されるばかりであり、中小零細企業との格差拡大や、非正規雇用者の適用洩れによる格差問題は、それらの企業中心社会システムによる社会保障制度の延長線上にある状況と言えるわけです。


戦後税制転換局面と「男女共同参画社会」

 第1章の最後では、1999年6月に公布・施行された「男女共同参画社会基本法」とその主旨にそって課題とすべき個人所得課税問題について触れています。
 もちろん同法が、女性をめぐる社会保障制度上の諸課題にも影響することは言うまでもありませんが、ここでは所得税との関係に絞って論じています。
 それは言うまでもなく、個人所得税の配偶者控除・配偶者特別控除に関する問題です。
 そもそも所得控除制は、稼ぎ手としての男性が配偶者をはじめ家族を扶養することを前提とし、そのために稼ぎ手の担税力を減殺させないことを目的として導入されたもの。
 そこで、男女共同参画の精神と、女性の就業率の向上、共働き世代の増加などの社会経済上の変容を考慮したとき、配偶者控除・同特別控除のあり方が問われるのも当然のこととなります。
 しかし、四半世紀前に今後の課題として指摘されていたものが、現在は、改善・改定がなされないままゆえに、社会保険制度の適用基準問題と重ね合わせられて、数種類の「年収の壁」として、改正への踏み込みがないまま旧態依然とした制度が維持されていることに、なんとも言えぬ思いを抱くものです。

一応、この項の最後の指摘を以下に引用して、第1章の最後の締めくくりとします。

男女の社会的な活動の選択に中立的な税制を目指そうとする「男女共同参画社会」の形成の視点から見れば、配偶者控除・同特別控除は廃止されてしかるべきものといえよう。とはいえ、廃止の仕方にはさまざまな配慮が必要なことはいうまでもないが。

 さまざまな配慮、としているのは、同書において、税制での対応方法について複数案を提示しつつ、これでなければいけない、と1択に絞り込んだ提案をしていないためです。
 

 ただ、上に述べたように、この問題は、所得税制だけに関係するものではなく、社会保険加入の適用・不適用という、まさに社会保障制度そのもののあり方と直結するものです。
 それが、本章では触れられていないことをむしろ問題と確認しておく必要があると考えます。

20数年前指摘の家族と労働の変化への政治行政対応の怠慢


 本書発刊の2年前2000年には介護保険制度が導入されましたが、その後今日に至るまで要支援・要介護高齢者の増加に伴う給付サービスは当然増え続け、介護保険財政悪化を理由とする介護保険料と個人負担の引き上げは、いとも簡単に行われています。
 また、健康保険料・厚生年金保険料や医療給付・介護給付における自己負担の引き上げしかりで、デフレ経済と非正規雇用化などによる賃金の伸び悩みあるいは低下に伴う可処分所得の減少もあいまって、社会保障制度は、実質的には悪化が続いている状況です。
 要するに、四半世紀前に指摘された家族や労働をめぐる変化に対して、社会保障制度をめぐる政治と行政が機能することがなかったのです。
 
 こうした問題は、先に当サイトで取り上げた、 宮本太郎氏著『貧困・介護・育児の政治 ベーシックアセットの福祉国家へ』(2021/4/9刊) をもとにしての< 「宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』から」シリーズ >での内容と重なります。
 そのため、追って、この小沢氏著と宮本氏著とを重ね合わせてみる記事を予定しています。

(参考)
福祉資本主義の3つの政治的対立概念を考える:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』序論から(2021/9/3)
増加・拡大する「新しい生活困難層」:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー2(2021/9/5)
貧困政治での生活保護制度と困窮者自立支援制度の取り扱いに疑問:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー3(2021/9/7)
利用者視点での介護保険制度評価が欠落した介護政治論:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー4 (2021/9/9)
政治的対立軸を超克した育児・保育政治を:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー5 (2021/9/11)
ベーシックアセットの前に社会保障政治改革を:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー6(2021/9/13)

「安心して暮らせる21世紀の社会を目指して」 vs「望ましい2050年社会、実現をめざして」

 なお、本稿の冒頭提示した1995年社会保障制度審議会勧告のタイトル「社会保障体制の再構築に関する勧告」 では、サブタイトルに「安心して暮らせる21世紀の社会を目指して」と加えてありました。
 その表現に込められた思いは、21世紀も既に20年を経過した今、決して実現されることなく、同様の社会経済のもと、風化しているかのようです。
 当サイト https://2050society.com は、2050年の望ましい社会実現をめざして、様々な観点から検討と考察、提案を行っていくことを目的としています。
 21世紀の半ば、2050年までに社会保障制度がどのように変革がなされているか。
 これも当然、当サイトでは「社会政策」の2050年の長期ビジョン、長期政治行政改革計画における軸として、以下の構成の中で設定しています。

Ⅱ 社会政策 長期ビジョン及び短中長期重点戦略課題

<長期ビジョン>
 すべての国民が、憲法に規定する基本的人権及び最低生活保障を受ける権利に基づいて制定され、所属する多様な社会・組織において享受し保障されるすべての社会保障・福祉政策の国家の不断の取り組みにより、安心と安全な暮らし、自由な働き方・生き方が選択できる社会モデルの構築・実現を図る。
<短中長期・政治行政重点政策課題>
1.社会保障・社会福祉制度改革
(基本方針)
 日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金制度の2040年までの導入、2045年までの修正定着をめどに、社会保障・社会福祉制度の総合体系の再構築と関連する法制の整備、関連行政組織及び業務改革を行い、種々の貧困・格差及び世代間不公平性・不満感の是正、平等・公正な社会活動の機会基盤の整備拡充と安全・安心な暮らしが持続できる社会を2050年までに形成します。
(個別重点政策)
1-1 社会保障制度体系改革
1)ベーシック・ペンション導入に伴う社会保障制度・福祉制度体系の再構築
2)社会保障制度改革:健康保険・介護保険制度統合、国民年金制度廃止・厚生年金制度改定、児童福祉・障害者福祉制度改正、生活保護制度対策他
3)労働政策・労働保険関連制度改革:労働基準法解雇規制改正、雇用保険法改正、非正規雇用転換制改正、最低賃金法改正、労災保険改正等
4)社会保険制度改革、世代間負担公平性対策、関連所得税改正、その他社会保障制度体系再構築に伴う関連法律の改定
1-2 ベーシックインカム導入及び関連各種制度・システム包括的改定
1)日本独自のベーシックインカム、専用デジタル通貨JBPCによるベーシック・ペンション生涯基礎年金制度導入
2)ベーシック・ペンション導入に伴う関連諸制度・法律の改正・改革
3)ベーシック・ペンション確立までのベーシックインカム段階的導入
4)ベーシック・ペンション導入のための日本銀行改正、JBPC発行・管理システムの開発・運用化
1-3 社会保障・社会福祉行政改革(公的サービス事業公営化促進、公務員化)
1)ベーシック・ペンション導入、社会保障制度体系改革に伴う行政官庁再編、組織・業務改革
2)国・公営サービス事業再編:利益追求型社会サービス事業の一部国公営事業転換、社会福祉法人等の再編
3)社会保障・福祉資格制度の拡充、キャリアプログラム開発
4)社会保障・福祉関連職公務員制度改革

2.保育政策・子育て支援政策、少子化対策・こども貧困対策
(基本方針)
 長期化し、歯止めがかかっていない出生率低下・出生数減少、少子化対策の抜本的な見直しを、2050年人口1億人への人口減少社会を想定して行い、目標とする社会の実現を図る。
 それと並行して、安心して子どもを産み、育てることが可能な保育政策・子育て支援政策を、社会的共通資本政策として強力に推進し、近年の子どもと家族をめぐる社会問題の改善・解消を2050年までに実現します。
(個別重点政策)
2-1 少子化対策、人口減少社会対策

1)経済的支援ベーシック・ペンション導入による婚姻率・出生率向上(児童手当制度廃止拡充転換を伴う)
2)保育制度・保育行政改革、子育て支援システム拡充による総合的少子化政策推進
3)地域別(都道府県別)少子化対策取り組み策定と国による支援
4)長期人口減少社会計画策定(国家及び地方自治体)と取り組み・進捗評価管理(人口構成、外国人構成等)
2-2 保育制度・保育行政
1)5歳児(~2030年)・4歳児(~2035年)保育の義務化
2)保育施設再編及び同行政組織再編
3)学童保育システム確立、待機児童問題解消
4)保育士職の待遇、労働環境・条件など改善
2-3 子育て支援システム
1)地域包括子育て支援センター組織・業務機能拡充
2)子どもの貧困解消総合政策(ベーシック・ペンション児童基礎年金導入他)
3)孤育、ひとり親世帯、孤立世帯支援行政システム・体制整備拡充
4)関連NGO等民間地域ネットワーク拡充支援

3.教育制度改革
(基本方針)
 次世代を形成する児童・学生への期待は、教育機会の平等、教育格差の是正、学校や教育システムなどのインフラを経済的な不安なしで利用できる制度など、社会的共通資本としての教育制度・教育政策基盤が整備され、提供されて初めて、積極的な行動を求めることができるものです。
 そのために必要なさまざまな制度の体系と方法を再構築し、自身の希望や困難に挑戦し克服する姿勢・能力・技術の向上や自己実現・社会貢献に結びつく多様な個性・人間性そして人生の実現の支援政策を推進します。
(個別重点政策)
3-1 義務教育改革
1)5歳児・4歳児義務保育制導入
2)教育格差改善・解消対策、学童保育問題、いじめ・自死対策
3)新教育基本法改正、教科・教育方法改訂
4)教員支援改革
3-2 高等学校教育改革
1)高等教育改革(高校専門教育課程・専門高校多様化拡充)
2)起業・経営専門スキル、IT、AIスキル教育課程拡充
3)学生交流・交換留学等教育国際化推進
4)ベーシック・ペンション学生等基礎年金、特別供与奨学金制度による経済的支援
3-3 大学・大学院教育改革、留学・社会人教育、生涯教育基盤拡充
1)大学・大学院教育改革、大学・大学院組織改革、研究者支援システム改革
2)(無償供与)特別奨学金制度
3)留学制度拡充支援、グローバル大学育成
4)社会人キャリア開発、高度専門スキル開発教育支援、生涯学習基盤整備拡充

4.ジェンダー問題政策
(基本方針)
 多様性(ダイバーシティ)自体の多様化・複合化が進展するなか、一向に改善されない日本社会、政治・行政領域、企業社会、地域社会におけるジェンダー問題。
 その遅々たる状況は、政治行政政策における転換がなされない限り、グローバル社会における先進国評価とのギャップが拡大する一方であることはこれまでの空白の30年で証明されています。
 スローガン型の「やっている感」政治行政からの脱却・転換を共通認識とし、5年・10年スパンでの望ましい変化を評価確認できる行動計画と関連法制化計画を提示し、推進・実現します。
(個別重点政策)
4-1 ジェンダーギャップ改善政策 
1)総合的ジェンダー政策策定
2)ジェンダー多様性個別政策(LGBTQ、関連分野別)
3)公的個別課題目標値設定及び達成計画立案 、進捗・評価管理
4)民間個別課題目標値設定及び達成計画立案 、進捗・評価管理
4-2 男女雇用・労働格差対策
1)育児・介護支援制度、同休業制度拡充等労働政策改善・拡充
2)男女雇用・賃金処遇差別対策(採用、非正規雇用、正規雇用転換、同一労働同一賃金等)
3)労働基本法関連格差是正対策
4)職場ハラスメント等企業行動規範問題等対策
4-3 家族・夫婦間ジェンダーギャップ社会問題政策
1)夫婦別姓問題、同性婚問題対策・改善
2)共同親権問題、養育義務不履行問題、DV問題対策・改善
3)家庭内性別役割分業問題改善
4)その他ジェンダー問題改善(性行動、性転換他)

5.高齢化社会政策・介護政策
(基本方針)
 団塊の世代を形成するすべての高齢者が100歳を超えている2050年には、現状の高齢化社会は、総人口の減少及び年齢構成の大きな変化を伴って新たな状況を迎えます。
 それに伴って、社会保障制度の体系と実際の制度・法律も、その状況にふさわしいものに整備され、確立されていることが求められます。
 今後進行する、世代継承・世代交代を念頭に、それまで続く高齢者の医療・年金問題、現役世代が抱く高齢世代への不満等の改善・解消に、当区分の<社会政策>で連携して取り組み、現役高齢者が安心・安全な暮らしを送ることができるよう、政治行政政策課題化して取り組みます。
(個別重点政策)
5-1 高齢者年金制度
1)ベーシック・ペンション導入に伴う高齢者年金制度改革:国民年金制度廃止、生活基礎年金支給、厚生年金制度改正
2)厚生年金保険制度の賦課方式から積立方式への転換
3)全給与所得者の厚生年金保険加入制度化
4)遺族年金制度改定
5-2 健康保険制度・介護保険制度改革、介護行政改革
1)後期高齢者医療保険・介護保険制度統合による高齢者医療介護制度改革
2)介護保険制度改正
3)老人施設事業運営改革
4)全給与職者の健康保険加入制へ

5-3 高齢者生活、高齢者就労支援政策
1)地域包括高齢者支援センター拡充(高齢者夫婦世帯支援、単身高齢者世帯支援、高齢者施設等入所支援)
2)高齢者生涯設計支援制度拡充(公的後見人制度、相続問題支援等)
3)健康寿命、認知症対策等支援
4)高齢者就労支援システム拡充

6.各種社会問題克服政策
(基本方針)
 いとも簡単に首相や政権政党から発せられる「自助」。
 まともに自助努力を行う基盤そのものを持ち得ない現状の社会と社会システムを認識しない政治行政の無策の長期化が、少しずつ理不尽な分断行動と認識を増大しつつあります。
 その結果でもあり、原因でもある、いじめその他のハラスメント・自殺・引きこもり、各種人権問題など、根深い要因を持つさまざまな社会問題と生きづらい個々人の人生・生活の改善・解消に、地道に、粘り強く取り組むことを課題とし、継続して、着実に改善・解消に結びつける取り組みを具体的計画化・スケジュール化して共有・公開し、取り組みを推進します。
(個別重点政策)
6-1 貧困・格差対策
1)総合貧困・格差問題対策調査・策定 (ベーシック・ペンションを基盤として追加必要政策検討)
2)個別貧困・格差問題取り組み方針・計画立案、進捗・評価管理 ( 同上 )
3)個別貧困・格差指標及び目標値設定、進捗・評価管理
4)生活保護制度政策、障害者福祉・児童福祉制度政策 (ベーシック・ペンションを基盤として検討)
6-2 いじめ、ハラスメント、孤立問題、自殺問題対策
1)いじめ他各種ハラスメント撲滅対策
2)孤立・引きこもり、孤独社会対策(自殺問題含む)
3)誹謗中傷対策、フェイク情報問題
4)各種人権問題
6-3 刑事・民事犯罪抑止対策
1)特殊詐欺対策
2)サイバー、インターネット犯罪対策
3)個人情報対策
4)緊急時・非常時権利制限政策、凶悪犯罪対策

次回は、以下の構成の 「第2章 国民負担から見た社会保障改革」 を取り上げます。

第2章 国民負担から見た社会保障改革
1.「福祉ビジョン」の描く「社会保障の給付と負担」像
 1)破綻した「日本型福祉社会」論
 2)「福祉重視」型への転換と国民負担増
2. 社会保障 の「国民負担」
 1) 「国民負担」 に隠された国民負担の実像
 2) 「国民負担」論議と「社会保障構造改革」
3.80年代からの「受益者負担」戦略の評価
 1)医療における自己負担金
 2)福祉 における自己負担金
 3)社会福祉「自己負担金」の推計
4.国民負担から見た社会保障と国民生活
 1)国際比較に見る社会保障水準の低さ
 2)個人負担と国民生活
 3)国民負担のあり方と社会保障改革の方向

 なお、サブタイトルで「ベーシック・インカム構想の新地平 」と示されたベーシックインカムについては、当サイトで『福祉社会と社会保障改革』を次回もう一度取り上げた後 、引き続いて、別に運営するベーシックインカム専門WEBサイト http://basicpension.jp で紹介し、考察いたします。
 同書における、その構成は、以下のようになっています。

Ⅱ ベーシック・インカム構想と福祉社会の展望
第1章  ベーシック・インカム構想と福祉社会の展望

1. ベーシック・インカム構想の系譜
2. 戦後「福祉国家」の見直しとベーシック・インカム構想
3.最低限所得保障の類型とベーシック・インカム構想
4.小括
第2章 労働の変容と所得保障
1.ゴルツの「ベーシック・インカム保障+大幅時短セット論」
2.社会的排除と貧困
3.ワークフェアと所得保障
4.ベーシック・インカム保障と労働時間の短縮が切り開く道
5.小括
終章 日本におけるベーシック・インカムの可能性

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