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グリーントランスフォーメーションより過渡的措置としての原発利用:21世紀第2四半期の安保政策シリーズ2=エネルギー安保ー4

20年、30年後の社会を生きるすべての世代へ


2022年12月第1週に日経に掲載されたエネルギー関連記事の収集整理から始めた<21世紀第2四半期の安保政策シリーズ>のうちの「エネルギー安保」。

2022年12月のエネルギー動向から考える、グリーン水素エネ自給自足理想社会構築:21世紀第2四半期の安保政策シリーズ-2=エネルギー安保ー1(2022/12/7)
エネルギー自給自足国家創りの基盤として、送電網国有化を:21世紀第2四半期の安保政策シリーズー2=エネルギー安保ー2(2022/12/22)
2050年グリーン水素社会創造に向け、原発を水素生産専用電力に:21世紀第2四半期の安保政策シリーズー2=エネルギー安保ー3(2023/1/11)

それぞれ間をおいてでしたが、上記3回投稿。
今回は、一応区切りとしての4回目です。

GXグリーントランスフォーメーション政策化に渡りに船のウクライナ侵攻をめぐるエネルギー危機

2050年のゼロカーボン化を掲げても、実際にエネルギー構成面からその目標を達成することに悲観的な見通しがあった日本。
原発再稼働が望みの綱だったわけですが、ロシアのウクライナ侵攻がもたらしたエネルギー危機で、あのゼロカーボン政策の急先鋒だったEUが、ロシアへの依存から制裁措置の徹底により、たまらず従来の方針を転換。
めざす再生可能エネルギー社会の実現の方向性は変わりませんが、そのプロセスにおいて、既存原発の利活用、新しい次世代型小型原発の建設等、原発政策を大きく変更するに至りました。

日本にとっては、これ幸い。
再生可能エネルギーと共に、グリーンエネルギーを象徴する電力源である原子力発電を、エネルギーミックスにしっかりと組み入れることができればゼロカーボン政策も見えてくる。

グリーンエネルギー原子力エネルギーをゼロカーボン実現のために必須の電力源とし、「将来にわたって持続的に活用する」ことを、12月下旬に開催したGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議において政府が明確に方針化。
太陽光発電・風力発電の構成比が、さまざまな要因で構想通り高まらない状況において、GX推進の旗印として原子力発電を位置づけることができたわけです。
政府も経済界も一安心、一息つけるというところでしょう。

次に、GX実行会議における基本方針の重点に関して、2つのテーマで整理してみました。

GX会議の基本方針重点ポイント

1.エネルギー源関連
 1)再生エネルギー・原子力等脱炭素効果の高い電源の最大限の活用
 2)廃止決定原発の次世代革新炉への建て替え具体化
 3)運転期間40年、最長60年の原則維持及び停止期間の運転延長可能化
 4)核のゴミの最終処分の具体化促進
2.送電網関連
 ・今後10年間程度で過去10年間比8倍以上規模の地域間送電網整備
3.カーボンプライシング関連
1)20兆円規模のGX経済移行目的国債の発行
2)GX経済移行のための推進機構設置
3)2026年度排出取引量導入、2033年度発電事業者排出枠有償化
4)2028年度化石燃料輸入石油元売り等への賦課金導入

脱炭素投資加速方針試案

上記のGX目的債発行による脱炭素投資構想については、以下の事項が挙げられているという。
1.脱炭素投資規模は、10年間で官民150兆円
 1)再生エネ大量導入支援31兆円超
 2)水素・アンモニア供給網構築7兆円
 3)蓄電池産業7兆円
 4)次世代自動車17兆円
 5)住宅等建築物14兆円 等
2.国が20兆円規模のGX債起債し資金調達
 1)2023年年度1.6兆円
 2)償還財源としてカーボンプライシング導入(既述)
  ・2028年度・石油元売り等に賦課金
  ・2033年度電流会社に本格的排出量取引化

エネルギー・電力政策国債発行と特別会計制度導入を

これらの内容の中の送電網に関しては、上述の以下の記事で国有化すべきと提案しました。
エネルギー自給自足国家創りの基盤として、送電網国有化を:21世紀第2四半期の安保政策シリーズー2=エネルギー安保ー2(2022/12/22)

しかし、他の2つのシリーズ記事で提案している水素エネルギー・水素社会化に対しての方針強化や投資強化は、そのGX会議の方針には反映されていません。
ただ、その中で着目すべきは、仮の名称ですが「GX債」と呼ぶ「国債」をエネルギー政策財源にしていることです。
その国債の償還財源として「カーボンプライシング」による収入を充てる構想です。
長期的・持続的なエネルギー・電力政策を(安心安全安定・保有保持確保)安保実現を目的として推進する上で、従来にない財政政策を考えているわけです。
ならば、もう一つ発想を変えて、国策としてのエネルギー安保に取り組むために、配電網設備の固定資産計上、減価償却会計処理、使用料金徴収による収益処理等、特別会計制度を採用することを提案します。
国債は、日銀が直接購入し(法改正が必要)、事業収益で償還するか、永久債的な措置も考える方式も検討の余地があると思います。
先月、大手電力の合弁会社からなる送配電会社が、今年2023年から使用料金の引き上げを行うことも報じられました。
こうしたニュースを耳にすると、一層国有化による安心安定化をめざすべきと考えます。

なお今回の4回シリーズを受けて、「2.電力・エネルギー安全保障・維持開発管理」を「2.電力・エネルギー(安心安全安定・保有保持確保)安保政策」と改め、その(個別重点政策)内容を修正しました。
(固定化当該ページでは、改訂部分を追加しています。⇒ 2050society.com/?page_id=10847
今後もコトあるごとに修正を加えていきたいと考えています。

Ⅰ 国土・資源政策 2050年長期ビジョン及び長期重点戦略課題

2.電力・エネルギー(安心安全安定・保有保持確保)安保政策

(基本方針)
気候温暖化・自然環境破壊などがもたらす国民生活、各種事業活動上の不安・悪影響を抑止し、将来に向けて持続可能な電力・エネルギー自給自足体制の整備、安心・安全を保障する同システムの構築を推進し、2050年までにグリーン水素エネルギーを軸とした100%再生可能エネルギー国家と水素社会を実現する。
(個別重点政策)  ※2023年1月15日改訂
2-1 100%再生可能エネルギー及び水素社会の実現、カーボンゼロ政策推進・実現
1)再生可能エネルギー別現状調査分析、進捗評価・適正修正継続
2)個人住宅及び事業所建物再生エネ発電・電源利用義務化及び支援法制化・施行
3)長期電源構成ビジョン・長期計画策定、エネルギー危機管理システム策定・運用管理、100%エネルギー自給自足国家化
4)水素エネルギー社会化技術開発調査及び長期計画・予算策定 、原子力発電の水素生産目的特化利用制度化、プロジェクト進捗・評価管理 、2050年水素社会実現
2-2 電力送配電網国有化及び電力利活用社会基盤整備
1)現状電力送配電網問題点調査及び方針立案、送配電網国有化法制化及び予算化、設置・運用管理
2)電力自由化再構築、電力会社等電力事業システム再構築
3)蓄電・充電社会ネットワーク化
4)地域エネルギー自給自足社会システム整備、家庭用電力基本料金等無料化
2-3 GXグリーン・トランスフォーメーション推進、原子力発電の有効安全利活用とエネルギー安保統括管理システム導入
1)エネルギー安保戦略・政策=国家主導・支援GX推進計画・支援計画策定 、進捗・評価管理
2)産業別・企業別GX推進計画策定、進捗・評価管理 (自動車業界・物流業界その他全産業領域対象)
3)原子力発電関連技術活用政策・長期計画策定、原発停止・再稼働方針・核廃棄物処理計画策定、福島原発処理他廃棄物処理長期計画策定予算化、同運用管理
4)エネルギー安保特別国債・特別会計システム法制化、移行・運用管理

20年、30年後の社会を生きるすべての世代へ