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SOCIAL POLICY

第1回全世代型社会保障構築会議・公的価格評価検討委員会合同会議から

全世代型社会保障構築会議と公的価格検討委員会動向をサイト提起社会政策と重ね合わせて追う

 岸田新政権の稼働に伴って設置された「新しい資本主義実現会議」と関連会議・委員会等について触れたのが次の記事。
「新しい資本主義実現会議」は機能するか:その限界とかすかな期待(2021/11/17)

 その「新しい資本主義実現会議」についてその動向に今後注視していきますが、同様に注目しているのが、「全世代型社会保障構築会議」とその下部組織である「公的価格評価検討委員会」。
 この2つの会合が、第1回では合同会議として、2021年11月9日に開催されました。

 今回は、公開されているその議事録を要約し、各組織の民間有識者メンバーリストも添えて報告します。
 

全世代型社会保障構築会議民間有識者メンバー

(座長)   清家篤   日本私立学校 振興・共 済事業団 理事長/慶應義 塾学事顧 問
(座長代理) 増田寬也 東京大学公共政策大学院客員教授
(構成員)
秋田喜代美 学習院大学文学部教授
・落合陽一  メディアアーティスト
・笠木映里  東京大学大学院法学政治学研究科教授
・香取照幸  上智大学総合人間科学部教授/一般社団法人未来研究所臥龍代表理事
菊池馨実  早稲田大学法学学術院教授
・熊谷亮丸  株式会社大和総研副理事長兼専務取締役リサーチ本部長
権丈善一  慶應義塾大学商学部教授
・國土典宏  国立国際医療研究センター理事長
・高久玲音  一橋大学経済学研究科准教授
武田洋子  三菱総合研究所シンクタンク部門副部門長(兼)政策・経済センター長
・田辺国昭  国立社会保障・人口問題研究所所長
・土居丈朗  慶應義塾大学経済学部教授
・沼尾波子  東洋大学国際学部国際地域学科教授
・水島郁子  大阪大学理事・副学長
・横山泉   一橋大学大学院経済学研究科准教授
(五十音順、太字 公的価格評価検討委員会メンバー兼務

公的価格評価検討委員会民間有識者メンバー

(座長)    増田寬也 東京大学公共政策大学院客員教授
(座長代理)  武田洋子  三菱総合研究所シンクタンク部門副部門長(兼)政策・経済センター長
(構成員) 
・秋田喜代美 学習院大学文学部教授
・菊池馨実  早稲田大学法学学術院教授
・権丈善一   慶應義塾大学商学部教授
・田辺国昭   国立社会保障・人口問題研究所所長
(五十音順)


 どちらも有識者は、ほとんど学者と総合研究所スタッフで占められており、関連業界・業種の専門家の参加がないのが非常に疑問です。
 現場の実情や希望を生の声として聞き取り、政策に反映させてこその「聞く力」の発揮と思うのですが。

<第1回全世代型社会保障構築会議・第1回公的価格評価検討委員会合同会議>配布資料

<資料1> 全世代型社会保障構築会議の開催について(PDF/116KB)
<資料2-1> 全世代型社会保障構築会議運営要領(PDF/66KB)
<資料2-2> 公的価格評価検討委員会運営要領(PDF/87KB)
<資料3> これまでの全世代型社会保障の経緯(PDF/664KB)
<資料4> 公的価格の制度について(PDF/1,419KB)

※各資料は公開されており、リンク先で見ることができます。


第1回全世代型社会保障構築会議 兼 第1回公的価格評価検討委員会合同会議 議事録要旨(2021年11月9日開催)

・今後どのような観点から全世代型社会保障に取り組むべきか
・看護・介護・保育など、現場で働く方々の収入の引上げについて
一人1分以内で全メンバーが意見発表。
 以下に、メンバーそれぞれの発言を要約し、メモしました。(発言順)

(清家氏)
社会保障制度改革の目的というのは、日本をこのように豊かな長寿社会にしてきた社会保障制度を持続可能な形で将来世代に伝えていくこと。
そのために最も大切なのは、社会保障制度、そして、それを維持する経済社会の支え手を増やすこと。
社会保障制度改革自体をその方向に持っていかなければいけない。
1)勤労者皆保険、すなわち厚生年金の適用拡大により働く人たち全てに社会保障制度を支えてもらい、かつその恩恵を受けられるようにする。
2)支え手となる働く人たちそのものをもっと増やすように、特に女性や高齢者の就労を促進するような社会保障制度とする。
この点で、保育サービスや介護サービスの充実は大切な条件となり、その意味でも保育や介護の現場で働く人たちの労働条件の改善は大切である。
これまで社会保障制度改革国民会議、社会保障制度改革推進会議などに参加をしてきたが、今回の会議においてもまだなお多く残された課題について、解を出していければ。

(増田氏)
今回のコロナ禍の教訓を踏まえて、地域医療構想やかかりつけ医の制度的な推進、都道府県の役割発揮の後押しが必要であり、それには医療保険制度も見直すべき。
年金については、被用者保険の適用拡大、つまり勤労者皆保険の実現を一丁目一番地とすべき。
分配については、成長する医療・福祉産業においてこそその議論が必要であり、非営利法人における賃上げも重要。社会福祉法人にある充実財産は4000億円とも言われているが、これを保育士や介護職員の処遇改善に有効活用することを求めるなど、幅広く検討すべき。

(武田氏)
今後の人口構造の変化を見据えると、持続可能な社会保障の構築に向け、引き続き総合的な検討や対応が望まれる。弊社の調査によると、今後の日本社会の不安の1位は、10年連続で社会保障による財政悪化。
国民不安の解消は成長と分配の好循環の観点からも重要。
日本の医療・福祉分野の労働分配率は、他国に比べ低く、改善が求められる。
医療機関などの収入が増えても、保育や介護、障害を含めた医療・福祉従事者の待遇が改善されない現状を踏まえ、既存の枠組みや予算配分の見直しも検討することが重要。

(秋田氏)
少子化に向かう中、子供たちが良質な保育や教育を受けること、子供に関わる全ての大人たちがワーク・ライフ・バランスを保ちながら、安心して働き続けられることが重要。
保育・幼児教育の質の向上、保幼小連携接続の強化については、子ども・子育て支援新制度園だけではなく、私学助成も含め、全ての園に関わる保育士・幼稚園教諭・保育教諭、児童福祉施設や学校の教諭、スクールソーシャルワーカー等のエッセンシャルワーカーの専門性を発揮できる体制、そのための処遇改善が重要。
そのために、国、自治体、企業が連携して関わっていく今後の体制も併せて検討していくことが重要。

(落合氏)
学術的な専門は計算機科学、ヒューマンコンピューターインタラクション、特に人が使うユーザーインターフェースやアクセシビリティー、障害とか、介護にどうやってデジタルを使うかというところだが、誰一人取り残さないデジタル社会の実現というのは、保障と一体。
人口減少社会を人口収れん社会と言い換えて、三つの実験場だと思っている。
1)サプライチェーンを短くする。安定化するためにサプライチェーンを短くし、地産地消を加速させ、サーキュラーエコノミーとリユース・リサイクルとともに地産地消で過ごすための社会保障や労働の形とはどういうものか
2)デジタルで定在する遊牧民のようにエネルギー負荷を減らすために、デジタルを骨子に据えてどのように労働の自動化や、その関連技術の制限、規制や規制緩和をかけていくか。
3)ライフスタイルをどうやって大切にしていくか

(笠木氏)
社会保障は、私たちが抱えるニーズ、社会や経済の情勢、人口の動態に依拠して、その都度、構築されていかざるを得ず、翻って構築された社会保障が私たちの将来に向けた働き方やライフスタイル、あるいは家族の在り方に大きな影響を長期にわたって及ぼしていく。
その視点から、多様な働き方やライフスタイルに中立的な社会保障は一つ重要な視点。
さらにそれを超えて、将来に向けて社会保障がどういった現代的な価値や理念を体現して、将来世代に提案していけるのか、長期的な、未来志向の議論があってもいい。

(香取氏)
社会保障改革は、十数年にわたって清家座長、増田座長代理の下で様々な会議が行われてきた。
1)社会保障改革の問題は経済、財政、社会保障を一体で考えることが必要。経済や財政が抱える様々な問題は言わば社会保障制度の与件であり、例えば分配の歪みや格差の問題を解決していくことができないと、社会保障への負荷が非常に大きくなる。
同時に社会保障を通じて様々な経済社会の問題を解決していくこともでき、経済・財政・社会保障はそういう関係にあり、一体で考えることが必要。
2)どうしても国民生活に関わる問題なので、改革をするたびに政治争点化する。それがないよう、社会保障の問題は超党派で考えるという視点が必要で、大きな視点で議論が進められればよい。

(菊池氏)
全世代型社会保障の在り方を考えるに当たり、年金、医療、障害福祉、生活保護等の審議会等の議論に参加しているが、給付と負担の在り方の議論がともするとそれぞれ別個に行われ、そこで完結している印象を受けている。
横串で刺して、制度横断的に議論する視点がもっと必要であり、この会議で大局的な議論がなされることを期待している。
介護職の処遇改善の必要性について強調したい。まずこれまでの処遇改善加算の取組とその効果について検証し、分析することが必要。
医療分野とは別に、介護・福祉分野における専門職性と経済的評価との関係づけをどう考えるかという問題も。
障害福祉分野も公的価格が設定されており、ぜひ検討対象に入れてもらいたい。

(熊谷氏)
急速な高齢化の進行に伴い、医療・介護の費用が増加し、これを支える現役世代の保険料負担が非常に重くなっている。賃上げを行っても、保険料の増加で相殺され可処分所得が伸びず、消費に回らない。
2000年度から2019年度にかけて、実質雇用者報酬は10.4%増加したが、企業と雇用者の社会保険料を除くベースでは、2.4%増にとどまった。
「人生100年時代」では負担能力のある高齢者は支え手に回り、現役世代の負担増を抑え、その財源の一部を使用して少子化対策を行う全世代型社会保障改革を進めるこが、岸田政権の公的な分配戦略の柱になるべき。
社会保障改革は「新しい資本主義」の中核であり、「全世代型社会保障改革なくして成長と分配の好循環なし」だ。現役世代の将来不安を解消し、社会保障制度の持続性を確保することが重要。

(権丈氏)
年金における勤労者皆保険という言葉の意味と意義が広く理解されるようになってきた。
勤労者みんなに厚生年金をは優先順位が高い政策であり、ぜひとも実現してもらいたい。
高齢者向け給付である医療、介護、年金保険の持続可能性を高めるために、これらの社会保険自らが少しずつ拠出して、子育てを支える方策が有効・得策である。
人を見ると、労働者というよりも消費者に見えて、消費者として国民経済にどれだけ貢献しているかに関心がある。
そういう意味で、看護・介護・保育という、今やこの国の主要産業の人たちに購買力を分配しようという公的価格評価検討委員会はいい試み。
有事のための改革は2013年の社会保障制度改革国民会議以来、平時に進められていた改革のスピードアップであるという理解に落ち着いてきている今、従来の手法とは異なる手法、かかりつけ医の制度的普及策を考えたり、国保の都道府県化の徹底、地域医療構想における都道府県の責務と権限の明確化・強化をはじめ、実効性ある手法への転換が求められている時代に入ったことを実感している。

(國土氏)
医療の提供体制については平時・有事両方に対応できる体制がまだ日本は不十分であるという話があった。
一番の問題は人材であり、箱を幾らつくっても人材がいなければ、高度医療のキャパシティを増やすことはできず、これに結びつく社会保障改革をお願いしたい。
コロナ禍において一番負担がかかったのは看護職であり、その待遇について今回検討があるが、救急医療への負荷の軽減についても検討を。
加えて、日本の医療のIT化の遅れが問題であり、医療データの活用が、結局は医療経済的にも有利であるということを、電子カルテの改革を含めて強調したい。

(高久氏)
専門は医療経済学で、コロナ禍の医療提供体制の分析などをしていた。
全世代型社会保障構築会議については、納得感のある全世代型社会保障にするということが重要。
パッチワーク、寄せ木細工のような医療保険制度であり、保険料の非常に低い企業が温存されたまま2022年に至っている。
賃上げのこともあり、整合性がどうかは分からないが、納得感を高めて、払う人の満足感を高めるような社会保障改革にしていかないと、持続可能にならない。

(田辺氏)
社会保障部門は、マクロ経済において、占める比重が非常に大きく、これを適切に運営することが経済の成長と分配に欠かせない。
特に医療・介護制度は、そのリスクを分散することにより、一人一人の生活、社会全体の安定にも欠かせない。
この役割を次の世代でも果たせるように、適切に道筋をつけていくことが重要。
他方、財政は厳しい時期を迎えることが予想され、サービスや給付面・負担面にも国民の納得と信頼を得る必要が。将来需要などを適切に試算し、課題を正面から見据えながら、コンセンサスを形成していくための丁寧な議論を進めていく必要。
公的価格については、適切な賃金水準を保障して、キャリアパスを見通せるものとすることにより、ケアを担う人材を長期的に確保する必要がある。

(土居氏)
2024年度は診療報酬改定、介護報酬改定の同時改定、年金の財政検証を予定している。
2024年直前になって慌てて弥縫策を講じるのではなく、この会議でそれまでに十分な準備を備えて、新しい資本主義と整合的な社会保障改革の実現を議論していく必要。
新しい資本主義とどう関連づけるかでは、給付と負担の予見可能性を高めることで将来不安を解消し、現役世代の負担軽減と手取り所得の増加をもたらし、社会保障と財政の持続可能性を高めるような制度改革を行うことが重要。

(沼尾氏)
地方財政の観点から社会保障の問題について考えていきたい。
持続可能な地域づくりを考えたとき、その地域に安心して住み続ける、あるいは働き続けることができる環境を考えると、対人サービスをはじめとする社会保障、あるいは年金といった所得保障は大変重要。
ところが、財源手当はあっても、そのサービスを給付する担い手が地域にいないためなかなか安心できる環境は得られない。
実際に困っている人々がいても、これだけの行政施策があることに気づけていない、アクセスできていない。
そこにいかに必要な情報を届けて、必要な支援につなげるかという体制整備が大変重要。
そういった点では、地域の様々な専門職、コミュニティー、自治体がきちんと連携し、情報共有しながら地域共生社会をつくっていくという仕組みを社会保障制度の枠の中でも整えていくことが重要。
例えば医療でも地域医療構想の推進で、専門職を含めた医療機関等での連携の仕組みをつくっていく話があるが、地域の担い手が集い、連携して仕組みを考えていく取り組みが大切。

(水島氏)
働き方に中立的な社会保障や税制、勤労者皆保険の実現の方針に基本的に賛同。
人々が収入を得る、生活をするために雇用労働は中心的役割を果たしており、被用者保険の適用範囲の拡大は重要。
近年、プラットフォームを経由した働き方やインターネットを通じて自分が作成した商品を販売し利益を得るなど、雇用労働によらない働き方で収入を得ることが可能となっている。
まずは勤労者皆保険の実現が重要だが、未来社会に向けた、雇用を軸としない社会保障に向けた展望や検討も必要。そのために、勤労者、働くことの概念の見直し、再検討が必要。

(横山氏)
労働経済学者、2歳の子を持つ若手世代として。子育てについての社会保障の権利性を高めるべき。
男性の育児休業の取得促進や病児保育支援、フリーランスの保育利用の円滑化など、共働き世帯や柔軟な働き方をする世帯の子育て環境を向上させることが、労働力増加と少子化対策に有効であると認識。
生活保護については、現行制度では就業調整が発生しており、もっと働きたいという意欲や能力があるのに、一定の労働時間に制御したり、就業調整が可能でない場合には就業をしないという選択をするケースさえ存在。就業調整の閾値となる額を稼ぐことや無就業が常態化することで、保護からの脱却がしにくくなることを危惧。
配偶者控除や在職老齢年金も含め、就労を阻害する要因を見直していくべき。

第1回合同会議発言内容から

 有識者メンバーの1分間発言には、さして新鮮味はありません。

 唯一ユニークな視点からの問題提起は、落合陽一氏の発言。
 人口減少社会を人口収れん社会と言い換えて、三つの実験場の一つに、
「安定化するためにサプライチェーンを短くし、地産地消を加速させ、サーキュラーエコノミーとリユース・リサイクルとともに地産地消で過ごすための社会保障や労働の形とはどういうものか」を課題としている点。
人口減少社会における社会保障制度の在り方の中に、「地産地消」を持ち込む発想、デジタルやライフスタイルと結びつけて考えることを提起しています。

 実は、当サイトも主張する、日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金制度は、社会保障制度改革の基軸に位置付け、日本の一つのローカルとして、自給自足、需要供給自国内循環社会経済システムの構築をめざすとしています。
 この考え方と落合氏の視点が少し重なっているように思えるのです。

 他では、就労所得がある人すべての保険加入、すなわち勤労者皆保険制の採用が近々具体的に議論されると、この発言集から読み取れます。
 この考え方も、実は、ベーシック・ペンション実現時の要件の一つという点で共通です。
 但し、働いている人にも働いていない人にもすべてベーシック・ペンションが給付されるという点で、全く異なる制度における皆保険制度であることは言うまでもありません。

全世代型社会保障検討会議から、全世代型社会保障構築会議へ

 ところで、岸田内閣において設置された「全世代型社会保障構築会議」は、前安倍・菅内閣時の 「全世代型社会保障検討会議」を一応バージョンアップしたものと言えるでしょうか。
「検討」期から「実現」期に入ったと見ればですが。
 そこで念の為、政府の資料を用いて、「検討」期の会議概要を確認してみます。

これは、当時のメンバーと会議の開催・報告とりまとめ記録

以下が、閣議決定をみた中間報告と年間報告。

そして、菅内閣時の最後の開催となった、関連する社会保障制度改革推進会議の有識者意見の総括が以下です。


この内容で、全世代型社会保障制度改革で検討し、実現すべき方向性・課題が、検討会議レベルのまま引き継がれるよう示されていることが分かります。

そして、このように構築会議に向けて引き継ぎ方針をまとめているのです。

第1回全世代型社会保障構築会議・公的価格評価検討委員会合同会議、岸田総理総括挨拶から

 すぐ上の図の最後にある岸田首相の、国会における所信表明演説内容に、今回取り上げた第1回会合における以下の首相総括挨拶を繋ぎあわせて頂ければと思います。
 その流れは、前2政権下の全世代社会保障改革政策と基本的に変わることはなく、新たに参加した有識者メンバーの初回の発言で、これからの流れも既に決まっているかのように感じられてなりません。

(岸田内閣総理大臣:まとめの挨拶)
公的価格の在り方を見直し、看護・介護・保育・幼稚園などの現場で働く方々の収入を引き上げていくこと、また、子供から子育て世代、お年寄りまで、誰もが安心できる全世代型の社会保障を構築していくことは、私の掲げる分配戦略の大きな柱
中でも、看護・介護・保育・幼稚園などの現場で働く方々の収入の引上げは、最優先の課題
その第一歩として、民間部門における春闘に向けた賃上げの議論に先んじて、今回の経済対策において、必要な措置を行い、前倒しで引上げを実施する。

公的価格評価検討委員会においては、その後の更なる引上げに向けて、各制度における公的価格の制度の比較、処遇改善につながる制度の見直し、処遇改善目標などを議論し、安定財源の確保と併せた道筋を考えてもらい、年末までに中間整理を取りまとめてもらいたい。

全世代型社会保障の実現に向けては、どんな働き方をしても安心できる勤労者皆保険の実現や、効率的で、質が高く、持続可能な医療提供体制の実現など、課題は山積している。
全世代型社会保障構築会議においては、人生100年時代にふさわしい、全ての方が支え合う、持続可能な、全世代型社会保障制度の構築に向け、議論してもらい、それも踏まえ、取組を前に進めていく。

 唯一違いを見出すとすれば、賃金の引上げに対する首相の熱意でしょうか。
 その狙いが、需要増に結びつけるべく経済対策を念頭に置いたものか、それらのエセンシャル・ワークの正当な評価を重視することにあるのか、どちらでしょうか。
 それは、今後の「公的価格評価検討委員会」での議論を通じて明らかになるのかもしれません。
 次回、この公的価格評価とその検討委員会について、今回の第1回会合とそこで用いられた資料から、考えることにします。

 なお、繰り返しになりますが、岸田政権下のこの新たな2つの会議の動向を、会議後の公開情報を用い、当サイト提起の<社会政策2050年長期ビジョン・個別重点政策>と擦り合せすることで、評価・考察し、必要があれば当サイト提案内容の見直しも行なっていく予定です。
 当然、「全世代社会保障制度」のロジック自体の批判をベースにしていることは、昨年の当サイトでの方針と変わらないでしょう。


真の社会保障制度改革の在り方と内容の提案へ


 問題は、いわゆる有識者の集まりの在り方と議論の内容への評価と、野党の意見・動向、そしてマスコミの論点などとも擦り合わせて考える必要があることです。
 とすると、やはり、真の改革とは何か、どういう方針・手法でそれが実現可能になるのか、という考察が不可欠であることを肝に命じての作業になるのは当然と心得ています。


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