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貧困政治での生活保護制度と困窮者自立支援制度の取り扱いに疑問:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー3

 宮本太郎氏著『貧困・介護・育児の政治 ベーシックアセットの福祉国家へ』(2021/4/9刊) を参考に、社会保障政策視点からは当サイトで、ベーシックインカムの観点からは、 http://basicpension.jp でシリーズ化して投稿を進めています。

 ベーシックペンションサイトでは、これまで以下の2回を。
ベーシックアセット提案の宮本太郎氏のベーシックインカム論-1(2021/8/20)
ベーシックアセットとは?:ベーシックアセット提案の宮本太郎氏のベーシックインカム論-2(2021/9/4)

 当サイトでは以下の2回を。
福祉資本主義の3つの政治的対立概念を考える:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』序論から(2021/9/3)
増加・拡大する「新しい生活困難層」:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー2 (2021/9/5)

 今回は、<第2章 貧困政治 なぜ対応できないか>を取り上げます。

第2章 <貧困政治 なぜ制度は対応できないか>から

 この章は、以下のように展開されています。


第2章の構成

1.生活保障の揺らぎと分断の構図
 ・トリクルダウンはもう起きない
 ・もはや頼れない家族とコミュニティ
 ・空転する社会保障
 ・分断の構造
 ・分断と不信の相互作用
2.貧困政治の対立軸
 ・貧困政治の選択肢
 ・新自由主義における就労義務化
 ・「第三の道」の就労支援
 ・北欧型福祉と社会的投資
 ・ベーシックインカムの台頭
 ・ ベーシックインカムの機能を決めるもの
 ・4つの選択肢と3つの立場
3.日本の貧困政治と対立軸の形成
 ・福祉政治のパターン
 ・新自由主義の出現
 ・対抗軸の形成
 ・ 中曽根改革・小泉改革と「三重構造」
 ・ ワークフェアの空回り
 ・「磁力としての新自由主義」とは何か
4.「社会保障・税一体改革」と貧困政治
 ・ 民主党政権とベーシックインカム型生活保障
 ・ 「社会保障・税一体改革」 の始まり
 ・ 民主党政権と一体改革
 ・一体改革と貧困政治
 ・一体改革と信頼醸成の困難
 ・ 自民党の生保プロジェクトチーム
 ・生活困窮者自立支援制度
 ・ 社会的投資の新しい可能性
 ・ベーシックアセットの保障へ


 これをもとに再編集して、以下本稿を進めます。


生活保障の揺らぎと分断の構図

 前回の
増加・拡大する「新しい生活困難層」:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー2 (2021/9/5)
で指摘されていた日本の生活保障の三重構造と新しい生活困窮者問題。
 その中での「磁力としての新自由主義」が機能しなかったことをまず指摘します。
 経済成長を優先しその果実を社会に行き渡らせ、貧困解決に貢献するという「トリクルダウン」の主張。
 それは、国内産業の海外移転により、新興国の中間層の所得増を実現したが、国内への果実はもたらさず、デフレ経済の長期化、非正規雇用の増加、労働所得の減少など反対の方向に作用してしまいます。

 もう一つは、当然視されていた家族とコミュニティの役割が少子高齢化・未婚率の高まりと単身世帯化、地方の人口減少などで機能しなくなっていること。
 その事情は、前回の記事内でも述べました。
 それを家族主義幻想、コミュニティ幻想と私は言っています。

 加えて、従来の社会保障制度への不信も増幅し、社会の分断が進んでいることを指摘します。
 具体例を上げると、「国民生活基礎調査」において2018年の相対的貧困率は15.4%で先進国中高く、その基準である所得の中央値の半分の水準である<貧困線>が、1997年の149万円から同年には127万円へと上がるどころか、下がっているのが現実です。
 生活が「大変苦しい」24.4%、「やや苦しい」33.3%、合計57.7%という厳しい結果に。
 これは、所得が上がらない現状であっても社会保険料負担が年々上がり続け、社会保険制度・社会保障制度への不公平感と不信感を高める要因ともなっています。
 貧困の政治が機能せず、前回の課題であった<新しい生活困難層>の拡大と格差の拡大がもたらした必然的な結果と言えます。

 そこでの格差は、
・相対的に安定した形で就労し社会保険制度の給付を期待できる層
・新しい生活困難層
・福祉受給層の
という三層構造を形成させ、相互の不信感を抱かせる緊張関係の高まりにより、新たな分断をもたらすことになります。
 その相互不信の要因例として、最低賃金で働く人の収入よりも生活保護受給者への支給が上回る場合があること、正規雇用と非正規雇用の賃金などの処遇差別、同一労働同一賃金制議論における正規雇用者の所得引き下げ圧力への不安・不満など、理解できる面もあります。
 一方に配慮すればもう一方にマイナスの影響を及ぼす等、三層構造間の不安・不信の自動生成システム化ともいうべき様相を呈し、そこに、後述する<税・社会保障一体改革>の自縄がからみつき、政治舞台での解決の可能性を遠ざけていると言えます。


貧困政治の選択肢としての4つの対立構図とベーシックインカム

 貧困政治を膠着化させている生活保障政策における投入資源を、<支援型サービス給付の強弱><所得保障(現金給付)による所得水準の高低>の組み合わせとしたとき、
1)新自由主義(弱低) 2)北欧型福祉(強高) 3)第三の道(強低) 4)ベーシックインカム(弱高)
の4つのいずれかが選択されると考えることができます。
 その4つの各構図の特徴については以下簡単に述べるにとどめます。

1)「新自由主義」と就労義務化
 困窮と格差の解消方法として、トリクルダウンに固執し、サービスも現金給付も抑制する。
 新しい生活困難層の福祉受給層への反発もテコにし、福祉受給層へのターゲットを定め、給付を減額するなどの「ムチ」の施策で就労を求める「ワークフェア」を進める。

2)「北欧型福祉」と社会的投資
 支援型サービスも現金給付も共に重視する。
 もともと「新しい生活困難層」や固定的な福祉(公的扶助)受給層をうまないことをめざした。
 安定就労層へ働きかけ、リカレント教育(生涯教育)と職業訓練で知識や技能をアップデートし、失業などで貧困に陥らないよう社会的投資を重視した仕組みだった。
 しかし、すでに新しい生活困窮層や固定的な福祉受給層が定着している国にこの施策を適用しようとすると、困窮層が制度をうまく利用できない「マタイ効果」現象が生じる可能性がある。
 また、一般的に北欧型福祉は「高福祉高負担」として定着・評価をみており、一気にそれをモデルとすることは困難であることも理解されている。

3)「第三の道」と就労支援
 支援型サービスを強化するが現金給付は抑制する、アングロサクソン諸国の社会民主主義勢力が採った路線。
 同諸国の社会民主主義は当初旧来の福祉国家路線でもある選別主義的福祉を進めてきたが、新しい生活困難層や安定就労層からの反発と新自由主義の台頭により、第三の道を選択した。
 アメリカ及びイギリスのブッシュ・サッチャー政権、ジョン・メージャー政権と続いた新自由主義と旧来型福祉国家双方を克服すべく選択された「第三の道」だったが、すべてをいいとこ取りすることの難しさは当然だった。
 結局、財源問題への直面やワークフェア政策の採用など、従来の問題への回帰を已む無くし、明確な成功モデルは確立できないままである。

4)「ベーシックインカム」の台頭とその背景
 「第三の道」路線が欧州の社会民主主義に広がるなか、これに対する反発もあり、支援型サービスを否定しないまでも、まずは、安定就労層、新しい生活困難層、福祉受給層すべてに、一律の現金給付を行う「ベーシックインカム」を掲げる勢力が増大した。
 その要因は、新自由主義に対抗するはずの「第三の道」の考え方が、逆に新自由主義に接近してしまったことへの反発が、「北欧型福祉」再評価に繋がる一方で、ベーシックインカムに向かわせたことにあるとされます。
 その事情と、他の3つの対立軸との関係性などについては、ベーシック・ペンションサイト http://basicpension.jp で紹介し、少し考察を加えることにします。
 

 なお、本章のこの項では、この貧困政治に関する4つの対立構図は、事例として提示されている各国の政治プロセス、政治記録が、政権の歴史に沿って詳述されていますが、ここでは、省略し、重点要素のみ引用加工しています。
 ご了承ください。

 


日本の貧困政治と対立軸の形成

 次に、上記標題の下で、前項で提示された4つの貧困政治の対立軸が、日本ではどのように成立し、実政治として行われたか、政権の推移と重ね合わせ、かつ宮本氏自ら政治に関与した経験も用いながら展開しています。
 但し、ここでもその歴史記録性は弱め、本質的・根源的な事象とその背景・要因に絞って整理することにします。

 旧来型日本型生活保障の三重構造の完成以後、中曽根・小泉政権により新自由主義的福祉改革における貧困政治としては、生活保護の給付抑制や生活扶助基準の見直しが、不正受給の排除と共に進められたのが特徴です。
 ただ、1986年段階で保護が開始された世帯類型は、高齢世帯13%、母子父子世帯18%、傷病世帯・障害世帯54%、その他世帯15%で、すでにこの段階で、生活保護受給者は、就労困難層が中心で、ワークフェアを進めるほどのことでもない状態にあり、要するにただ給付額の減額とさらなる対象者の絞り込みという、ある意味、現在にも通じる悪質性があったのです。

 一方、個人の自立・自助を打ち出した新自由主義的潮流に対して、それとは異なる福祉理念の刷新を実現する流れが、当時の厚生省、学者・研究者、全国社会福祉協議会など福祉団体のなかから起こってきたとします。
 そこで提起された「社会福祉改革の基本構想」として、「社会福祉の普遍化・一般化」、「福祉供給体制改革」、「人々の自立と連帯の支援」が掲げられたことを強調しています。

その後の生活保障・貧困政治の背景と実態


 先述した新自由主義的貧困政治では、生活保護をめぐる現実を紹介しましたが、それを含め、結局、「福祉から就労へ」というワークフェアの空回り、失政を意味します。
 それは、生活保護の加算廃止、児童扶養手当法(改悪)、元来福祉給付がなかった若者就労支援政策の失敗等で確認できました。

 しかし、こうした新自由主義的福祉策を進めさせた要因、すなわち「磁力としての新自由主義」が容認される以下の3つの土壌・構造があったことを宮本氏は指摘しています。

1)<恒常的財政危機>を喧伝し、その考え方が共有され、国民の多くに浸透した
2)<生活保障と税制への国民の強い不信>にあり、それは、①納税者への還元の弱さ ②制度不信の深さと強さ ③税の循環のみえにくさ に拠るもの
3)<社会民主主義的支援策の推進を妨げる生活保障制度自体の二重の縦割り構造>、即ち、①雇用と福祉の縦割り ②福祉制度自体の縦割り
 
 こうした指摘は、当然今日的状況をも示していることをしっかり確認し、今後の在り方を考える上で有効に活用すべきことは言うまでもありません。


「社会保障・税一体改革」の自縄自縛とミスリードが社会保障政治変革への取り組みを停止させた


 本章第2章の最後の第4節は<「社会保障・税一体改革」と貧困政治>とされています。
 この命題に手を加え、 <「社会保障・税一体改革」の自縄自縛とミスリードが社会保障政治変革への取り組みを停止させた>としました。

 この節の流れは、<民主党政権とベーシックインカム型生活保障>、<「社会保障・税一体改革」 の始まり>を起点として、以降<民主党政権と一体改革>、<一体改革と貧困政治>、<一体改革と信頼醸成の困難>、<自民党の生保プロジェクトチーム>と受け継がれ、<生活困窮者自立支援制度>と展開(転換)され、<社会的投資の新しい可能性>と結論付けられます。

 ある意味では、現在の貧困政治の抱える問題の責任は、自公政権のみならず、民主党政権にもあったことが示されているわけです。
 その根本的要因が「社会保障・税一体改革」。
 そこにあり、そこにしかない、というのが私の考えです。

 本章で各命題ごとに時の政権の政策が詳述されたように、本節でも極めて詳しく歴史が記録・記述されています。
 しかし、それらにどれほどの意味があるか。
 それらの失政が、今日にどれほど活かされているか。

 本章のタイトルは、<貧困政治 なぜ制度は対応できないか> であり、「なぜ制度は対応できないか」としており、貧困政治の貧困さを示しているわけです。
 その理由は、政治的な対立よりも、むしろすべてにおいて「社会保障・税一体改革」を共通の前提として貧困政治に対峙しているためと言えるのではと思っています。
 社会保障、生活保障ニーズが超少子化・超高齢化、単身世帯化・小世帯化、非正規雇用化等が縮小する経済、 長期化するデフレ経済、コロナ禍等で高まる中、 「社会保障・税一体改革」一辺倒は、限られたパイを世代間や格差間で取り合うゲームです。
 その取り合いの理由付けに、政治的な対立軸が使われているだけ。
 虚しく、寂しい政治が長く続いている現状です。

 宮本氏は、これまでの福祉政策、生活保障政策に関わってきた経緯からも、 「社会保障・税一体改革」を失敗政策とは絶対に認めないでしょう。
 しかし、あくまでもそれにこだわるならば、所得の再分配改革を思い切ったレベルで行うことが絶対不可欠です。
 そして、そのためには、「貧困政治」や「社会保障・社会福祉政治」という個別政治領域課題にとどまらず、根本的な社会経済システム、国家財政システムの変革と直結する「所得の再分配」政治改革に踏み出し、踏み入れる必要があるのです。
 その方法・方策の必要性を掲げるか、その内容を提案するか。
 それが、本節最後の<ベーシックアセットの保障へ>で、可能ならば、それでよしとすることができるのですが、果たして・・・。

 その内容は、<社会的投資の新しい可能性>及び先述した<ベーシックインカムの台頭>とセットにして、別サイト http://basicpension.jp に引き継いで取り上げ、考察・評価することにします。

生活困窮者自立支援法をめぐる見解と今後の貧困政治への懸念


 2015年4月に施行された「生活困窮者自立支援法」。
 この法律の元となったのは、社会保障審議会に、2012年4月に設置された、宮本氏が部会長を務めた「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」が翌13年1月にとりまとめた報告書だったとのことです。

 実際に同法を読むと、その<基本理念>
1.生活困窮者に対する自立の支援は、生活困窮者の尊厳の保持を図りつつ、生活困窮者の就労の状況、心身の状況、地域社会からの孤立の状況その他の状況に応じて、包括的かつ早期に行われなければならない。
2 生活困窮者に対する自立の支援は、地域における福祉、就労、教育、住宅その他の生活困窮者に対する支援に関する業務を行う関係機関
(以下単に「関係機関」という。)及び民間団体との緊密な連携その他必要な支援体制の整備に配慮して行われなければならない。
とあります。

 そしてそこでは「生活困窮者自立相談支援事業」、「認定生活困窮者就労訓練事業」、「生活困窮者住居確保給付金」、「生活困窮者就労準備支援事業」、「生活困窮者家計改善支援事業」、「生活困窮者一時生活支援事業」、「子どもの学習・生活支援事業」などの事業を自治体が担うことを規定しています。

 宮本氏は、この法律の主な特徴は以下の3点としています。
1)新しい生活困難層を支援対象とする
2)福祉制度自体の縦割りと福祉と雇用や住宅の分断という自治体の二重の縦割りを克服した包括的支援を包括する
3)やみくもに一般的就労を求めず、中間的就労も設定する

 加えて、こう断り書きをしています。

 誤解のないように予め強調しておけば生活保護費の削減とこの制度は連動しているのではなく、むしろ逆方向を向いている。
 本制度は、保護受給者の就労を強要するワークフェアではない。
 保護を受けていない「新しい生活困窮者層」を主な対象として、多様な支援を行う仕組みである。
 必要な場合は生活保護につなぐこともこの制度の役割である


 敢えてある意味自己弁護をしているかのように聞こえてしまうのですが、このことから私がこの制度から感じるのは
1)従来の福祉受給者問題の改善には到底至らないこと。とりわけ、生活保護制度の改悪と本法との関連性が曖昧であり、生活保障制度全体体系を複雑にすること
2)運用管理を自治体の責任としていることで、財源や人的資源等において、自治体単位ごとの違いが大きく生じること
3)軸をワークフェアとしていることが明白だが、敢えて広範に適用可能な領域に設定することで、対象者が不明確になり、適用案件と件数にバラツキが生じ、実際の適用に結びつかない可能性があること
4)支援を受ける対象者及び受けることを希望する住民にとって、決して分かりやすい、利用する上でのバリアが低く感じられるものではないこと
5)生活保護受給の橋渡し機能を担うことは、現実の生活保護制度の運用管理上問題となっている種々の要素を考えると、とても期待できるとは思えないこと
などです。



生活保護制度の貧困政治課題での取り扱いレベルの問題


 上記の最後の指摘については、保護受給要件を満たしながら、ミーンズテストやスティグマなどの問題から、実際には受給しない人の捕捉率の低さの問題を想定しています。
 これは、自助を前面に押し出す政策を旨とする新自由主義自民党政権下、種々理由をつけて支給額の削減を進めてきていることへの最大限の反対の意思表示と問題の改善・解決策の提案を、政策に関与する学者・研究者は行うべきと考える所以でもあります。

 新しい生活困難層への新しい政策の枠組みが、生活困窮者支援法。
 その成果・効果については、制度施行から既に6年経過しているのですが、さほど話題になったことがないという印象・感覚があります。
 むしろ、ベーシックインカム導入論者の意見に、必ず生活保護制度に関する問題提起が行われ続けていることを考えると、「新しい生活困窮者」という捉え方、概念そのものが、現実の貧困や格差問題の指摘の多さ・大きさに比して浸透していないことを問題とすべきと考えるのです。

社会的投資の新しい可能性とベーシックアセット提案へ


 そうした基本的に偏った考察を続け、生活保護制度に関する問題はそこそこに、新しい生活困窮層に対しての政治として、社会的投資の提案とその可能性をアピールした上で、ベーシックアセットの提案に進みます。

  社会的投資とは、このように人々の力を引き出し高めながら社会参加を広げていく福祉のかたち
(参考)
福祉資本主義の3つの政治的対立概念を考える:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』序論から(2021/9/3)

 <投資>ですから、アセットであり、ベーシックアセットの構成要素の一つに組み入れられることになるわけです。
 もちろん「生活困窮者自立支援法」は自治体が運用主体。
 そのため社会的投資も地域密着型のものとなります。
 その特徴は
1)サービス給付面では、包括的相談支援
2)支援でつなぐ先は、オーダーメード型の雇用と、一次産業を含めた兼業や副業、地域の居場所の確保等で
3)方法は、多様な働き方による低所得を補う補完型所得保障

にあるとしています。

 こうした仕組みが、ベーシックアセットの要素になっていくのですが、その関係性と展開についての確認は、繰り返しになりますが、当記事を引き継ぐ形で、次回関係サイト http://basicpension.jp で行うことにします。

 当サイトでの次回のテーマは、<第3章 介護政治 その達成と新たな試練>になります。

(参考):本書 『貧困・介護・育児の政治』の構成

第1章 「新しい生活困難層」と福祉政治
 1.転換点となった年
 2.日本型生活保障の構造
 3.何が起きているのか?
 4.政治的対立の構図
 5.貧困、介護、育児の政治をどう説明するのか
 6.三つの政治の相関
第2章 貧困政治 なぜ制度は対応できないか
 1.生活保障の揺らぎと分断の構図
 2.貧困政治の対立軸
 3.日本の貧困政治と対立軸の形成
 4.「社会保障・税一体改革」と貧困政治
第3章 介護政治 その達成と新たな試練
 1.介護保険制度という刷新
 2.分権多元型・市場志向型・家族主義型
 3.制度の現状をどう評価するか
 4.介護保険の形成をめぐる政治
 5.介護保険の実施をめぐる政治
第4章 育児政治 待機児童対策を超えて
 1.家族問題の三領域
 2.家族政策の類型
 3.児童手当をめぐる政治
 4.保育サービスをめぐる政治
第5章 ベーシックアセットの保障へ
 1.福祉政治のパターン
 2.社会民主主義の変貌とその行方
 3.ベーシックアセットという構想

(参考)当サイト提案:社会政策 長期ビジョン及び短中長期重点戦略課題

1.社会保障・社会福祉制度改革
1-1 社会保障制度体系改革
1)ベーシック・ペンション導入に伴う社会保障制度・福祉制度体系の再構築
2)社会保障制度改革:健康保険・介護保険制度統合、国民年金制度廃止・厚生年金制度改定、児童福祉・障害者福祉制度改正、生活保護制度対策他
3)労働政策・労働保険関連制度改革:労働基準法解雇規制改正、雇用保険法改正、非正規雇用転換制改正、最低賃金法改正、労災保険改正等
4)社会保険制度改革、世代間負担公平性対策、関連所得税改正、その他社会保障制度体系再構築に伴う関連法律の改定
1-2 ベーシックインカム導入及び関連各種制度・システム包括的改定
1)日本独自のベーシックインカム、専用デジタル通貨JBPCによるベーシック・ペンション生涯基礎年金制度導入
2)ベーシック・ペンション導入に伴う関連諸制度・法律の改正・改革
3)ベーシック・ペンション確立までのベーシックインカム段階的導入
4)ベーシック・ペンション導入のための日本銀行改正、JBPC発行・管理システムの開発・運用化
1-3 社会保障・社会福祉行政改革(公的サービス事業公営化促進、公務員化)
1)ベーシック・ペンション導入、社会保障制度体系改革に伴う行政官庁再編、組織・業務改革
2)国・公営サービス事業再編:利益追求型社会サービス事業の一部国公営事業転換、社会福祉法人等の再編
3)社会保障・福祉資格制度の拡充、キャリアプログラム開発
4)社会保障・福祉関連職公務員制度改革

2.保育政策・子育て支援政策、少子化対策・こども貧困対策
2-1 少子化対策、人口減少社会対策

1)経済的支援ベーシック・ペンション導入による婚姻率・出生率向上(児童手当制度廃止拡充転換を伴う)
2)保育制度・保育行政改革、子育て支援システム拡充による総合的少子化政策推進
3)地域別(都道府県別)少子化対策取り組み策定と国による支援
4)長期人口減少社会計画策定(国家及び地方自治体)と取り組み・進捗評価管理(人口構成、外国人構成等)
2-2 保育制度・保育行政
1)5歳児・4歳児保育の義務化
2)保育施設再編及び同行政組織再編
3)学童保育システム確立、待機児童問題解消
4)保育士職の待遇、労働環境・条件など改善
2-3 子育て支援システム
1)地域包括子育て支援センター組織・業務機能拡充
2)子どもの貧困解消総合政策(ベーシック・ペンション児童基礎年金導入他)
3)孤育、ひとり親世帯、孤立世帯支援行政システム・体制整備拡充
4)関連NGO等民間地域ネットワーク拡充支援

3.教育制度改革
3-1 義務教育改革
1)5歳児・4歳児義務保育制導入
2)教育格差改善・解消対策、学童保育問題、いじめ・自死対策
3)新教育基本法改正、教科・教育方法改訂
4)教員支援改革
3-2 高等学校教育改革
1)高等教育改革(高校専門教育課程・専門高校多様化拡充)
2)起業・経営専門スキル、IT、AIスキル教育課程拡充
3)学生交流・交換留学等教育国際化推進
4)ベーシック・ペンション学生等基礎年金、特別供与奨学金制度による経済的支援
3-3 大学・大学院教育改革、留学・社会人教育、生涯教育基盤拡充
1)大学・大学院教育改革、大学・大学院組織改革、研究者支援システム改革
2)(無償供与)特別奨学金制度
3)留学制度拡充支援、グローバル大学育成
4)社会人キャリア開発、高度専門スキル開発教育支援、生涯学習基盤整備拡充

4.ジェンダー問題政策
4-1 ジェンダーギャップ改善政策 
1)総合的ジェンダー政策策定
2)ジェンダー多様性個別政策(LGBTQ、関連分野別)
3)公的個別課題目標値設定及び達成計画立案 、進捗・評価管理
4)民間個別課題目標値設定及び達成計画立案 、進捗・評価管理
4-2 男女雇用・労働格差対策
1)育児・介護支援制度、同休業制度拡充等労働政策改善・拡充
2)男女雇用・賃金処遇差別対策(採用、非正規雇用、正規雇用転換、同一労働同一賃金等)
3)労働基本法関連格差是正対策
4)職場ハラスメント等企業行動規範問題等対策
4-3 家族・夫婦間ジェンダーギャップ社会問題政策
1)夫婦別姓問題、同性婚問題対策・改善
2)共同親権問題、養育義務不履行問題、DV問題対策・改善
3)家庭内性別役割分業問題改善
4)その他ジェンダー問題改善(性行動、性転換他)

5.高齢化社会政策・介護政策
5-1 高齢者年金制度
1)ベーシック・ペンション導入に伴う高齢者年金制度改革:国民年金制度廃止、生活基礎年金支給、厚生年金制度改正
2)厚生年金保険制度の賦課方式から積立方式への転換
3)全給与所得者の厚生年金保険加入制度化
4)遺族年金制度改定
5-2 健康保険制度・介護保険制度改革、介護行政改革
1)後期高齢者医療保険・介護保険制度統合による高齢者医療介護制度改革
2)介護保険制度改正
3)老人施設事業運営改革
4)全給与職者の健康保険加入制へ
5-3 高齢者生活、高齢者就労支援政策
1)地域包括高齢者支援センター拡充(高齢者夫婦世帯支援、単身高齢者世帯支援、高齢者施設等入所支援)
2)高齢者生涯設計支援制度拡充(公的後見人制度、相続問題支援等)
3)健康寿命、認知症対策等支援
4)高齢者就労支援システム拡充

6.各種社会問題克服政策
6-1 貧困・格差対策
1)総合貧困・格差問題対策調査・策定(ベーシック・ペンションを基盤として追加必要政策検討)
2)個別貧困・格差問題取り組み方針・計画立案、進捗・評価管理( 同上 )
3)個別貧困・格差指標及び目標値設定、進捗・評価管理
4)生活保護制度政策、障害者福祉・児童福祉制度政策 (ベーシック・ペンションを基盤として検討)
6-2 いじめ、ハラスメント、孤立問題、自殺問題対策
1)いじめ他各種ハラスメント撲滅対策
2)孤立・引きこもり、孤独社会対策(自殺問題含む)
3)誹謗中傷対策、フェイク情報問題
4)各種人権問題
6-3 刑事・民事犯罪抑止対策
1)特殊詐欺対策
2)サイバー、インターネット犯罪対策
3)個人情報対策
4)緊急時・非常時権利制限政策、凶悪犯罪対策

(参考):ベーシック・ペンション基礎知識としてのお奨め5記事

日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)
諸説入り乱れるBI論の「財源の罠」から解き放つベーシック・ペンション:ベーシック・ペンション10のなぜ?-4、5(2021/1/23)
生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)前文(案)(2021/5/20)
生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)
ベーシック・ペンションの年間給付額203兆1200億円:インフレリスク対策検討へ(2021/4/11)

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