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国土・資源政策

ウィズコロナの2020年に再定義・再構築すべき2050年エネルギー国家戦略:新エネルギーシステム改革-1


当サイトの方針であり課題である、望ましい2050年の社会を創造するために不可欠な、様々な社会システム改革。
その包括的な改革課題の一つを構成すべきなのは、環境問題への対策を含んだエネルギーシステム改革だ。

その視点から、当サイト開設以来、以下を投稿してきた。

電力行政改革によるエネルギーシステム改革-1(2020/3/25)
再生可能エネルギーと水素社会によるエネルギーシステム改革-2(2020/3/26)
アフターコロナで新常態化すべきエネルギーシステム改革-3(2020/6/12)
エネルギーハーベスティングやグリーン水素構想が水素社会創造を側面支援するエネルギーシステム改革-4(2020/6/17)
食料・水・空気・エネルギーの自給自足国家創造へ(2020/4/11)

 


福島第一原発事故で変えるべき環境エネルギー政策を変えなかったツケ


実は、環境・エネルギー問題への関心は、5年以上前から高く、既に閉鎖したブログサイトのカテゴリーの一つとして、その動向を追い、相当のブログを書いてきた。
ごく一部は、http://huma-net.com に移行したが、より多くの記事は、移行せずに廃却してしまった。

それらを漠然と思い起こしても、この5年間、日本のエネルギー事情は、好ましい方向に進んでいるとは思えない。

その妨げになっている最大の要因は、確かに東日本大震災で発生した、福島第一原子力発電所事故にある。
しかし、その悲劇は、大きな教訓として、最もエネルギー政策に活かされなければならないものだったはずだ。

だが、その後の環境・エネルギー政策に関する政治・行政の動きは、望ましいものとは、逆のベクトルで動いてきたと言っても過言ではない。

その後、鳴り物入りで喧伝され、実施されたものに、再生エネルギー固定買取制度(FIT)を起爆剤とする「電力の自由化」政策があった。
しかし、それで一体何が変わったのか。
日常の暮らしに、安心や安全、あるいは利便性・利益等を提供してきたのだろうか。
答えは、「否」である。



コロナ禍を好機として、エネルギー政策の大転換を果たせるか


そして2020年、日本もグローバル社会諸国と同様にコロナ禍に見舞われ、根拠・確信を持てないアフターコロナに焦点を当てることができないまま、ウィズコロナにおける在り方を考えざるを得ない状況にある。

コロナ禍、エネルギーと環境にまつわる社会はどのような影響を受け、どのようにこの先に備えることを求められているのか。

先走って、アフターコロナを想定して、先月以下を投稿した。
アフターコロナで新常態化すべきエネルギーシステム改革-3(2020/6/12)

その中で、
「コロナ禍のエネルギー・環境問題の動静」というサブタイトルで、以下のように記した。

コロナ禍における緊急事態宣言のからみで、環境問題やエネルギー問題が話題となることは、日本ではあまりなかった
しかし、グローバルレベルで、コロナ禍における環境やエネルギーに関する興味深い情報や動向は、取り扱われた

その事例・動向を要約して挙げたのが以下である。

1.事業活動・生活行動などの自粛で、エネルギー消費が抑えられ、温暖化ガスの排出量が著しく減少した。
2.アメリカのシェールガス事業に見られるように、エネルギー需要が激減し、市場価格が大幅に低下。
事業の継続を断念する事例や、原油産油国間で減産調整の動きが起きた。
3.一方、社会経済全体の抑制・停滞で、再生可能エネルギー事業自体への投資も、抑制せざるを得ない国・地域がでた。
4.だが総じて、再生エネルギーへの注目度、傾斜度は増しており、アフターコロナにおけるエネルギー動向の流れは加速するとみられる。

そして、こう結んだ。

整理してみて、特別どうということもない気がする。
既定の路線を進むだけ、と思うのだが、肝心のわが国の動きが、グローバル社会では周回遅れであり、遅れた周回のままのスピードなので、まったく危機感も、改革ニーズを感じることもないかのような政治・行政が続いている。


直接的なコロナ対応に追われる、一部の政治家・内閣官房、官僚・官庁以外のそれら・彼らは、この間一体どうしているのだろう。
とりわけ、環境・エネルギー政治・行政に関わる者や機関は、実際には、最も危機感・問題意識を持って、ウイズコロナ・アフターコロナの時代と社会の在り方を構築すべきはずなのだが。


環境エネルギー政策・戦略の転換・実現に必要な5年・10年スパンのマネジメントサイクル

前述の投稿の4日後には、以下を投稿した。

エネルギーハーベスティングやグリーン水素構想が水素社会創造を側面支援するエネルギーシステム改革-4(2020/6/17)

改革に焦点を当てたというよりも、細かい個々の技術や動向についてのレポートの趣になってしまったのだが、冒頭次のように書いた。

2050年の社会システム改革実現をめざす上でのさまざまな改革課題がある。
それらの実現を支えるインフラとして必要なのは、エネルギーシステム、エネルギー行政システム改革である。
その究極の目標は、脱炭素、CO2フリーの100%水素エネルギー社会の実現であり、100%自産自消エネルギー国家の実現である。
さらに理想の上乗せを図るなら、エネルギーフリー、エネルギー料金がタダの社会の実現となる。


結論じみた内容だが、この視点で、再度、わが国のエネルギーシステムの在り方を、ムダに費やしてしまった10年足らずを同様に繰り返すことがないよう、ウィズコロナの意味を十分に噛み締めながら、検討し、確認し、必要な再定義も行いつつ、方針・戦略・計画としてまとめ上げていくべきと考える。

10年経っても明るい環境エネルギー社会を描くことも、想像することもできない政治・行政をどう変革するのか。
環境エネルギーの直接の取り組みのためのマネジメントサイクル、PDCAを回す前に、政治・行政を変えるためのマネジメントサイクル、PDCAを回す必要がある日本。

1年1年を大切に使っていく必要がある。
とりわけ、先行世代であるシルバー世代は、2050年をゴールデンエイジに導くための時間の使い方を、強く意識し、わずかでも確かな何かを刻み込んでいく必要があるだろう。


ウィズコロナの2020年に再定義・再構築すべき2050年エネルギー国家戦略

ということで、当サイトでの当面の環境エネルギー問題への取り組みを、以下のような課題項目として再定義し、今後、一つ一つ、目標・政策・方向性などとして検討・提起していくことにしたい。

1.電力自由化行政の誤りとエネルギー産業構造
2.電力料金競争の中身とこれから:公平・公正な競争基盤の確立を
3.脱原発を宣言できないエネルギー国家戦略、その政治と行政
4.再生可能エネルギー事業の最近の動向
5.グローバル社会でリーダーシップを取れない脱炭素・脱CO2
6.水素社会実現計画の合意形成を何故できないか
7.自動運転・燃料電池車の自動車産業は新エネルギー社会を牽引できるか
8.企業・自治体の注目すべき新エネルギー対策・エネルギー新技術
9.2050年エネルギーシステム国家戦略構築:自給自足&エネルギーフリー社会の実現へ


順序は前後するかもしれないし、別の括りでの課題設定もありうるだろう。
ただ、コロナが従来とは異なる視点や考え方を必要とするようになったかと問われれば、むしろ、これまでの方向性により確信性を強くし、その取組みを、より一層早める必要があることを示しているように思えること、また思うべきという答えに至るだろう。

心して、取り組んでいきたい。


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