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ベーシック・インカム「生活基礎年金制度」続考


「COVID-19」後、2050年社会システム改革に臨む-5(続):社会保障システム改革-6(続)

前回、社会保障システム改革の基軸とすべきと考えて進めてきている「ベーシック・インカム制度」=「生活基礎年金制度」をポイント制に、と提起した。
ベーシック・インカム生活基礎年金はポイント制で

これまで
◆ 憲法で規定された生存権と「社会保障」:全世代を対象とする社会保障システム改革-1
○○手当は○○年金!?:全世代が年金受給機会を持つ社会保障システム改革-2
所得者全員が年金保険料を!:国民年金の厚生年金統合による社会保障システム改革-3
ベーシック・インカム制の導入を!
ベーシック・インカム生活基礎年金の年間総額、216兆円
社会保障保険制度試論

と展開してきた流れの中での考察だが、前回に引き続き、整理してみたい。


一定額は現金給付、残りはポイント付与のベーシック・インカム生活基礎年金制

前回、生活基礎年金はポイント制で、と提案したが、一定額の現金給付を行った上で、残りをポイント制とする考え方である。
そうでなければ、全額ポイント制にすれば、自由に使うことができる現金がないことになる。
これでは、生活保護制度の代替制度にはなりえない。
また、現状の児童手当の代わりにもならない。

では、現金給付額をいくらに設定するか。
基本的な衣食住コスト、人たるに値する生活をおくるために必要な費用、となる。
その額の考え方はさまざまと思うが、たまたま手元に、介護保険制度に拠る、特別養護老人ホーム、通称「特養」に入所した場合にかかる費用の表があるので、参考にして考えてみたい。


特養にかかる諸費用と生活基礎費用

自治体や地域、施設によって若干の違いはあると思うが、手元にある資料で<要介護3>の要介護者が負担する費用を見てみよう。

費用の内訳項目と月額概算(30日計算)は以下となっている。
・施設サービス費:24,240円 (1日808円)
・居住費:60,180円 (1日2,006円)
・食費(おやつ代含む):48,870円 (1日1,629円)
・日用品費:5,040円 (1日168円)
・その他 若干
その合計は、月額約14万円である。

但し、施設サービス費は介護保険が適用される項目で、自己負担率が1割の場合。収入や貯蓄の額により、2割負担の場合もある。
また、市民税非課税者は、居住費と食費が減額され、合計月額約9万4千円、生活保護受給者は、月額約6万9千円の自己負担となっている。

そこで、生活保護世帯の居住費と食費の自己負担額を、生活基礎年金の現金給付分として、7万円と設定してみる。
但し、配分としては、一日の食費を2千円で月6万円、その他日用品費等を月1万円という構成をイメージしてみた。


ベーシック・インカム生活基礎年金の現金給付と基本控除

先に仮に、と設定した「生活基礎年金」は、月額15万円、年額180万円。
産まれたばかりの乳児から、長命高齢者まですべて給付を受ける。

前回までの提起を手直ししながら、その内訳などを整理していきたい。


<学齢18歳超>(除く、生活保護者)
1)源泉所得税控除:10% 15,000円
2)社会保障年金保険料控除:10% 15,000円
3)生活基礎費現金給付: 70,000円
4)ポイント付与:    50,000円

<学齢18歳以下>
1)保育費・義務教育費・高等教育費負担控除: 50,000円
2)生活基礎費現金給付: 70,000円
3)ポイント付与:    30,000円

<生活保護者>
1)水道光熱費基礎料金控除: 10,000円
2)住宅基礎費用控除:  20,000円
3)生活基礎費現金給付: 70,000円
4)ポイント付与:    50,000円


以下に、補助的な説明を列記する。

・生活基礎年金の現金給付額は、一律7万円
・学齢18歳以下と生活保護者は、所得税と社会保障保険料は負担不要
・学齢18歳以下の保育費・教育費負担は、現状の無償現物給付部分の一部を負担する考え方
・学齢18歳以下の高校・専門学校学生への学費補助もこの負担額でカバー。就労者には、職業訓練などの費用をカバー
・生活保護者の1)2)は、本人が負担している水道光熱費・住宅費の基本料金的な部分を、本人に代わって事業者に支払い代行するもの
・ポイント付与部分については、次項で述べる「キャフェテリア・プラン」制度における社会保障サービスメニューから、必要に応じて選択・利用


多面的・総合的社会保障年金システムとしてのカフェテリア・プラン方式

カフェテリア・プラン用に付与する生活基礎年金の残りの額のポイントは、社会保障保険サービスに設定したサービスの中から、個々人が事情・状況により選択して利用する。

そのメニューは、現段階で考える事項を挙げてみたい。
・医療費:健康保険で支出する医療費の自己負担分を、このポイントから支払う。但し、この場合の自己負担率は5割
・介護保険利用時の自己負担分。この場合自己負担率は5割
・育児休業補償及び介護休業補償の一定限度上乗せ額
・失業保険給付への一定限度内の上乗せ額
・労災保険休業補償の一定限度内の上乗せ額
・教育訓練費および公的資格取得教育費・受験費
・保育および教育児童の図書購入費(指定図書)、指定学習塾費補助(プログラミング等)

利用サービスのポイントは、現金で還元・給付するものと、医療保険の場合のように、給付請求者の請求に基づき、本人に代わって支払う場合など、決済方法は異なる。

現金給付は、現状の年金制度と同様、2ヶ月に1回偶数月に、前々月・前月分を指定金融機関に振り込む。

このポイントは、使用しない場合、よく翌年度まで繰り越して用いることができる。

なお、障害者福祉制度に基づく社会保障制度は別途規定する必要がある。
また、遺族年金は、現状の厚生年金部分についてのみ、別の規定により遺族厚生年金として給付する。
老齢基礎年金は、生活基礎年金に切り替えられ、廃止される。

まだまだ、カフェテリア・プランのメニューとしては、多種多様に考えることができよう。
また、肝心の厚生年金保険制度をどう改革するかについても、未着手である。
継続課題としていきたい。

当然、前述した項目で分かるように、現在の縦割り行政では、簡単に集約整備することができるとは思えない。
社会保険制度、労働保険制度に加え、保育制度・教育制度も加えて、総合的にシステム改革に取り組む必要がある。

繰り返しになるが、またこれからも何度も繰り返すが、社会システム改革省の設置が必須である。


本稿の後、日本独自のベーシックインカム、生活基礎年金構想は、「ベーシック・ペンション」と呼び方を変え、その内容を以下の記事で整理して提案しました。

⇒ 日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)
⇒ 諸説入り乱れるBI論の「財源の罠」から解き放つベーシック・ペンション:ベーシック・ペンション10のなぜ?-4、5(2021/1/23)
⇒ 生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)

また、カフェテリアというアイディアに関しては、この3つの記事内で、デジタル通貨の利用範囲の限定などとして規定していますし、関連する諸制度の改定・改正などについては、以下の個々の記事で、基本的な方針と内容を提案しています。

いずれも、確認頂ければ、違いと検討の成果とを読み取って頂けるかと思います。

⇒ ベーシック・ペンション導入に伴う社会保障・社会福祉制度等関連法改定課題体系(2021/1/30)
⇒  ベーシック・ペンションによる貧困問題改善と生活保護制度廃止(2021/2/6)
⇒ ベーシック・ペンションによる児童手当・児童扶養手当廃止と発生余剰財源の保育・教育分野への投入(2021/2/7)
⇒ ベーシック・ペンションによる年金制度改革:国民年金廃止と厚生年金保険の賦課方式から積立方式への改正(2021/2/8)
⇒ ベーシック・ペンション導入で、2健保、後期高齢者医療、介護の4保険を統合して「健康介護保険制度」に(2021/2/11)
⇒  ベーシック・ペンションによる雇用保険制度改革・労働政策改革:安心と希望を持って働くことができる就労保険制度と労働法制を(2021/2/13)
⇒  ベーシック・ペンションによる所得税各種控除の廃止と税収増:子どもへの投資、30年ビジョンへの投資へ(2021/2/14)

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