地方主権新党と2050年社会システム改革

社会政策

今年2020年3月初めに【2030年の社会システム改革シリーズ】の第1回として、
劣化する国会議員・国会・議院内閣制:絶対不可欠の政治システム改革-1
一院制移行・議員総定数削減と選出システム改革を:絶対不可欠の政治ステム改革-2
を提起した

そして、新型コロナウイルス感染の急拡大とその後の緊急事態宣言下の社会経済への影響拡大を見つつ
「COVID-19」後、2050年の社会システム改革に臨む】の5回目として
コロナウイルス禍、712人の国会議員は今なにをしているか
を提起してきた。

いずれも、日本の政治の劣化の酷さをにらみつつ、これから2050年に向けての政治改革と行政改革の必要性を提起してきている。

行政システム改革は
公務員という仕事の人気・不人気:社会経済の変化が必要とする行政システム改革-1
行政システム開発庁の設置を:行政標準業務システム開発による行政システム改革-2
准公務員制度導入で潜在的労働力の発掘と活躍へ:専門職体系化による行政システム改革-3
で。


上久保立命館大教授提案の「地方主権」新党立ち上げ

立命館大学政策科学部・上久保誠人教授による
小池都知事らが安倍首相のお株を奪う今こそ「地方主権で政権交代」の好機
という、DIAMOND Online への寄稿を読んだ。

これまでの新型コロナウイルス感染対策における姿勢、具体的な内容、非常事態宣言のタイミング等など、諸々において、リーダーシップ不足を露呈。
他国のリーダーの、自国民に向かう姿勢の真摯さと比べると、お坊ちゃま首相の危機感のなさ、使命感・責任感の希薄さが目立つ。
コロナ禍
そして何よりも、政府のタイミングと熱意を失した対応に比して、危機感を持っての、鈴木北海道知事、小池東京都知事、吉村大阪府知事等の、都道府県民への直接の訴えかけとその真剣味・具体性が、ネットで高く評価されていることは周知の事実だ。

その現実を捉えて、上久保教授は、「コロナ禍で、あらゆることが見直され、現場で鍛えられ磨かれた、たたき上げの若手が、新しい日本社会を構築する時代が始まる」と指摘。

その他多数の県知事の政府にまさる機動力・行動力・政策力の事例も紹介。
そこから、「地方主権」を推進する勢力の「共闘」を呼びかけている。

新型コロナウイルスがらみでのタイミングで、小池・鈴木・吉村各知事、大村愛知県知事、それに日本維新の会、国民民主党が参集して、「地方主権」を掲げた新党を立ち上げてはどうかと提案している。

いずれにしても、憲法改正にしか興味関心がない安倍内閣と、安倍お坊ちゃま首相を退陣させる自浄能力と政権責任意識を著しく欠いた平和ボケ保守自民党、そしてただ野にあってヒステリックでしかなく、なにも革新性がない立憲民主野党では、この先、何ら変化・変革は期待できるはずがない。

私自身は個人的には好まないが、現実的には、公明党と国民民主党の中道が連携して現状を打破することくらいしか思いつかないでいたところだ。
ただ、上記に出てきた各知事以外にも、三日月滋賀県知事(面白いキャリアを持っている)、鈴木三重県知事など若手政治家がかなり増えてきている。

上久保教授が提案した「地方主権」を掲げた新党は、政治改革と行政改革をセットで実現しうる、一つの有力選択肢であり、方策と感じる。

問題は、地方にカネを持ってくること。
政権をとれば、それは簡単なことだ。
所得税の分配を、地方が当然受け取るべきものとして大きく変えれば良いことだ。


地方主権政党のリーダーは、誰が適任か

ここまでは、いいアイディアかも、いけるかも、いくべき!
と賛同者が広がりそうな気がする。

しかし、やはり問題が一つあり、しかもこれが一番むずかしい。
一体誰がそのトップになるかだ。
なりたい御仁はたくさんいそうだ。
みなそれぞれ、現実に一国一城の主だから。

どうせやるなら、先に上げたブログで提起した「道州制」改革も実現したい。
北海道、東北州、関東州、東京都、東海州、甲信越州、関西州、中国州、四国州、九州等。(北陸をどうするか・・・)

その道州広域分権・主権地方自治では、知事の権限がより大きくなる。
道州知事が実績を示せば、次の首相の候補者ともなる。
多数の候補者が、道州知事で競い合えば良い。
そういう改革を先行させることにすれば、以外に新党のトップは決めやすい、決まりやすいかもしれない。

地方分権の好機


2050年社会システム改革は、地方主権新党が実現する

少し、道筋が見えてきそうな気がする。
地方主権は、地方分権よりも強い。
と言うか、異なる。
しかし、地方主権としたとしても、国が保有し行使すべき主権も当然ある。
従い、地方主権新党は、当然国の主権も同時に担う。

その新党であってこそ、社会保障システム改革もやってくれそうな気がする。
当然、社会システム改革省(または社会システム開発省)の必要性も理解して貰えそうだ。

関連する以下についても一覧頂ければ・・・。

社会保障システム改革シリーズ】
憲法で規定された生存権と「社会保障」:全世代を対象とする社会保障システム改革-1
○○手当は○○年金!?:全世代が年金受給機会を持つ社会保障システム改革-2
所得者全員が年金保険料を!:国民年金の厚生年金統合による社会保障システム改革-3
【COVID-19 後、2050年社会システム改革シリーズ】
ベーシック・インカム制の導入を!
ベーシック・インカム生活基礎年金の年間総額、216兆円


この機会に、上久保氏提案が注目され、真剣に議論・検討されるよう・・・。
そう祈りたい。
ぜひ関心を持って頂ければと思います。
そこから、2050年の社会システム改革が絵空事ではなく、現実味を帯び始めてくる可能性が・・・・


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