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少子化を援護する?一人で生きるのが当たり前の独身大国ニッポン

 少子化問題について、継続して取り上げる中で、先日、その要因の一つとされる非婚・未婚率の増加と結婚不要社会・結婚困難社会を、山田昌弘氏著『結婚不要社会』(2019/5/30刊・)を参考にした記事
結婚不要社会と結婚困難社会の大きな違い:『結婚不要社会』から考える(2021/6/3)
を投稿しました。

 その記事の中で、<権利としてのシングルで生きることの社会化(社会的認知)>という小項目で

山田氏が提起する「世間体」を気にせずに、自分の生き方として非婚・未婚の人生を歩む。
表現が適切ではないとは思いますが、そうした負い目や後ろめたさを払拭した生き方が、大手を振って「社会的認知」を得ることができる社会になった。
そういう雰囲気、文化も行き着く所、少子化の要因の一つにはなっている。

と述べました。
 そしてまた、少子化対策としてベーシック・ペンションを考えての、別サイト http://basicpension.jp の記事
少子化の主因、リスク回避と世間体意識変革は可能か:『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』で考える絶対不可欠のBI論-3(2021/5/27)
も紹介。
 その中の一つのテーマ<多様な生き方、結婚しない自由、おひとり様普通論等の非婚奨励・支援社会化の影響>
での以下の記述です。

(ここまで見てきて、)気になっていることの一つに、未婚・非婚者が増える社会的状況・背景があります。
それは、結婚せずにひとりでいること、ひとりで生きることが、恥ずかしいことではない、自由な生き方、当然の生き方なんだという価値観が広がっている。
それが、未婚率の向上、少子化を結果的に後押ししていることになっている。
私は、こうした点も、次第に非婚・生涯未婚率上昇とそれから生じる少子化に間違いなく繋がっていると考えています。
その起点になっている書として、上野千鶴子氏による『おひとりさまの老後』(2007/7刊)があり、近年では、荒川和久氏の『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』(2017/1/27刊)、近著では、一層強力な支援となる同氏と中野信子氏共著の『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(2020/12/20刊)などがあります。


 お気づきと思いますが、今回の記事タイトルの一部に用いた「一人で生きるのが当たり前の独身大国ニッポン」は、その3冊のうちの2冊のタイトルから借用しました。

 荒川和久氏は「独身研究家」を名乗る人。
超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』から関心を持っていました。

 結婚せず単身生活を送るのが、個人の自由な生き方のひとつ。
 これを主に女性中高齢者の心に届けたのが、上野千鶴子氏の『おひとりさまの老後』(2007/7刊)。
 その一連の書として『非婚ですが、それが何か! ? 結婚リスク時代を生きる』(2015/9/1刊・水無田気流氏共著)『おひとりさまの最期 』(2015/11/30刊)『在宅ひとり死のススメ (文春新書)』(2021/1/20刊)などもこれまで関心をもって読んでいます。
 


 それに加え、多くの男性にも結婚せずに単身で生きることを勇気づけたのが『超ソロ社会』であったと感じています。
 そして、それを一歩(以上、大きく)進めるであろう著が『「一人で生きる」が当たり前になる社会』です。 
 なにより、既婚者、結婚経験者のすべてが単身生活者、シングルとなることも含むわけです。
 マイノリティどころか、マジョリティを形成する。
 現役世代のすべての人々への激励のメッセージでありつつ、上野氏の書が果たした、すべての人々を啓蒙する役割も併せ持つ強力なメッセージ書になっています。
 どちらも非常に面白く、かつ真面目に読むことができる書。
 紹介したい内容満載です。
 ソロで生きることへの心構えや、そうなった時への備えについても示しているのですから。

 興味深い内容を紹介していると切りがありません。
 なので、両書それぞれから、以下に、目についた表現やキーワードを抽出しましたので、雰囲気と重点を感じ取って頂ければと思います。


超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』からの確認すべき20の警鐘・告発

1.生涯未婚率より深刻な生涯無子率。2035年推計、男性41.4%、女性32.0%
2.結婚のメリットもデメリットも、マネー
3.男女とも「結婚しない/したくない」というソロ男・ソロ女が約半数存在
4.働く女性が増える社会は非婚化へ進む
5.バリバリ働く女性ほど未婚率が高い
6.女性の上方婚、取り残される高齢ソロ女性たち
7.未婚者に厳しい社会「ソロハラ」という精神的虐待
8.3組に1組は離婚する現代
9.離婚の主導は妻、増える熟年離婚
10.初婚同士の婚姻は減って、再婚が増えている
11.配偶者に依存しすぎる日本の夫婦
12.単身世帯4割の時代へ
13.生活保護、母子世帯、家族介護など家族という自己責任論の悲劇
14.ソロ生活者たちが消費を牽引し、ひとりで一家族分消費するソロ男たちのソロ生活時間が増えている
15.家族とソロでは幸せの貯蔵庫が違う
16.ソロ社会は孤立社会ではない
17.リア充 ⇒ ぼっち ⇒ ソロ充 へ
18.ソロで生きる力が必要になる
19.ソロで生きるには自分を愛すること
20.家族とソロ社会は対立しない

ソロ人生選択者の増加、非婚者の増加は、少子化を後方援護する方向に働く

いくつかは、「?」と感じるものもありますが、概ね理解できるところ。
ソロ、結婚しない生き方は、選択肢のひとつ。
外が、第三者がとやかく言うことではないのは当然であり、ソロが大勢を占めれば占めるほど、外圧は数の論理を減じていきます。
最後の項目にあるように、家族形成とソロ社会は決して対立するものではありません。
しかし・・・。
生き方が違うのは明白です。
ある意味、積極的に、能動的にソロ生活を自ら選択しての生き方と、死別や離別などで、やむなくソロ生活に至った生き方とも異なります。

ソロで生きるには「自己愛」が必要。
もちろんそうありたいですが、過剰な自己愛には、多少の疑問が残ります。
そして自己愛以外の、他に対する愛も、時には必要であることも。
自己愛オンリーでは、どうでしょうか。

この書は、ほぼ2016年に書かれたもの。
次の書は、4年後2020年に、今売れ売れの脳科学者・中野信子氏との対談をまとめたもの。
当然ですが、こちらの方が、より広角的に、多様に論じられており、より興味深く読むことができます。

「一人で生きる」が当たり前になる社会』からの納得の25の警鐘・告発

1.2040年には、独身者が47%に達し、日本は高齢者よりも独身者が多い「独身国家」になる
2.300万人の日本人男性は、結婚相手がみつからない
3.ソロ度の4つの属性、岩盤ソロのガチソロ・カゲソロ各20%計40%、エセソロ(ゆくゆくは結婚)20%、ノンソロ(既婚)40%
4.「結婚しないと孤独死するぞ」じゃなくて「結婚していても孤独死するよ」
5.経済活動としての結婚、消費としての結婚、搾取手段としての「皆婚主義」
6.1歳半までの愛着関係が人付き合いを左右する?
7.「コミュ障」でもコミュニケーションスキルは学習可能
8.孤独には、「選択的孤独」と「排除による孤独」の2つがある
9.男性の離婚と自殺には相関関係がある
10.(多くが)男性化する「ソロ女」は、徹底的に「愛よりお金
11.ソロの男女は、40代で「不幸度マックス」を迎えている
12.ソロ男は、「有能な自分」しか肯定できない
13.「男性は恋愛」「女性は仕事」が自己肯定感の判断基準
14.欠落感を埋めて幸せになるための「エモ消費」
15.30年前から変わらない「恋愛強者3割の法則」、恋愛強者は男女とも、年収が高い
16.自分と近い組合わぜの「恋愛同類婚」が約半数
17.父性も母性も両方を持っている人どうしが一番カップリングしている
18.女性は、男性を選んで育てるのが早道
19.「結婚する人・しない人の共存」が子育てしやすい社会の鍵
20.自分で自分に呪いをかける「ステレオタイプ脅威」の怖さ。「ステレオタイプ脅威」を払拭するのは至難の業
21.「集団への帰属欲求」が個人をないがしろにする
22.「自分とは何か」という問いと、一人の人間の中の多様性。周りの人に囲まれているのに寂しいと感じるのは、たぶん自分の中の自分が足りないから
23.「感情主義」が政治やビジネスを動かし、誹謗中傷がもはや「快楽」になり、「叩くという快楽」にふける「正義中毒者」たち(が蔓延る現代)
24.人は感情で動き、理屈を後づけしている。共感とは、感情に理屈づけをすること。「共感でつながるべき」という勘違い。感情よりも理屈よりも、まず環境を変えよ
25.一人でいるとネガティブ・スパイラルにはまりやすい。ネガティブな感情の拡散に冒されない。「所属するコミュニティ」から「接続するコミュニティ」


こちらの方が、私にとっての「?」が多いような気がします。
<ソロ生活に社会性を要求する構図>とでも言いましょうか。
どうもその色が濃い、啓蒙書、教育書の様相を呈している気がしてしまいます。
ソロ充にも、<マズローの欲求5段階説>が適用されるかのように。

また、コミュニティが苦手で、回避したいがためにソロを選択している人もいるはず。
所属と接続が完全に別物とは言えない側面もあるでしょう。

「一人で生きることに」そこまで求められるのか。
ソロ肯定派からも、「ソロ生活の掟」みたいなプレッシャーがかけられる。
ちと大げさかも、かなり穿った見方かもしれませんが。

本来、すべての人に適用でき、警鐘を鳴らすべき事象・現状をも本書で提起しているのではないか。
そう感じたところもあったり、です。
みなさんにも、できれば手にとって読んで頂ければ、と思います。


選択肢としてのソロ人生の理想と結婚人生の理想


そう、一人で生きることは当然の選択肢の一つ。
結婚していても、多分ほとんどの人は、一人の時間が欲しい、一人で生きる人生もやってみたかった、と思うことがあるでしょうし。
ただ夫婦とも高齢となると、一人になるのはちょっと遅いかも。
そんな後悔をしないで済むのが、生涯非婚を決めて、家族形成しないソロ人生を歩むこと。
初めからそう思っていなくても、途中で軌道変更することもあり。
しかしソロで最期を迎える場合に、どう備えるかは、やはり何かしらの手立てを打っておく必要がある。
それも含めて願うのは、すべての人が幸せな人生を送ることができること。
そう思います。

そして、生き方の一つの選択肢としての結婚と家族形成。
私の結婚観、結婚論と家族観、家族論。
そして仮の話としての私のソロ人生論。
一人の人間の中の多様性」に対して伝えたい「結婚と家族の中の多様性」について。

本論の起点としている「少子化問題」「少子化対策」と結びつけての考え方、考えるところ。
別の機会に、折々に、継続して、と思っています。






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