資本主義、資本論、社会主義から考えるコロナ後の日本の政治・経済・社会

政治・行政政策

昨年開設した当WEBサイト、https://2050society.com

2050年の望ましい社会システム、社会経済システムを実現するための考察・提案を目的にスタートしましたが、コロナ禍もあって、早くからベーシックインカムについての考察・提案が主になりました。

そして途中から、日本独自のベーシックインカムとして、「ベーシック・ペンション」生活基礎年金という名称と構想への集約と転換。
その関連での記事に傾斜がより強くなったため、スピンオフさせて、独自の専門サイト、 http://basicpension.jp を今年1月1日に開設・運営へ。

そのため当サイトの軸がぼやけた感じになり、今年も既に4分の1が経過。
主たるテーマは、多種多様な社会問題の拡大を改善・改革するためには、現状の政治を変えるしかない、という結論を出しており、そのための考察・提案を重ねていくこととしています。
そう考えてはいるものの、ベーシック・ペンション以上の、あまりにも雲を掴むかのようなテーマであり、またその対象も、当サイトのカテゴリーにあるようにまさに多種多様。

さまざまなテーマに関連する新書を、新刊・中古本取り混ぜて入手するペースは、昨年を上回るかの勢いなのですが、記事をアップする速度は、反対にブレーキがかかっている状況です。

民主主義、憲法、環境問題、少子化、高齢化、介護、社会保障 etc.
それらの諸課題に、政治・行政がすべて関わり、そしてコロナが絡んでいます。
そして何よりも、というか、必然的にと呼ぶべきか、ベーシック・ペンションの実現も、直接的に関係してもいます。

モヤモヤとした迷路に迷い込みながら、いやそうであるからこそ、この10日間に、以下の3冊の新刊新書を斜め読みしました。
順に

・『資本主義から脱却せよ~貨幣を人びとの手に取り戻す~』(松尾匡・井上智洋・高橋真矢氏共著::2021/3/30刊)
・『人新世の「資本論」 』(斉藤幸平氏著:2020/9/22刊)
・『いまこそ「社会主義」 混迷する世界を読み解く補助線 』(池上彰・的場昭弘氏共著:2020/12/30刊)

です。

『資本主義から脱却せよ』を読む

『資本主義から脱却せよ~貨幣を人びとの手に取り戻す~』は、当然のことながら、ベーシック・ペンション実現を考え中で考察の対象としてきている一人、井上智洋氏の著であり、その絡みで読んでおくべきと考えたため。
そして偶然にも、先々週、薔薇マークキャンペーン内における同氏連名による提案に出会ったことが、関連サイトでの以下の投稿に至りました。
朴勝俊・山森亮・井上智洋氏提案の「99%のためのベーシックインカム構想」ー1(紹介編)(2021/4/8)
朴勝俊・山森亮・井上智洋氏提案の「99%のためのベーシックインカム構想」ー2(評価編)その意義と課題(2021/4/9)

その薔薇マークキャンペーンを主宰しているのが、松尾匡氏であったことも、同書と繋がりました。
同書の中で、最も気になっており、近々取り上げたいのが「(民間銀行の)信用創造廃止」についてであることだけ、ここで記しておくことにします。

『人新世の「資本論」 』を読む

そして、反緊縮、反新自由主義を掲げる左翼松尾氏と一面で繋がるのが、次に読んだ
『人新世の「資本論」 』です。
元々は、昨年9月に発刊され、時間は経っていた書ですが、「人新世」をなんと呼ぶのか分からず、意味も(調べようとしなかったのですが)分からず、いずれ、と思って購入せずにいたものです。
しかし、ずーっとランキングに入ったままで気になっており、ちょうど Yahoo! shopping でのPayPayキャンペーンがあったので購入。
入手した本は、なんと既に9版を数えていました。

「人新世」(ひとしんせい)読むこと(じんしんせい、とも読むとWikiにはありました)を知りましたが、未だにその意味をスラスラ言えません。

人新世、ひとしんせい、とは

地質学的視点からの定義で、人類が地球を破壊し尽くす時代
ということです。

本書のテーマは、基本的には「資本論」とあるようにマルクスを見直す、新視点で解釈し直すというもの。
リベラルではあるけれども、資本主義を認め、温存する側面がある従来のリベラルを否定し、気候変動・環境危機をベースにして「脱成長」「脱経済」を主張する点が、ある意味新鮮であり、理解・納得できる点として評価できました。
ただ、一方いくつかの疑問や問題点を感じさせられるのも当然のこと。
それらは、今後の投稿の中でのテーマになっていきます。
なお、ここでの最後に、斎藤氏がこれからの社会であるべき形として主張し、そしてマルクスが生涯を通じて主張したはずなのが「コミュニズム」であることを記しておきます。

『いまこそ「社会主義」』を読む

入手したのは、前2冊よりも先だったのですが、あまり気が進まず、しばらく放って置いた本書。
しかし、『人新世の「資本論」 』で主張されたコミュニズムに触発されて、これはここで読んでおくべきと気合を入れ直して、一気に走り読みしました。
対談書ですから読みやすいので、一気が可能でした。
共著者の的場氏は「マルクス・マニア」を自ら名乗る学者。
人新世の斎藤氏とはどう違うかにも関心はありましたが、内容的に最も面白かっらのは、コロナ下とコロナ後における消費についての段。
これが、人新世において主張された「脱成長」とつながる妙を、後日取り上げたいと思います。
もちろん他にも参考になる点は多々ありましたが。

なお、3冊の小紹介の最後に、私はコミュニズムも社会主義も支持する者ではないことを記しておきたいと思います。
その理由は、以下のこれからのシリーズの中で。


資本主義、資本論、社会主義から考える今後の展開テーマ(予定)


この3冊に触発されつつ、元来テーマとすべきと考えていたキーワードと同書群の内容とを融合して、以下のテーマで、いくつかの記事をシリーズ化することにしました。

1)反緊縮vs新自由主義と政治と経済
2)気候変動・環境危機問題と政治と経済
3)SDGs、ESGと政治と経済
4)民主主義vs社会主義をめぐる政治と経済
5)ウィズコロナ&アフターコロナと政治と経済
6)新しい働き方・生き方と政治と経済
7)新しい時代の共同体と個人と政治と経済
8)新しい社会グループ、ニュー・ニュートラル創造と政治と経済
9)ベーシック・ペンションと社会保障と政治・経済そして社会


これらの個々のテーマを主題として、具体的なサブテーマを付けるか、具体的な内容を主題として上記テーマをサブタイトルにするかは、内容次第ということになるかと思います。
また、上記のテーマは、内容的に重なり合うのは当然であり、繰り返しがあったり、場合によっては、当初の考え方を変えることもあるかもしれません。
順番も上の通りにならないでしょうし、なくなったり、合体したり、変更したり、新たに付け加えることもあるかと思います。
いずれにしても、この3冊を参考に用いながらの考察になります。



なお、前述の3冊に先立って、民主主義に関する新書2冊『民主主義とは何か』(宇野重規氏著・2020/10/20刊)『劣化する民主主義』(宮家邦彦氏著:2021/3/2刊)3月に読んでいます。

元は、この2冊を紹介しつつ民主主義について先に考えるつもりでしたが、種々迷っている間に、今回提示の3冊を絡めてのテーマを先行することにしました。
上記のシリーズの中でも民主主義がテーマに入っており、一部先行することになります。

そしてこの2冊に、昨日発注した『ニッポン 未完の民主主義 世界が驚く、日本の知られざる無意識と弱点』(佐藤優・池上彰氏共著:2021/4/7刊)を加えて、別途民主主義を主課題に据えて、憲法問題も絡み合わせながら、考察し、問題提起する機会も持ちたいと思っています。

なお、予定はあくまでも予定。
他にも書こうと思いつつ、後回し後回しにしてきている新書とその関係での思いも、間に挟むことになるかと思います。
要するに、海図を定めようとしても一向に定まらず、揺れとブレが激しい当サイトであります。
ただ、2050年の望ましい社会創造のための社会システム、社会経済システム、そして政治システム改革という目的及び背骨とすることは不変であることをご理解頂きたく、宜しくお願いします。

<ベーシック・ペンションをご理解頂くために最低限お読み頂きたい3つの記事>

⇒ 日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)
⇒ 生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)
⇒ ベーシック・ペンションの年間給付額203兆1200億円:インフレリスク対策検討へ(2021/4/11)

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