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NATIONAL POLITICS

ベーシックインカム専用デジタル暗号通貨化可能性の有無、導入の可否

ベーシックインカム(生活基礎年金制度)案再考察-18

基本的人権基盤としてのベーシックインカム制導入再考察と制度法案創り
ベーシックインカムの定義再考察:JBIとは(Japanese Basic Income)
財源問題、所得再分配論から脱却すべき日本型ベーシックインカム
日本型ベーシックインカム実現をめざすカウンター・デモクラシー・ミーティングを開設!
BIは、日本国内のみ利用可、使途・期間限定日銀発行デジタル通貨に
ベーシックインカム生活基礎年金月額15万円、児童基礎年金8万円案
ベーシックインカム生活基礎年金15万円で社会保障制度改革・行政改革
ベーシックインカム生活基礎年金、段階的導入の理由と方法
実現シナリオ欠落の理想的ベーシックインカムの非社会性
ベーシックインカムの特徴と魅力、再確認・再考察
ベーシックインカム導入で健康保険・介護保険統合、健保財政改善へ
ベーシックインカムとコロナ禍の政府債務膨張、デジタル人民元実験との関係
コロナ禍がベーシックインカムの必要性・不可欠性を証明(山森亮教授小論より)
ベーシックインカム中央銀行通貨発行論者SS氏との仮想対話
日本型ベーシックインカム実現に思想家、哲学者、歴史家、学者は要らない。必要なのは
ベーシックサービス対ベーシックインカムの戦い?
コロナ禍の政府債務膨張とIMF方針転換はベーシックインカムへの追い風
と、回を重ねること17回の<再考察シリーズ>。

そろそろ第2次案のまとめに入らなければと少なからず迷いと焦りを感じつつ、今回は、もっとも迷いがあるテーマについて、一応整理したいと思います。
それは、通貨としてのベーシックインカムのあり方についてです。

ただこの課題については、既に
BIは、日本国内のみ利用可、使途・期間限定日銀発行デジタル通貨に
で、提起しています。
そこで今回は、その内容を再確認するとともに、一部修正し、より説明を要する部分を加えることにします。
まず、そこで列記した条件を再掲します。


日本銀行発行のベーシックインカム専用デジタル通貨の条件(再掲)

1.日本銀行(中央銀行)が発行するデジタル通貨
2.生活基礎年金(JBI)専用のデジタル通貨
3.日本国内のみで利用できる地域通貨
 (日本国内でしか利用できない、国内循環通貨)
3.マイナンバー(個人)(カード)と紐付けされている
4.日本銀行に全国民が、JBI専用口座を開設し、この口座で決済・管理する
 (市中民間金融機関では扱わない、扱えない)
5.譲渡・相続はできず、未利用分を日銀に返却できる
6.認可を受けた法人番号を持つ事業所のみで利用できる
 (認可を受けた法人番号を持つ事業所でしか利用できない)
7.通貨の利用を受けた事業所は、以下の処理を選択できる
 1)同様認可を受けた他の事業所との一定の取り引きにおける決済
 2)法人税、法定福利費等、国への納付用資金
 3)一定の枠内において日銀への買取請求
   但し、手数料の支払いが必要
 4)一定の枠内において、日銀に返還し、会計上損金処理
8.利用有効期限がある
9.法人税・社会保険料などで納付を受けた政府は、日銀に買取を請求する(但し、手数料が必要)
10.有効期間内に利用されなかった通貨は、期限翌日に自動的に日銀に回収される。
11.日銀は、返還・返却・回収された通貨を年度ごとに、益金と相殺し、消却(バーン)する
12.すべての発行通貨の管理は、ブロックチェーン技術を用いて行う


ベーシックインカム特定デジタル暗号通貨化の意義・目的


なぜ、現金給付ではなく、デジタル暗号通貨とするか。

この日本型ベーシックインカム(以下、JBIとします)は、一定基準レベルの生活保障を目的としたベーシックインカムであることが前提です。
生活保障概念は不要とするBI論もありますが、その場合でも、本質の一部にその意味合いを含んでおり、その基準により設定した金額においては、その前提を採用しても矛盾はないと考えるからです。

その前提に立つと、支給対象は、世帯ではなく個人ですから、個人が支給を受けたJBIは、本人のみが保有・使用できるものであり、他への譲渡や相続はできません。
加えて、JBIは毎月支給されるものであり、日常生活における基礎的な消費に使用することを主たる目的にしています。
従い、貯金し、資産化するためのものではありません。

ただ一部の指定された使用目的のために、一定期間に限り蓄積・保有し、必要時に利用することは認められます。
例えば、入学金や手術・入院など医療費の自己負担分などに充当する場合です。
また、日常生活に当てられるお金であるため、基本的には、国内経済における需要供給環境にのみ関係し、完結させる意味を持ちます。

そして、給付されたJBIは、一定期間が終了すると、強制的・自動的に回収され消却され、ゼロ価値になるとします。
すなわち、支給日から一定の期間内のみ、という利用期限があるのです。
この期間・期限を、5年にするか、10年にするか、それ以外にするか、検討を必要とします。
なお、これにより、JBIには、発行上限額があることになるわけです。

無尽蔵に発行されるものでなく、かつ通常の流通貨幣ではないことから、国家間、グローバル社会における決済通貨としては用いられず、外国為替市場において取引されるものでもありません。
そのため、JBIで基礎的な生活を送る上でのインフレ等のリスクを、軽減する機能を持つわけです。
もちろん、間接・直接に景気動向・経済動向の影響を受けることがゼロではありえませんが。


特定デジタル暗号通貨JBI生活基礎年金・児童基礎年金の利用可能な使途

一応、以前の記事で想定した、生活基礎年金及び児童基礎年金を利用できる費目の案を、以下に、再掲します。
もちろん、今後引き続き検討すべき課題ですから、現状での案としてご理解ください。

1.食費・住居費(水道光熱費含む)・衣類日用品費等生活基礎費用
2.交通費・国内旅行費、一部の娯楽サービス費 
3.入学金・授業料・受験料、教育訓練研修費・教材費・新聞図書費
4.健康関連費・市販医薬品
5.医療保険・介護保険等社会保険給付サービス利用時の本人負担費


特定デジタル暗号通貨JBIの管理システム

JBIは、個人ナンバーと紐付けされ、日本銀行(またはその管理下において設立する別機構)に口座を持ちます。
加えて、JBIを受け入れる企業・事業主も、同様に日本銀行に専用口座を開設します。
この日銀口座に保有するJBIを、個人・法人とも他の市中金融機関に移すことはできません。
当然、市中金融期間は、JPI用口座を日銀に持つこともありえません。
但し、政府及び地方自治体は日銀にJBI専用口座を持ちます。

JBIの支給を受けた国民は、法律に規定され、国(及び地方自治体)の認可を受け、法人番号を持ち、日銀に専用口座を開設した事業者の事業所でJBIを利用できます。
この決済により、個人口座から利用分が引き落とされ、利用を受けた事業所の口座に、売上額分が入金されます。

入金されたJBIを事業所は、2つの方法のどちらかを選択して取り扱います。

一つは、自己の事業のための原材料仕入れ費用として、やはり国(及び地方自治体)の認可を受けた事業所にJBIで支払います。
これを仮に2次利用と呼ぶことにします。
その金額は、自社口座から引き落とされ、利用事業所口座に移されます。
この関係での課題は、2次利用で留めるか、3次利用、それ以上の利用も認めるかどうかです。
これは、もう少し時間をかけて検討してもよいと考えています。

もう一つの選択肢は、預かり消費税や法人税等諸税、納付すべき法定福利費等国や自治体に納付すべき額を、JBIで納付するものです。
そこで国や自治体が受け取ったJBIは、日本銀行に一定の手数料を支払って現金に替えます。

日銀は、個人に支給して振り込んだJBIのうち、期限内に利用されなかった金額を無償で回収します。
また、政府が買い取りを要求したJPIを手数料を差し引いて、現金で買い取ります。
この回収し、買い取ったJBIを、日銀は、他の科目と相殺して消却します。
これにより、JBI発行残高は、一定の上限枠内で押さえられていることになります。

なお、こうして日銀口座で運用管理されるJBIは、その使途、利用額、利用時期、残高などを個人別にも、事業所別にも、全体的にもデータ化されて分析が可能になり、以後のJBI制度及びシステム運営・開発・管理に活かすことが可能になります。

今問題になっている、デジタル通貨化と個人口座との紐付けで、個人財産がすべて国に掌握されてしまう、という危惧は不要になります。


特定デジタル暗号通貨システム化のための諸課題


しかし、最大の問題は、こうしたことができるデジタル暗号通貨をシステム化、開発できるかです。

2021年から日本銀行がデジタル通貨の実証実験を開始することになりました。
当然、ベーシックインカム用特定デジタル通貨を想定しているはずもなく、単に、現状の現金紙幣を切り替えることを想定しているはずです。

従い、その実験そのものをいきなりJBI開発のためと言い出しても、ムリでしょうから、まずは、この課題に理解を得ることから始めることになります。

そして何より、ブロックチェーン技術等で、こうした処理を問題なく行うことができるシステム開発が可能か、です。
セキュリティシステムは、絶対的レベルで必要です。
また、その開発には、膨大な費用と時間が必要なことは言うまでもありません

次に、仮にシステム化できた場合、国民すべてが、このシステムおよび決済端末などを利用できるかどうか、です。
乳幼児や要介護高齢者等が、その端末やシステムを使えない場合どうするか。
乳幼児の場合は、口座は本人のものですが、利用は、当然親権者になります。
あるいは、口座は別ですが、生計を同一にする成人世帯構成者のうちの認定を受けた者となります。
単身高齢者で、後見人が居ない場合は、地方自治体が管理を代行する形が望ましいでしょう。

関連して、決済処理する端末です。
個人は、アプリケーションをインストールした端末か、新たに開発され支給すべき個人番号カードを用いて、利用事業所で決済します。
もちろん、ネット決済も可能です。
法人もアプリケーションシステムを利用して決済します。
事業者が持つ決済端末設置にかかる費用と決済事務処理費用を無償とするか、手数料を日銀に支払う方式を採用するかの検討が必要になります。
私は、端末設置費用は無償とし、決済時に決済額に応じて手数料を日銀が徴収する方式が良いのではと考えています。
但し、当然、あまり高い率ではいけませんが。

今回は、以上としますが、また追加や修正を行うことがあるかと思います。
是非、今回の提案について、ご意見やアドバイスなど頂ければ幸いです。

次回、財源問題と金額問題について、整理して再提案します。

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