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女性主体政党・政治会派の理念・方針・政策の普遍性と独自性 

少しずつ、よくなる社会に・・・

WANを精神的基盤とする新しい女性主体政党・政治会派の創設と女性国会議員の多数輩出による政治・行政改革を提案するシリーズを始めました。
その第1回記事で、
女性主体政党・政治会派、2025年創設提案(2022/2/24)
と題して、その必要性・意義について述べました。

今回は、第2回。
女性政党・政治会派として、なにをめざすのか、どんな政治をめざすのか、私的提案を述べたいと思います。

WANを精神的基盤とする新しい女性主体政党・政治会派創設提案-2

女性主体の政党・政治会派。
当然、女性に支持される政策を掲げ、その実現を目的とするわけですが、それはほとんどの男性にも支持されるものでしょう。
その組織的基盤をどのように創るかは次回のテーマとして、その前に、どのような理念のもと、方針に基づき、具体的にどんな政策を掲げるのか。
そこで掲げるものが、既存政党のものと同じようなものばかりならば、特段、女性政党が必要ということにななりません。
かといって、奇をてらったような、人気取りの政策を掲げることもありえない。
いうならば、多くの人々に支持される普遍的な、しかし独自の政策が望ましいわけです。

仮に女性主体政党・政治会派が創設されるとすれば、どのような政策を提案してもらいたいか。
あくまでも個人的な思い、願いに過ぎませんが、例えとして以下述べたいと思います。

日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金導入を

一つ目は、ベーシック・インカムです。
日本維新の会が、昨年の衆議院選の際に公約として掲げたことで、一気に注目されたものですが、それとは当然異なるものです。
一昨年から提案を始め、昨年2021年にその法律案をまとめましたが、先日、2022年版に更新しました。
(参考)
ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1(2022/2/16)
少子化・高齢化社会対策優先でベーシック・ペンション実現へ:2022年ベーシック・ペンション案-2(2022/2/17)
マイナポイントでベーシック・ペンション暫定支給時の管理運用方法と発行額:2022年ベーシック・ペンション案-3(2022/2/18)
困窮者生活保護制度から全国民生活保障制度ベーシック・ペンションへ:2022年ベーシック・ペンション案-4(2022/2/19)


日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金は、
・すべての国民が、個人ごとに、平等に
・税金や保険料を負担することなく無拠出で
・基礎的な生活を送るために、日本銀行が発行管理する専用デジタル通貨を、国から無条件で、
・毎月、個人ごとに開設した日銀口座に、生涯、年金として受け取る
ものです。

但し、現在日銀が実証実験を進めている中央銀行デジタル通貨CBDCとは別の、もう一つのベーシック・ペンションとして用いるためだけの専用デジタル通貨であるため、その実現がいつから可能かは現在決めることはできません。
そのため、インフレ抑制対策などの意味合いも含め、またベーシック・ペンションの目的・意義を考え、その優先順を考慮し、段階的に導入することとし、初期にはマイナポイント・電子マネーでの支給を提案しています。

ベーシック・ペンションの目的・意義については、上記の最初の記事
ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1
の中の法案の前文を確認頂ければと思います。

社会保障制度の基軸としてのベーシック・ペンション


ベーシック・ペンション制は、誰にも起こりうるさまざまな状況への備えと対策として、社会保障制度の基軸として位置づけ、関連して他の制度の改廃も以下のように並行して行なうことをめざしています。
1)児童(扶養)手当を廃止し、増額して<児童(生活)基礎年金>に転換。
2)<高齢者(生活)基礎年金>の支給により実質的国民皆年金制度とし、国民年金、老齢基礎年金を廃止。
3)有所得者全員が加入する厚生年金保険制度に改正し、従来の賦課方式から自分自身のための積立方式に変更。現役世代負担に拠る高齢者支援方式は廃止へ。
4)これにより可能になる個人(法人も)の厚生年金保険料の減額の一部は、健康保険料に充当する。
5)国民健康保険と職域健康保険を統合。併せて介護保険制度も健康保険制度と統合し、保険財政の健全化を進める。
6)最終的な目標とする<生活基礎年金>の月額15万円支給時には、(<児童(生活)基礎年金>支給もあり)低捕捉率・資力調査・スティグマなどの問題を抱える生活保護制度を全面的に廃止する。
7)生活保護廃止等でカバーできない住宅支援制度として、新たに「住宅保障制度」(または「厚生住宅制度」を新設する。
8)雇用保険制度を就労により所得がある人すべてが加入・適用される「就労保険制度(仮称)」に改定し、<生活基礎年金>支給とも合わせて、一層の安心の保障制度を強化する。
9)その他、ベーシック・ペンション生活基礎年金支給で、障害者福祉、奨学金利用者、片親世帯の貧困、エッセンシャル・ワーカーの低賃金・労働条件等問題など、多種多様な問題の改善・解消・改革につながる。

以上ですべてを網羅しているわけではありませんが、ベーシック・ペンションの導入により、社会保障制度にとどまらず、関連する諸制度の総合的な改定を行なうこととしています。

唯一の全国民平等政策であるベーシック・ペンション生活基礎年金の財源は、税と社会保障の一体改革とは別次元・別枠の、真の全世代型社会保障制度

そこで問題になること、疑問視されることが、その財源です。
ベーシック・ペンションは、従来絶対条件とされてきた、「税と社会保障の一体改革」や「税制規律主義」の呪縛から解き放ち、国が、国民に対して、日銀を通じて、個人や企業の税や保険料の負担に拠らない、純粋な「国費」として発行・支給するものです。
そのためには、不平等・不公平を排することが条件となります。
従来は、こうした費用の財源は、税や保険料などをあたかも、国が捻出し、配賦するかのように「公費」と称していましたが、ベーシック・ペンションは、だれも負担しない、国という行政単位組織が国民の付託を受けてその通貨を発行し、生まれてから死ぬまで、生涯にわたって支給するのです。
すなわち真の全世代型・生涯型社会保障制度です。
そして最終的には、ベーシック・ペンションの発行・受給を、日本国民の基本的人権として、憲法に明記することをめざしています。


ベーシック・ペンション生活基礎年金制度の導入・定着は、自給自足国家社会の創造の目標化と一体

なお、ベーシック・ペンション導入により、目標と設定した金額が全額支給されるとした場合、インフレリスクが増大すると懸念されています。
その対策の一つの狙いとして、ベーシック・ペンション専用通貨は、国内でのみ利用可能かつ流通し、最終的には日銀に回収されるシステムとしています。
国内だけでの使用・流通の意図するところは、日本という国を一つのローカルとみて、長期間をかけて、地産地消・自給自足経済を整備・拡充し、インフレに強い社会経済を構築することにあります。

生活基礎年金を受け取った生活をイメージすると、最も危惧するのは物価の高騰、インフレです。
特に、エネルギーや食料の輸入依存度が著しく高い日本は、自然災害、パンデミック、地政学的な紛争等のリスクなどにより受ける影響は非常に大きいことは誰もが知るところです。
産業面での象徴的なものとしては、半導体やレアメタル等の海外依存度の高さがあります。
他の領域・分野も含め、グリーン水素エネルギー社会化、食料・食品の自給率の向上、代替品の開発、必要技術開発などにより、総合的かつ個別的に自給自足可能国家をめざすことを、国家と国民の安全・安心の保障システムの構築課題として、必須政策の一つに加えるべきと考えます。

なお、ベーシック・ペンション及びベーシックインカムについては、昨年2021年1月に開設した専門WEBサイト http://basicpension.jp で多面的に記事を投稿しています。
また、一昨年2020年に開設した当サイト https://2050society.com の中でも、2020年中、同様に関連記事を投稿しています。
ご関心をお持ち頂けましたら覗いて頂ければと思います。

政治制度、選挙制度改革を重点政策に

次に、新しい提案として、政治制度改革、選挙制度改革を提案したいと思います。

任期6年、3年ごと半数改選の衆議院一院制とし、議員定数削減も

現在、2022年度予算が衆議院を通過し、参議院に送られて、そこでまた予算委員会が開催されていますが、衆議院でとことんやれば済むことがほとんどで、形式主義・慣行に終わっています。
参議院の意義の主張も分からないではないですが、一つにまとめて、懸念されることの対策を、新しい一院制の中に組み入れればよいわけです。
現状、衆議院・参議院両方の合計定数が713人。
これを衆議院一院制とし、定数を600人と113人削減する。
その上で、任期を6年に延ばすが、3年毎に半数300人ずつ改選するというのはどうでしょうか。
この国会制度・選挙制度改革に付随して、首相の権限とされている衆議院解散権は廃止します。
これで、政権政党の評価と審判は、間違いなく3年毎に行われ、政局としての政権政党の私利私欲、恣意性に拠る解散とそれに伴うムダなコストの発生は防ぐことができます。

性別・年代別クオータ制の導入を

そして、前回も述べたクオータ制ですが、より過激に、女性のクオータ制でとどめるのではなく、年代別に衆議院議員定数も均等に割り振るクオータ制を導入するとしてはどうでしょうか。
新しい民主主義の在り方になるのではと思います。
例えば、20歳代・30歳代グループ、40歳・50歳代グループ、60歳・70歳代以上グループの3区分とし、それぞれ男性女性半数100人ずつ選出し、合計600人ということです。
任期中に適用年代グループが変わるのは致し方ないとして、次回改選時には、その時点の年代で立候補することになります。
これは、今だけの政治を考えるのではなく、自分や子どもの明日、将来を想定しての政治に取り組んでほしいから、次の世代・年代にも責任をもってもらいたいから、です。

新しい政策概念としてのSDGs:Sustainable Designed Goverments 持続する、設計された国及び地方自治政治・行政に基づく社会創り

以上、ぜひ政策に採用して頂きたいことを例として挙げてみました。
理念や方針ではなく、いきなり政策としての提案ですが、ことの重要性・ことの困難さを考えれば、理念・方針と同列・同次元といえるのではと思います。
そして、それぞれ、そう簡単にコトは運ばないことは当然です。
女性政党・政治会派が一定以上の国会議員を擁し、立法化や予算化にそれ相当の影響力をもつ勢力にまでなること自体が難関です。

まあ、それはそれとして、ここで申し上げたいのは、こうした政策実現には時間・年数が必要で、国政活動において、その政策課題を組織的に継続・継承していくべきということです。
すなわち、政策自体に、目標とする課題と工程・スケジュールを国民に分かりやすく明示・明記し、進捗管理を確実に行なうことが不可欠です。
政党・政治会派の政策要件というわけですが、同時にそれは、組織体の継続・継承課題とも重なります。
そこで、抽象的な概念になりますが、現在非常に頻繁に使われているSDGs、Sustainable Development Goals ではない、別のSDGsを提案したいと思います。
それは、Sustainable Designed Governments、持続的かつ設計された政治行政を意味します。
(もしかしたらそんな言い回しはないのかもしれませんが。)
必ずしも開発・成長を目標・目的とするものではなく、維持や回復、時には後退もあるかもしれません。
しかし、それが安心・安全や一層の持続に結びつくならよしとすべきかと。
なお、Governments の 複数形の s は、複数の政策が相互に関連していること、地方自治体も含むことなどを意味しています。
(文法的にまったく成り立たないかもしれませんが。)

「WAN 認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク」への期待-2

さて、今回のまとめです。
今回の提案は、あくまでも私の案。
ベーシック・ペンションを基軸としての社会保障制度改革、自給自足国家社会の創造、政治・選挙制度改革など、(あまり好きな用語ではありませんが)「普遍的」で「独自性」を持つ、そしてほとんどすべての女性を(当然男性にも)包摂する政策を例として上げました。

きっとWANで議論すると、さまざまな政策に関する意見・提案が百出・千出?
これまでの活動ですと、議員に陳情するか、要望書や署名を提出するかなど。
しかし、政党・政治会派を組織すると、そして議席を得ると、それらの提案や政策の法律化や予算化活動を当事者として行なうことに。
その活動基盤は、女縁ネットワーク力を駆使して形成し、持続性を持ち、年代・世代継承もDNAとして行われるものとして確立されたもの。
まさに、ウィメンズアクションネットワークが深耕・深化されたものと。

綿密に練られた計画に基づき、ウクライナ侵攻を北京五輪後行い、ほぼ全土を掌握(するであろう)し、目論見通りことを進めつつあろうプーチン・ロシア。
その事態は、世界に衝撃以上のものをもたらすのではと思います。
こうした中、女性主体政党云々と語るのも、なんと能天気で、平和ボケしたことをといわれそうです。
その類の問題については、本論の主旨・目的から外れますので、外交政策としてシリーズの最終回に少し紛れ込ませるに留めたいと思います。

次回は、女性主体政党・政治会派の組織化と国会議員輩出による国会での政党基盤形成について考えることにします。


<参考>:関連過去記事リスト

危ない介護保険をどうすべきか:上野さん、樋口さん、女性で政治を変えましょう!(2020/6/7)
女性のいない民主主義社会の改革を:女性国会議員の一挙増員への途(2020/6/16)
男性社会改造への途:女性にしか社会は変えられない-1(2020/9/21)
女性活躍推進政策を女性自身はどう感じてきたか:女性にしか社会は変えられない-2(2020/9/22)
常態化した女性高学歴社会への期待と主体的な社会経済活動参加の先(2020/9/23)
「平和と社会保障と民主主義を守る女性会議」(仮称)創設のご提案(2020/9/24)
女性主体政党創設の夢:2030年自民党女性国会議員30%、20年後女性総理誕生に先駆けて(2020/9/30)
議員定数削減一院制へ改憲を:イタリアで国会議員数削減国民投票可決(2020/10/12)
介護職の皆さんに関心を持って頂きたい日本型ベーシックインカム(2020/10/25)
保育士の皆さんに関心を持って頂きたい日本型ベーシックインカム(2020/10/26)
女性参政権75年に思う-1:現役猪口邦子氏、元中林美恵子氏女性国会議員の発言から(2020/12/22)
第5次男女共同参画基本計画と女性参政権:女性参政権75年に思う-2(2020/12/26)
拝啓、上野千鶴子様 失礼を承知でお願いがあります。(2021/1/25)

少しずつ、よくなる社会に・・・

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