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中国、韓国の少子化・人口減少事情:成熟か衰退か

前回、
2050年、人口2500万人減少で1億人割れ。超絶人口減少社会へ(2021/2/26)
で、日本の人口減少実態について報告しました。
その元となった、厚生労働省がによつる2021年2月22日の「人口動態統計速報」の発表前後に、相次いで、中国と韓国、両国の出生者数減少に関する記事が、日経に掲載されました。

「一人っ子政策」「二人っ子政策」の影響で、2100年に5億人割れも

先行して取り上げられた中国の方は、従来の一人っ子政策、加えて二人っ子政策、イコール産児制限政策の転換を報じたもの。

先述の日本の2050年における人口予測1億人に対して、中国の方は、もう50年プラスして、2100年に5億人を割ると予想されることをも想定してかどうか分かりませんが、国策転換です。

中国共産党は1980年頃、人口抑制策として「一人っ子政策」を導入。
政策的に無理やり出産を抑えこんだため人口構成がいびつになり、2014年以降15~64歳の生産年齢人口が減少。

それにより、この制限を2013年から緩和。
2016年にすべての夫婦に2人目の出産を認める「二人っ子政策」に転じたが、17年以降の出生数は連続して前年を下回り、2019年の出生数は1465万人。

日本では、今年80万人を割るかもしれないと、絶対数での違いが凄いです。
戸籍登録ベースでみた20年の新生児は19年より15%減り、出生数も落ち込む。
出産適齢期の女性も25年までの10年間に約4割減り、出生数の減少は今後も続くとみられるということです。

中国・産児制限撤廃、習近平の狙い

そのため、中国政府は2021年2月18日、黒竜江、遼寧、吉林3省などの東北地方で先行して産児制限の撤廃を検討すると発表。
これは、2020年5月の全国人民代表大会での建議を受けてのもの。

この3省など東北地方は、経済的負担や女性の職業安定といった問題が大きいため、夫婦の出産意欲が高くなく、著しく少産化が進む地域。

出生数減少と間接的に関係あるかどうか、習近平が「脱貧困」を誇っている報道が数日前にありました。
脱貧困に相当の資金を投入したといいますが、その対象地域の大半は農村部でしょう。
「脱貧困達成」政治遺産に、習氏が演説 2022年党大会にらみ、実績強調(日経:2021/2/25)
<参考ブログ>
脱貧困「達成」宣言の習近平中国とベーシック・ペンションによる日本の貧困撲滅(2020/12/21)

今、習近平が気にしているのは、国内経済の停滞ということです。
経済成長が止まることが、同体制の評価が低下し、批判の種になりかねない。

これは、出産数の減少・少子化と、はやり中国でも必然化している高齢化により起こりうるリスクでもあるわけです。
少子高齢化は、労働人口の減少も並行して進行します。
社会保障負担の増加も不可避です。
また、新型コロナウイルス禍による所得不安や高い教育コストなど経済面の制約を強いられることによる出生率低下もあります。

現体制の長期化を目論む習近平にとっては、この産児制限の及ぼす影響の顕在化・長期化はなんとしても食い止めるべき課題になってきたわけです。
しかし、産児制限だけが出生数減少の要因ではないという評価も、暗黙に同意されていること。
先述したように、経済的な要因も大きいと言われています。
その中では、特に高い子育てコスト、教育コストが問題に。
現役世代の社会保障負担が重くなることへの不安・不満も指摘されています。

なにやら、日本も、そして後述する韓国も、同じ要素・要因の悩みを共有していることになるわけです。
政治体制がまったく異なるにも拘らずです。

現状の人口約14億3565万人という中国が、80年後には5億人を割るかもしれない、という説は俄に信じることができないのですが、一応、現在、人口減少の段階に入っているわけではなく、合計特殊出生率を1.6とすると、2027年がピークで、以降減少すると予想されています。
しかし、ある専門家によると中国のそうした数字は、かなり粉飾されたもので、実際の出生率は1.05程度とした説もあり、この場合、5億人割れも想定可能のような気がします。

韓国、2020年に初の人口減 出生率が過去最低更新 


一方、韓国も同様の事情を抱えています。

2月24日、韓国統計庁は、2020年の国内出生数が、前年比10%減の27万2400人で、過去最少となったと発表しました。
2020年の日本の推定値が80万人を割るかどうか、と比べると、より深刻な状況が分かります。
但し、韓国の人口は、約5,120万人で、日本の約1億2,700万人に比べれば、その出生数は、やや少ない程度でしょうか。

1人の女性が生涯に産む子どもの推定数、合計特殊出生率も0.84と過去最低を更新。
日本は、1.36で、韓国の方の深刻度が際立っています。

そして、死亡者数は30万5100人と出生数を上回り、統計開始以来初の人口減に。
この傾向は今後も続くとみられ、韓国は本格的な人口減時代にさしかかるとされています。
日本が、初めて人口が減少したのが2005年で、継続的な減少に転じたのが2008年とされています。

韓国の社会事情については、格差の大きさ、若い世代の就職難、進学競争の激しさなど種々伝えられていますが、少子化、少ない出生数が、何よりもそうした状況が現実であることを示しています。

それでも狂気の北朝鮮傾斜の文在寅政権が、未だに命脈を保っていることの不可思議・不気味さには、驚きます。
まさに教育による洗脳効果が、一定の層に強固に効いているとしか言えません。そして日本以上にある「同調圧力」。

反面教師として、というよりも、同質に傾斜する可能性もあることを肝に銘じて、少子化社会対策・超高齢化社会対策に取り組むべきことを、コロナ後も見据えて、今年2021年の国の重要な課題とすべきでしょう。

東アジアだけではない、コロナ禍による先進国の出生数減少予測


前日の日本、今回の中国と韓国。
東アジア3カ国の人口減少・少子化、そして高齢化問題が、ほぼ並行して進行する事情・状況を確認できました。

しかし、それは東アジア地区に限ったことではなく、新型コロナウイルス禍もあって、先進各国にも共通した問題になってきています。

英調査会社ユーロモニターは、米・仏・英・伊等先進国全体の出生数が20年に0.3%、21年に1.3%減ると予測しています。
中でも、イタリアは-3.5%前後、英国は3%近くまで減少。

2020年の先進国人口は約12億7千万人。
1950年以降、一貫して増加してきたが、晩婚化・女性の社会進出を背景に出生数が減少する国が増えつつあり、ここ数年、前年を上回るペースで推移していたが、2021年に初めて減少に転じる可能性もあるとされています。
若年層には雇用不安などから結婚・出産を先送りにする動きがあるのも、東アジア各国の悩みと共通です。

こうした共通する問題は、各国の事情もさることながら、当然共通の要因があります。
それが、社会の成熟ゆえとみるか、衰退の予兆とみるか。
いずれにしてもそこで問題視されるのは、労働力人口の減少とそれによる経済の縮小・停滞です。
しかし、本当にそれが最も危惧すべき問題なのか。
多少疑問を私はもっています。

その疑問は、SDGsの理念に対してのものと共通しています。
今回は、前回と共に、現状の報告にとどめたいと思います。
経済は常に成長すべきか?

機会を改めて、主にSDGsを論じる時の課題としたいと思います。

(参考)
出生率1.36、出生数90万人割れ、総人口減少率最大:少子化社会対策大綱は効き目なし(2020/6/11)
「令和2年少子化社会対策白書」と86万ショックと出生率1.36の現実(2020/8/17)

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