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自分の給料安いか、高いか:コロナ禍・環境変動で考える働き方・生き方改革-4


前月下旬7月30日から、<コロナ禍・環境変動で考える働き方・生き方改革>と題したシリーズを始めた。

第1回: 今から始める新・人生設計のポイント(2020/7/29)
第2回:働くことが困難になったコロナ禍とこれからの働き方(2020/7/30)
第3回:選択肢としての正規社員・非正規社員・自営業者・無業(2020/7/31)

の後の今回第4回目のテーマは、賃金・給料。

今もらっている給料は安いか、それともそこそこ満足しているか。
コロナで、失業したり、非正規雇用で更新されなかったり、という状況では、それどころではない人も多いかもしれない。
でも、それだからこそ、今までもらっていた給料、今もらっている給料が安いか、妥当か、それとももらい過ぎか、考えてみる意味・意義はあると思う。



世間相場主義としての賃金


そもそも、会社に入って賃金を得る被用者という立場。
本来労働契約に基づいて、担当する仕事に見合った賃金・給料を予め決め、確認して就労しているわけだが、労使平等・対等で、それらの労働条件が決まっている実感はない。

会社が提示する賃金・雇用条件に初めから異議申し立てし、交渉して賃金・給料を上げてもらう、変える。
滅多にないことだ。
そんなことをやると、端から不採用だ。

とろこで最近盛んに「ジョブ型」と呼んで、雇用や働き方、処遇の仕方に関して論じられる機会が多い。
では対する「メンバーシップ型」で決まっていた賃金制度と「ジョブ型」では、どこがどう違うのか。

私は、世間相場という要素が、どちらにも共通にあり、賃金・給料を決めていると考えている。
プロセスは違うが、結果的に大差ない、というのが私の感覚である。

メンバーシップ型といっても、毎日、経営者や管理者の都合で、仕事内容が変わるわけではない。
日々仕事は変わらないけれども、実際に携わっている仕事の賃金の世間相場とは大差ないのが大半だと思う。
時には、仕事が代わったときに、前の給料に比べて安い、とか、まれに、前の仕事に比べて楽だけれど、同じ給料でラッキー、ということもあるかもしれないが。

IT関係の仕事であれば、業界相場という世間相場があり、同じ企業内でも、職種の違いで賃金に違いが設定され始めているはずだ。

ジョブ型しかりで、ジョブの内容・職種に応じた世間相場があり、競争市場があり、それに応じた賃金・処遇が決められているわけだ。

そう結局、あなたの賃金は、世間相場で決まっていると、ほぼ言える。



楽だった年功型賃金制度、面倒だった業績主義賃金

同じ仕事だが、結果・成果があり、その違いが給料に反映されない。
あるいは、反対から見れば、一応職種・職務は同じだが、結果・貢献度が低くても賃金は変わらない。

年功型賃金は、そういう不平等があるので、成果業績に応じて給料を変えるべきだ。
でないと社員のモティベーションが上がらず、士気に影響する。
そんなことから成果主義賃金・業績主義賃金、成果主義人事制度・業績主義人事制度を導入すべき。
そういうトレンドもあった。
今も継続しているかもしれない。

しかし、思うに、年功型賃金・年功主義人事を完璧に行い、貢献度の違いをまったく賃金や人事処遇に反映させない企業などなかったと私は思っている。

要は、程度の問題であるか、経営者・管理職の恣意性・偏りなどに問題があった故のことと思う。
そういう組織で働かざるを得なかったのは、不運としか言いようがない。
私だったら、交渉し、聞いてもらえなかったら転職している。

また、別の面から見ると、年功型賃金は、運用管理が楽だったのだ。
勤続年数や年齢が評価の物差しの軸だから、管理する方はやりやすい。
これが、一人ひとりの成果・業績の違いをしっかり見て、評価して給料に違いを出す、となると、基準を設定する必要がある。
その基準を文章等で書き表して、提示して、説明するのも実は面倒だ。
場合によっては、書き出すこと自体が難しい。
結局、経営者や管理職の感覚、好き嫌いによる違いになってしまったりする。

しかし、ある程度の規模の企業なら、人事評価制度を導入して、年功的ではあっても、多少の成果主義・業績主義的賃金管理を行ってきていると思う。

となると、中小企業・零細企業などで働く人びとにとっては、年功制だ、成果主義だという議論そのものに縁がない。
事業をやっていく事が可能な賃金レベル、という独自の評価決定基準が効いているのだ。
一応、世間相場を意識している上でのことだが。


正規と非正規の賃金の違い

ここ数年、働き方改革との関係で、同一労働同一賃金であるべき、となんだかんだで法制化が進みつつある。
働き方改革との直接のつながりはなくて、要するに、非正規雇用の人の賃金が正規雇用の人と比べると不当に低いから、同じ仕事をしているのなら、同じ賃金にしなきゃいけない。
そういうことだ。
納得できることではある。

が、別の視点から見れば、正規雇用の人たちの賃金の決め方に問題があった、と言えなくもない。
だから、同一労働同一賃金制は、正規雇用の人の賃金を下げる方向に働かせるかもしれないのだ。
国や官庁は、非正規雇用契約から正規雇用契約への転換を図ろうとしている面もある。
しかし、不況などで労働市場が買い手市場の場合は、非正規雇用がしやすいので、賃金は上がらないし、好況で、なかなか雇用できない場合は、賃金は、自ずと上がっていく。
同一労働同一賃金の論理は、通用しないことも多々あるわけだ。

今後は、労働人口の減少が進むので、非正規社員を正規社員に転換する動きが大手企業や人気職種において見られる。
しかし、コロナ禍は、経営サイドからすれば、非正規比率が高い方が、リスク管理には良いので、非正規比率はむしろ高まる動きになるかもしれない。

IT等一部の人気高賃金職種に限っては、非正規である程度自由に働くことができた方が、将来的に、自分をより活かす働き方・生き方を実現する上で、プラスになるかもしれない。


給料を払えるだけの利益が出る経営、出ない経営


自分の賃金・給料を安いと感じるか、高いと感じるか。
いろいろ考えるのは、自由だが、少し客観的に考える癖を付けておいたほうが良いと思う。

まず、雇用されている場合、雇用している事業が、ちゃんと賃金を払い続けてくれることができるかどうかが、最も基本の段階。
文句があっても、払えなければ、倒産して失業保険をもらって転職先を探すか、自分から見切りをして退職し、転職を考えるか、だ。
なんとか、やっているような状況でも、ほぼ同様だ。

十分利益も出ており、もっと給料を上げても良さそうだが、上がらない、上げてもらえない。
こういう場合は、その企業・職場の事業経営の中で、自分の貢献度や仕事の価値を、評価できるかどうかが、出発点になる。
売上や粗利益(付加価値)の中で、粗利益がいくらあり、人件費がいくら、諸経費が幾らかかるか、など推測・推計してみる。
そのための基礎データが入手できるかどうかの問題もあるし、自分がその計算や評価ができる知識や能力の有無も関係してくる。

ただ、安い、面白くない、と不平不満・文句を言っているだけでは、前向きな話にはもっていけない。


賃金はどうやって決まっているか、だれが決めているか、決め方は適切か


あなたの賃金・給料をだれが決めているか。
社長か、上司である課長か部長か、営業所長・工場長・センター長か。

決めるために何かデータを利用しているか、人事考課制度があって、その評価表を用いているか、その際に上司と自分とのコミュニケーションがあるか。

決まった結果や理由・根拠について、説明があるかないか。

まあ、様々な方法があるわけだが、当人にとっては、自分のところだけ。
他は関係ない。
いろいろな場面や課題で、「多様性」という言葉が多用されるが、実際の所、当人にとっては多様なものはなく、ほとんどそれしかないのが実態だ。

多様性に関係がないのは、選択肢が多様にないのは、本人の責任であるかのような用いられ方であることに、以前から疑問をもっているのだが、あまり問題にされることはない。
確かにそんなことを議論することはムダだが、おかしいことはおかしいと、都度確認していかないと、おかしなことが普通、当たり前になってしまう怖い社会なのだ。

で、給料の決定プロセスや決定方法・基準などが、合点がいかなくても文字や規定で用意されているかどうか、そこはまず確認しておくべきだ。

どれも決まっていなかったり、知らせれていない場合、そろそろ、それらについて尋ねたり、調べたりする。
そういう基本的な点について、疑問や興味関心を持ち、何らかの行動を起こしてみることは、とても大切なことと思う。
自分を変えるきっかけになるだろう。



競争力としての人材、勝ち残るための賃金と人材

会社などの事業は、ほとんど持続させることを目標の一つとしている。
まれに、自分が創った企業を、他に売却することを目標としている経営者がいるかもしれないが、そうなっても事業は基本、継続する。

人材は、そのために存在する。
持続することに、成長することが加わる。
競争企業が現れると、その競争に勝つための経営に邁進する。
経営者の経営戦略に影響される面も大きいが、人材の差が、そこに現れることも多い。

高いモティベーションを持つ良い人材を擁し、競争に勝つことができるよう貢献してもらうためには、高い給料を支払うことが必要になる。
新たに採用する場合ももちろんである。

そういう企業は、そのための能力がある、その価値がある人材に、やってもらいたい仕事に見合った賃金・給料を支払う契約をする。
それができる経営を行う自信があるか、成算があるからだ。

そうした企業・事業などに参加・参画できるチャンスを得ることを目指した働き方・生き方をしているか。
考える機会があってもよいと思う。
そのために、どんな職種・技術・経験が必要か、も合わせて考える日々・時間・時期も持ちたい。


貴方がいなくても会社は回る、自分がいなくても会社は困らない


もし、即会社を辞めます、と申し出た時、きっと会社は、上司は困って「辞めるな」と引き止めるだろう。
そう推測する。
確かに辞められると困ることのほうが圧倒的に多いだろう。

でも、一旦辞めたいと言ってきた人に対しての思い・感じ方は、そこから一気に変わる。
今すぐ辞められ、明日からもう来なくなる。
これは、確かに困る。
が、いつまでに、と期限が決まれば、会社・組織はなんとでもなる、ちゃんと回っていく。

一旦辞めると申し出た人が、ずるずる長く働き続けるのは、歓迎されないもの。
ゴネ得みたいな形になって残るのも、双方にとって、気分・居心地がよくないだろう。

もし本当に必要で、いなくなっては本当に困る人材と見ていたならば、とうの昔に、期待や労働条件の変更など、何らかの申し出やコミュニケーションの機会をもっていたはず。
放っておかれたということは、そう見られていたということ。
それだけの会社・経営者だったとしてもよいだろう。


自分の仕事の価値はいくらか

さて、そうこうして、自分の賃金はいくらが適切か。
自分の仕事の価値は、いくらと値踏みできるか。

直接の営業に携わる仕事ならば、売上・粗利益、人件費・他諸経費など分解・分析して、自分の賃金の妥当性を大まかに評価確認できるかもしれない。

かもしれない、としたのは、本部経費など間接的にかかる諸費用が、上記の数値データに入っていないことが多いため。
というか、そういうレベルまで、組織別・部門別利益管理を行い、公開していない企業・職場がほとんどだから。

そこで、コロナ禍で余儀なくされた在宅勤務、リモートワーク体を体験した人は、その利益・コスト管理データを収集・試算してみることをお薦めしたい。

賃金のほか、在宅勤務で利用する事務・ネット環境、場所などの基礎コストを見積もり、自身の仕事から期待・想定できる収益を想定する。

そうではない仕事の場合も、自分の属する組織単位での収益・諸費用の合計を、自分ひとりに分割・分配して、賃金給料の絶対額や構成比が、適切かどうか、客観的に評価する。

大まかでかまわないので、一度是非やってみてほしい。


自分の給料を自分で決めることができる働き方

自分の賃金は、自分が決める。
それが望ましいやり方。
だが、企業など組織事業では、決定権は本人個人にはない。

労働人口減少への対策は、高齢者雇用と女性雇用が、第一の労働市場における課題となっている。
そこでは、賃金に関する交渉云々よりも、働くサイドでは、希望する働く時間や日数などに重点がおかれる。
雇用サイドは、契約期間や就労体制など、調整可能な雇用条件を重視する。

すなわち、自分の希望する条件云々の余地は殆どないに等しい。

ただ高度専門職や、ジョブ型契約に基づく場合の賃金では、労使対等での交渉で決定する形が主になってくる。
この段階では、海外企業を含め、同種の職種のグローバル社会での世間相場情報も入手しているだろうし、自分のスキルのレベルの評価や値踏みもある程度客観的にできるだろう。
しかし、自分が思うものと相手が考えるものとが必ずしも一致するわけではないし、仮に労働契約を結び入社しても、ジョブに組み込まれた価値を創造する事ができなければ、雇用は解除されるわけで、その主導権は、時針にはない。

となると、究極の形として、自分で稼いで、その稼ぎから諸経費を除いた利益から、自分で配分を決めて報酬として受け取る。
このやり方で、自分の賃金、自分の価値を決めるのが最も合理的となる。
但し、持続性・継続性がないと、基準にはならないし、なにより安定性のない事業では、賃金・給料原資を確保すること自体不可能になってしまう。

要するに、働くことは、そう簡単なことではないわけだ。
しかし、安定化し、継続可能となると、自分で決めた賃金にだれも口を挟むことはできない。
一つの理想ではあるが、その基盤である働く場が、組織・チームとしてスタッフを抱えるようになれば、その被用者の賃金・給料を決め、運用管理する立場になるので、経営者としての責任・力量が問われることになるわけだ。

その時、自分の賃金・給料を自分で決めた経験は、決してムダにはならないだろう。

だれかに自分の賃金給料を決められる。
自分で自分の賃金給料を決める。
雇用する人材の賃金給料を決める。

それぞれを経験し、それぞれの評価・判断・基準などについて考える機会を持つことが、実は、多様な生き方や働き方を体現してきたことを意味する。

だれでもできることではないが、その気になれば、だれもができることでもある。

その経験・体験をするためには、日々いろいろ興味関心を持ち、調べ、身につけ、実践してみる、ポジティブな生き方・働き方が望ましい。
それらの基盤・基礎になる事柄も、今後取り上げていくことにしている。

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