
移動手段変革による生活変化とカーボンゼロ・イノベーション
菅内閣の「脱炭素宣言」を受けて、日経紙が、官民マスコミ合同キャンペーン的に新年早々掲げたのが「第4の革命 カーボンゼロ」。
カーボンゼロを、農業、産業、情報に次ぐ「第4の革命」と位置付け・価値付けしてのことです。
その特集記事の一部を紹介しながら、カーボンゼロ社会について考えてきました。
題して、「日経<第4の革命 カーボンゼロ>特集を読む」シリーズ。
◆ グリーントランスフォーメーション(GX)とカーボンゼロ・イノベーション(2021/1/4)
◆ ペロブスカイト型太陽電池によるクリーン&グリーンエネルギーとカーボンゼロ・イノベーション(2021/1/5)
◆ 水素社会、IoE(インターネット・オブ・エナジー)実現とカーボンゼロ・イノベーション(2021/1/6)
◆ 小型炉原発に検討の余地が?電源構成とカーボンゼロ・イノベーション(2021/1/7)
と進めて来た後、どうしようかと思っていましたら、今日1月9日のテーマが
<一からつくる移動網 テスラ超える戦い>と題したもの。
日経<第4の革命 カーボンゼロ>特集を読む-5
珍しく、私たちの生活におけるモビリティ可動性の変革、トランスポーテーション移動手段の変革についての内容でした。
その内容には興味をそそられたので、サクッと、簡潔に以下紹介することにしました。
復活!ヨーロッパ横断特急!
1957~95年に欧州の主要都市を結んだヨーロッパ横断特急が復活するそうです。
ヨーロッパ横断特急、乗ってみたいですね。
一度廃止されたものが復活する理由は、CO2を大量排出する飛行機を回避する動き。
この現象・傾向を「飛び恥」というそうです。
では、航空機業界は黙って耐えるか、縮小するだけか。
エアバス社、ゼロ・エミッション機「ゼロe」、2035年就航へ
移動の選択肢を確保するための動きは当然ある。
その一つが、欧州航空機大手エアバス。
2035年に温暖化ガス排出ゼロの航空機を実用化すると宣言した。
具体的には、液化水素をガスタービンで燃やして飛ぶ以下の「ゼロe」と呼ばれるコンセプト機の開発と投入。
1)ターボファンデザイン(120~200席)
航続距離が2000海里以上で、大陸間飛行が可能。
ジェット燃料ではなく水素をガスタービンエンジンで燃焼することで動力を
得る。液体水素は、後部圧力隔壁の後ろに設置したタンクに貯蔵。
2)ターボプロップデザイン(最大100席)
航続距離は1000海里以上。
ターボファンの代わりにターボプロップエンジンを使用。
ガスタービンエンジンで水素を燃焼し動力を得る。
3)ブレンデッド・ウィング・ボディデザイン(最大100席)
ターボファンデザインと同程度の航続距離。
主翼と機体を一体化させ、胴体の幅広い仕様。
水素の貯蔵・供給方法や客室のレイアウトでさまざまな選択が可能。
約70年前に英国でジェット旅客機時代の幕が開いて以来の大変革になるといいます。
より詳しい内容の一端は、こちらからどうぞ
⇒ エアバス、ゼロミッション航空機の新コンセプト3種。水素を主要な動力源に – トラベル Watch (impress.co.jp)

ドイツ・リリウム社の電動垂直離着陸機「eVTOL(イーブイトール)」が2025年エアタクシー機に
ドイツ南部のミュンヘン郊外にある2015年創業の新興企業Lilium社。
同社は「空のテスラ」と呼ばれる駆動時に温暖化ガスを全く出さない電動垂直離着陸機「eVTOL(イーブイトール)」を開発。
2025年までにエアタクシー事業を世に送り出す計画をもつ。
こうした空飛ぶクルマメーカーが世界で続々と誕生しているとしています。
詳しい記事の一端は、こちらからどうぞ。
⇒ Lilium、2025年までのエアタクシーサービスを目指し、さらに2億4000万ドルを調達
中国・上汽通用五菱汽車、2020年発売の大人気小型EV「宏光ミニ」は、約46万円
米GMと上海汽車集団などの合弁、上汽通用五菱汽車が、2020年7月発売小型EV「宏光ミニ」。
その販売台数が、9月に米テスラの主力小型車「モデル3」を追い抜いた。
売りは、航続距離120kmの近距離移動向けで、価格は2万8800元(約46万円)。地方都市で爆発的に売れているという。
日本の軽自動車も真っ青の低価格とEV車であること。
詳しい情報の一端は、こちらからどうぞ。
⇒ 45万円で9.3kWh〜中国の電気自動車『宏光MINI EV』が発売早々大ヒット中

増えるEV事業参入で競争激化、価格競争に反映され、自動運転も当たり前になり、生活も大変化
すべてのモーター種製造をカバーして世界に誇る日本のグローバル企業、日本電産の永守重信会長兼CEOは、「30年以降に過半数がEVになれば、車の価格は現在の5分の1程度になるだろう」と予言しています。
その理由の一つは、内燃機関を持たないEVの必要部品点数は、3万点必要なガソリン車の6割程度で済むため。
EV参入障壁が下がり、自動車産業以外からの参戦も増えるわけです。
変化・変革のスピードと度合いは、まさに半端ないです!
そして、自動運転車も認められ、生活も大きく変化します。

スマートシティ裾野市でのゼロエミッション車(ZEV)だけが走る都市開発
その生活変革の実実験が、スマートシティ、ウーブン・シティ。
既に発表されて時間が経過している、トヨタが主導する静岡県裾野市でのスマートシティ開発。
⇒ フォトギャラリー:トヨタが日本に創るスマートシティって、こんな街並み!
2021年2月には、自動運転EVなどゼロエミッション車(ZEV)だけが走る実験都市「ウーブン・シティ」に着工する計画です。
5年以内の完成を目指し、グループで開発中の空飛ぶクルマが登場する可能性もあると言います。
そこでは、コネクティッド・シティもキーワードの一つ。
詳しい情報の一端は、こちらからどうぞ
⇒ トヨタ、静岡・裾野に「つながる」スマートシティ“Woven City(ウーブン・シティ)”建設へ【CES 2020】
2050年迄生きることは不可能ですが、2040年頃までは・・・。
その時、どのような社会になっているか。
それらの多くが、ゼロカーボン、カーボンニュートラルを一つの起点にして開発されるモノであり、暮らしであり、社会でもあります。
こうした技術イノベーション・オリエンティドが単独で機能するだけではなく、政治と行政が招く望ましい社会システムをも同時並行で進められ、出来うるならば、人の心の多少の進歩も期待しつつ、変化と進捗を見ていきたいものです。

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