特養入所決定後のサ高住生活状況と退所まで:98歳義母介護体験記・第2フェーズ-2

介護制度、高齢化社会

2015年3月下旬にサービス付き高齢者住宅(サ高住)に入所した当時93歳の義母の介護をめぐる初期の体験を他サイトで報告。(後述参照)
5年間のサ高住生活を経て、今年5月に特別養護老人ホーム(特養)に転入。
その簡単な経緯は、5月に
98歳の義母が、サ高住から特養に移りました
として報告しました。

そこで、特養に移るに至った経緯と入所をめぐる体験報告を、「98歳義母介護体験記フェーズ2」として前回から始めました。

要介護1から要介護4への区分変更で5年間生活のサ高住退所へ:98歳義母介護体験記・第2フェーズ-1

今回は、その第2回目です。


大腿骨骨折後の状況の変化

要介護4としてのサ高住での生活。
変わったことは、歩行器での生活が不可能となり、完全に車椅子生活になってしまったこと。
ただ、それでも自力でトイレなどをやろうとするので、スタッフの方々は目を離せないことに。
なので、とにかくコールボタンを押して呼ぶように念押し。
以前よりは頼るようになってきたとのことでしたが、それでも、転んで動けなくなっていることもあるようでした。

加えて、歩行器を支えに立って歩くことがなくなったためか、食が細くなったことも気になることでした。
見た目も、以前よりも顔が細く見えるように。
今年の10月には99歳なのですから、やむを得ないとは思うのですが。

そうこうするうち、少し厄介なことが起きました。


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骨折後下半身への血流悪化で褥瘡発症。循環器内科外来受診(2020年2月~3月)


2月19日にサ高住より、主治医からの連絡として、左足首近辺に発症していた褥瘡が悪化してきたので、調べて、急性期病院の循環器内科を予約したので受診をという要請。
それまでは、介護スタッフが医師の指示を受けて、基本的な処置をしてくれていました。

対応すべく、往復介護タクシーを手配し、2月25日に初診を受け、医師に治療をしてもらい、洗浄用剤と塗布薬も処方。
病院で受け取り、サ高住に渡して、毎日ガーゼ交換・塗り薬塗布など処置をしてもらうよう依頼。
再診日まで様子を見ることに。

サ高住には専従看護師がいないので、介護スタッフが毎日担当してくれたわけです。
訪問したある日に、他の車椅子生活の重度の要介護男性高齢者も、ガーゼ交換してもらっているのを見ました。
やはり介護は大変な仕事です。

3月10日に再診。
治療を受け、同様の処置を継続し、経過を見ることに。
次回3月30日に再診予約。
同日、再診。
若干良くなる傾向ということで薬を変更し、以降同様毎日施設で処置。
次の再診予約はなしとし、このまま経過を観察。
何かあれば再診に来ることになりました。

結局、そのままサ高住退所となり、特養入所時に、薬を持参して状況説明し、同様の処置を専従看護師に依頼。

入所当日、看護師が、健康状態などを引き継ぎとしてチェックした折り、背中にも褥瘡ができていることを教えてくれました。
どうやら、サ高住でもそれは分かっていたらしいのですが、退所時に私には伝えてくれませんでした。

妻の妹(義母の次女)がサ高住に訪問した折り、その褥瘡を見て、スタッフに伝えて所、もうすぐ施設を出るんでしょ、みたいなことを言われた、という話が、後日妻を通して入ってきました。
ちょっと残念な話でした。

特養での現在は、毎日看護師に、治療してもらっており、特に外来で専門病院に行くよう要請されることは、これまでのところありません。


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これは、当初より良くなってからの褥瘡の状態です。

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サ高住退所申し入れと退所準備

さて、入所申し込みをした特養の担当者が、2月10日に、サ高住に義母との面接目的で来所。
ということは、当然サ高住の施設長も、医師経営者も、いつ特養入所が決まり、いつ退所するのか気になる所だったと思います。

私としては、入所決定だけでなく、実際に入所する日が決まってから申し出ることにしていたので、結果的には、かなりギリギリになりました。
受け入れる特養サイドがこちらの希望日である5月1日で良いと、なかなか決定頂けなかったためです。

正式に5月1日の入所を認める旨の連絡を受けたのが3月26日。
これを受けて、退所日程をサ高住経営の医師と施設長それぞれに書面でお伝えしたのが、3月30日。
その少し前に、特養から、
・健康診断書
・特養指定嘱託医宛紹介状
・服用薬などのリスト
をサ高住に作成を依頼するよう言われており、その旨もお願い。

これを機にして、退所に向けた雑件の処理・対応に入っていきました。
サ高住関連での主な対応事項は、
・車椅子及び別途利用していたクッションを自己用で購入手配し、レンタルしていたものと交換
・部屋の調度品、日用品・衣類などの不用品の処分、一部自宅への持ち帰り、特養への移送品の整理等
・退所日の、特養搬入品運送の便利屋さん手配
・同、義母移送用介護タクシーの手配
・退所日の薬受け取り
・医師、施設長への挨拶と御礼
など。

ほぼイメージに近いペースで、進めていくことができたのですが、1件だけ、私自身のミスで、冷や汗・脂汗をかく失態をやらかしてしまいました。



大失敗・大失態一人舞台

それは、
サ高住で利用していたものと同じ種類の車椅子とクッションを手配しようと、種々検討し、最終的には、車椅子はネットで、クッションはレンタル業者から購入することに。
そこまでは良かったのですが、ネットで何度も検索や検討しているうちに、<自走用>を発注すべきところを、間違って<介助用>で発注(3月31日)。
サ高住直送にし、交換設置日をレンタル担当社員とスケジュール調整して決め、当日4月17日に開梱。
それなりに日も迫っていた折り、介助式が送られてきていたことに、その時気づき、ガーン!

その日の交換はもちろん取りやめ、自宅に戻り、ネット業者とのメールでのやり取りで対応策を検討。
レンタル担当社員は、部品の交換ができないか調べてみると戻ったが、数日立っても連絡なし。
日が経過し、気も焦ったが、発注先業者から、未使用品の返品は、検査して商品価値を見積もり、手数料・送料など計算して最終的な返金処理額を決め、カード決済処理をする旨結論の、メールでのやり取りを数度。
その見込額の幅も提示され、この際追加費用はやむを得ず、一応了解。

結局、自走式を4月23日に新たに発注し、介助式は翌24日に梱包し、佐川急便にサ高住に集荷に来てもらいメーカーに発送。
もうそれで、日程も間に合うかどうかギリギリのところ。

幸い、27日に商品が届き、翌28日にレンタル会社担当者と施設で会い、車椅子とクッションの設置、レンタル品との交換引き上げを完了。

退所日前日の4月30日、施設長に御礼の挨拶に伺い、主治医事業トップにも言伝てを依頼。
結局当初の予定とはまったく異なるドタバタ一人プレイを演じたのだが、なんとか無事、翌日の退所日を迎えることができたのであります。

退所日、午前中に、打ち合わせしていた以前利用したことがある便利屋さんと二人で、荷物の搬出、特養への運び込みを終了。
午後、再度サ高住に行き、介護タクシーに義母を乗せ、特養に移動、入所。

幸い、義母の意識もはっきりしており、施設長に御礼の言葉伝えてくれました。
さて、新しい、そして恐らく終の棲家となるであろう、特養での生活が始まることになります。

予定より、本稿に時間がかかりすぎたため、5年間のサ高住生活の総括を、次回に行い、その後、特養への入所体験等のレポートに繋げていきたいと思います。



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2015年義母介護体験記シリーズ・ラインアップ

1)義母の骨折・入院から始まった老々介護を考える日々(2015/2/21)
2)地域包括ケア、地域連携診療という仕組みを知る(2015/2/22)
3)リハビリテーション病院への転院により回復期医療へ(2015/2/25)
4)自宅介護準備と介護施設検討の矛盾を抱えて(2015/3/1)
5)介護施設検索から資料取り寄せと見学体験(2015/3/5)
6)介護保険被保険者になり、老老介護有資格者に!?(2015/3/7)
7)要介護認定と老人介護被保険者証の交付を受ける(2015/3/8)
8)介護拒絶する要介護家族と介護者のすれ違い(2015/3/12)
9)介護支援専門員さんのサポートと介護施設入居日決定(2015/3/13)
10)介護施設入所説得とサービス付き高齢者住宅入居準備(2015/3/21)
11)サービス付き高齢者住宅入居と入居時会議、そして入居後の心配事(2015/3/25)
12)介護施設での居宅サービス計画と介護サービス内容、費用(2015/3/26)
13)訪問介護計画変更、通所拒否あり。義母、サ高住入居1ヶ月介護生活メモ(2015/4/24)
14)老老介護について知る機会を振り返る(2015/5/22)
15)ケアマネジャー退職・交替とサ高住経営の変化。そして大晦日・新年へ(2015/12/31)

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