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コロナ禍、ベーシック・ペンション、たらればで考える国家の役割と機能と主体-1


今回は、
コロナが促す新しい日本の社会システム構築とグローバル社会システム構築(2020/12/17)
の続編に当たるものですが、その最後に(次回は)「日本の社会経済システムの、グローバル・モデル化の課題を、整理してみたい。」と述べた課題の、日本に社会システムついてのみ考えることになるかと思います。

コロナで急増する女性自殺者と失業者の7割が女性という現実


一昨日のForbes Japan で日本で活躍する外国人ジャーナリストWilliam Pesek 氏が書いた以下の記事が目に止まりました。
コロナ禍で日本人女性の自殺が急増、「特有の悲劇」が顕在化(2020/12/17)
詳細は、同記事でご確認頂くとして、記者は、日本における根源的なジェンダー不平等社会と前内閣・政権与党の「女性活躍」政策を批判し、最後にこう結んでいます。

菅新首相が、女性の自殺者の急増に目を向けてくれることを願いたい。そして、治癒が困難な家父長制とデフレという日本の既往症が、いかに予測不可能かつ危険な形で、新型コロナウイルスがもたらした混乱と融合しつつあるかについても──

「日本特有の悲劇」と表現されていることに対して、為政者・政治家はどう感じるでしょうか。
恐らく、麻痺感覚と思われます。
意味が理解できないのでは、と言ってもよいかもしれません。

この治癒が困難な問題の解決に有効なクスリが果たしてあるものかどうか。

もし、このとき、ベーシック・インカム、ベーシック・ペンションがあっタラ。
こうした悲しむべき事態には至らなかったのでは、事態を招かなかったのでは。

やむなく非正規社員として働かざるを得ない社会システムの矛盾。
やむなく専業主婦あるいは共働き主婦として、家事・育児・介護をもっぱら担わざるを得ない社会システムの脆弱さ。
孤独で不安な生活を余儀なくされている女性単身者や、老齢家族介護従事女性を支えきれない社会システムの薄っぺらさ。

どうも、社会システムの整備を拡充を担うべき主体が、明確な責任・使命感をもつことなく、政治と行政を弄んでいるように感じられてならない、のです。

コロナで増加する大学生・院生の退学・休学者

昨日の朝日新聞デジタルでは、以下の記事を見ることができました.
コロナ禍で休退学5千人超 大学生・院生、文科省が調査(2020/12/18)

これも想定されることでしたが、コロナで収入を得るアルバイト先を失った大学生らが退学や休学せざるを得ない状態が、まだまだ続くと思われます。
奨学金の返済の猶予や授業料納付の猶予だけで対応できるものではなく、日常の生活そのものが経済的に厳しくなっている学生が日本の場合大半である現実があります。

もしこういう時に、ベーシック・インカム、ベーシック・ペンションが導入されていレバ、少なくとも日常生活は何とかやっていくことができ、奨学金の返済や従業料の納付も、一部は可能になったでしょう。

そもそも、返済義務がある奨学金や高額な授業料負担のためにアルバイトをしなければいけない社会システム、教育システム自体、本来望ましいことではないことは、ずっと以前から課題になっていたことです。

基本的人権の一つでもある教育を受ける権利。
ベーシック・ペンションは、その基本方針に基づき、それを実現するための社会システムなのです。

同記事内容の調査主体が文部科学省だったのですが、現状の文科省だけの問題意識・発想だけでは、抜本的な対策・改革は出てこないことは容易に想像できます。


「タラレバ」からの発想ではなく、リスクは常に在るという現実と共通認識からのベーシック・インカム、ベーシック・ペンション


間違いなくコロナがもたらした2つの社会問題は、実は、コロナがなくても、すでにそれらのリスクは、日常生活に伴走するかのように存在しています。
50年に一度、100年に一度あるかないかという自然災害は、毎年どこかで繰り返し起きても当たり前のようになっています。

解雇も、雇い止めも日常化しています。
元々厳しい労働条件・環境下にある保育職や介護職の仕事のリスクは、コロナで一層高まり、人材不足による現場の負担の増加、事業継続の困難による廃業や解雇による失業に直結していますが、遡れば常態化していることとも言えます。

コロナゆえベーシック・インカムの必要性が叫ばれ、導入すべきという議論が高まってきてはいますが、コロナゆえといい切ってしまうと、他の要素・要因が軽んじられ、結局この先もベーシック・インカムが、真摯に政治イシューとして取り上げられ、検討される機会も葬り去られてしまうことになりかねません。

現状の日常生活において何かしら、生活上、生きていく上で不安を感じている理由。
その多くには、経済的な不安が、厳として存在する。
その不安状態にある人、今後や将来に対して不安を感じている人。
そうした人々が、間違いなく増えている、そして増えていく社会。

ベーシック・インカム、ベーシック・ペンションは、その社会の成員であるすべての人々に、平等に、無条件で支給される生活基礎年金。
タラレバとは関係なく、今必要とし、これから必要となるさまざまな日常生活、人生における社会システムとして考える機会を、コロナがもたらしてくれたと考えるべきでしょう。


「税と社会保障の一体改革」主義から脱却すべき


12月14日に「全世代型社会保障検討会議」でまとめられた以下の項目。

<少子化対策>
・21年度から24年度までに14万人分の保育の受け皿整備
・22年度4月から不妊治療の保険適用拡大
・財源確保目的に年収1200万円以上世帯への児童手当適用除外
・男性育休促進へ、企業による個別周知の義務化
<医療制度改革>
・年収200万円以上75歳の窓口負担2割化
・紹介状のない病院受診の定額負担対象拡大し、2000円増額


どうでしょうか。
恐らくコロナで、結婚や出産を控える人や世帯は間違いなく今後数年間は増えると予想されます。
社会システムが変わらない限り、変えない限り。
少子化対策については、これまで「少子化社会対策大綱」「同白書」批判を繰り返し行ってきました。

◆ 出生率1.36、出生数90万人割れ、総人口減少率最大:少子化社会対策大綱は効き目なし(2020/6/11)
◆ 「2020年少子化社会対策大綱」批判-1:批判の後に向けて(2020/6/18)
◆ 「少子化社会対策大綱」批判-2:少子化社会対策基本法が無効施策の根源(2020/6/25)
◆ 「少子化社会対策大綱」批判-3:少子化の真因と究極の少子化対策BI(2020/7/13)
◆ 「少子化社会対策大綱」批判-4:安心して子どもを持つことができるBI、児童基礎年金支給を早期に(2020/7/28)
◆ 「令和2年少子化社会対策白書」と86万ショックと出生率1.36の現実(2020/8/17)
◆ 少子化社会対策と少子化担当相を糾弾する(2020/8/18)
結婚しない理由、結婚できない理由:少子化社会対策白書から(2020/8/27)
子どもを持たない理由、子どもを持てない理由:少子化社会対策白書から(2020/8/28)


こういう事態にありながら、やっていることは、こんな程度なのです。

不妊治療で生まれる赤ちゃんが少しは増え、保育の受け皿が少しは増え、男性の育休取得は企業に委ね、でも一部の世帯は児童手当がなくなり、75歳以上の高齢者の一部は自己負担が増え、大病院の紹介状がない初診料が上がる。

これのどこが全世代型社会保障と言えるでしょうか。
こんなレベルの議論を学者や官僚が時間とコストをかけて行い、閣議決定に持ちこみ、何となく仕事をしている感を伝え、日に日に不安と不安を増す人々が増えていく。

まあ、こうした総合的・俯瞰的な、小手先の政策の積み重ねしかできない、そういう認識しか持てない輩が政治・行政を司っている社会そのものを変革しなければ始まらないことは確かです。
現状論じている「全世代型社会保障制度」の論拠は、言うならば、「税と社会保障の一体改革」という方針に基づくこと。

もう一般常識、良識の象徴みたいなこの「税と社会保障の一体化」による全世代型社会保障の議論はやめるべきでしょう。

唯一の全世代型社会保障制度。
それが、ベーシック・ペンション、日本独自のベーシック・インカムであり、「税と社会保障制度の一体化」とは、まったく方針・方向性が異なるものなのです。


国家の役割、機能、その主体の在り方


おかしな話で、税も社会保障制度の根幹である社会保険制度の保険料も、実はすべて国民と企業が負担し、拠出・納付しているものです。
そこには、国家という主体が、どのように関与するのか見えていないのです。
表現が悪いですが、(他)人のふんどしで相撲をとっているにすぎない。

国家の役割は、税を、保険料をどうかき集めて、どう配分するかを考えること。
その仕事に政治家と公務員が、税から給与を得て、携わっているわけです。

ということは、税と保険料で賄うことは、すべて国民の自助と共助によるものということで、そこには、「公助」はまったくないのです。
「公助」の源泉は、「自助」「共助」であり、政治家も公務員は、他の国民の
自助・共助に寄りかかっているだけ、と言える、というか、言うべきなのです。
それが「国」の主体であるかのように振る舞っているのですね。

こうした国の主体の在り方、役割、仕事・機能の在り方を、コロナ禍が抜本的に見直すべきことを知らしめてくれた。
そう考える必要があるのではないか。

実は、ベーシック・インカム、ベーシック・ペンションもその枠組の中で軸となる社会システムと考えるのです。

次回、この「国家の役割、機能、その主体の在り方」について、もう少し具体的に、深く考えることにします。
主に、「公助」が焦点にもなります。



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