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カウンター・デモクラシーとは:私たちにもできる民主主義とベーシック・ペンション実現をめざす暮らし

カウンター・デモクラシーとしての「平和と社会保障と民主主義を守る女性の会」とベーシック・ペンション-1

ベーシック・ペンション宣言!-5:日本独自のベーシックインカム「生活基礎年金」提案、ここまでのまとめ(2020/12/5)
での宣言に基づき、今回から、日本独自のベーシックインカムである「ベーシック・ペンション」と関連するさまざまな社会保障制度及び関連法制の改善・改革を実現するための取り組みについて考えるシリーズを始めます。

ここでは、倉持麟太郎氏執筆の『リベラルの敵はリベラルにあり』<第6章カウンター・デモクラシーという新たな挑戦>を参考テキストとして用います。

カウンター・デモクラシーとは


以下が、倉持氏が述べる「カウンター・デモクラシー」の定義・説明です。

カウンター・デモクラシーとは、既存の選挙代議制民主主義への「対抗的」な民主主義のあり方であり、民主主義への「不信」を適切に組織し、選挙・代議制民主主義を挿話的(一時的、局時的)に正当化せず、それへのカウンターとして恒久的に追求されるべき新しいデモクラシーの実験的積み上げである。

本来カウンター・デモクラシー(以下、時々CD)は、既存の代議制民主主義と敵対するものではなく相互補完的なものである。我々市民が、「選挙」という機会でしか政治に対する民意の入力ができないとすると、あまりに機会が乏しい。従い、その機会を日常的・向上的に補うのがCDである。
選挙が「点」だとすれば、CDは「線」だ。
あわせて、この「線」自体のバリエーションが増えないと、CDは脆弱なものとなり、結局は既存の代議制民主主義に吸収されてしまう。
そして、現在のそれがカバーしている範囲があまりにも狭すぎるため、CDが担う役割は相当広範囲にわたる。

然りです。

例えば、子育て・保育職・保育行政等の保育関連の線、介護職・家族介護・施設介護・介護離職等の介護関連の線、非正規雇用者関連の線、生活保護制度に関連する線、障害者福祉に関する線、などなど、社会保障・社会福祉制度の改正・改善を求めるカウンター・デモクラシー活動の複数の線がありえます。

この複数の「線」の3本以上が交差すると、その内側には「面」ができます。
この「面」の数が増えていけば、CD活動は、共通する課題や要素で繋がりを広げ、代議制民主主義を望ましい方向・形で機能させることが可能になると思われます。

人びとはそれぞれの職業で「非政治」にいながら、日々「政治」をしていることがある。これらを政治的な文脈で再定位して統合していくのが、カウンター・デモクラシーという器の役割だ。


先述した複数の種類の「線」を描くそれぞれの線上にいる人びとは、ベーシック・ペンションが支給されることで、現在の厳しい状況を好転させることが可能になるでしょう。
それにより、CD活動を進めるプロセスで、政治に、民主主義・デモクラシーを取り戻させる可能性が高まっていくことになるでしょう。

(参考:ベーシック・ペンションとは?)
ベーシック・ペンション宣言-1:日本独自のベーシックインカム生活基礎年金導入を(2020/12/1)
ベーシック・ペンション宣言-2:JBP導入で、社会保障制度や関連法はこう変わる!(2020/12/2)
ベーシック・ペンション宣言!-3:なぜベーシック・ペンションが必要かつ有効か(2020/12/3)
ベーシック・ペンション宣言!-4:ベーシック・ペンション生活基礎年金実現の方法、スケジュール(2020/12/4)

前提としての「法の支配」「法の下の平等」「民主主義」


このカウンター・デモクラシーの必要性とその根拠について、同氏はこう述べています。

前提として、現在の選挙・代議制民主主義という「民主主義」自体の危うさ、すなわち、どこまでいっても「不完全な我々」が決する民主主義には「失敗」がつきまとう。その脆弱な民主主義から解放し、多様な民主主義の在り方を模索することで、カウンター・デモクラシーにその一端を担わせる。
これが民主主義の内側のプロジェクトである。

これとは別に、外側からのプロジェクトとしての「立憲主義」「法の支配」がある。
民主主義は多数決を決定の最終的な装置にしているがために、多数派vs少数派という構図を内在的に秘めている。リベラルが本質的に尊重すべき、多数決によっても侵しえない「たった一人のあなた」のかけがいのなさを守るために、数百万の投票に裏付けられた民主的な決定をも否定する、これが「立憲主義」というプロジェクトである。
従い、民主主義と立憲主義は緊張関係にある。

すなわち、現状の民主主義ではカバーできない「一人ひとり」の思いを、立憲主義でカバーする仕組みを充実させる必要があるというわけです。


これを「法の支配」で行うということになりますが、その根拠は「法の下の平等」すなわち「立憲主義」にあることと同義です。


「法の支配」の要件とハードルの高さと民主主義

しかし、私は、この「人の支配」に代わるべき「法の支配」については、少々懐疑的です。
なぜならば、現在の司法では、再審制において異なる法判断が示されることがあまりにも多いこと、冤罪を免れることもそう簡単ではないこと、などがあるゆえです。
法を作るのが「人」なら、法を運用するのも「人」。
仮にAI裁判長、AI弁護士に完全に業務を委嘱する時代が来ても、AI立法機関が、適格な「法の支配」が可能な法律を必ず立案する保証はないでしょうから。

一応、こうした素人の心配・不安に対してと言えるでしょうか、倉持氏はその「法の支配」を合理的に実行するための改善・改革策を以下示しています。

1.法が定める「手続き」の整備
 誰でも共通の手続を経れば実質的に権利・自由の救済や異議申立てが可能であり、その条件が多元的・多層的な手段で担保されていること
(例)⇒憲法裁判所の創設等、特定の誰かの権利が侵害されていなくとも憲法適合性を判断できる枠組みの設定や、公権力の統制の文脈では訴訟提起ができる資格たる「原告適格」をほぼ無限に緩和する。

2.法の「中身」の整備
 リベラルな価値がどのようなアイデンティティの人間に対しても等しく適用されるように基準が明確化・明文化され解釈の余地ができる限り統制されていること。
(例)⇒抽象度が高い法文を明確化・具体化していくことで、裁判所による法解釈や適用の余地を統制する。


確かにそう思います。
しかし、まさにAI裁判官、AI弁護士で処理できるレベル・質の法律を策定できればよいのですが、果たしてそれが可能かどうか。
特に意志・意向など精神性をどう基準化・規定化するかなど、その信憑性の評価を含め、簡単なことではないでしょう。
また、基準・規定の明確化・明文化がある程度なされても、個人個人が自ら訴訟提起することなど、結構ハードルが高いなと感じます。

とすると、結局高度専門職としての弁護士の必要性とビジネスチャンスは、一層拡大することになってしまうのではないか、そんな風に考えてしまうのですが・・・。
そこでやはり、民主主義の在り方、質の問題に取り掛かる方が現実的のような気がします。
ただ前項で述べたように、選挙制・代議制民主主義が、コロナ後も前も含め、現状の政治をみれば、決して、というか、絶対に望ましい在り方を示してはいないことは間違いないでしょう。

蛇足ですが、今でもすぐにやってほしいのが、現状のすべての法律を現代語表現に統一すること、削除された条項はすべて削除し、残る条項だけで条項番号を整理することです。
とにかく、読みにくい、分かりにくい法律を、読みやすく、平易に文章化する。
これだけでも先行して行うべきと思います。


<参考>:憲法 第11条、第13条、第14条、第25条

第11条 国民は、すべての基本的人権を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことができない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第14条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、心情、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的または社会的関係において差別されない
第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

平和と社会保障と民主主義を守るカウンター・デモクラシーの展開


是正し、守るべき民主主義の現実。
倉持氏は、こう言います。

政治的なるものへの漠然とした、あるいは「信頼できない」という「不信」の感覚は、積極的に反対票を投じて変革を求める意志と同義ではない。
我が国での「不信」は、無気力、ニヒリズム、脱政治、を意味している。そして「政治的なるもの」にとって、それはそれで好都合なのだ。信頼される必要はない。無党派層は「寝ていて」くれさえすれば、与野党双方とも、自分たちの政局に明け暮れることができる。そして、最終的には政局のゴールである選挙において、旧来の市民運動家たちを含めた一部の熱狂的な「過剰代表」、ノイジーマイノリティの支持さえ調達できれば、少なくとも現状維持は可能なのだ。


まあリベラルはボロクソです。
しかし、「不信」の意味するところは、より広く、より漠然としているのではないかと思います。
どちらかというと、「そんなことに構っている余裕はない」「どうにかしてほしいけれど、どうしようもない」、そんな距離感を持っての、無気力・麻痺状態に近い感覚の人が多いように思っています。

しかし、それぞれのアイデンティティ、例えば介護事情や子育て事情、非正規職等によって、何かしらの不安や不満を抱えてはいるけれど、ものも言わず言えず、日々やるべきことに追われている、あるいは、やるべきことさえできない状況に流されている。
そういう人々がものすごい数存在するのですが、それを受け止めうるリベラルが見当たらないという現実があるわけです。
テレビでは、コロナで不安な日々を少しでも和らげうるよう、お笑いと音楽情報が過剰に毎日流し続けていることが、政治的なるもの対象と受け皿を忘れさせてしまうクスリになっているような気がしています。

コロナはもちろんのこと、多くの社会問題を抱える日本が、信頼できない政治だが何とかならないだろうか、と漠然と思い、自身と家族の現在とこれからの暮らし・人生に思いを寄せるとき、何か一つ、すべてのアイデンティティに共通の思いや目標を見出すことができないか。
もし可能ならば、線にさえならないそれぞれのアイデンティティを一本の線で繋ぎ、それぞれの線を、共通の1点に向かって伸ばし、描いていく。
それが面になる。

その一つの共通命題が、例えば「平和や社会保障を守ること」にできないか。
そして、その命題の中に、より具体的で、真に平等を実現する法として、日本独自のベーシックインカム、生活基礎年金ベーシック・ペンションを位置付けることができたらば・・・。
そう、思うのです。

そのために、カウンター・デモクラシーを日常的に、ムリなく進めていく方法を具体的・現実的に考えてみたい。
そして、少しずつ、ムリなく広げていきたい。
そう思います。
そのカウンター・デモクラシーの向こうには、おそらく、望ましい民主主義が姿を見せ始めるのでは、と期待もしているのです。

次回、まだ漠然としているカウンター・デモクラシーをどのように具体的に進めていくのか、選挙以外で、日常の中での方法を考えることにします。

<参考>:ここまで考えてきたこと

『リベラルの敵はリベラルにあり』から考える、個人の生き方と社会の在り方-1(2020/10/18)
政治的なるものと日常生活における個人と社会:『リベ敵』から考える-2(2020/10/21)
生身の弱い個人とそのアイデンティティを救えないリベラルの弱み:『リベ敵』から考える-3(2020/10/22)
包摂すべきリベラル、が陥る排除の論理:『リベ敵』から考える-4(2020/11/14)
「リベラルの敵がリベラル」の根拠と対策:『リベ敵』から考える-5(2020/11/20)
リベラル・女性主体会派・ベーシックインカム、社会問題解決のための三段論法:『リベ敵』から考える-6(2020/11/25)
分断を生むネット空間で女性層や無党派層をグループ化できるか:『リベ敵』から考える-7(2020/11/25)

コロナ下、閉塞感・独裁化が募る日本を変えるために不可欠な政治改革実現、唯一の方法-1(2020/11/21)
「平和と社会保障と民主主義を守る女性の会」創設を:政治改革実現、唯一の方法-2(2020/11/22)
「平和と社会保障と民主主義を守る女性市民の会」綱領・政策試案:政治改革実現、唯一の方法-3(2020/11/23)
リベラル・女性主体会派・ベーシックインカム、社会問題解決のための三段論法:政治改革実現、唯一の方法-4(2020/11/24)
分断を生むネット空間で女性層や無党派層をグループ化できるか:政治改革実現、唯一の方法-5(2020/11/25)

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