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ベーシック・ペンション宣言!-2:JBP導入で、社会保障制度や関連法はこう変わる!

12月1日から、「ベーシック・ペンション宣言!」シリーズを全5回にわたって投稿します。
昨日第1回目は、
ベーシック・ペンション宣言-1:日本独自のベーシックインカム生活基礎年金導入を
と題して、ベーシック・ペンションとは何か、を提起しました。

今回は、シリーズ第2回で、ベーシック・ペンションの導入で、現状の社会保障制度や社会福祉制度、関連する他の諸制度・法律がどうなるか、を整理し、宣言します。
なお、今回のテーマについては、既に以下の記事等で取り上げていますが、再々度整理し、一部手を加えて提起するものです。
ベーシックインカム生活基礎年金15万円で社会保障制度改革・行政改革(2020/10/9)
ベーシックインカム導入で健康保険・介護保険統合、健保財政改善へ(2020/10/14)


ベーシック・ペンションは、社会保障制度の中核である生活保障制度に位置付けられる

まず、これまで強く主張しているように、ベーシックペンションは、憲法に規定された基本的人権の軸の一つとして保障された、社会保障・生活保障の軸になる制度です。
そのイメージを、下図で表してみました。

種々のベーシックインカム論において、人権など無関係な経済政策であるとか、社会保障だとか、もちろん基本的人権だとか、自説主張の議論がありますが、いずれにしても憲法にある「基本的人権」が起点であり、社会保障→生活保障と繋がり、現実化されるものとして良いのではと思います。

この図からイメージできるように、ベーシック・ペンションを取り巻く種々の社会保障制度も影響を受け、関連する種々の法律と合わせて、改定や廃止、新設など、必要な措置を取ることになります。

以下、主な改正や廃止事項及び課題等について順に見ていきます。

社会保険関連改定事項

生活基礎年金は老齢基礎年金でなく、保険料負担がない全世代生涯年金


生活基礎年金と聞くと、現状の「老齢基礎年金」と間違えてしまうかもしれません。
とんでもない間違いで、老齢基礎年金は、文字通り、老齢・高齢の人のみに支給される公的年金で、国民年金に当たるものです。
厚生年金受給の高齢者も、この老齢基礎年金を国民年金加入分とみなされて受け取り、これに、老齢厚生年金が上乗せされているのです。

しかし、新しい生活基礎年金ベーシック・ペンションは、生まれてから死ぬまで、すべての日本国民に無条件で、保険料を1円も負担することなく、タダで受け取る年金です。
まったくの別物です。


国民年金を廃止し、厚生年金保険を改定する


しかも、学齢15歳迄の児童は月額8万円、学齢18歳までは月額10万円、成人は15万円、80歳以上の高齢者は12万円受け取ります。
なので当然、良くても月額6万円程度だった老齢基礎年金よりも倍以上受け取るので、これまでの国民年金制度は廃止されます。
国民年金に納付していた人は、保険料負担がなくなる上、倍以上の年金を受け取ることになるのです。

では、厚生年金保険はどうなるか?
いくつもの案が考えられますが、私のJBP導入においては以下のように提案しています。

従来の厚生年金保険制度は、「賦課方式」といって、現役世代が負担する保険料を、老齢厚生年金に充てる方式でした。
従い、年金受給者人口増が増加すればするほど、現役世代が負担する保険料がどんどん上がる、不公平な保険制度であり、まもなく、現役世代一人が年金受給高齢者一人を肩車すると例えられています。
そして、今の現役世代が高齢になった時に受け取る年金額が減っていくとも合わせて、不満と将来への不安が高まってきています。

この不評の厚生年金保険制度は、ベーシック・ペンションで受けとる金額が、現状の老齢厚生年金の金額の相当部分をカバーするため、賦課制を廃止して積立制に転換します。
この積立分と配当などを、受給年齢に達して以降、老齢厚生年金として本人に払い戻すことになります。

またこの時、JBPが保険料無拠出で15万円(一部12万円)支給されるため、年金保険料の額を減額します。
次項で述べるように、これまでの保険料の一部を健康保険に充て、一部を積立厚生年金保険に、一部を削減するとしては、と考えています。

それぞれ詳細設計は、後日検討することにしたいと思います。

厚生年金保険制度改定に伴い、健康保険・介護保険制度を改定する

上述したように、JBP導入で、これまでの厚生年金保険料の負担を変更します。
例えば、健康保険財政の悪化を抑制するため、50%を健康保険料に移転します。
25%を積立型厚生年金保険料に充て、25%は負担をなくします。

その際、健康保険と介護保険の統合も検討する価値があると考えています。
その理由については
ベーシックインカム導入で健康保険・介護保険統合、健保財政改善へ
を参考にして頂ければと思います。

有所得者全員が、健康保険、厚生年金保険に加入する制度に改定する

また、JBP導入で、国民全員が所得の有無に関係なくJBPを受け取ることになるため、JBP以外の労働収入がある人はすべて、所得税、健康保険、厚生年金保険に加入することとすべきと考えています。

社会福祉制度関連改定事項

JBPで児童手当は廃止される

現状の児童手当は、JBPでは、月額8万円の児童基礎年金が支給されるため、当然廃止されます。
一応、今回現状の児童手当を児童福祉制度的に捉えて、ここに入れましたが、JBPにおける児童基礎年金は、生活保障制度の領域に入るものとしていることを申し添えておきます。

生活保護制度は廃止され、スティグマから解放される

現状の生活保護制度において、無料の医療保険を除く各種扶助が行われた場合の金額を参考に、JBPの額を15万円に設定しました。
この金額ならば、大雑把な推測ですが、現状の生活保護受給世帯の9割はカバーできるのではと考えています。

このJBPでカバーできない事情・状況・条件がある場合は、次項の対策を含め、公平・公正な基準・規定で対処できる方策を法制化すべきと考えています。

こうした対策も講じることで、ミーンズテストやスティグマ、制度適用条件を満たす世帯の多くが受給しないという低い捕捉率等、多くの問題が指摘されている現状の生活保護制度は、廃止することになります。
この分野の行政改革が行われるわけですが、他の社会保障事業分野でその人材を活用するニーズは多々あると考えられ、その成果を期待したいと思います。

生活保護制度廃止により、新たに厚生住宅制度を制定・導入する


先に、9割の生活保護世帯は、JBPで、その生活を保障しうるとしました。
残り1割は、医療保険の自己負担が大きい場合と、住宅費用に多くを費やす場合と想定されます。
前者は、現状の高額医療・介護負担制度で、一定額以上を超えれば還付されることで実質カバーできると思われます。
後者の住宅費用が、家賃が高い地域に住む場合、不足する場合があります。

生活保護世帯以外でも、母子世帯・父子世帯、低額所得世帯、ホームレス者などに、同様住宅補助が必要なケースも多いと考えられるため、一定の要件を設定して公的住宅の手当や家賃補助など、厚生住宅制度を、生活保障制度及び社会保障制度として制定することを提案したいと思います。

但し、都市部の高い家賃に居住することを希望する場合、JBP及び他の所得、労働事情等を勘案し、家賃の安い地域への転居を促す規定も必要かと感じています。

障害者福祉制度について

無責任で申し訳ないですが、現状の障害者福祉制度について調べていないため、JBP支給額が、現状の制度でカバーできない場合、無条件で不足する分を社会福祉制度に従って現金または社会的サービスとして給付すべきことは言うまでもないことと考えています。

できましたら、どなたか障害者福祉の専門の方に、現状と、JBP導入時の制度のあり方について、助言とご提案を頂ければと考えています。
宜しくお願いします。

労働保険関連改定事項

雇用保険を改定する

ベーシックインカム導入論において、その場合、雇用保険が要らなくなるように論じているものも見受けられます。
これには反対です。

確かに、JBPが失業手当の替わりにはなりますが、すべてをカバーできるわけではありません。
ベーシック・ペンションを受給できても、万一失業し、JPB額を超える賃金を得ることが不可能になった場合、これまでの生活レベルを維持することは困難と言えます。
そのため、JBP以外の労働所得がある場合、雇用保険に加入し、失業理由に応じて、労働所得の一部を保険で補填する制度は存続させるべきと考えます。
そのため、賃金に応じて一定の比率で保険料を労使折半で負担し、失業時に規定に応じて保険金を給付することは、従来の保険同様とします。
ただ、保険料率及び保険料は、現状よりも下げることが望ましいと考えます。
詳細設計は、専門分野のスタッフにより別途行うこととします。

雇用保険を就労保険に改定する

現在加入不要及び任意加入の個人事業主および家族就労者も、新しい雇用保険に加入することにします。この新しい雇用保険を、「就労保険」と仮に呼ぶことにします。
但し、個人事業主は、法人成りすることになるため、保険料の負担は、一般の企業同様に行うこととします。

最低賃金法及び解雇規制はより強化する

JBP支給により、雇用者サイドが、賃金の引き下げに向かう可能性もあります。
JBPの思想及び目的は、決してそこにあるわけではありません。
便乗賃金切り下げを抑止するとともに、人手不足職種や従来からの低賃金職種の賃金レベルをより向上させるべく、最低賃金の維持を最低義務とし、その引き上げ政策を促進することにします。

また、同様に、簡単に解雇する企業が出現する可能性もあります。そのため、予告解雇期間の延伸、解雇手当の支給など、新たな措置を盛り込んだ失業・雇用政策と関連法の改定を推し進めるべきと考えます。

詳細は、別の機会にとすることをご容赦ください。

税制改定事項

所得税改定で配偶者・扶養控除は廃止。有所得者全員に課税へ。

JBPは、全国民個人個人に支給されます。
そのため、当然ですが、現状の世帯単位の所得税課税方式の特徴である、同一世帯を構成し生計を同じくする配偶者、子どもや父母などに対する配偶者控除や扶養控除などの控除は廃止されます。
基礎控除は所得の性質を考えると、残しても良いと思います。

これにより同じ所得税率のままとすると所得税が増税になります。
給与所得者にも等しくJBPは支給されますから、増税もやむを得ないかな、と思いますが、一応判断を要する事項です。

なお、やはりすべての国民に支給されるので、JBP以外に所得がある人すべてに所得税を課するよう法律を改正すべきと考えます。
率は累進性を採用し、健康・介護保険料、厚生年金保険料とともに、当然源泉徴収します。
現状の日雇い就労者の所得への印紙での徴収は廃止し、すべて源泉徴収方式に統一すべきと考えています。

その他の改定・改正・制定事項

以上の他にも、種々検討すべき関連事項があります。
以下、列記し、簡単に述べていきます。

日本銀行法の改定、憲法改正との関係

JBP通貨を日本銀行が発行し、国民全員のJBP専用口座を開設し、管理する事業は、当然、現状なく、日本銀行法を改定する必要があります。
一部のBI論者は、これを憲法に盛り込むべきと主張していますが、いきなり憲法改正に持ち込まずに、現憲法の基本的人権、社会保障・生活保障条項の適用で対応可能と思います。
改憲は、一院制、国会議員数削減、内閣解散権の制約など他に改憲を検討すべき課題があり、いずれ行うべきと考えます。

日銀個人別JBP専用口座開設に伴う個人主体管理問題

JBPは、個人に支給され、本人名義で日本銀行に専用口座を開設した上で、利用管理されることになります。

従い、児童の口座およびJBP管理は、親権者が代行して行うことになります。
両親とも存在する場合どちらが管理するか、離婚時の共同親権者の場合を含み親権者の問題、両親とも居ない場合の施設等の保護後見人の認定などを法律で規定する必要があります。

また介護・看護を必要とし、JBPの管理も家族や施設管理者等に委ねる必要がある場合の規定も必要です。

その他、住民票や戸籍を持たない人、居住する場所を持たないホームレス等へのマイナンバー付与と住所・住宅補助などの対応も必要となります。
JBPを利用する時のインターネット等の利用・管理方法などの習得を支援する仕組み作りも欠かせません。


まだまだ付随する課題が無数にあるのではと思われます。
どうぞ、皆さんから、こういう課題がある、こういう問題もこの時期に改善すべき、新しく制度化すべき、などご意見やご提案がありましたら、遠慮なくお申し越しください。
いずれ必要になることばかりと思いますので、早期に確認していくことができればと考えています。

今回は、JBP導入で、関連する社会保障制度などがどう変わるか、どう変えるべきかを考え、提起しました。

「ベーシック・ペンション宣言!」シリーズ

前回から始めた「ベーシック・ペンション宣言!」シリーズ全5回。
以下のようなテーマで、進めていく予定です。
継続してご覧頂き、ベーシック・ペンションについてご理解頂くとともに、ご意見等お寄せ頂きたく存じます。

<第1回>:日本独自のベーシックインカム生活基礎年金導入を
<第2回>:JBP導入で、社会保障制度や関連法はこう変わる!
<第3回>:なぜベーシック・ペンション制を導入するのか
<第4回>:ベーシック・ペンション実現の方法・スケジュール
<第5回>:補足 - 他のベーシックインカム論等との調整および協調・競合

次回は、「ベーシック・ペンション宣言!」シリーズの3回目。
<なぜベーシック・ペンションが必要で有効か>、導入目的と背景について整理します。

読み進めるうちに、多くの疑問や不安をお持ちになったかと思います。
当然、これから種々精度を高めて行く必要があり、他の優れた案を反映させていくことにも抵抗はありません。
ぜひ、ご意見・アイディア・助言等お聞かせ頂ければと思っています。
宜しくお願いします。

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