「COVID-19」後、2050年社会システム改革に臨む-1
生命の危機、社会の危機をグローバルレベルでもたらし、収束・終息が見通せない事態にある2020年。
局地的・地域的な自然災害や、経済不況などと異なり、すべての国民の日常生活に不安・危機感を抱かせ続ける厄災は、当然、国家社会が、現状への対応を最優先・最重要の責務としている。
故に、絶対にこの経験を活かさなかればならない。
とはいっても、この厄災で感じる、考える課題やレベル・程度は、人により、立場により、属する社会により異なる。
一致させることがこれまでの社会の経験から、なかなか簡単に行かないことは想像できる。
しかし、今回の事件・事象からは、絶対に、社会のあり方、政治のあり方即ち国家社会のあり方を変革すべきことを学び、そのための行動を起こす必要がある。
この合意形成・意思統一が必須であり、そこから始めねばならない。

今後発生するすべての感染症・伝染病対応社会システムの構築
社会システムとして、COVID-19 の経験から学び、対策を講ずべき第一の課題。
まずは、当然感染症・伝染病対策である。
COVID-19 に関しては、早晩有効なワクチンや治療薬が開発され、予防システムが整備されるだろう。
そして、新種のウィルス、感染症などが発生した場合の、種々の対応システムでる。
今回、各国の対応方法において評価されること、反省を要することなど、膨大な経験・情報が集められ、今後に活用されるべきことは言うまでもない。
しかし、将来において、今回の経験ですべてが対応可能になるわけではない。
検疫・医療体制・医療行為、生活支援、物流・サプライチェーン、社会経済活動・金融、情報システムなど、すべての領域での感染症・伝染病対応社会システムの構築が課題となる。
書きながら思うのは、結局、COVID-19 の経験から、すべての社会システムを見直すべき、という課題が明確になるということだ。

感染症等対応社会システム構築と2050年社会システム改革を統合する
災い転じて福となす。
まさにこれだ!
その社会システム改革は、何十年もかかる。
何十年もかけて取り組まなければなし得ない。
何代もかけ、その取り組みを継承・継続していかなければならない。
当然、2050年で完成するものではなく、永遠に改善・改革は続けられなければならない。
しかし、10年ではまだまだ基礎の基礎程度。
20年で少しは変わったかな、と体感でき、評価できる程度。
30年でまずまずのレベルまで来たかな、という程度。
そのくらいだろう。
しかし、今年生まれた子どもは、その時30歳。
今30歳のバリバリの青年世代も、その時には60歳。
近い将来に不安を感じ、今回のCOVID-19で、現役世代として厳しさに直面している50歳中年世代は80歳。
いくらなんでも、その時までには、望ましい社会が、評価できる社会システムができているようにしたい。
そういう社会を見ることができ、そこで生活できるようになっていたい。
そのための国家社会、政治・行政、さまざまな社会などのあり方、そしてその構成員である一人ひとり、社会人としての一個人それぞれの種々の社会との関係のあり方を見直し、改善・改革する。

社会とは、社会経済とは
社会と一口に言っても、実は様々な社会がある。
国という単位を形成するのが国家社会。
働き収入を得る、そして事業活動をする企業社会。
地域社会もある。
NPO法人や趣味仲間で形成するグループの一つの社会だ。
そして家族・家庭も一つの小さな単位社会、家族社会である。
個人が存在し、関わっていく社会には、いろいろな種類があり、すべての人がまったく同じ社会と関わるとは限らない。
一人ひとりが、自分の意志で関係する社会があれば、そのつもりがなくてもかかわらざるを得ない社会がある。
それらの社会と個人は、社会経済というシステム・活動と必須で結びついている。
すなわち、生きるため、種々の活動を行うためには、財・資金が必要であり、収入・収益がなければそれらは不可能だ。
そのために社会経済システムがあり、より望ましいものに進化する必要もある。

国とはなにか、個人とはなにか
そして、今回の提起のまとめになるが、そのすべての社会と個人、すべての社会経済活動に不可欠で、必須の社会が、「国」「国(家)社会」である。
私としては、「国」と呼び、「国家」とは言いたくない。
決して国という「家」に、個人個人が属しているわけではない。
そしてもちろん、その国、日本は、グローバル社会との関係のあり方も、国民・住民の委託を受けて、具体化していく役割も担っていることは言うまでもない。
すべての社会と個人は、「国」という包括的社会に、社会活動・社会経済活動を行うための必要業務・必要事業を、契約として、委任しているのだ。
「社会契約」と言っても良い。
そう言うべきだろう。
その国が、全社会を望ましい活動に安心して取り組むことができるよう、そして安心して生き、暮らしていけるよう政治・行政・司法が、それぞれに委託された業務・事業の遂行責任を担っている。
それが、デモクラシー社会の自然規範である。

これまでの【2030年の社会システム改革】シリーズを、【「COVID-19」後、2050年社会システム改革に臨む】という着眼・サブタイトルに変更して、以降
継続していきます。
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