企業規模の大小、事業の種類を問わず、その成長や存続は、すべてにおいて共通の課題といえます。
一般的に、大企業ほど、その課題については歴史的にも組織的にも、後継経営者への引き継ぎは、なにかしらの仕組みや伝統などにより、当然の経営課題の一つとして、円滑に進められることが多いですね。
しかし、企業規模の小さな会社ほど、その課題への取り組みは、そう簡単にはいきそうもありません。
もちろんすべてが同じ事情・状況ということではなく、まだ新しかったり、伸び盛り・成長発展途上の業種・事業においては、そんな課題への心配はまったく要らない、ということも多々あることです。
ただ、421万社を数える日本の企業のうち、構造的に99.7%、410.8万社とほとんどを占める中小企業においては、やはりこうした事業継承問題を抱える数の多さを想像することはそう難しくはないですね。
また、ひとくちに中小企業といっても、従業員20人以下の製造業等、5人以下の商業・サービス業などの小規模企業では、366.3万社87%を占め、極論すれば、そのほとんどが、事業の明日・将来をどうするかの課題を抱えていると言ってもいいのではないでしょうか。
高齢化と人口減少問題は、当然、こうした中小企業の事業の成長性・持続性への不安を増幅させます。
その社会経済的な不安要素に加えて、中小企業には、後継問題に関する共通の課題が横たわっていることも、長く取り上げられてきました。
その内在する課題の要素・要因と、これから取り組むべき方法などについて、この項で、もう少し深堀りしてみたいと思います。

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