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ベーシックインカム生活基礎年金15万円で社会保障制度改革・行政改革

ベーシックインカム(生活基礎年金制度)案再考察-7

基本的人権基盤としてのベーシックインカム制導入再考察と制度法案創り
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ベーシックインカム生活基礎年金月額15万円、児童基礎年金8万円案
と続いた<再考察シリーズ>。

今回は、前回の再考察で提案した生活基礎年金額導入との関係で考察すべきいくつかの制度改革等について考えます。


ベーシックインカム、現状社会保障制度上乗せ論者の無責任性

生活基礎年金月額15万円、児童基礎年金月額8万円。
この日本型ベーシックインカム制導入は、社会保険・労働保険・生活保護制度等種々の社会保障制度や税法などの改革とセットで行われます。
そしてそれは、関連する行政改革を伴います。

一部のベーシックインカム論者は、現状の社会保障制度・社会福祉制度等はそのまま存続させ、ベーシックインカムを上乗せすると主張・提案しています。
その額を7万円程度とすれば、確かに上乗せ方式が必要になるでしょう。
しかし、その中途半端な額では、多くの社会問題は改善・解決することはなく、問題先送りを決め込むだけのことです。
凡そリベラルの発想・主張とは信じられないのです。
仮面をかぶったリベラルで、現代社会の一つの癌というべきものです。

それでは、生活基礎年金15万円、児童基礎年金8万円で改定が必須となる各種制度を順に見ていきます。

生活保護制度廃止と生活保護行政コストゼロ改革


まず、生活保護制度が廃止になります。
というか当然、新しい生活基礎年金に替わるわけです。
上乗せ論派の一部は、15万円ではやっていけないと主張するかもしれません。
恐らく、医療保険負担が生活保護ではゼロのものが、自己負担が発生するから、というのが理由の一つ。
これについては、不足するレベルで健康保険自己負担が発生する場合、高額療養費制度でカバーすれば良いでしょう。
もう一つ、家を持たない人の家賃が不足する、という理由があるでしょうか。
地代家賃が高額な場所で住む場合、そういうこともあるでしょう。
しかし、基本的には、家賃が低い地域に引っ越すことを求め、引越し費用は公費で支援する方法が、公平な対応と考えています。
また、厚生住宅制度を整備し、公的住宅を斡旋する仕組みを導入すべきとも考えています。

何よりも、これにより、恣意性や裁量性、捕捉率の低さ、個人の尊厳の無視等で問題が指摘され続けてきた生活保護の申込みや審査という行政手続き業務、その機構・要員が不要になります。
この行政改革で削減されるコストの試算があればいいのですが、まだ調べていません。どなたかご存じの方がいらっしゃいましたら、是非お教えください。
なお、人材は、他の不足する行政分野や得意とする分野で活躍してもらうことになります。

国民年金制度の廃止

次に、生活基礎年金月額15万円給付は、現状の老齢基礎年金と入れ替わります。
そのため、国民年金制度が廃止されます。

もともと、国民年金のみの加入だった場合の老齢基礎年金額は、満額が年間78万9百円(✕改定率)で、生活基礎年金の年間総額180万円の方がはるかに上回っています。
国民年金制度における、障害者年金、遺族年金も、世帯員それぞれが生活基礎年金・児童基礎年金を受け取るため、廃止されます。

国民年金制度は国民皆年金制度と言われていましたが、ベーシックインカム制度が国民皆年金制度となるわけです。

ところで、従来国民年金に加入していた個人事業主等収入がある人は、厚生年金保険制度へ加入することになります。
任意ではなく、強制加入とすべきです。
収入のない専業主婦や学生は、加入の必要はなくなります。

なお、徴収された厚生年金保険料から、国民年金に拠出されていたものは、不要になります。
また、国民年金制度自体に、国からも年金の一部に充当する額を拠出していましたが、それも不要になります。

厚生年金保険制度の大改定:賦課方式から積立方式へ


国民年金に加入していた、あるいは任意加入だが加入していなかった個人事業者は、収入があれば、強制的に厚生年金保険に加入することに制度を改定します。

個人事業所も法人とみなし、賃金から社会保険料と所得税・住民税の源泉徴収と納付を義務付ける改定も行います。
賃金収入を得る被用者も、全員社会保険料と所得税・住民税を源泉徴収されることにします。但し、1回の支払い額が、1000未満の場合は不要とするなど、特例は必要かと思います。

また、生活基礎年金で、現状の老齢厚生年金額の相当部分が支給されます。
そのため、従来の賦課方式により少ない現役世代が多数の高齢者を支える構図は不要となるため、積立方式に転換することが適切と考えます。
ただ、その積立額がどの程度であれば良いかは、種々試算、シミュレーションした上で決定することになります。
次項で述べる健康保険財政対策という要素も併せて、保険料率を新たに設定すべきであり、別の機会にと思います。

健康保険への厚生年金保険からの一部移行組み入れ

厚生年金保険の賦課方式から積立方式への転換で、現役世代が高齢世代の年金を支える必要はなくなります。
しかし、健康保険財政は、今のままでは当分悪化の一途をたどるばかりです。
その抑制のために、高齢者も生活基礎年金を受け取ることができるようになれば自己負担を増やすべきでしょう。

ですが、生活基礎年金を段階的に導入する場合、高齢者の受給開始時期を遅くするため、当分の間、厚生年金保険料の一部を健康保険料に組み入れることが望ましいと考えます。
すなわち、健康保険制度も改定が必要になります。
なお、現在の国民健康保険と健康保険は、統合すべきと考えています。

雇用保険制度の改定


途切れることなく支給される生活基礎年金で、失業時の生活不安は、元々解消とまではいかなくても、一定程度は抑制されます。

従い、現状の雇用保険の失業手当(基本手当)は、不要にできます。
そのための行政諸手続き、機構・要員も不要になり、ここでも大きなコスト削減を伴う行政改革が行われます。できればその試算も欲しいですね。

また、雇用保険法にある、教育訓練給付や能力開発事業に関する業務も、情報提供だけは残し、廃止して良いでしょう。
職業紹介業務は、むしろ残して拡大強化すべきと考えます。

なお、企業サイドが解雇を行う場合の補償や、コロナ禍で多く発生した雇用調整助成金利用などの安全弁的制度は、しっかり再編成・再構築すべきことは言うまでもありません。

児童手当の児童基礎年金への転換


言うまでもないことですが、現状の児童手当は、児童基礎年金に替わります。
その額が増えるとともに、現状は子どもが属する世帯を対象として支給されていますが、今後は、児童本人に支給されることになります。
義務教育期間は、主に親権者が代行してそのお金を利用しますが、生活基礎年金に切り替わる時に、本人管理になるわけです。

なお、児童基礎年金の財源を、生活基礎年金の給付方法と異なるものとし、所得税や消費税など税を財源とすることも検討の余地があると考えています。

所得税の各種控除廃止、税率変更、BI財源化


国民全員が生活基礎年金・児童基礎年年金を受給することで、所得税の配偶者控除や扶養控除は不要になります。

ただ、先述したように、一定以上、例えば一回の賃金支払額が千円以上の場合には、所得税と50円、社会保障保険料として50円徴収することにします。
(あくまでもイメージを持ってもらうための一例です。)
社会保障保険料とは、厚生年金保険、健康保険、雇用保険など社会保障制度を再編成し、総合的な社会保障保険制度を設定することを睨んでのことです。

控除額が減りますから、税率がそのままの場合、税額が増えます。
所得税の一部を、ベーシックインカム財源の一部に用いることが十分考えられますが、その比率・額などは、現時点で固定しておく必要はないと思います。
他の財源や給付方法など詰めていく段階で決定すればよいと考えます。

なお、今後の国のあり方などを考えると、自給自足社会化のための農業・エネルギー分野への投資、防災・減災対策国土強靭化対策、デジタル化投資、コロナ禍等感染症対策、福島原発処理対策、核燃料処分対策など、財政出動ニーズは増えるばかりです。
そのための赤字国債発行が著しく増加しても、財政赤字対策・財政健全化対策を講じる必要はないという議論もあります。
確かに国の投資の何割かは、資産価値を増やす性質のものもあり、納得できる部分もあります。
その観点から言うと、まさにベーシックインカムも人的投資の側面もあり、リタンは帰ってくるとも言えます。

まあ、いずれにしても、ベーシックインカムの財源に関しては、方針として導入を決定すれば、制度設計を詰める段階に入っていくわけで、現実的に望ましい在り方をもう少し時間をかけて議論することにすればと良いと思っています。

シンギュラリティ、汎用AI社会予測によるBI導入論は、説得力に欠ける

シンギュラリティ到達と汎用AI社会における労働・職業・雇用環境の大変革を想定してのBI不可欠論がMMTと相俟って広がりを見せ、支持も広がりつつあるかのようです。
しかし、未だ目の前に実現していない予測としての社会を前提としてベーシックインカムを法制化することは、現状では説得力に欠け、なかなか受け入れられないのではないかと思います。

それよりも、現実に存在する格差や貧困、社会保障制度における諸問題の改善・解決を図るためにベーシックインカムを導入する意義・意味は十分あるのですから、それを前面に押し出していけば良いと考えます。
そのことが、また自ずと、近未来のAI社会への備えになるでしょうから。

議論を後日に。財源の心配無用のベーシックインカム論

なお、これ以外に、
今の財政でのBIは社会保障の付替だけであまり意味がなく、大増税の合意はとても困難、借金での調達は一時的。だから通貨発行機関が直接給付を行い、(ハイパーインフレ対策としては)マネーサプライを調整して物価維持すればよい。」
と主張する人もいます。
この場合は、財源の心配はまったく無用ということになります。

ただ、この場合、その発行・調整を行う管理主体の問題が、政治体制問題と絡んで厳然としてあります。
そこをどう考えているのか。
別の機会に、この問題を考えてみることにします。


以上、今回は、日本型ベーシックインカム導入に伴って行うべき関連諸制度の改定などについて再考察しました。
従来の考察と変化がない部分もありますが、主な制度を取り上げたにとどまっており、他にも検討が必要な制度があるはずです。

また今回、障害者福祉については触れませんでした。
障害者にも等しく生活基礎年金・児童基礎年金が支給されるのは当然ですが、その中での他の福祉の在り方については現状知識に欠けるため、上記の他の課題とも併せて調べた上で別の機会に考察したいと考えています。


日本型ベーシックインカム段階的導入案

なお参考までに、前回提起した、生活基礎年金・児童基礎年金の段階的導入案を以下に再掲しました。
今後の種々の考察と関連しますので、さらっと見ておいて頂ければと思います。

第1次:2025年4月 ⇒ 学齢6歳以下(現金給付:消費税等財源)
第2次:2030年4月 ⇒ 1)学齢18歳以下 
              (現金給付:所得税・消費税等財源)
            2)母子・父子世帯、生活保護世帯 
                 (日銀発行デジタル通貨給付)
第3次:2035年4月 ⇒ 40歳以下 (日銀発行デジタル通貨給付)
第4次:2040年4月 ⇒ 60歳以下 (日銀発行デジタル通貨給付)
第5次:2045年4月 ⇒ 80歳以下 (日銀発行デジタル通貨給付)
第6次:2050年4月 ⇒ 86歳以上 (日銀発行デジタル通貨給付)

次回は、このスケジュールと関連させての考察を予定しています。

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