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ジェンダー、LGBTQ

分断を生むネット空間で女性層や無党派層をグループ化できるか:「『リベ敵』から考える-7」「政治改革実現、唯一の方法-5」

リベラル・女性主体会派・ベーシックインカム、社会問題解決のための三段論法から現実に踏み出すために

アテにできない、アテにならないリベラル批判を行い、新たなリベラル構築を提案する倉持麟太郎氏著『リベラルの敵はリベラルにあり』を参考に、そのリベラルをある意味見限って、新たな政治改革実現グループを組織化することを考える「『リベラルの敵はリベラルにあり』から考える、個人の生き方と社会の在り方」シリーズ

『リベラルの敵はリベラルにあり』から考える、個人の生き方と社会の在り方-1(2020/10/18)
政治的なるものと日常生活における個人と社会:『リベ敵』から考える-2(2020/10/21)
生身の弱い個人とそのアイデンティティを救えないリベラルの弱み:「リベ敵」から考える-3(2020/10/22)
包摂すべきリベラル、が陥る排除の論理:『リベ敵』から考える-4(2020/11/14)
「リベラルの敵がリベラル」の根拠と対策:『リベ敵』から考える-5(2020/11/20)

そのための政治改革が唯一可能な新たなグループとして<女性主体会派>の形成を提案し、その方法を考える「政治改革実現、唯一の方法」シリーズ

コロナ下、閉塞感・独裁化が募る日本を変えるために不可欠な政治改革実現、唯一の方法-1
「平和と社会保障と民主主義を守る女性の会」創設を:政治改革実現、唯一の方法-2
「平和と社会保障と民主主義を守る女性市民の会」綱領・政策試案:政治改革実現、唯一の方法-3


この2つを連動・合体させるものとして、前回『リベラルの敵はリベラルにあり<第4章 ネット社会での最大勢力「無党派層」の振り向かせ方>を材料にして
リベラル・女性主体会派・ベーシックインカム、社会問題解決のための三段論法:「『リベ敵』から考える-6」「政治改革実現、唯一の方法-4」
を投稿しました。
今回はその続きです。

「過剰代表」対「過少代表」のネット空間に変化を起こせるか?


倉持氏は、『ネットは社会を分断しない 』の分析から、以下を紹介しています。

ネット言論空間では、決して多くない両極端の政治的意見、ノイジー・マイノリティの声が過剰に代表されてしまっており(=「過剰代表」)、実際に多く存在する中間的な意見が少ししか代表されない状態になっている(=「過少代表」)。
中間層のサイレントマジョリティは、この空間に近寄りがたくなっている。
リアルな社会の意見分布が正確に反映されていないのだ。

「ネットは社会を分断しているわけではないが、極端な議論だけを拡大して見せるその特性が相互理解の議論を不可能にしている。」従い、
「たかだかネット上での意見の表れ方の問題なのであるから、表れ方を変えるだけでよい。すなわち、分布の中間の人々の言論空間をつくることが最大の対策になる。」

この内容を読めば、希望を持つことができる気がします。

やはり、ネットは社会を分断する!


が、しかし、です。
そう簡単なものでないことは、多くの人が感じるところでしょう。
倉持氏はこう懸念します。

「過剰代表者」と「過少代表者」間には間違いなく分断が存在する。
この分断は、少数者の過激な意見が、過激な表現のままに拡大再生産され、閲覧数と広告料の上昇のための過激度を増していくというインターネット独自の構造によって生まれている。
そして、両者は完全な共犯関係にあるゆえに、「分布の中間の人々の言論空間をつくること」のみで解決することは困難である。

その存在を自らアピールすることは苦手か、ムリと思っている人々ゆえに、その多くはサイレント状態なのですから。

この分断をかいくぐって、あるいは、うまく避けながら「過少代表」から何かしらの共通項を見出し、共有することで「多数代表者」へと変貌を遂げること。
これが、新しいグループ形成のための課題になります。
分断を横目にして、とでも言いましょうか。

やはり、この時に最も有効で、可能性があるのが「女性」という切り口と思うのですが、いかがでしょうか。

選挙だけを意識した議員活動・政党活動の限界に見切りを

中間層は、複雑さや曖昧さを持つゆえに特定の政党を応援してくれるとは限らない。応援してくれても、外に向かって支持を明確に発信してくれる可能性は極めて少ない。その上、選挙で「動員」に応じてくれることはほとんどない。

だからこそ国会議員は、本来「全国民を代表する」(憲法43条)にもかかわらず、中間層の「過少代表者」よりも、両極の「過剰代表者」たちから支持をとりつけることを優先する。

まさに、女性主体の会派・グループの形成は、この現在のダメリベラルの向こうを行くものとして位置付け、このいびつなネット空間を、生身の人間によるデジタル・デモクラシー空間に変えていくことを目的とすることになります。

倉持氏は、こう言います。

野党が一向に中間層への支持拡大に乗り出さないのは、つまり政権交代に本気でないと考えるべきだろう。

本気で政権交代しようと思わないのではなく、どういう国創りを目指し、どういう政治を行うかのグランドデザインを描けていないからと私は思っています。
別の見方をすれば、政権を担う自信がない。
ということは使命感・責任感もないということ。
以前の政権政党時代の失敗がトラウマになっている面もある。
しかし、結局、倉持氏が言う「ナショナル・アイデンティティ」を持っていないのです。
「なんでも与党に反対党」の性向がそれを示しています。
とりわけそこには、現実的な財源政策が伴うべきことも付け加えておきましょう。
包摂すべきリベラル、が陥る排除の論理:『リベ敵』から考える-4「立憲民主党に欠落するナショナル・アイデンティティの課題と必要性

(望ましい)ネット言論空間をつくるためには、本丸、すなわち、現在の選挙・代議制民主主義と政党政治における偏狭な党派性に切り込む必要がある。

こうして、現状の変質してしまったリベラルの再生を待っているわけにはいかぬほどひどい自民保守政治の劣悪化と社会問題の増幅に対抗・対応するために、過去にとらわれない、ネット言論空間をも味方につけた女性主体会派・グループを創設することの道理を理解頂けるのではないでしょうか。

矛盾を認識しつつ、現状の選挙制度・議会制民主主義の枠の中で政治改革参加権を獲得する

但し、まずその目標とするところは、現状の選挙制度・代議制民主主義における国会議員立候補と当選にあります。
そこを乗り超えなければすべて画に描いた餅にすぎません。

正直なところ、本章で、ネットをどのように活用すれば、女性主体グループ形成に寄与できるかは、見えてきませんでした。
ただ、この主体が参加して欲しい人々の概念的・観念的なグループをイメージし、訴えかける際に配慮すべきヒントも、何かしら感じ取ることはできたと思っています。
なんとかなりそうですし、なんとかしたいと思っています。

倉持氏は、選挙至上主義に代わるものとして新しい「カウンター・デモクラシー」を提起します。
これは、次回以降<第6章 カウンター・デモクラシーという新しい挑戦>で確認することになります。
その前に<第5章 「人の支配」から「法の支配」へと脱皮せよ>がありますが、女性主体グループ化には、先にカウンター・デモクラシーについて確認しておくべきと考えたため、順番を変えます。

なお、このカウンター・デモクラシーを知ったことで、実は先行して、その実践の実験として、Facebookグループ、日本型ベーシックインカム実現をめざすクラウド・ミーティングを開設しています。
まだ参加頂いている方々はごくごく少数ですが。



恐らく、早晩、女性主体会派作りの準備のための、カウンター・デモクラシー型Facebookページを設けることになるとイメージしています。
そのためにも発起人として初期に参加頂きたい方々への呼びかけを、来月から始めることになりそうです。
皆さんの中から、発起人としてご参加いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。
知人・友人のご紹介も歓迎です。
宜しくお願いします。

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