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ECONOMIC POLICY

ペロブスカイト型太陽電池によるクリーン&グリーンエネルギーとカーボンゼロ・イノベーション

コロナ禍への対応を含めて、もうドタバタの様相を呈して支持率急降下の菅内閣において唯一評価してよいと考えるのが「脱炭素宣言」。
それに呼応して日経が、官民と歩調を合わせるかのように、宣言後キャンペーンを張っています。

日経<第4の革命 カーボンゼロ>特集を読む-2


新年早々掲げたのが「第4の革命 カーボンゼロ」
カーボンゼロを、農業、産業、情報に次ぐ「第4の革命」と位置付け・価値付けしてのことです。

そこで、順序を換えましたが、1月3日の記事を参考にして、昨日以下を投稿しました。
◆ グリーントランスフォーメーション(GX)とカーボンゼロ・イノベーション

私は、脱炭素、カーボンゼロ宣言以後期待される技術を、カーボンゼロ・イノベーションと位置付けし、その開発に期待するとともに、それにより起きる社会生活および社会経済に波及するイノベーションも期待しています。

ということで、今回は、同紙1月4日付け記事を参考にして、イノベーションが起きつつある技術情報を紹介します。

ペロブスカイト太陽電池が街中をクリーン&グリーンエネルギー発電所に

ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイト結晶(Perovskite Solar Cell、PSC)を用いた太陽電池で、2009年に、宮坂力桐蔭横浜大学特任教授(ノーベル賞候補にも)により発明されています。

このペロブスカイト構造を持つ特殊な原料をプラスチック製フィルムに塗布し、乾かして電極で挟めば、軽くて曲げやすい太陽電池に。
現状の太陽光発電用の重くて硬いパネルに比べると、シート状のこの新型太陽電池は、建物の側面に貼り付ければ発電可能になるのです。
ロール状の電池を各家庭が持てば、それでもうかなりの発電量を得ることになる、夢のような技術です。

クリーン&グリーンエネルギーというわけです。

その構造や特性などの詳細は、JST国立研究開発法人科学技術振興機構のホームページ内の
「ペロブスカイト型太陽電池の開発」で確認頂ければと思います。

発明から既に10年以上経ちますが、当初低かった発電効率を、近年急速に高め、現状の太陽電池パネルでの効率20%台に迫り、今後の製造法の革新で、1kwキロ時2円前後と最も安い再生エネルギーの一つになると予想されています。

低温の塗布プロセス
プラスチックフィルムで作った高効率ペロブスカイト太陽電池。100回以上の曲げ試験でも性能は安定。(下記JSTホームページより転載)

ペロブスカイト太陽電池、今後の更なるイノベーションのための課題

ビルの壁面、EV、自販機、スマホ、ウェアラブルグッズ、カーテン・・・。
どこにでも設置・取り付け・携帯可能となる、まさにイノベーションの産物が無限に広がる可能性をもつペロブスカイト太陽電池

ですが、宮坂力特任教授によると、中国にはこの電池の研究者が、日本の10倍超1万人はいるとのこと。
折角、日本がこの新型太陽電池の発見・開発、そして性能向上で先行していても、一層の技術開発に遅れを生じる可能性が高いことを不安視します。
その理由は、やはりこうした開発には実験が必要で、その量と質両面で、マンパワーが重要な鍵になるため。

何か、どこかで同じような過去の失敗を経験したことがあるようで、同じ轍は踏んでほしくないですね。


なお、ブログ冒頭の画像は、既存の太陽光パネルを室内においたものですが、ペロブスカイト太陽電池は、これが薄いシート状になったものとイメージできるのではと思い、利用しました。

速い潮の流れを利用しての潮流発電の可能性

もう一つ、同記事での紹介例を。
長崎県五島列島の海峡「奈留瀬戸」では、その地の速い潮の流れを生かしての、国内初の「潮流発電」の準備が進んでいると言います。

ここでは、太陽光発電と違い、天気・天候に左右されない海流を資源として、海底でプロペラを回し、発電機を動かすことによる。
コスト面では当然まだまだ問題は大きいものの、日本近海には原子力発電所20基分の潮流エネルギー資源があるとみられている。

まあ、地熱発電同様、可能性はあっても、現実化が困難な部類にはいると思いますが、こうした領域でも、なにかしらのイノベーションがあれば、一気にコスト問題は改善・解消できる可能性はあるわけです。

カーボンゼロ・イノベーションで、化石燃料輸入依存国からの脱却を

ゼロ・カーボン社会は、当然、これまでの化石燃料、とりわけ原油への依存度を大きく低下させます。
資源がない日本にとって、このゼロカーボン社会の実現は、自ずとエネルギー源としての原油輸入を大きく削減することを意味します。

国の安全保障、国民の生活保障上からも、このゼロカーボン社会の実現をキーとなるイノベーションにより果たす必要があります。
原油価格相場に左右されない産業構造を創り上げ、エネルギー自給自足国家を創出する。

その起点になったのが、菅首相の判断であった。
いずれその評価が認められることになるでしょうし、このコトに限っては、これからのイノベーションで証明してほしい。
そう心から願い、祈っています。
2050年には実現していることを。

次回は、この新型太陽電池以上に、ゼロカーボン社会の実現とそのために必要なイノベーションの最大の課題、水素エネルギー化と水素社会実現についてです。

昨年12月下旬投稿の以下の記事が、当シリーズと関係しています。

(参考):<脱炭素による環境と経済で社会はどう変わるか>シリーズ

◆ 脱炭素大合唱、菅内閣の狙い:環境と経済で社会はどう変わっていくか-1(2020/12/23)
脱炭素宣言後の日経関連記事リストからイメージする:環境と経済で社会はどう変わっていくか-2(2020/12/24)
めざすべき水素社会とエネルギー自給自足社会:脱炭素による環境と経済で社会はどう変わるか-3(2020/12/25)

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