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エネルギーハーベスティングやグリーン水素構想が水素社会創造を側面支援するエネルギーシステム改革-4

2050年の社会システム改革実現をめざす上でのさまざまな改革課題がある。
それらの実現を支えるインフラとして必要なのは、エネルギーシステム、エネルギー行政システム改革である。
その究極の目標は、脱炭素、CO2フリーの100%水素エネルギー社会の実現であり、100%自産自消エネルギー国家の実現である。
さらに理想の上乗せを図るなら、エネルギーフリー、エネルギー料金がタダの社会の実現となる。

その目指すべき理想について、以下投稿してきているが、今回もその流れに沿っての最近の関連動向の確認と考察になる。

電力行政改革によるエネルギーシステム改革-1
再生可能エネルギーと水素社会によるエネルギーシステム改革-2
アフターコロナで新常態化すべきエネルギーシステム改革-3
食料・水・空気・エネルギーの自給自足国家創造へ


水素エネルギー社会に直結する(FC)燃料電池発電機実証運転蓄電池開発投資



苛性ソーダを生産するトクヤマが、トヨタ自動車の燃料電池車ミライに搭載の燃料電池システムを用い、共同で燃料電池発電機(FC発電機)の実証運転を開始したことを発表した。
詳しくは、こちらのプレスリリースを見て頂くこととして。
トクヤマとトヨタ、 副生水素を利用した定置式 FC 発電機の実証運転を開始

要約すると、同社の主力製品である苛性ソーダを生産する時に副次的に発生する水素(これを副生水素という)と空気中の酸素を燃料として、水素燃料発電機を用いて発電を行う実験を行うというもの。
横2.9m、奥行き1.5m、高さ2.7mの定置型の発電機1台で、一般家庭145世帯分の電気量が発電可能と試算している。(画像も、同プレスリリースから転載させて頂いた。)


理想とする水素エネルギー社会では、再生可能エネルギーを用いて水素を生産し蓄積し、必要時にその水素をエネルギーに転換する。
グリーン水素がこれに当たる。
その実現への過程において、こうした副生水素を用いて、実際に発電するメリットはもちろんだが、周辺技術の開発やコスト低減技術の開発に結びつけることに大きな意義がある。
これは、現状行っている液化ガスから水素を生産することとも共通している。

また水素エネルギーの活用においては、蓄電池の性能の向上とコストダウンも重要な課題となっている。
この分野に関しては、先日、東京大学発のスタートアップである蓄電池開発のエクセルギー・パワー・システムズが、2030年再生可能エネルギー電源7割目標のアイルランドに設立する子会社に、国際協力銀行が出資するという発表があった。

エクセルギーの蓄電池は瞬時に起動し高出力で電力供給できるのが強みだ。実証実験を経て支援制度を活用し、同国での早期の事業化を目指す。


環境発電、エネルギーハーベスティング技術は、水素社会実現を側面支援


太陽光や熱以外の、電波など今まで使われていなかったエネルギーを利用する研究が増えている。

センサーなどの小さな機器を動かすときに、電池やコンセントなどの外部電源を使わず、静電気や電波など身近な環境に隠れたエネルギーから電気を取り出す「環境発電」の技術が注目されている。
エネルギーを収穫するという意味の「エネルギーハーベスティング」という場合もある。

例えば、
誰もが持つスマホの電波を「電源」と見なし、飛び交うマイクロ波をアンテナで集め、電力に変える。
アンテナやダイオードの性能向上で発電量増を可能にする「電波発電」と呼ぶ技術で、これで、トンネルや道路、橋の劣化などを監視するセンサーに電力を供給できる。

水滴が転がる現象を発電につなげる。
あるいは、人体を発電所に見立て、カーボンナノチューブを電極材料にしたシートを付けた衣服と肌がこすれ合うと発生する静電気を活用する。
これにより、軽くて柔らかい電源で、皮膚に貼れる機器ができ、医療・介護分野や高齢者の見守りなどへの応用にもつながっていく。
など。

環境発電やエネルギーハーベスティング技術は以前からあり、例えば、太陽電池で動く電卓や腕の動きで発電する腕時計などに活かされてきた。

そして、IoT機器の普及急拡大予想がある。
そこでは、利用センサーの微小化により、消費電力も微小ミリワット化。
環境発電ならば、常時発電でき、わずかな電力でもまかなえる。

こうして、エネルギーハーベスティング研究開発競争も激化。
水素社会において、目立たないが、その補完を、特化した領域で、特化した技術で定着し、役割を果たすわけだ。


欧州での水素社会実現支援のグリーン水素パイプライン計画


EUは、2050年までの脱炭素長期目標を掲げている。
その欧州で「グリーン水素パイプライン計画」が始まる。
グリーン水素とは、太陽光発電等再生可能エネルギーで製造された水素。
それを、既存の天然ガスパイプラインで輸送し、産業や発電に活用する計画をいう。
天然ガスパイプラインを管理・運営する欧州各国のガスTSO(系統運用者)がコンソーシアムを形成し、グリーン水素の生産、輸送、消費の大規模な事業を担うという。

背景には、急加速する欧州の脱酸素化と、スペインなどにおける固定価格買い取り制度(FIT)廃止で一時停滞した太陽光発電の、大幅なコスト低減による建設ブーム再来等がある。
電力網を発電事業者が自由に使えないため、余裕ができた電力で水素を生産し、太陽光発電の弱点を強みに変えて、電力系統の安定運用を図ることに繋げるわけだ。

この辺りの事情は、日本の電力自由化行政の失敗の要因と今後の方向性と重なるようで、非常に興味深く、参考にしたいところだ。


日本企業におけるグリーン水素プロジェクトと課題

こうした欧州でのグリーン水素関連での動向は、トヨタが主導する形にはあるが、個々の日本企業においても見られる。

例えば、
・褐炭ガス化で精製される水素を日本に運ぶ液化水素タンカーの建造。
・自然エネルギー電力起源の水素をアンモニア化し発電に用いる計画。
・海外調達した水素を化学物質に反応させ液体化し、消費地で水素に分離するシステムの実証化計画。
などが報告されている。

もちろん、トヨタが主導する水素社会実現の実験となスマートシティ開発計画や、JR東日本が、2050年度CO2排出量ゼロ実現に向けての再生可能エネルギー開発及び水素の利活用計画など、いよいよ実現可能と思われるプロジェクトが目白押しの状況になりつつあることに期待したい。



環境税をベーシック・インカムの財源とする案は、水素社会実現で不可能に

当サイトのサブテーマになってきているベーシック・インカム制導入。
その財源に、地球温暖化をもたらす二酸化炭素CO2排出の元となるエネルギー生産・輸入・消費に対して課税する環境税を充てるという案がある。
だが、CO2フリーの100%水素エネルギーが製造されるようになれば、どこからも税金を取ることができないため、構想は夢想となる。
ゆえに環境税案は、早々に引っ込めておくべきだ。

ふと思い起こされたので、追記しました。

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