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小型炉原発に検討の余地が?電源構成とカーボンゼロ・イノベーション


ついに現実に抗することができす、再び緊急事態宣言を出さざるを得なくなった菅内閣。
今後もあまり期待できそうもない菅内閣において唯一評価してよいと私が考えるのが、2050年までに二酸化炭素など温暖化ガス排出を実質ゼロにする「脱炭素宣言」。
それに呼応して日経が、官民と歩調を合わせるかのように、宣言後、キャンペーンを張っています。

同紙が新年早々掲げたのが「第4の革命 カーボンゼロ」。
カーボンゼロを、農業、産業、情報に次ぐ「第4の革命」と位置付け・価値付けしてのことです。

その特集記事の一部を紹介しながら、カーボンゼロ社会について考えてきています。

グリーントランスフォーメーション(GX)とカーボンゼロ・イノベーション(2021/1/4)
ペロブスカイト型太陽電池によるクリーン&グリーンエネルギーとカーボンゼロ・イノベーション(2021/1/5)
水素社会、IoE(インターネット・オブ・エナジー)実現とカーボンゼロ・イノベーション(2021/1/6)

と進め、今回が<その4>。

私は、脱炭素、カーボンゼロ宣言以後期待される技術を、カーボンゼロ・イノベーションと位置付けし、その開発に期待するとともに、それにより起きる社会生活および社会経済に波及するイノベーションも合わせて期待しています。

日経<第4の革命 カーボンゼロ>特集を読む-4

1月6日の同特集記事のテーマは、<進化の道変えた原発 小型炉に浮かぶ「現実解」>でした。

そこで見たのは

小型炉原子力発電という新たな選択肢

安全性が高いとされる小型原子炉の開発と実用化が進められているというものでした。

例えば、米国の2017年スタートアップ企業、ニュースケール・パワー社が扱うのは数万kwの小型炉原子力発電所。
この小型原子炉を5~6本まとめてプールに沈め発電。
水中にあるため事故で電源を喪失しても炉心を冷やしやすいし、核のごみの発生も少ない。
万一事故を起こしても影響を受けるエリアが狭く、送電網がない地域でも設置できる。
政府機関や企業などにオーダーメードで原発を提供するとしています。

ロシアでは、国営企業ロスアトムが「原子力砕氷船」に積んでいた小型炉を浮体式の海上原発に転換し、電力網の脆弱な発展途上国などに展開。

大きくなると複雑で制御しにくい原発が、必要なだけの電力を安全に供給する小型化にシフトする可能性が示されています。



各国の電源構成比の現実

米ロでは再生可能エネルギーの電源に占める割合は5~6割にとどまるという。
水力で9割を賄うノルウェーは例外。
2050年目標は英国で65%、米国で55%、
欧州では脱石炭政策から原子力をも現実的に視野に入る。

日本は?
脱炭素を宣言はしたが、再生可能エネのみでやっていける目処は実は立っていません。
私は、この小型原子炉の話を知った時、これまでは原発絶対反対だったのですが
気持ちが揺らいでしまいました。
もう少し自分なりに考えてみたいと思っています。

2050年までのカーボンゼロは世界の気温上昇を1.5度に抑えるのに必要な温暖化ガス削減の道筋とされています。
産業革命後の平均気温の上昇は約1度。
2030~50年には、上昇幅が1.5度になるとされています。
毎年のように起きている、何十年に一度あるかどうかという自然災害が、ほぼ毎年のように起きている現実。
この地球環境にしてきたのが人間であり、そのリカバリーは不可能でも、なんとか抑制だけはしたい。

日本は、菅内閣の唯一の評価政策、脱炭素宣言を起点にして、ぜひグローバル社会のリーダーシップと行動でのモデルを示してほしい。
これは、世代を継承しての命題とすべきと考えています。

以下は、1月1日元旦の同特集の<脱炭素の主役 世界競う日米欧中動く8500兆円 排出削減特許、日本なお先行>と題した記事を参考にして、考えました。

圧倒する中国のエネルギー政策と産業

北京から西へ700kmに位置する内モンゴル自治区オルドス市にある中国最大級のダラト太陽光発電所では、発電パネルが光を追う。
その地は半分が砂で覆われた黄砂の発生源でもあるが、この氷点下10度にもなる砂漠が価値を生む。
完成時には広さ67平方kmに、原発2基分の200万キロワットの発電能力を備え、コストは1kw時4円強で日本の太陽光の3分の1以下。

世界の太陽光発電量に占める中国の比率は2010年の2%から18年に32%まで急上昇しており、現在世界で新設される設備の4割は中国とされる。

中国の独走は、中国の独裁の拡大・拡散に間違いなく繋がります。
その阻止に寄与するのも日本の使命の一つと考えます。
この認識も、世代を継承して持ち続けたいものです。

<参考>:水素製法区分
1.化石燃料から取り出す「グレー」
2.製造過程で生じる二酸化炭素(CO2)を回収する「ブルー」
3.再生エネで水を電気分解するカーボンゼロの「グリーン」


CO2削減技術開発、しのぎを削る

アイスランド南西部のヘッドリスヘイディ。
その地熱発電所の脇に、この春設置される直径約1mの吸気ファン24基を備えた装置4機は、吸い込んだ空気からCO2だけを特殊フィルターで吸着して水に溶かし、地下の鉱物と反応させて固める。
9割以上のCO2を半永久的にとじ込め、漏れる恐れも小さい。

日本の技術。
日本のCO2排出削減や水素関連の国外出願特許は、前者が2009年、後者は2001年から連続世界1位という。

シャープが開発中の新型太陽電池は、薄くて軽く、太陽光を電気に変換する効率も30%超。HVに搭載すると1日の充電分で56キロ、太陽光だけで走れる車です。

三菱ケミカルの研究所では、光触媒で、電気なしで水を分解して取り出した水素をCO2と反応させ、プラスチックや化学繊維の原料をつくる実験を進めている。
植物の光合成のようにCO2を消費する、いやCO2を資源にする技術の実験です。
これが可能になると、従来原材料として石油に頼っていた化学繊維製造のイノベーションになると思うのですが。

やはり、頑張れニッポン!です。
ここでも世代を継承して、イノベーションに取り組んでほしいものです。


(参考):<脱炭素による環境と経済で社会はどう変わるか>シリーズ

◆ 脱炭素大合唱、菅内閣の狙い:環境と経済で社会はどう変わっていくか-1(2020/12/23)
脱炭素宣言後の日経関連記事リストからイメージする:環境と経済で社会はどう変わっていくか-2(2020/12/24)
めざすべき水素社会とエネルギー自給自足社会:脱炭素による環境と経済で社会はどう変わるか-3(2020/12/25)

前掲の昨年末の記事をおさらいしている感が強くなってきたので、次回をどうするか考えてみたいと思います。

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