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NATIONAL POLITICS

ベーシックインカム財源論争、支給額論争の合意形成に向けて

ベーシックインカム(生活基礎年金制度)案再考察-19

基本的人権基盤としてのベーシックインカム制導入再考察と制度法案創り
ベーシックインカムの定義再考察:JBIとは(Japanese Basic Income)
財源問題、所得再分配論から脱却すべき日本型ベーシックインカム
日本型ベーシックインカム実現をめざすカウンター・デモクラシー・ミーティングを開設!
BIは、日本国内のみ利用可、使途・期間限定日銀発行デジタル通貨に
ベーシックインカム生活基礎年金月額15万円、児童基礎年金8万円案
ベーシックインカム生活基礎年金15万円で社会保障制度改革・行政改革
ベーシックインカム生活基礎年金、段階的導入の理由と方法
実現シナリオ欠落の理想的ベーシックインカムの非社会性
ベーシックインカムの特徴と魅力、再確認・再考察
ベーシックインカム導入で健康保険・介護保険統合、健保財政改善へ
ベーシックインカムとコロナ禍の政府債務膨張、デジタル人民元実験との関係
コロナ禍がベーシックインカムの必要性・不可欠性を証明(山森亮教授小論より)
ベーシックインカム中央銀行通貨発行論者SS氏との仮想対話
日本型ベーシックインカム実現に思想家、哲学者、歴史家、学者は要らない。必要なのは
ベーシックサービス対ベーシックインカムの戦い?
コロナ禍の政府債務膨張とIMF方針転換はベーシックインカムへの追い風
ベーシックインカム専用デジタル暗号通貨化可能性の有無、導入の可否
と、回を重ねること18回の<再考察シリーズ>。


前回と今回、そして次回が、再考察シリーズのまとめと位置付けています。
今回は、ベーシックインカム導入において最大の問題である、財源と給付額に関する再考察のまとめです。


日本型ベーシックインカム(JBI)の名称と支給月額

JBIの名称は、これまで、<生活基礎年金>と総称し、その一部を<児童基礎年金>と呼ぶとしていました。
また、その金額について、以下の投稿で、15万円、8万円と設定していました。
ベーシックインカム生活基礎年金月額15万円、児童基礎年金8万円案(2020/10/8)

今回、それらを修正し、総称として<生活基礎年金>という名称を用いることは変わりませんが、年齢・年代を以下の4つに区分し、それぞれに給付額(月額)を設定して、再提案します。

1.児童基礎年金:  14歳以下         8万円   
2.未成年基礎年金: 15歳以上17歳以下   12万円 
3.成人基礎年金:  18歳以上79歳以下   15万円
4.高齢基礎年金:  80歳以上        12万円
  


生活基礎年金給付額の設定基準

上記の、4区分ごとの年金額をどのようにして設定したか。
正直、基準というような科学的・合理的なものはありません。
一応、8万円とした児童基礎年金と、15万円とした成人基礎年金の設定理由は、
先述の
ベーシックインカム生活基礎年金月額15万円、児童基礎年金8万円案(2020/10/8)
のなかで、<生活基礎年金を月額15万円にした理由><児童基礎年金月額8万円の根拠>という項目で述べていますので、確認頂ければと思います。

今回新たに「未成年基礎年金」12万円、「高齢基礎年金」12万円と設定しました。
「未成年基礎年金」は、高校等への進学率が非常に高い現在、多くが親元で生活し、生計費としての8万円に、義務教育ではない教育機会を持つ上で必要な教材費・図書費や成長に応じての活動範囲の拡大・多様化に要する活動諸費用分として、4万円加算しています。

「高齢基礎年金」は、高齢化による活動範囲の狭まりや種々の生活欲求度の低下を想定し、現状の入所型の特別養護老人ホームでの生活にかかる諸費用合計額を参考にして、「成人基礎年金」を2万円減額して設定しています。

なお、現状のベーシックインカム導入論において、最低生活費用として算出した7万円を給付額として論じるケースが主となっています。
しかし、これは、まさに「食べるだけ」に必要な金額に過ぎず、非現実的な数字です。
この金額が独り歩きし、それがすべての社会保障とするネオリベラリと、それに現状の社会保障制度をそのまま上乗せと主張するリベラルが、まさに同床異夢で相手の批判の応酬をしている一つの局面があります。

他方、金額設定はせず、いくらでも支給できて、経済・景況動向には何かしらの神の手が働くかのように、問題なく運用できる、というグループもいくつかあります。

私の今回の再考察編は、こうした異なるグループ及び論の共通点を見出して調整を図り、交わることがない問題点の解決策を、複数のグループそれぞれの特徴と思いを調整しつつ、日本独自のベーシックインカム制を提起することを目的としています。

この方針に則って、次は、最も困難な課題の一つ、給付金の出どころをどうするかについてです。


日本型ベーシックインカム生活基礎年金の源泉

JBIの4区分の給付金の源泉は、以下とします。

1.消費税・所得税・相続税等諸税から調達し、デジタル通貨として支給
 1)児童基礎年金
 2)未成年基礎年金
 3)高齢基礎年金
2.日本銀行が保有する特定デジタル通貨発行権に基づき発行した同通貨で支給
 1)成人基礎年金

なお、諸税を源泉とする場合の税の構成比等詳細は、検討の上決定しますが、いわゆる所得再分配による税率の変更などは、当初極力抑制する方針としてよいかと思います。
1による支給額概算は、年間25兆円~30兆円程度が目処となると思われます。
2による日銀発行特定デジタル通貨による支給額概算は、年間170兆~180兆円程度が目処になるかと思われます。
もちろん、毎年の人口の変化によりその額は変動します。

ベーシックインカムの金額が、所得再配分による所得増税の幅を考えると7万円が限界。
それをベースにすると、現状の社会保障制度をそのまま継続させるしかない。
それでは、さまざまな社会問題の改善・解決を先送りするだけで、真のリベラルの取るべき行動ではないでしょう。

一方、20万円、30万円と、お金はいくらでも刷れる。
あるいは、中銀が通貨発行権を持ち、インフレなど調整していけば必要な額を支給できる、とする論者。
これをしてユートピアというのでしょうか、その合理性を、反意語のディストピアを持ち出して、いとも簡単に社会と人がすべて自律し、自立できるかのように結論づけるのも、楽観というよりも、短絡が過ぎると思うのです。

そうした交わる可能性が極めて薄い状況が、延々と続けうるほど、現状に余裕があるわけではありません。
しかしそこで、妥協という手段ではなく、ベーシックインカム自体が本来持つ目的・意義を確認することで、現実的な、実現可能な、日本独自のベーシックインカム生活基礎年金という理念・概念に共感を集めることができないか。
そういう思いを、くどいですが、重ねてお伝えしたいと思います

  

日本型ベーシックインカム導入スケジュール案

JBIの導入日程は、当然、関連法案が可決成立することを想定してのものです。
また、専用デジタル暗号通貨によるJBIを想定しており、その開発スケジュールにより、日程が左右されます。

以前、以下の投稿で、その上での段階的な導入日程を提案しました。
ベーシックインカム生活基礎年金、段階的導入の理由と方法(2020/10/10)

しかし、先述のように修正事項もありますので、再考して以下のように提案します。

第1次:2025年4月  5歳以下児童基礎年金
            開始時現金給付、2030年デジタル通貨に切替)
・第2次:2030年4月  1)14歳以下児童基礎年金 
            2)17歳以下未成年基礎年金

            3)40歳以下成人基礎年金
            4)79歳以下の母子・父子世帯、生活保護世帯の成人
・第3次:2035年4月   79歳以下成人基礎年金
・第4次:2040年4月   80歳以上高齢基礎年金


まあ、このように提案しても、前提として日本型ベーシックインカム生活基礎年金構想自体が認められるか、それよりもより望ましい、理想的な案が提案され、支持を得られるか。

その大前提の課題をクリアしなけらば、やはり永遠にムダな時間を費やすことになってしまいます。
そうならないために、そうしないために、現状の社会保障に関する諸問題を再認識すべく、仮に日本型ベーシックインカム生活基礎年金方式を採用するとすれば、どんな改善改革が必要であり、どう社会が、人の生活が変化していくかを、以下で確認したいと思います。


日本型ベーシックインカム導入に伴って行われる諸制度改定

すでにご理解頂いているかもしれませんが、当サイトで提起している日本型ベーシックインカム生活基礎年金制度は、社会保障制度改革の軸となるものです。
従い、関連する社会保険制度・労働保険制度、社会福祉制度、税制など、広範な行政及び法領域で改革・改定が行われることになります。

その一部は、既に、以下の記事で提起・提案してきました。
ベーシックインカム生活基礎年金15万円で社会保障制度改革・行政改革(2020/10/9)
ベーシックインカム導入で健康保険・介護保険統合、健保財政改善へ(2020/10/14)

そこで提示した項目を再度整理し、それ以外でも必要となる課題を以下にリスト化しました。

1.生活保護制度廃止と生活保護行政コストゼロ改革
2.国民年金制度の廃止(厚生年金保険制度への吸収)
3.厚生年金保険制度の大改定:賦課方式から積立方式へ
4.健康保険への厚生年金保険からの一部移行組み入れ
5.雇用保険制度の改定
6.児童手当の児童基礎年金への転換
7.所得税の各種控除廃止、税率変更、BI財源化

8.日本銀行法の改定
9.健康保険制度と介護保険制度との統合
10.社会保険・労働保険制度等の社会保障保険制度への統合
11.解雇規定の改定(解雇手当支給義務化等)


その内容の一部は、先述の2つの記事で確認頂けます。
今回はここまでとしますが、今後も、可能な限り詳細を詰めていこうと思っています。

なお、これも申し上げてきたことですが、上記の改定・改革に伴い、種々の行政改革が行われ、行政コストの削減や、国の拠出金の入れ替えや削減なども同時に発生します。
従い、上述したJBIの支出概算額は、正味の増加額ではなく、それらの直接・間接のコスト試算と相殺されるべきものです。
ただ、そのための作業を行うには、相当の資料・情報や専門的な知識・技術が必要であり、現在の私には荷が重い課題です。
ご容赦頂きたく存じます。

再考察を10月に始めてから、1カ月になります。
ほぼ2巡目となったベーシックインカム考察のまとめを、ここ数回で意識してきました。
法案の第二次案という形式に近々取り組む予定ですが、次回再考察シリーズ最終回は、ベーシックインカム導入時の影響に関する諸説について、精神的な側面から再考察してまとめたいと思います。

ちょうど、昨日『ベーシックインカムを問いなおす: その現実と可能性』(法律文化社)を入手し、読み始めました。
11月から、同書の各章の内容への対論をシリーズ化しようと考えています。
お付き合い頂ければと思います。

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