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NATIONAL POLITICS

ベーシックインカムとコロナ禍の政府債務膨張、デジタル人民元実験との関係


ベーシックインカム(生活基礎年金制度)案再考察-12

基本的人権基盤としてのベーシックインカム制導入再考察と制度法案創り
ベーシックインカムの定義再考察:JBIとは(Japanese Basic Income)
財源問題、所得再分配論から脱却すべき日本型ベーシックインカム
日本型ベーシックインカム実現をめざすカウンター・デモクラシー・ミーティングを開設!
BIは、日本国内のみ利用可、使途・期間限定日銀発行デジタル通貨に
ベーシックインカム生活基礎年金月額15万円、児童基礎年金8万円案
ベーシックインカム生活基礎年金15万円で社会保障制度改革・行政改革
ベーシックインカム生活基礎年金、段階的導入の理由と方法
実現シナリオ欠落の理想的ベーシックインカムの非社会性
ベーシックインカムの特徴と魅力、再確認・再考察
ベーシックインカム導入で健康保険・介護保険統合、健保財政改善へ
と、既に11回を数えた<再考察シリーズ>。

そろそろ、2回目の法案的なまとめを行う目処を付けなければと思っているのですが、迷い、悩みが払拭できていません。


日本型ベーシックインカム提案上の2つの不安要素


一つは、財源問題。
税を財源とする意見がこれまで優勢でしたが、所得税の引き上げによる所得再配分の難しさで、そこにこだわっていると前に進みそうにないという悩みがあります。
そもそも財源という用語自体・発想自体要らない、という議論もあるわけで、それらの交わらない主張・主義をどう折り合いをつけるか。
実現のためには、絶対に乗り越えなければいけない課題です。

もう一つは、私が提案している日本のベーシックインカム生活基礎年金は、一種の地域通貨であり、日銀発行のベーシックインカム専用デジタル通貨とすることに関して、です。
(参考)
ベーシックインカムは、日本国内利用可、使途・期間限定日銀デジタル通貨

こうした意見・提起は実は見たことがありません。
例がないから不安ということではなく、技術的に可能かどうかの裏付けが取れていないからの自信のなさです。

しかし、そもそも国民配当や国民基本給として支給する、財源発想無用論をもってすれば、何も好き好んでデジタル通貨にする必要はなく、バンバンお金を刷って配ればいい。
そういうことになるので、私の案など一笑に付されるわけです。
インフレ抑止は、金利操作・調整でやれば良い。
あるいは、市中のだぶついた流動現金を回収すれば良い。

そう断言されても、私は、そうした経済理論の理解能力が欠けている上に、経済理論がこれまでこの世の社会経済的な問題を、見事にコントロールしてきたわけではない、と否定的に見ている者です。
なので、やはり、お金を配るにしても、利用法・管理法などに一定の規律が不可欠と考えるのです。
決して万能の規律を定め得ると思っているわけではありませんが、マイナスの影響を可能な限り和らげるためのものとしてのことです。
(参考)
財源問題、所得再分配論から脱却すべき日本型ベーシックインカム

と、つらつらまとまらない頭で考えていた時、今日の日経に、その2つの悩ましい課題と関連付けて読むことができる記事がありました。
以下に概略を紹介して、関連付けて考えてみることにしました。


コロナで増える政府債務とべーシックインカムで増える国の債務は共通で不安・問題なし

IMFが10月14日に公表した予測では、新型コロナ禍を受けて、今年度2020年の世界全体の政府債務が過去最大で、世界の国内総生産(GDP、約90兆ドル)の98.7%規模になるという。
主要国はその対策として計12兆ドルの財政出動に踏み切ったが、感染第2波とも呼ぶべき状況が続けば、景気後退で税収が減り、財政出動がさらに膨らむリスクもある。
日本の政府債務は、19年から急増しGDP比238%、20年に266%、21年は264%と増大の一途を辿っている。
財政拡張は金融緩和で国債を大量購入する中央銀行が支えるが、債務の膨張が続けば、長期的には金利上昇を招いて財政の持続が危うくなりかねない。膨張した債務を正常な水準に戻せるかが、コロナ後に問われる。

という結び方が常套だが、この政府債務がどれだけ大きくなろうと、何の問題も、心配もない。
ということを、ベーシックインカム導入の合理的・理論的根拠とする論者が存在し、最近はその勢いを増しつつあります。

実は私も元々、ベーシックインカムでいくら通貨を発行しても、国内のみ流通させ、還流後回収してバーンすれば良いはずと、子供の頭レベルで考えていたのです。
しかし、国際社会・国際経済の枠組みにおいては、自国だけ通用するルールで済ますことができるものかという不安があったのです。
対外的要因による景況や為替等の不安・変動リスクとは、ベーシックインカム国家社会は、無関係でいることができるのか。

そのリスクの出現を、経済理論に基づくハイパーインフレ、インフレ対策で簡単に克服できるものか。
経済理論に通じる方々は、何の不安も持つ必要がないかのようです。

そうした素人ゆえに迷い迷い書いたのが、先に上げたこの記事
財源問題、所得再分配論から脱却すべき日本型ベーシックインカム

そこで一応現状たどり着いたのが、複数の考え方に基づく支給方針と支給方法の組み合わせ方式。
決してそれは、玉虫色の決着をめざす故ではなく、それぞれの良さを認め、リスクへの備えを重ね合わせておくための対応・対策としてです。

コロナ禍で厳しさ増す新興国の債務危機リスクから考える

先述した、コロナ禍での先進国の政府債務の膨張リスク以上に、新興国や途上国では、先進国と異なり、利下げで政府債務を軽減するのが難しく、通貨急落危機が迫っている。
デフォルトに陥れば、債務危機が一気に波及しかねず、その多くは、中国からインフラ投資などの資金を借り入れており「債務の罠」によって天然資源や重要施設の譲渡を迫られるリスクもある。

ということは、日本も財政出動に当たって発行する国債がすべて国内で所有・還流するなら問題はないわけですね。
もしベーシックインカムの導入で国債によってその莫大な資金を、継続的に調達することになっても、すべて国内の金融機関や個人、事業等で購入・消化すれば良いだけのこと、と言えるわけです。
満期が来れば、新たに国債を発行して、乗り換えれば良く、それを続ければ問題なく、そして低金利状況が続けば続くほど良いということです。

そうした状況は、10万円特別定額給付金、事業持続給付金、GoToトラベル、GoToイートなどへの支援金給付などで、当面続くことになりかもしれません。
ほとんどが、赤字国債で賄われるに違いなく、政府債務の膨張拡大です。

ベーシックインカムも同質のこと。
確かに。
合理であり、道理でもありますね。
でも、やはり、そう簡単に済ませていいものか、気になります。

次に、もう一つの気になる課題、ベーシックインカムを専用のデジタル通貨で発行・支給・管理することについてです。

日銀が、欧米の主要国中央銀行と歩調を合わせて、デジタル通貨の実証実験に取り組みつつあることは
ベーシックインカム生活基礎年金、段階的導入の理由と方法
の記事中の<日銀発行(検討)デジタル通貨とベーシックインカム生活基礎年金専用デジタル通貨との違い>という項目で紹介しました。

実はその協調しての取り組みは、先行する中国のデジタル通貨、デジタル人民元に対する警戒を持ってのことでした。
その中国が、実際に開始したデジタル通貨の実証実験についてのレポートからです。


デジタル通貨人民元の市中実験開始の狙いとその先のリスク

先進各国に先駆けてデジタル通貨導入計画を進める中国が、いよいよ「デジタル人民元」の発行に向け、広東省深圳市で市民5万人参加の実証実験を始めた。

この実験ではデジタル人民元を1人200元(約3100円)ずつ5万人に、総額1000万元分抽選で配付され、実験期間は19日午前0時までとされた。
同区のスーパーや飲食店など3389店でスマホ決済で使えるようにした。
一般市民向けの大規模実験は初めてで、応募市民数は191万人超、当選確率は3%だったという。
2022年の北京冬季五輪までには正式発行する予定で、本格導入も目に前に迫っている。

中国政府には、デジタル通貨化により、資金の在り方や流れを捕捉する狙いもある。国民や企業のお金のすべて、ひいては個人と企業そのものを掌握することになる。
他方、世界に先駆けて実用化を進めるデジタル人民元が中国国内での利用にとどまらず、貿易決済などを通じて世界的に普及すれば相対的に基軸通貨ドルの地位が低下。
また、もしデジタル人民元が技術面で国際標準を握れば、各国が実際にデジタル通貨を発行する場合の足かせになる恐れもある。

ということで、ある意味では国家間戦争の新たな形態と状況の展開を示す一大事と言えるデジタル通貨化問題です。

国家間問題としてのデジタル通貨の主導権争いの側面とは別に、ベーシックインカムのデジタル通貨化をここでは課題として、このレポートを取り上げました。


日本のデジタル通貨実証実験を、児童基礎年金ベーシックインカム専用通貨で

私なりの考えとして、
ベーシックインカムは、日本国内利用可、使途・期間限定日銀デジタル通貨
で、ベーシックインカムという特定目的でのデジタル通貨化を提案しました。

ベーシックインカム通貨を最初の実験実証課題としてもらいたいというのが正直なところです。
できれば、最初に支給の開始を提案している、少子化対策を兼ねての「児童基礎年金」をデジタル通貨でやっていただきたい。
特定の年月日以降に生まれた新生児に支給するため、対象人数は、少しずつ増えていきます。
個人番号の付与、日銀への新生児本人口座の開設、新生児本人の個人番号カードの親権者の代理使用による決済。
その前提としての、利用先事業所の登録・許可と決済処理システムの整備などの準備が必要です。

実証実験開始準備期間を5年程度とし、2025年から開始。
2030年から、支給対象を拡大して、本システムの稼働へ。

言うのは、書くのは簡単ですが、そういう具体的な目的・目標が、抽選ではなく、ある意味公平性をもった基準で行うことができれば、と思います。




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