基本的人権基盤としてのベーシックインカム制導入再考察と制度法案創り

社会政策

ベーシックインカム(仮称・生活基礎年金制度)案再考察-1

4月に開設した当ブログサイトで、5月以降、<BASIC INCOME:ベーシックインカム>を、カテゴリーに設け、その導入に向けて様々な視点で、考えを整理し、一応、第一次の法律案を、以下にまとめました。
ベーシックインカム:「生活基礎年金法・前文」私案まとめ
ベーシックインカム:「生活基礎年金法・本文」私案まとめ

そして、先月9月、ベーシックインカム導入を目指し活動しているFacebookグループや組織・個人等をネットで調べ、私のそれまでの提案・検討上の不足や問題などの確認、より望ましい考え方等の情報収集などを実行。
あるFacebookグループに参加し、投稿も行いました。

交わることのない教条主義的ベーシックインカム論者、4つの特徴


極めて短期間のことでしたが、そこでの経験で感じたのは、教条的・原理的な方針を基盤にしての主張が強く、建設的な議論や歩み寄りが期待できないことでした。
そこで感じた根本的・本質的な問題を集約して、主張者の特徴を類型化すると

1.自説を理解できない人に対しては、理解力がないとバカ呼ばわりする人格疑わしき論者
2.自説のベーシックインカムの導入は、現状の社会保障制度等を存続させ、それと関係なく行い、現状ある諸問題については知らないという無責任型・強欲型論者
3.財源を主として所得税とし、その再分配でベーシックインカムを行うしか方法がないと結論づけるため、給付額が低額にとどめざるを得ず、現状の諸問題の改善にも踏み込めない、気弱型論者

4.信じて疑わない自説が、理解されれば、自ずとベーシックインカムは簡単に導入できると自信満々だが、実現までのプロセスや手法についての具体策を持ち合わせていない、あるいは、そこまで真剣に考えていない能天気型論者


となるでしょうか。
1と2、4は、重複している場合もあります。

ベーシックインカムに関して、まさに同床異夢の混沌とした、教条主義的で交わることがない状況を短期間の間に経験し、確認したわけです。

ベーシックインカム案再考察の必要性

ただ、当然、得るもの、参考になることも少なからずありました。
また、以前紹介したベーシックインカム論書に加え、
『AIとBIはいかに人間を変えるのか 』(2018/2/28刊:波頭亮氏著・幻冬舎)も、この間読むことができました。


加えて、Facebookグループで公開している投稿内容も、非常に興味深いものがあります。

そこで、これまでの自分の考え方を一度リセットし、まだ明確になっていない点、疑問が残っている課題などを整理し、公開や質問の投げかけ等を年内を目処に行ない、可能なものから整理ととりまとめに入っていくことにしました。
より納得度の高いベーシックインカム制を導入するために、再考する期間を持つことにしたわけです。

ベーシックインカム制再考察における12の基本方針

ただ、その作業を行うに当たって、軸がぶれないように、以下の12の基本方針をもって取り組みたいと考えます。

1.ベーシックインカム制は、憲法に定める基本的人権を守り、実現し、永続させる制度として法制化し導入する。
2.
その方法・手順は、民主的方法に基づいて検討し、民主的に決定し、民主的に導入する。
3.
ベーシックインカム制導入によって、既存の社会保障制度・社会福祉制度・その他の制度の問題も改善・解消する必要があり、関連する制度及び法律の改善・改定・改革が必要になる。
4.
ベーシックインカム制は日本独自の制度として確立し、国際社会からも認められ評価される必要がある。
5.
日本のベーシックインカムに用いる通貨は、日本国内でのみ利用可能な地域通貨の性格を持つものとする。
6.
ベーシックインカム制導入及び関連制度の改定には、既存の政治システムの改革も併せて行う必要がある。
7.
ベーシックインカム制導入及び関連制度の改定を基本方針とする新しい政党もしくは組織の創出・基盤整備が必要になる。
8.
ベーシックインカムに関して存在する様々な考えやそれらに基づき実現をめざすグループ等との建設的な議論・調整を行い、可能な限りの合意形成を経て、国民の理解と承認を得ることをめざす。
9.財源を巡る方針・政策に関しては、国民の理解を十分得ることができるよう、
最大限の努力と、可視化・成文化を行う。
10.
実現に向けての制度法案のとりまとめと実現のための方策・手順・日程など工程表をまとめる期間・期限を設定する。
11.
その工程・日程に関しては、関連する様々なシステム等の整備・テスト・検証等を必要とするため、制度を一度に導入することにこだわらず、円滑に進めることに留意し、段階的に導入する方法も選択肢とする。
12.
以上の方針に基づき検討導入する上で、憲法自体の改定を不可避と認めた場合、必要条文・条項の改定を行うことも視野・課題に入れることとする


但し、6.7.の方針については、既存政党が方針転換し、ベーシックインカム制の現実的導入のための望ましい活動を起こすか、与野党が超党派で法制化の取り組みに入ることになった場合は、その活動に委ねることも吝かではないこととします。
しかし、より望ましいのは、上記方針のもとで集結した組織または政党の活動が、そうした活動に結びつくことと考えます。
また、3.を巡る大きな、困難な課題もあり、新しい組織がその原動力となることも非常に望ましいことと考えています。

再考察・再検討・熟考すべき課題例

以上の方針を旨として、上記各論者の考え方や、前述の波頭氏の考え方等も参考にしつつ、ステップアップできるよう、再考すべき課題を取り上げ、検討し、賢明な皆さんのご意見も頂きながら、新たに策定する法律案にまとめ上げていくことができればと考えています。

再考というよりも、再検討というべき課題や熟考する課題、というべきかもしれませんが、現在、以下のようなテーマで、課題を提起したり、質問・相談を投げかけたり、と考えています。

1.地域通貨としてのベーシックインカムの管理運用システム
ベーシックインカムの適正額
3.財源不要のベーシックインカム制の諸課題
4.ベーシックインカム導入における中央銀行と政府との関係の在り方

5.ベーシックインカム制導入と並行して行うべき税制改革、社会保障制度改革の在り方
6.ベーシックインカム制導入に伴い取り組む財政赤字対策・財政再建対策
7.ベーシックインカム導入に伴い必要な、国際経済、国際通貨管理システムに関する課題対策
8.ベーシックインカム制導入に必要な政治イシュー(政治マター)化の方法・対策

9.ベーシックインカム制の段階的導入方法とスケジュール


その他にも、検討を進めるほどに、より細かい、あるいは予期していなかった課題、新たに準備する必要が生じる課題など、出てくると予想されます。
そのためにも、この取り組みが、線展開、面展開に発展するよう、心してやってきたいと思います。

ご理解・ご協力賜りたく、宜しくお願いします。

政治イシュー(政治マター)化する場合の論理的基盤としての倉持麟太郎論

なお、前項の基本方針の1.2.3.6.7.12等、及び課題リストの8.と関係する「政治イシュー」(政治マター)化に関しては、
リベラルの敵はリベラルにあり (ちくま新書)』(2020/9/10刊:倉持麟太郎氏著・ちくま新書)
での倉持氏の考え方・理念等を参考にした取り組み・活動が望ましいと考えています。

必要に応じ、各課題の検討、再考・熟考において、その考え方などを参考にすべく、紹介していく予定です。
ご興味ご関心をお持ち頂けましたら、是非本書のご購読をお薦めします。

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