20年、30年後の社会を生きるあなたへ
昨年12月上旬、http://ohnoharuo.com で投稿した以下の記事。
◆12月課題図書4冊から考えるさまざまな<安保>:『世界で最初に飢えるのは日本』『グローバリズム植民地 ニッポン』『天才たちの未来予測図』『80歳の壁』(2022/12/9)
この中で取り上げた、鈴木宣弘氏著『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』(2022/11/18刊:講談社+α新書)
は、日本の食料安保を考える上で、極めて重要な内容が盛りだくさん。
先行して投稿した
◆ 体系的課題別「安心安全安定・保有保持確保」の安保政策の長期的政策合意形成と取り組みを:21世紀第2四半期の安保政策シリーズ-1(2022/12/2)
内で多種多様な安保政策課題にも、取り上げています。
今年も重点課題の一つと位置付けていますが、今回のように、細かい、小さな視点での論点を、種々の情報から利活用し、認識を深めいきたいと考えています。
今回は、先述書の「第5章 農業再興戦略」のなかで、鈴木宣弘氏が、<日本の農業の「三つの虚構」>としているうちの一つを紹介します。
日本の農業は高関税で守られた閉鎖市場か?
これは、作られた虚構と鈴木氏。
その根拠は、日本の農産物関税率は、11.7%。
これは、農産物輸出国の2分の1から4分の1程度の水準。
最も高いのはこんにゃくで、1700%という異常な高さだが、これは例外中の例外。
大半の農産物は、3%程度で、9割が低関税。
このように低関税品目が多い国はほとんどどなく、高関税に守られて鎖国状態などとは正反対なのが現実。
食料自給率37%の国の農産物関税が高いはずがない
もし高関税で守られているならば、食料自給率がわずか37%にとどまるはずがない。
食料安保、食料の安心安全安定・保有保持確保の政策の必要性・重要性・喫緊性が、必然的に求められている要素・要因、そして背景となってるこうした虚構、嘘そして誤解を正しく理解し、解消すべき。
鈴木氏が早期から主張していたこうした現実・実態を、コロナ禍やウクライナ侵攻を要因の一つとする最近のインフレやサプライチェーンをめぐるグローバル経済やその影響を諸に受け始めている日本の社会経済が証明するところとなっている。
そして、多くの経済学者、政治学者が、同じ認識に基づき、日本の農業政策のこれまでの失敗と、大転換の必要性を喧伝する状況を生み出している。
次回は、日本の農業、3つの嘘・虚構・誤解の2つ目を。

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