素行怪しき議員の立候補妻に選挙資金1億5千万円、が常態感覚の自民党
国会閉会を待って公職検挙法違反(容疑)で逮捕となった河井国会議員夫妻。
昨年の参議院選挙前に、1億5千万円が、妻の案里候補に渡っていたことはもうだいぶ前に明らかになっていた。
一人の候補に、ポンと1億5千万円が配布されること自体、一般的な感覚では信じられないのだが、権勢を誇った安倍総理のやることには、(実際は党主導という形だが、結論は一緒)どうということも内部ではなかったかのようにされていた。(ないわけないが。)
そしてこの顛末。
もともと難ありとされた夫議員が法務大臣に就任し、予想通り、期待通りまもなく退任。
常態化した、「遺憾」に思い、「真摯」に反省し、「説明責任」も「任命責任」も言葉の遊びでおしまい、の茶番劇。
そして、続編としての今回の顛末。
これも常態化した永田町をめぐる物語りだ。
(参考)
◆ 紳士は「真摯」という言葉を軽々しく使ってはいけない:次世代に伝えては、教えてはいけないNGワード(1)
◆ お詫びの言葉ではなかった「遺憾」の真意は?:次世代に伝えては、教えてはいけないNGワード(2)
◆ 求める「説明責任」、意味不明?:次世代に伝えては、教えてはいけないNGワード(3)
◆ 「任命責任」の解釈の違いと喜劇模様:次世代に伝えては、教えてはいけないNGワード(4)
良識ある政界人ならば、任命責任を遡って取り、退職金も辞退し、さっさと総理も国会議員もやめるべきなのだ。
しかし、周知のごとく、彼ら多くの世襲議員の持つ良識は、一般社会のそれとはまったく異なる。
それらの領袖のもとに集い、ひれ伏している、いわゆる子飼いの議員族。
彼らも、ある意味同一のDNAを受け継ぐ疑似世襲的無良識人間になってしまっているわけだ。
実は、こうした輩を選挙で選び、議員として国会・国政に送り出している国民も責められるべきと良識を働かせるべきなのだ。
やっぱり世襲の誰かさんが用いた「民度」は、そのレベルのものと理解すべきだろう。
やはり、私たち国民自身の民度とやらも常に見直すべきなのだ。
そうこうしているうちに、これも毎度のことだが、追い詰められた権力者が、まったく意味を間違えて用いる「伝家の宝刀」である、衆議院の解散をやるかもしれないなどという話も聞こえてくる。
(正しくは、聞こえてくるのではなく、文字情報として、目に入ってくる。)
とんでもない話で、これなども、常識的にはありえないことで、権利・権限行使の意味を履き違えているのだが、当然、当人たちは理解できるはずがない。
やっぱり、そのレベルの人間を、国会議員に選ぶほうが悪い。
残念なことに、こうした誤り・過ちは、自民党だけに限ったことではない。
野党も同次元だ、という感覚を、国民が身をもって体験・経験した過去においてしっかり身につけてしまっているのだ。
そして、残念に残念を重ねる形で、野党のトップも人望が感じられない御仁たちで構成されているのだ。
またしても残念ながら、ご当人たちに自覚がないのが致命的でもある。


年間1000人党員リクルート目標未達で比例代表名簿不登載・復活当選なし:自民党が範を示す成果主義システムの怪
先日自民党が、面白い決定をした。
今年2020年1年間で、千人の党員獲得目標を達成できない議員は、次の衆院選で比例代表名簿に登載しないことにしたという。
名簿に載らなければ小選挙区で落選すると比例代表で復活当選できないことを意味する。
そもそも復活当選可能という制度自体不思議な、おかしな制度なのだが。
まあこれも一種の成功報酬制みたいなものと考えられなくもない。
去年2019年にもそういう縛りがあったのかどうか知らないが、例の1億5千万円は、党員ならぬ、票を集めるべく投入されたはずのカネだ。
方法は、合法違法種々あるだろうが、なんと法務大臣経験がある夫議員みずから陣頭指揮して、おしどり夫婦議員誕生に、まさに糸目をつけずにカネを使ったわけだ。
あくまでも推測だが。
まあ、氷山の一角なのかどうか分からぬが、選挙にはカネがかかるとされる実情を見事に体現したわけだ。
本当は、「カネがかかる」のではなく「カネをかける」のだと思う。
「かけただけの見返りが大きい」ゆえ「かける」のだろう。
しかし、本来、見返りは、仕事・成果に対してあるべきものだ。
決して、党員を(名義貸しだけということも多いと思うが)増やすことが、議員の務めではない。
仕事の見返りに得る議員報酬・歳費は、果たして成果主義になっているのか。
さしたる仕事をしなくても、成果を上げなくても、議員になったことで、美味しい、魅力的な見返りを得ることができるシステムならば、アフターコロナには、絶対に改革しなければなるまい。


国会議員の本来の成果主義制とは:「四半期議員活動報告」公開を
巷では、アフターコロナの経営・雇用・働き方改革の課題として、今がチャンスとばかり「メンバーシップ型」の雇用から「ジョブ型」の雇用に変革すべきとうるさい。
この雇用改革は、当然報酬システムの改革を同時に必要とする。
すなわち、「年功賃金制」から「成果報酬制」「業績報酬制」への転換だ。
前提として、どんな仕事を、契約した一定の期間で請負い、実行するかを事前に契約として取り交わすことになる。
国会議員はどうあるべきか。
よく聞かれるのは、議員が地元に帰って報告をする、というやつ。
良いことしか言わないだろうし、地元は地元で、地元と自分に益のあるようにという要望しか伝えないだろう。
全然客観的かつ公正な活動報告ではありえない。
というか、時には集金目当てのパーティーをやりに地元に戻るのが目的、ということもある。
呼ぶ方、呼ばれる方、それぞれ思うところあって。
首相だけは、毎日の行動記録が日刊紙に掲載されている。
ほとんど、ダレに会った、ダレと食事したレベルのメモだ。
議員の日々の行動記録は、一般には分からない。
で、提案だ。
企業では、日報や週報、月報がある。
日報・週報は要らないが、議員には月報を公開して欲しい。
「月度議員報告書」だ。
一歩譲って、「四半期議員活動報告」。
書式を決め、これを内閣府または総務省のホームページで公開するのだ。
書式に盛り込む事項の例としては
◆ (通常・臨時)国会出席期間・日数
◆ 予算委員会他公的会合等出席委員会等名称・期間・日数
◆ 議会・委員会など質問機会記録
◆ 議員立法業務記録
◆ 主な調査研究活動記録
◆ 自己評価・総括
◆ 次期活動方針及び主な計画
コンナところでどうだろうか。


国会議員の仕事・報酬は、「メンバーシップ型」でなく「ジョブ型」
こうすれば、選挙で選んだ人たちも、「先生」がどんな仕事をしているのか、どんなことで頑張っているか分かるというもの。
万一「虚偽報告」があれば、減俸などの懲罰が適用される(ようにする)。
真摯に、議員職に励む必要がある。
国民の血税から報酬を得ているのだから、これくらいの義務・責任を課すべきだろう。
定期的に仕事を振り返り、自己評価し、次のあり方を考える。
いわゆる、Plan – Do – Check – Action を回すのだ。
仕事の常識だ。
時間の使い方は、かなりの部分は裁量に任される。
そう。
国会議員の仕事と報酬は、決して「メンバーシップ型」ではなく、「ジョブ型」であるべきなのだ。
そのためには、やはり政治システム、国会、国会議員のあり方を根本的に改革しなければならない。
政治家・官僚・公務員がまず範を示す必要があるのだが、とてもじゃないが期待できない。
やはり、選挙で選ぶ議員を取り替えていく必要がある。
変革を公約にする候補者が輩出・出現することから始めなければならない。
これまでの関連改革提起を、以下で行ってきた。
参考までにチェックして頂ければありがたい。
◆ 劣化する国会議員・国会・議院内閣制:絶対不可欠の政治システム改革-1
◆ 一院制移行・議員総定数削減と選出システム改革を:絶対不可欠の政治システム改革-2
◆ 憲法改正の最優先課題は、第四章国会:憲法改革の新視点-1
◆ 一院制導入で憲法第四章国会の改正を:憲法改革の新視点-2
◆ 女性のいない民主主義社会の改革を:女性国会議員の一挙増員への途




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