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脱炭素大合唱、菅内閣の狙い:環境と経済で社会はどう変わっていくか-1

「温暖化ガスゼロの衝撃」に見る菅内閣の狙い


前安倍内閣時代には、EU諸国、米国の一部の州、そして中国にまで引き離される一方だった環境政策の遅れ。
前内閣の目玉の(小さな)一つとして任じられ、菅内閣でも留任した小泉環境相も対外的発言で日本のあいまいな姿勢に冷たい視線を浴びせられたことも記憶に新しい。

しかし、前首相のグローバル社会における環境問題への関心の薄さは(この国の首相の認識の程度を示していたのだが)、丁度マッドドッグ・トランプの環境問題ぶっ飛ばせ政策と相性がよく、日本の後進国性をここでも長く示し続けてきたわけです。
(参考)
女性参政権75年に思う-1:現役猪口邦子氏、元中林美恵子氏女性国会議員の発言から(2020/12/21)
脱貧困「達成」宣言の習近平中国とベーシック・ペンションによる日本の貧困撲滅(2020/12/22)

これが一転、菅首相の所信表明で180度、感覚的には、一気に一回転以上、540度グルッと急速回転して方針を変えてしまった。
コペルニクス的転回どころか、文春砲にも優るとも劣らないガースー砲爆転である。

当然、完全に事前に仕組まれた話。
そのあたりの事情は、なぜか日経の2020/11/10から4回連載された
「温暖化ガスゼロの衝撃」という特集記事に詳しく記されています。
これも一種のリークネタ。

4回シリーズの見出しだけ引用したのが以下です。
1.首相「潮流変わった」 温暖化ガスゼロ、企業の投資先に 
2.温暖化ガスゼロ「いま動けば安くつく」 欧州が発破 
3.「個別企業では限界」 温暖化ガスゼロに巨額コスト 
4.排ガス50年ゼロ実現 「これまでの延長はダメ」
官民マスコミ歩調を合わせる流れ、目的、そして取り組みについてのストーリーが、ほぼ事前にできていたことが分かります。

この政策大転換については、決してそれを批判しているわけではありません。
遅すぎたことではあるが、高く評価したいとさえ思っています。
このところ不支持率が急速に高まり、内心、枕を高くして眠れない夜が増えているでしょうが、こうした光景は、前内閣時代もありました。

内政が下手で減点が増えていくが、外向けの政策で加点を得て、なんとか誤魔化しゴマカシの政治を続けていく方式です。
いわゆる、やっている感、頑張っている感を醸し出すやり方で、前内閣との政策の違いを打ち出そうとしていはいるが、体質的には前内閣と同類・同根、はたまたそれ以上の独断性・独裁性をさえもつ菅方式。
レベルの低い話が留まることなく出てきて、果たして、きたる2021年の任期満了衆議院選挙まで持つかどうかまで心配になってきている次第。

ともあれ、そうした政局とは関係なく、また来年度予算案云々に関係なく、脱炭素・温暖化ガスゼロ政策のいきなりの表明時に、私は以下で、意見を述べています。
遅すぎた「温暖化ガス2050年ゼロ」宣言に思う(2020/11/4)

今回は、その再確認と追加考察という位置付けになります。

SDGs持続可能開発目標「経済・社会・環境統合」と軌を一にする政策の矛盾と妥当性

温暖化ガスゼロの所信表明以後、日経などは、毎日、脱炭素、再生可能エネルギー、EV、ガソリン車規制などの記事満載です。
これをみるだけで、政府と財界とマスコミが一大キャンペーンにこれから取り組んでいくことが分かりすぎるくらい分かります。

要するに、経済政策と環境政策を一致させた取り組みということ。
使い古された言い方を用いると、環境問題への取り組みは、経済成長をもたらすため、と言い換えられるわけです。
これも特に目くじらを立てることではないとは思います。

グローバル社会レベルでの<SDGs=持続可能な開発目標>においても、「経済、社会、環境の統合」を方針としている必然の結果でもあります。

経済成長の旗のもと進められた環境破壊、地球温暖化、気候変動の流れを食い止めるために、経済に委ね、経済成長を維持、持続させる。
人間の愚かさと人間の賢さが混然一体化し、だれも責を負わずに、社会の持続に貢献することを目標とする。

こうして、企業の飯の種を創出し、技術開発と新規需要の創出で、経済を活性化させ、企業経営を持続させ、国家を持続させ、社会を持続させるということになるわけです。

なんともおかしなロジックなのですが、後戻りできないのが、このゲームの根本的な欠陥であり、長所でもあります。
皮肉なのですが、冷笑しているわけにいかず、取り組まなければいけないのですから。

そういう点で、それなりにさスガと言えるのかもしれません。
ある意味、遠慮深謀できているわけではなく、単純ゆえと言えそうでスガ。

先ずは、脱炭素社会実現のための2兆円基金設定


ということで、脱炭素促進のグローバルレースへの参戦表明を形にすべく、来年度年度予算案に早速その費用を計上しました。

まず手始めとして、脱炭素社会に向け、最大10年間にわたり水素や蓄電池などの技術開発を支援する2兆円基金を設定。
ここに財界、民間企業が群がり、技術開発競争が展開されることになる。
これも悪いことではありません。
但し、それが、本当に社会貢献できてこその話です。
まさに、SDGsの目標の実現です。
日常生活をおくる人々の暮らしに寄与してこそのこと。
そのための原資は、国民の負担、税なのですから。

グローバル環境対策レースに勝てるか

周回以上遅れてようやく参加したグローバル環境対策レース。
結局その優勝劣敗は、技術開発にかかっていると言っても良いでしょう。
なので、ビリだったものが180度向きを変えて、トップを走ることが可能になることさえあるのです。
前安倍内閣の無関心、優先順の後順位化で、欧米の動向に危機感を感じつつも、一応事業戦略にできる範囲で取り組んでいたであろう大手企業グループも、開発資金として政府資金(実は国民負担資金)をアテにできれば、即GoTo技術開発となります。

理念創出以来、技術面でも欧州が大きく先行していますが、真の敵、真の競争相手は中国のような気がしています。
資金力・人数面での人材力で優るからです。

しかし、問題は、技術であり、コストダウン。
その競争の具体的なさまざまな課題と目標が次々に示されています、矢継ぎ早に、もちろん海外でも。

最近の動向をピックアップし、当サイトがめざす、望ましい社会は、それによりどうなっているか、どうすべきかを次回整理してみることにします。

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