介護される世代、介護する世代の望ましい関係

現役世代ライフ


2020年以降急増が予想される介護離職


老老介護、多重介護、8050問題で象徴される単身中高齢者による老親介護。
これに、仕事を持つ現役世代が両親の介護で課題となる仕事と介護の両立課題と介護離職問題。

子育て・育児問題と並んで、家族間世代の関係のあり方、継承のあり方と繋がっている。

そして、団塊の世代のすべてが後期高齢者世代となる2020年以降には、その課題が四半世紀にわたって継続することになるだろう。

その対策として、政治・行政が適切な政策を講じていく責任があるのは当然だ。
しかし、このところの議論は、「全世代型社会保障制度」への転換を掲げてはいるが、実際には要介護・要支援者の自己負担増、それによる現役世代負担増への不満感の抑制といった財政赤字対策と世代間負担格差対策という表層的なレベルにとどまっている。


仕事と介護両立の女性の半数以上は自営業という現実

ソフトブレーン・フィールドが2019年5月に行った「親の介護に関する調査報告」(対象:20~60代以上の女性830人)の結果では・・・。

両立経験の189人の介護時の就業形態は、
◆自営業やフリーランス 60.3%
◆パートタイム 36.5%
◆フルタイム 15.3%


元々自営業かフリーランスだったのか、介護が必要になったから自営業やフリーランスになったのかレポートでは不明だが。

昨今、大手企業では、介護支援制度が拡充され、仕事と介護の両立が可能になる
事例も増えつつあるかとは思うが、中小・零細企業に勤務している場合は、それも困難なことは十分想像できる。

ここからも、介護離職が、後期高齢者の急増に伴って、今後も増え続けることが予想される。

仕事と介護両立の自衛のためには、早くから、雇用される仕事ではなく、自営・フリーランスで生計と生涯設計を可能にする生き方・働き方をめざす。
それは自ずと介護離職の不安と課題を同時に軽減・解消させることにも繋がりる。
女性・男性どちらの現役世代にも、早くからお奨めしたい方策だ。


望ましい「世代継承」から考える先行世代の後期人生デザイン

自分を介護してくれる家族の仕事や人生・生き方をどう考えるか。
先行して生きてきた自分の残りの人生よりも、まだ先がある現役世代の子自身とその配偶者と子どもたちの家族の生活・人生を大切に思いやる気持ち。

先行世代が持つべき心持ち、優しさ、そして責任ではないかと私は考えている。
それは、自身の家族に対するだけでなく、次世代へと継承し、生を育んでいく社会や環境、社会システムすべてに対して持つべき精神であり、責務であるとも。

介護問題は、その中の最も身近な、自分自身に直接関わる課題だけに、より「自己」「自我」が主張される、悩ましいモノ、コトだ。
その背景や事情も、人、家族さまざま。

個人の課題と社会の課題。
個々に異なる事情を集めれば、多様性に至る。
そこから、さまざまな改善・解決策や知恵が生まれる人と社会が継承されることを願う者だ。


関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
TOP