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多様な「世代論」の視点と課題


増える高齢者。7人に1人が75歳以上の後期高齢者


昨年2019年9月の敬老の日の人口推計。
65歳以上高齢者人口は前年比32万人増で、総人口の4人に1人以上28.4%の3588万人で過去最高。
75歳以上の後期高齢者は53万人増の1848万人で、同じく14.7%でほぼ7人に1人。

団塊の世代のすべてが75歳以上となる6年後の2025年には、5人に1人以上が後期高齢者になる。

この超高齢化社会は、年金保険料負担と年金受給、介護保険料負担と介護サービス受給、医療保険負担と医療サービス受給などをめぐる、現役世代とリタイア(高齢者)世代間問題が抜き差しならない状態に至っていることを想起させる。


超少子化社会を背景とする世代間不公平格差問題の拡大


高齢者の増加が、現役世代と次世代人口の増加と並行してのものならば、格差問題が起きることもないのだが、超高齢化と超少子化が対となって進行している社会では、深刻な状況が早くから想定され、現実はその想定以上に加速化している。

2018年の人口動態統計での出生数は過去最も少ない91万8400人。前年比2.9%減で、3年連続で100万人を下回った。
1人の女性が生涯に産む子どもの数=合計特殊出生率も1.42に低下。

直近の今年2019年の1~9月期の出生数は、前年同期比5.6%減の67万3800人。
このペースでは、年間で90万人を大きく下回り、88万人以下になる可能性も。

現役・次世代が高齢者の生活を支えるイメージとして、ピタミッド型が騎馬戦型になり、ついには1人で1人を支えなければならない肩車型社会となってしまう。

これでは、現役世代の将来への期待は失われ、子どもを持ちたいという気持ちも削がれることになっても不思議ではない。
高齢者世代が、先行逃げ切り世代と揶揄されても事実であることは疑いのないところ。
その不公平な受益の責は、何かしらのカタチ、方法で負わなければならないと思うのだが・・・。
私たちのこれからと未来の世代のために・・・。


内から見る家族間世代問題、外から見る家族間世代問題


社会総体としての世代間問題と並行して、日々の暮らしの基盤としての個々の家族内・家族間における関係においても、より現実的な課題が日常化している。

介護問題、子育て・育児問題、障害児・障害者問題などだ。
多重介護、老老介護、育児・介護ダブルケア、8050問題、多胎児育児・・・。

親子関係が、2世代にとどまらず、3世代・4世代の多重関係へと多様化し重層的に変化してきている。

そこには当然、それらの重くなる生活負担をなんとか支えるための仕事との両立問題、人的・物理的・精神的に介護・育児等を支える保険・施設・サービスなどの各種資源問題が横たわっている。

当事者である家族間の内的な問題に、それらを支援し、関係を持つべき国や自治体、各種事業者との外からの関係のあり方が世代間問題と絡みながら加わり、問われ続ける。


組織・会社における世代間問題

これまで述べた社会と家族視点での世代間課題とは間接的につながるものとして、事業活動を営む企業や団体等組織における世代課題もある。

それらの組織は、種々の社会保障制度の保険料負担の主体として非常に大きな責任を担い、国家財政面で現実的に貢献している。

その事業活動を、経営コストを吸収し、事業利益や内部利益を確保し、成長と安定を継続し続けるための組織問題内の世代問題や経営後継者対策にも取り組む必要がある。
これは、それぞれの世代の就労者の能力や意欲の維持・向上・開発ともつながる重要な課題だ。
また、同族企業や、高齢化が問題となっている中小企業の事業承継における後継者不足課題ともつながることになる。


社会問題・政治問題としての世代問題


これまで述べてきた視点での世代問題の対策・改善策として、政治や法律の力が絶対的に欠かせない。
個人や個々の家族、個々の企業・組織だけの力ではどうすることもできない。

国や自治体の政策や法律・法制、財政のもとに望ましい制度やシステムがインフラとして整備され、持続性をもって運営・運用されていく必要がある。

時には、1国だけの問題としてとどまらず、グローバル社会における責任と義務
という関係性を持ち込みながら取り組み、改善し、継承し、深化させていく必要もある。
そこでも、個人・家族・企業組織、自治体・国家などそれぞれでの主体的な意識と可能な関わりが求められることになる。


時代と社会環境の違いで語られる○○○世代論


世代問題を取り上げるとき、もう一つ欠かせない視点があります。
それぞれの時代の社会的・経済的に特徴的な動向・背景・事情をとらえ、その影響を受ける世代を象徴的に表現する世代呼称です。

しっかりと定着している「団塊の世代」がその代表。
主にマーケティングの視点で名付けられ、もてはやされた「バブル世代」「シラケ世代」「さとり
世代」「つくし世代」etc.
例えば、過去の教育政策と結びつけた「ゆとり世代」というのもある。
最近の話題の中では、「(就職)氷河期世代」を積極的に正規雇用する政策が打ち出されたことが挙げられる。
格差社会問題を表現する「貧困世代」というのもある。

世代間関係からの世代論、社会現象や社会問題からのアプローチの世代論。
いずれにしても、過去は過去として、これからの望ましい社会実現のための世代間関係の望ましいあり方、それぞれに求められる望ましい役割・意識・行動。
その視点をしっかり軸に据えて、種々多様な観点から、世代と社会と個人について考えていきたいと思う。

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