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イノベーション

再生可能エネルギーと水素社会によるエネルギーシステム改革-2

【2030年の社会システム改革シリーズ5】


脱化石燃料・脱原発のリーダーシップを取れない日本の政治の未熟さ

前回、電力行政改革が、これからの国家レベルでのエネルギー問題を的確に導いていく上で必須とした。

電力行政改革によるエネルギーシステム改革-1【2030年の社会システム改革シリーズ5】

それは、地球温暖化・環境問題対策も含むものである。

その課題に対する日本の取り組み姿勢・理念・基本方針の未熟さ・脆弱性は、グローバル社会の評価を見るとおり明らかである。
パリ協定遵守を巡っても、福島原発処理問題・廃炉問題しかり、遅々として進まぬ再生エネルギー比率向上課題・・・。

しかし、民間レベルでは、省エネは当然のこと、蓄電池技術開発、スマートシティ開発その他多分野での技術開発や実験が積極的に進められている。
ただ、それらを強く支援することや、目指すべき目標・ビジョンを統合・共有するリーダーシップや基盤の形成・構築にはとてもとても至っていない。

先述した、前回の提起の中で、国家レベルでの電力エネルギー行政改革の基本方針案として以下を挙げた。


1.電力エネルギーの自給自足体制構築
2.再生可能エネルギーへの完全移行
3.水素社会の実現
4.それらを可能にする技術開発
5.電力エネルギー管理システムの構築
6.それらに関する技術・ノウハウの蓄積と海外への販売・提供

1,2,3がめざすべき目標であり、4,5,6はそれを実現するための基盤であり、その成果物でもある。


2050年水素社会実現、2040年100%再生エネルギー化、2030年実現可能目標は?

とすると、こうした民間企業ベースベースの取り組みを統合し、加速化するために、新しい社会システムを改革開発する国家プロジェクトとすべきだ。

プロジェクト目標は、
・エネルギー100%自給自足の国家作り
そのための
・100%再生可能エネルギー社会の実現
・その基盤を確立しての水素社会の実現
である。


未だに20%台にとどまる太陽光エネルギー発電を軸にした100%再生可能エネルギー化は、2040年までには実現したい。
その間、火力発電における水素技術活用による化石燃料依存率の引き下げ、海外の太陽光発電事業への参加と同事業からの買い取り、などプロセスにおける種々の取り組みも有効となろう。

そして、スマートシティが全国各地に開発され、既存の街、都市、自治体の移行・転換が進む。
2050年までに実現したい、脱二酸化炭素排出のクリーンで、安心安全な水素社会だ。
先日、現状では世界最大級の水素製造拠点が、福島に開設されている。



進む仮想発電所(VPP)事業投資、蓄電池技術の深化

仮想発電所(VPP)とは、「バーチャル・パワー・プラント」のこと。
再生可能エネルギー、蓄電池、EV電気自動車等を利用して電力エネルギーを転換・変換する時、ネットワーク上で遠隔制御し、発電所のように機能させる仕組みだ。
電力の需給バランスが崩れると、大規模停電につながることは、北海道東部地震で起きたブラックアウトで経験した。


蓄電・充電・放電を的確に、無駄なく調整する技術・システム・機能が、1~3の目標を達成する上で絶対必要になる。
その切り札となるのがVPPで、欧米企業の開発・実験・実用化が先行している。

遅ればせながら日本企業が海外企業とのアライアンスで、キャッチアップを図ろうとしている。

その他、電気自動車テスラが必然と進め先行する蓄電池技術の深化とコスト削減に対抗すべく、日本を含め各国の競争もしのぎをけずって進められている。
他にも、電力・エネルギー、そして環境対策のための民間ベースの種々の取り組みの情報や報道は、日々相当の質と量にわたっている。


電気料金ゼロ社会も夢じゃない!

そこで求められるのが、繰り返しになるが、国家プロジェクトの統一・共有化、意思統一だ。
2040年の100%再生可能エネルギー化。
2050年の水素社会実現。

そのために、2030年までに何をなすべきか。
どこまで達成実現しておくか。

2020年が、エネルギーシステム改革の必要性を、国家レベルで、国民が認識し、議論が起こされ、10年スパンの長期計画と取り組みが、次世代に継承されていくよう期待したい。

2050年の理想水素社会においては、電気料金がゼロ。
現在の現役世代が高齢化している30年後。
それは、今から叡智を集め、傾けて取り組んでいけば、決して夢物語ではないだろう。

今後、関連する技術や実験などの情報も、ここで取り上げていきたい。

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