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各種社会問題克服政策

結婚しない理由、結婚できない理由:少子化社会対策白書から


「少子化社会対策」一連の流れと本稿

これまで「少子化社会対策大綱」批判をシリーズ化(最下段掲載)した後、7月31日に閣議決定をみた「少子化社会対策白書」を参考に、以下投稿した。
「令和2年少子化社会対策白書」と86万ショックと出生率1.36の現実(2020/8/17)
少子化社会対策と少子化担当相を糾弾する(2020/8/18)

「少子化社会対策白書」の<第1部少子化対策の現状><第1章少子化をめぐる現状>は、以下の構成になっている。
それぞれPDF資料にリンクが貼ってあるが、今回は、<4.結婚をめぐる意識等>から、関連部分を参考にして考えたい。

1 総人口と人口構造の推移(PDF形式:278KB)
2 出生数、出生率の推移(PDF形式:389KB)
3 婚姻・出産の状況(PDF形式:407KB)
4 結婚をめぐる意識等(PDF形式:420KB)
5 出産・子育てをめぐる意識等(PDF形式:507KB)


国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)も活用

なお、これに、少々古いが、2015年の「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)の<独身者調査の結果概要>(国立社会保障・人口問題研究所、以下社人研)の資料も利用する。

社人研の「出生動向基本調査」は、5年毎に行われる。
最新版は2015年と古いが、当白書でいくつか引用していることもあり、ここでも利用することにした。(次回は、来年2021年に実施予定)


結婚の意志・意識

初めに、白書から。

18~34歳の未婚者の結婚に対する意識だが、「いずれ結婚するつもり」と答えた男性が85.7%、女性 89.3%で、これまでと同様で、まずまず高い。
基本的には、多くの男女が、10人中ほぼ9人は、結婚願望を持っているといえる。
下の表(見づらくて申し訳ないが)にもあるが、一生結婚するつもりはない男女は、平均して10人中1人はいるということになる。

個人的には、残念なことだ。
生き方は、それぞれ自由だから。

出生動向基本調査


下の資料は、「ある程度の年齢までには結婚するつもり」か「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくても構わない」かの回答比率だ。
前者の比率が高くなってきているのが目につくが、実際に結婚に至っているかどうか。

「理想」という条件が気になる。
何をもって「理想」とするのか、なるのか。
果たして、理想というのは、実現するモノ、コトを言うのか、とりわけ結婚に置おいて。
設問が不適切と思う。

「そこそこの条件に合う相手が見つかれば結婚する。」
そういう条件が普通にあればいいと思うが、社人研は、その辺りをどう考えて質問内容を決めているのだろう。
何年も前から定型で行っている調査なので、設問と回答内容を変えるわけにはいかない。
で、本質から外れたものも、状況・背景が大きく変化していても、改善できなくなっている。

出生動向基本調査

結婚のメリットも機会もその気もなしで、男性生涯未婚者10人に3人?


ここでは、社人研の「出生動向基本調査」の以下の2つの表を用いる。

結婚する意志・意識はそこそこ高いのだが、実際には、男性のほぼ4人に1人は独身、女性はほぼ7人に1人。(50歳までに結婚しない人の割合)

その理由の一端は、前述の、「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくても構わない」男女が、それなりに多いことに表れている。

加えて、下表の未婚者の「結婚することに利点があると思う」か「利点はないと思う」かに対する回答にも、結婚に対して腰が引けている男女が多いことが分かる。
目立つのは、「利点がない」と思う男性の多さだ。
こういう意識に変化がないと、生涯独身の男性がまだまだ増える可能性(リスク?)がある。
2030年には、男性は10人に3人がほぼほぼ生涯未婚に、という予測もある。

これでいいのか?!

出生動向基本調査

出生動向基本調査


では、結婚することで得られるメリットをどう考えるか。

男女とも「自分の子どもや家族をもてる」を挙げる人は、第9回調査(1987年)からほぼ一貫して増加傾向にある。
2000年代以降は、「精神的安らぎの場が得られる」と「愛情を感じている人と暮らせる」が減少傾向。
親や周囲の期待に応えられる」は増加傾向で、女性では「経済的に余裕がもてる」が増加傾向にあり、今回初めて2割を超えた。

どうもまだ、傍目が気になるからおこなう結婚という感覚は根強い。
結婚にメンタル面での期待を寄せる人が減少傾向なのも少し気になる。

とはいうものの、私は、結婚のメリットは、複合的な要素の積み上げ・積み重ねと考えている。
どれか一つか二つのメリットが結婚に至らせるものではないだろう。
衝動的に結婚してしまうということもあるし、相手によりけりという側面が大きい場合もあるだろう。
あまり、こうした調査結果をどうこう言うことも、気にすることもないのではと思う。

メリット・デメリット云々よりも、結婚したくてもできない理由・状況について考えた方が良いだろう。

だが、やはり、結婚したくない、結婚することはデメリット、と考える人が増えることに対して、どうすれば良いか、何が有効かは、考える必要はある。
大きなお世話だが。

独身で居たくて独身と、独り身は嫌だけど独身という、結果として同じ独身


独身でいたくて独身でいるのか、独り身は嫌だけれど、やむなく独身でいる。
まったく事情は異なる、が、状況・結果は同じ。
さてどうしたものか。



25~34歳の独身未婚者のその理由。
男女ともに「適当な相手にめぐり会わない」(男性:45.3%、女性:51.2%)が最多。
次が、男性は「まだ必要性を感じない」(29.5%)や「結婚資金が足りない」(29.1%)であり、女性は「自由さや気楽さを失いたくない」(31.2%)
や「まだ必要性を感じない」(23.9%)。
過去の調査との比較で増加傾向にあるのが、男女ともに「異性とうまくつきあえない」、女性では「仕事(学業)にうちこみたい」、「結婚資金が足りない」。

「適当な相手にめぐり会わない」という場合、出会いそのものの機会がなくてめぐりあえないのと、自分が望む相手となかなか出会わないのとで、事情が違う。
どっちも婚期を逸するリスク、ありありなので、出会いの機会を増やし、その結果結婚に結びつく機会自体を増やす、仕掛けや仕組みなどが必要になる。
官民挙げて、ということになるが、その市場の認知・定着・拡大は、それなりに進んでいると思う。

ならば、結婚に対する何かしらのインセンティブが必要か。
「結婚資金が足りない」というのは、結婚式や新婚旅行のための費用のことか。
そんなのなくてもいいでしょ、と一言で済むと思うのだが、そうはいかないのはどういう理由でか。
やはり世間体や親のため、か。
形式ではなく、実態があれば良いではないか。
日本は、日本人は、未だに見栄っ張りだ。


結婚への障害

そこで、結婚したくてもできない理由、その障害要因についての調査結果を。

出生動向基本調査


18歳以上35歳未満の「いずれ結婚するつもり」と回答した未婚者に、「現在交際している人と(あるいは理想的な相手が見つかった場合)、一年以内に結婚するとしたら何か障害になることがある」かどうかをたずねた。

男女とも「結婚資金」を挙げた人が最も多い(男性43.3%、女性41.9%)。
また「職業や仕事上の問題」を挙げる人が増え、「親の承諾」、「親との同居や扶養」と考える人が減っており、特に女性で顕著である。

出生動向基本調査


どうも、結婚観の変化が時間と共に継続的に起きてきているのだが、これを意図的に変えることができるかどうか。
これも、少子化対策に必要なことと常日頃から思っている。

結婚しない自由、独身で生きる自由に反対することは、今日困難なことであはるが、理性と知性と感性と衝動、いずれにも、あるいはいずれかに頼って、やっていくべきかと、勝手に思っているのだが。


結婚できない理由としての経済的事情

どうも、結婚の障害として上げている「結婚資金」とは、結婚後の生活資金を含むのではないか。
別項目に「結婚のための住居」という経済的理由があるのだが、どうも曖昧だ。

いずれにしても、夫婦世帯での生活・生計を維持できる収入があるかどうかは、結婚を決意させる上で大きな要因だ。


今度は、白書の資料から。

上のグラフは、年齢区分別に年収を把握し、その年収幅毎の配偶者がいる比率を示している。

要は、年収が高ければ、結婚している比率が高いということを示している。
当然予想されるところだ、


これは、年収別に見たのと要因的には重なるが、正規・非正規・非正規パート・アルバイト、という雇用形態別にみた配偶者の有無の比率だ。
これも予想されたとおりだ。

白書では、この他若い世代の雇用形態と年収について、グラフを用いている。
しかし、若い年代が年収が低いのは一般的であり、そこに未婚要因や結婚障害要因を結びつけるのは、当たり前過ぎて本質から外れていく。

むしろ、30歳代後半、40歳代前半世代の結婚障害要因にも目配りし、年収・雇用形態問題を強くあぶり出すことも必要ではないだろうか。
20歳代・30歳代前半の状況がそのまま継続することによる将来に対する不安が結婚を諦めざるを得なくさせている。

その現実をどう社会経済システム上改革していくか。
その視点で考えるべき少子化対策の一つであろう。


共働き時代は、積極的結婚への誘引にならないか

ひとりの場合の低収入も、夫婦共働きで、経済的に合理的な夫婦世帯を形成できる。
基本的にはそう思い、結婚による経済的なメリットを主張できると思っているが、夫婦とも非正規雇用となると、現状も将来も不安を払拭できず、結婚はためらわせる。

共働きにも、いろいろなパターンがあるということだ、
よく似たもの婚、類似婚・類型婚と言われ、境遇が似た男女が結婚する確率が高いと言われる。

その多様性の中で、働き方・収入の得方が双方とも厳しい組み合わせは、できることなら避けたい。
結婚の経済的合理性が成り立たないから。

できることなら、夫婦世帯形成、イコール結婚が、経済的にひとり、独身で暮らすよりもメリットがあるという計算を確認しての結婚に結びつけることをお薦めしたいし、祈りたい。



女性の高学歴化が招く、非婚・晩婚、そして少子化

白書も基本調査でも、明確に女性の高学歴化が、非婚・晩婚、そして少子化を招いているという調査データを示してはいない。

しかし、結婚の障害や独身のメリットなどの要素・要因の中に、それらは組み込まれている。
実は、女性の高学歴化という表現そのものが、性差別と言えなくもないわけで、設問や回答項目にそうした意味合いでの表現を活用すること自体、難しいのだ。

高学歴ではなくて、普通学歴になっているわけで、要因と対策化には、別のアプローチが必要になる。

要するに、子どもを産める(産んで頂ける)のは女性だけなので、女性の生き方・働き方、人生観・結婚観、そして子ども観・家族観に委ねざるを得ない課題である。

ここでも、やはり、女性の知性・理性・感性、そして衝動、そのいずれか、またはいずれにも頼り、委ねることで、未婚率の抑制、初婚年齢の引き下げ、少子化対策などを、あちこちに提示していく努力を重ねていくべきかと。

願わくば、女性にその役割を担って下さる方が次々と出てくることが理想と勝手に思っているのだが・・・。
だれも聞いてくれないだろうなぁ・・・。

ボチボチやります。

「少子化社会対策大綱」批判シリーズ

◆ 出生率1.36、出生数90万人割れ、総人口減少率最大:少子化社会対策大綱は効き目なし(2020/6/11)
◆ 「2020年少子化社会対策大綱」批判-1:批判の後に向けて(2020/6/18)
◆ 「少子化社会対策大綱」批判-2:少子化社会対策基本法が無効施策の根源(2020/6/25)
◆ 「少子化社会対策大綱」批判-3:少子化の真因と究極の少子化対策BI(2020/7/13)
◆ 「少子化社会対策大綱」批判-4:安心して子どもを持つことができるBI、児童基礎年金支給を早期に(2020/7/28)

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