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母子家庭の貧困、子育て世帯の不安、結婚し子どもを持ちたい人たち、すべてに機能するベーシック・インカム制の議論・検討を

「COVID-19」後の2050年の社会システム改革

ひとり親世帯の9割が母子世帯、相対的貧困率は5割超の現実

前回、
養育費不払いとひとり親世帯の貧困問題:『離婚の経済学』が提起する、離婚による母子家庭貧困リスク
というテーマで、問題提起した。

離婚により招いた母子世帯・父子世帯の貧困は、根本的には、不安定で低いレベルの就業形態・労働条件に従事せざるを得ないことの影響を大きく受けている。
そして、コロナ禍による解雇・雇止め・休業などで、一層の困窮に追い込まれている。

こうした状況下、ひとり親世帯の多くが、いわゆるセーフティネットに自らアクセスし、状況の打破を図ることもまた困難であることが想像できよう。

セーフティネットに数えられる活動の多くは、NPO法人やボランティアグループ
その他草の根的な活動にに頼る一方の展開になってしまっている。
とても、国や自治体など、本来社会福祉の業務領域を統括管理する責任主体の姿が見えてこないのだ。

ひとり親世帯の9割弱を母子世帯が占め、平均的な所得水準に満たない人の割合を示す2018年の相対的貧困率が、なんと半数以上51.4%という現実をしっかり認識すべきだろう。


希望する仕事に就くことが困難なひとり親世帯に迫る「自立・就業」の矛盾


離婚の経済学 愛と別れの論理』の第7章「働けど働けど我が暮らし楽にならず」を参考に、問題をピックアップしてみた。

多くの離婚は、低学歴からの非正規雇用、低賃金雇用に陥る傾向にある。
母子世帯の親は、働いていないのではなく、一生懸命働いているが、不安定な雇用や低賃金に耐えなければならないのが、日本の労働市場の構造的な特徴の一つになっている。

だが、2000年以降のひとり親世帯に向けた施策は、「改正母子及び寡婦福祉法」から、児童扶養手当中心の支援から、就業・自立に向けた総合支援に転換。
すなわち、経済的な支援を削減し、「福祉から就業へ」を掲げた政策に改悪したのだ。


どうやら、政府は、「自立」という言葉が相当お好きのようだ。
介護行政においても、盛んに高齢者の「自立」を求め、「自立」を支援すると言っている。

実は、政府の「自立」推進政策は、国は極力カネは出さない、だからできるだけ「自己責任」で、自立の努力をし、自立しなさい。
こんな感覚だ。

もちろん、結婚し、離婚するのは、当事者の権利・責任。
だが、子どもの養育も脅かす親の就業・収入の不安定さを改善・解決するために、即働け、働ける技能・知識を身につけるための訓練費用の補助はしよう。
そう言われても、母子・父子ともに安定した生活を営むことができる、安定した仕事に就くことそのものが努力をもってしてもムリなのだ。

雇う方に採否を決定する権限があり、雇用形態を決めるのも雇用サイドだ。
もちろん、本人にスキルが無い場合もあるが、子育てのための時間や住まいなど、基礎的な生活資源を持つこと自体が困難な状態にある世帯も多い。



常に変わらぬ、総花的な少子化対策と社会化


先日、今月末に正式に閣議決定されるという、新しい「少子化社会大綱」の案ができたという。
日経紙がその旨報じていたので、厚労省のHPで確認しようと調べたが、過去のものは検索できたが、今度の案は、直接見ることができなかった。
多分、閣議決定後公開されるのだが、マスコミには、先行してリークするらしい。
その事自体、非常に問題だと思うのだが、今回は問うまい。

5年前、2015年3月に閣議決定された「少子化社会対策大綱」の概要を、厚労省HPから引用した。
新しい大綱が公開されたら、その内容を元にして記事を書く予定だが、過去の内容を見ると、なんとも盛りだくさんな内容だ。
なるほど、「社会全体」でこの問題に取り組むという方針・主張であり、総花的・総論的であり、決め手に著しく欠ける。
数値目標らしきものもあるにはあるが、どこか情緒的・印象的な項目の数値設定で、実現してもしなくても、だれにも責任が及ばない類のものだ。


国が、内閣が、所轄厚労省が責任を持って進めるとは、一言も言っていない。

子どもを産めば、子どもを持てば、誰もが安心して育てることができる社会・国、仕事と子育てを安定して両立できる社会・国を創り上げる、という決意が見当たらない。
ましてや、母子家庭・父子家庭、未婚・非婚のひとり親世帯の親と子の暮らしを守り、誰もが安心して、子どもを持つことができる社会・国に、という宣言もない。



ひとり親世帯、子育て世帯、結婚し子どもを持ちたい人たち:少子化対策の決め手ともなるベーシック・インカム制の議論・検討を


超少子化時代への対策として、最も求められ、最も有効と予想される政策は何か。

少子化対策として、これまで多くの議論や提案がなされてきたが、決め手となるものはなかった。
提起された提案のすべてが取り組まれたわけではないこともあり、やりかけや停止・停滞したままで時間とコストだけが費消されていったということだろう。

要は、少子化が、種々多様な要因・要素が絡み合っての結果だとすることと、
本気で財政出動することを避けてきていることが示している。

ベーシック・インカム制とは、国が、日本の国民全員に、人としての最低限の生活を、平等に、安心して送ることができるように、無条件で年金として毎月定額給付する社会保障制度としている。

その法的根拠は、憲法第25条に置き、その制定運営上の基盤は、社会保障制度及びこれを発展させての社会保障保険制度に置いている。

その考察の試案として、当サイトで提起した以下の記事を確認頂ければと思う。

憲法で規定された生存権と「社会保障」:全世代を対象とする社会保障システム改革-1
○○手当は○○年金!?:全世代が年金受給機会を持つ社会保障システム改革-2
所得者全員が年金保険料を!:国民年金の厚生年金統合による社会保障システム改革-3
ベーシック・インカム制の導入を!
ベーシック・インカム生活基礎年金の年間総額、216兆円
ベーシック・インカム生活基礎年金はポイント制で
ベーシック・インカム「生活基礎年金制度」続考
社会保障保険制度試論
ヘリコプターマネーではなく、ファンダメンタルマネー:全国民受給のベーシック・インカム制へ

その試案としての「ベーシック・インカム」を、学齢で15歳以下の児童に支給するものを「児童基礎年金」、同16歳以上の者に支給するものを「生活基礎年金」としておく。

イメージ的には、現状の国民年金と厚生年金保険、両方の「老齢基礎年金」に当たる年金を、年令に関係なく全員に「基礎年金」として給付する、全世代型・生涯型年金である。

当然、財源問題から議論を始めなければいけないのだが、いつも通りのアプローチでは改革は論外となるので、一応後回しにさせてもらっている。
但し、現状種々の形で財政支出されているものも一部、年金給付とみなしているので、まるまる新たな財源を必要とするわけではないことを、触れておくに留める。


ひとり親世帯におけるベーシック・インカム試案

前掲した複数の記事においては、整合性が取れない提案が複数ある。
これは、種々考えながらの作業であり、社会保障保険制度自体、従来の種々の社会保険や労働保険に加え、教育・保育領域、社会福祉領域など多面・多様な事業領域をカバーするためでもある。

それらの中の一つの事業領域についてそれぞれ考える必要があるとともに、関連する諸制度との整合も図る必要があり、一度試案化しても、別の観点からの再考察が必要になるため、すぐに結論、というわけにはいかない。
この点についてもご理解頂きたく、かつ、皆さんからのご意見も頂戴したい。

そこで、いまこの時点でのひとり親家庭(親1人、子1人)でのベーシックインカム案を、以下にメモしてみた。


<親の生活基礎年金(月額)>
・支給額 13万円
・世代基礎控除
 ①社会保障医療基礎保険料 1万円 ②社会保障就業基礎保険料 5千円
 ③社会保障介護基礎保険料 5千円
・各種社会保障保険適用時利用可能ポイント給付額 4万円
・自由使途現金給付額 7万円


<子の児童基礎年金(月額)>
・支給額 13万円
・世代基礎控除
 ①保育(または教育)費用負担金 6万円
・自由使途現金給付額 7万円

<親子受給基礎年金合計(月額)>
・支給額合計 26万円
・世代基礎控除合計 8万円
・各種社会保障保険適用時利用可能ポイント給付額合計 4万円
・自由使途現金給付額合計 14万円


児童基礎年金の自由使途現金給付は、現状の児童手当に当たり増額している。
受給者は、子、個人だが、親がこの給付金を管理することになる。

<各種社会保障保険適用時利用可能ポイント給付額>は、現金で付与されず、健康保険等、社会保障保険制度の利用時の自己負担の一部に充当できる額で、ポイントとして給付される。
子ども用としても利用できるようにする。
また、未使用分をプールでき、必要時取り崩すことができる。
就業保険(現状の雇用保険)で休業給付を受ける場合、このポイント分を現金化して受け取り可能にすることも。

この生活年金制度の導入で、現状の生活保護制度は廃止、または相当部分を改定する。
また、現状の所得税制における<基礎控除><配偶者控除><扶養控除>など基礎的な控除は廃止する。
従い、所得税収は増加し、その一部は、社会保障保険制度の公費(国・自治体負担)の一部に充当可能となる。

もちろん、生活基礎年金以外の収入があれば、原則全員が、所得税及び社会保障保険料を負担する義務があるという前提での所得税控除廃止案である。

ひとり親世帯の貧困問題から、多面的で多様な生活不安問題に応用・展開する形で、ベーシック・インカム制について、現時点での私案をメモした。

しかし、先にも述べたように、この試案は、少子化対策としても、それなりの効果を持ちうると考えている。
一定額以上の高収入を得ている者には必要ないと考える向きも多いことは承知している。
しかし、いつも、そしていつまでも、紋切り型に「所得の再分配」のあり方、それをどうするこうする、と堂々巡りばかりしていては、結局何も変わらないこと、変わらなかったことは明らかだ。

コロナ禍を、望ましい未来社会創出のための一つの貴重な、得難い経験だったとして、10年後、20年後、30年後、2050年の日本の人と社会創造に結びつけたいものだ。

なお、母子家庭・父子家庭、シングルマザー等に関する問題は、別途今後も注視していきたいと考えている。


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