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所得者全員が年金保険料を!:国民年金の厚生年金統合による社会保障システム改革-3

【2030年の社会システム改革シリーズ2】

前回から、2030年の社会システム改革シリーズの2番目のシリーズ、「社会保障改革システム改革」を始めました。

第1回:憲法で規定された生存権と「社会保障」:全世代を対象とする社会保障システム改革-1
第2回:○○手当は○○年金!?:全世代が年金受給機会を持つ社会保障システム改革-2

今回は、第3回です。


国民年金と厚生年金保険の違いの必要性とは


老齢基礎年金部分をなす国民年金と、老齢厚生年金部分の厚生年金。
昭和61年4月から施行された国民年金・新法で、公的年金制度において、いわゆるこの2階建て方式に移行した。

昭和36年に導入された旧国民年金制度は、厚生年金保険が対象とした被用者対象の厚生年金保険に対して、個人事業主が加入することとしたことで、国民皆年金制度が実現。

この2つのステップは、大変意義のあること。

しかし、被扶養者の専業主婦には保険料負担義務がない。
パートタイマーで働く主婦が、この被扶養配偶者であり続けるために、限度額を超えないよう就労時間を調整する。
一方、その限度額を超えて働き、厚生年金保険料を負担している妻が感じる公平感。
これまでも問題とされてきているのですが、ごくたまにその限度額をいじる程度で、抜本的に改革するに至っていません。

それとは別に、2つの年金制度にまたがる改正として、税理士など士族の個人事業主は、国民年金ではなく厚生年金に加入することとなった。
これは、当然のことだ。
私は、士族に限らず、一般の個人事業主はすべて厚生年金に加入する制度に変えるべきと考える。

実は、公的年金において、定額方式をとる(国民)基礎年金と、報酬に比例する厚生年金という方式を並列することを前提とすると、改革に踏み出せないのだ。

国民皆年金制度に加入するからには、全員が保険料を負担するのが本筋。
ところがまったく保険料を負担せず、基礎年金を受け取る(ことができる)専業主婦がいる国民年金制度である限り、永久に年金改革はできないのではないかと思う。


国民年金制度を厚生年金制度に統合・一本化し、所得者全員が保険料負担を

増加する給付費用に対して、保険料収入増も不可欠。
これも当然のことで、絶対に実行すべき改革課題だ。

現状の国民年金の個人事業主や学生の加入者の年齢は、基本、20歳以上60歳未満。
一方、基本的に雇用され賃金を得る人ならば、(賃金額の条件はあるが)年齢関係なく厚生年金保険に加入。
これを、18歳以上は収入の有無にかかわらず、全員が厚生年金に加入することにする。
このうち、まったく収入がない被扶養配偶者の保険料は、収入がある一方の配偶者が負担する。
現状、所得限度額で保険料負担を免れている賃金収入があれば、その額を問わず、規定に基づいて保険料を負担する。
雇用されず、家賃収入など不労所得がある人も、その所得に応じて保険料を納付する。

学生については、現状の学生納付特例などの規定を残せばよいだろう。

夫婦共働き社会では、実態に合わなくなっている現状の年金制度改革。
2020年代前半で、改革の議論をぜひとも進めてほしいものだが・・・。


基礎年金と厚生年金の2階建て方式をどうするか

そこで、定額方式の基礎年金の仕組みをどうするか、が重要な課題になる。

実は、基礎年金の国民年金は、年金として支給(給付)される年金の半分、2分の1は、国庫で負担している。
すなわち、国民や企業の税金で賄われている。

そのため、厚生年金に統合しても、考え方としては全員になにがしかの基準を設定して基礎額を給付する方式を維持するのは可能である。
全額、報酬に比例する方式に切り替える必要はない。

ただ、基本的には全所得者が保険料を納付することになるため、年金給付全体では比例報酬部分の構成比が高まることになる。


今回も、基本的な考え方だけを提起しており、改善・改革の具体的な金額や比率など数字では示していないことを了解頂きたい。

昭和61年の大改正以降、抜本的な改革がない年金制度。
進行・深化する超少子高齢化が深刻化させる、社会保障制度における財源問題と世代間問題。

2030年の大改革を想定すれば、10年以内に方針と具体的な方策を議論・決定し、法制化しなければならない。
小手先のものではないものにするためには、5年間で方針合意。
あとの5年間で法律策定と順次移行、2030年に完全移行、という工程が必要になるだろう。

政治家と官僚にそうした問題意識や使命感・責任感がどれほどあるだろうかか・・・。

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