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地域包括児童ケアセンターの設置と児童福祉司配置を:『ヤングケアラー』『子ども介護者』からの基本認識と課題・対策-3

少しずつ、よくなる社会に・・・

『ヤングケアラー』『子ども介護者』からの基本認識と課題・対策-3

◆ ヤングケアラーとは:『ヤングケアラー』『子ども介護者』からの基本認識と課題・対策-1(2022/3/7)
『ヤングケアラー』『子ども介護者』2誌の構成と<「ヤングケアラー問題を考える」シリーズ>方針(2022/3/8)

この2回から、今後のヤングケアラー問題についての当サイトでの取り組みを

<ヤングケアラー問題を考える>シリーズ】
1.ヤングケアラーの定義と社会的背景
2.日本におけるヤングケアラー学校調査から
3.ヤングケアラーの実態・実相
4.周辺と地域のヤングケアラー支援方法
5.総括:総合的包括的社会政策としてのヤングケアラー支援

という順で、極力体系化して考えていくとしていました。

しかし、『ヤングケアラー―介護を担う子ども・若者の現実』(澁谷智子氏著・2018/5/25刊・中公新書)と『子ども介護者 ヤングケアラーの現実と社会の壁』(濱島淑惠氏著・2021/9/10刊・角川新書)の2冊を斜め読みを終えたところで、書くには書いたが、そう簡単に整理できないなと・・・。

そこで、先述の記事にも書いたのですが、2冊の書の構成を再掲してみました。

【『ヤングケアラー―介護を担う子ども・若者の現実』構成】
はじめに
第1章 子どもが家族の世話をするということ
・その社会にとっての「当たり前」との比較
・戦後のライフコースと家族のあり方の変化
・余裕をなくす家族と社会
・世界的に見たヤングケアラー
・元ヤングケアラーの語りとその反響
・日本における「ヤングケアラー」の定義
・ヤングケアラーについての実態調査
第2章 日本のヤングケアラーに関する調査
・医療ソーシャルワーカーの視点から
・続く試行錯誤
・教員から見たヤングケアラーの状況
・イギリスのヤングケアラー調査との比較
・後発であるがゆえのメリットと調査を実施した地域の特徴
第3章 調査後の支援体制作り
南魚沼市教育委員会とスクールソーシャルワーカー
・南魚沼市福祉保健部のどの部署がヤングケアラーに対応できるのか
・家庭教育支援チーム「だんぽの部屋」の可能性
・南魚沼市社会福祉協議会による子どもの学習支援事業
・各部署の強みを活かすということ
・行政関係者・教育関係者を対象とした研修会
・寸劇の開発
藤沢市での試み
第4章 ヤングケアラーの体験
・「そんなことまで子どもがやっている」
・お手伝いというレベルじゃない
・親と共に介護するヤングケアラーは何を担うのか
・学校でケアのことを話せない構造
・同年代との心理面のずれ
・ヤングケアラーと不登校の関係性
・必要とされることの重圧
・ケアの始まる時期
第5章 ヤングケアラーへの具体的な支援
ウィンチェスター・ヤングケアラー調査とその効果
・ケアについて安心して話せる相手と場所を作ること
・外出イベント
アセスメントシート
・使えるサービスにつなげる試み
・家族全体を考えた支援
・ヤングケアラーとその家族が集まる集い
・個々の子どもの違いや時間経過がもたらす変化への配慮
・ヤングケアラーについての社会の意識を高めていくこと
・生徒を対象としたヤングケアラー説明会
・教員研修でのヤングケアラー説明会
・ヤングケアラーが学校に望むことトップ10
・ヤングケアラーに対して発行されるIDカード
・昼休みのヤングケアラー・ミーティング
・医療や福祉の専門職がヤングケアラーに気づいていくこと
終 章 ヤングケアラーが話をしやすい環境を作っていくために
・スピーカーズバンクの試み
・ケアを担うことについての共感と連帯の可能性
・ケアの経験と日本社会
おわりに

【『子ども介護者 ヤングケアラーの現実と社会の壁』構成】
まえがき
・気づかれていなかった介護の子
・目に映っていながら見えていない
第1章 「ヤングケアラー」とは
1.ヤングケアラーという言葉が持つ多様さ
・「ケア」は多面的だ
・良い・悪いでは割り切れない
2.ヤングケアラーの定義
・国により異なる定義
・日本におけるヤングケアラー
・調査は始まったばかり
第2章 見えてきた日本のヤングケアラー
1.大阪府立高校における高校生調査
・調査の概要
・ケアしている高校生はやはりいた
・社会構造を映し出すケアの対象
・要ケア家族の状態
・多岐にわたるケアの内容
・ケアが1日8時間に及ぶ子どもも
・小学生のときからケアをしている子どもも多い
・一定規模で存在する高校におけるヤングケアラー
・ヤングケアラーがいる家族の傾向
・経済的な問題
・学校生活にもさまざまな影響が
・ケアをしていることを抱え込む子どもたち
2.高校教員による認識との比較
・教員たちへの調査も実施
・教員も把握しているヤングケアラー
・奇跡の調査
第3章 私が出会ったヤングケアラーたち
1.高齢社会を反映する祖父母のケア
・友也さんとの出会いは近所の人の電話から
・母と祖母と。3人での暮らしの始まり
・ひとりきりであることの不安、重責
・ケア一色、先のことなど考えられない
・自分だけが生きていて申し訳ない
・孤独だった。さみしかった
・緩やかに進行する排除
・祖母のケアをきょうだいとともに担った文乃さん
・「息抜き」がわからない
・学校では気絶するように寝てしまう
・年上のきょうだい ー もうひとりのヤングケアラー
・介護が終わっても罪悪感を背負う
・ヤングケアラーの多様な思いと「価値」
2.精神疾患の親のケア
・母を介護した美晴さん
・負担の大きいお弁当作り
・愚痴を聞き続けたり、激しく叱責されたり
・ほかの家庭との違いに気付くことの難しさ
・学校での人格の激しい変化
・勉強は嫌いではないがする時間がない
3.障がいを有するきょうだいのケア
・発達障害がいの兄と綾子さん
・「見守り・声かけ」も高度なケア
・ヤングケアラーのしんどさ、親のしんどさ
・社会に期待すること
第4章 ヤングケアラーの語りを通してわかること
1.ヤングケアラーの担う多様なケア
・本人もケアだと気づきにくい
・学校、健康、生活への影響
・誰にも話していない
・手伝いとはこれほどまでに違う
・ケアを要する家族がいるなら
2.ヤングケアラーの価値と2つの理不尽さ
・身に付けている素晴らしい価値
・社会に押し付けられる2つの理不尽さヤングケアラー
第5章 ヤングケアラーが生まれる社会的背景
1.少子高齢化を俯瞰する
・激増する「ケアを要する人」
・障がいを有する人や精神疾患の人も増加
2.社会福祉における家族主義
・ケアは家族がするもの?できるもの?
・在宅福祉も家族が前提
・増加する高齢者や障がい者の虐待
・ひとり親世帯の増加と生活困難
・生活の困難さが世代間で連鎖する
終 章 ヤングケアラー支援に向けて
1.支援のためにできること
・まずは実態を把握することから
・地域で整えたい5つの支援 ー 自分の人生を歩むために
 ①孤立の解消 ー ヤングケアラーが出会う場
 ②学習支援
 ③家事や食事の支援
 ④レスパイト(小休止)サービス
 ⑤伴走者の必要性
2.学校での理解や配慮、そして支援
・学校での先生、友人の理解は重要
3.福祉の専門職による支援
・専門職だからこそ
・ヤングケアラーは資源ではない
・「気づく」「つなげる」という役割
・支援ネットワークとヤングケアラー支援の拠点
・行政の役割
・ヤングケアラーが出会う社会の壁
あとがき


上記の各構成には見られませんが、現状、日本のヤングケアラーに関する活動の基盤の一つになっているのが、日本ケアラー連盟内にある<ヤングケアラープロジェクト>
ここからの情報も参考にする必要があると考えました。

ヤングケアラー学校調査の種類と調査情報

先述の【<ヤングケアラー問題を考える>シリーズ】<2.日本におけるヤングケアラー学校調査から>において組入れる予定の学校調査は、2冊で取り上げている
1)南魚沼市(2015年):市内公立小中・特別支援学校26校。446人教職員対象
2)藤沢市(2016年):同55校。1812人同。
3)大阪府立高校(2016年):10校
の3調査でした。

その内容・概要は当然2冊で組みいられていますが、実は、以下で、公表されている詳細をすべてを見ることができます。

1.南魚沼市におけるヤングケアラー調査
⇒ 南魚沼市「ケアを担う子ども(ヤングケアラー)についての調査≪教員調査≫(PDF)」(2015.12.12)
2.藤沢市におけるヤングケアラー調査
⇒ 藤沢市「ケアを担う子ども(ヤングケアラー)についての調査≪教員調査≫」(PDF)(2017.7.16)
3.大阪府立高校における高校生ケアラー調査 ⇒ 高校におけるヤングケアラーの割合とケアの状況 (2018.2)
※(参考プレスリリース):ヤングケアラーについての調査を実施 ケアを担う子ども(ヤングケアラー)についての南魚沼市調査(PDF)(2015.12.1)

そのうち、高校調査を除く3つの資料は、日本ケアラー連盟ヤングケアラープロジェクトのホームページから入手できるようリンクが貼られているのです。

その膨大な資料と、2誌のエッセンスを集約するのは、かなりの難作業と少し腰が引けています。
時間が必要なので、後回しにさせて頂きたいと思います。
(本音は、各資料をみてください、で済むといいな、と。)

と言いつつ、言い訳のための今回のネタを。

多様な児童問題の現実的取り組み・対策のための地域包括児童ケアセンターと児童福祉司配置

一昨日、日経に、<データで読む地域再生>というシリーズの一環で、「児童福祉司」の地方・各県の配置状況に視点を当てた
「児童福祉司」増でケア拡充: 日本経済新聞 (nikkei.com)
という記事が掲載されました。

要約すると
児童虐待の相談件数が、一昨年2020年度約20万件(2020年度)と過去最多を更新し、子どもや保護者に対するケアの拡充が急務。
児童福祉司とは、保護者の育児相談に応じたり、虐待されるなどした子どもを保護したりする公務員。大学で教育学などを学んだ人や福祉施設で実務経験者などがその専門職に従事する。
国はその配置を、2019年に「児相管轄地域の人口4万人に1人以上」から「2022年度までに3万人に1人以上」に改正。
2021年4月時点で全国に4844人。大幅に不足し、かつ地域間でのばらつきが非常に大きい。

というもので、各地方版で、各地の児童福祉司の配置や実情についてレポートしているものです。
その内容を集約して確認することが目的ではありません。

児童・子どもをめぐる社会問題は、当然、児童虐待にとどまることなく、いじめ、不登校・引きこもり、貧困そしてヤングケアラー等と、非常に多岐にわたり、多面的な支援とそれを包括する機能が、自治体・地域単位で必要になります。
高齢者介護等に関しては地域包括ケアセンターが、既に機能していますが、その児童版として、<地域包括児童ケアセンター>を設置すべきと考えています。
先述の【<ヤングケアラー問題を考える>シリーズ】の最後に予定の<5.総括:総合的包括的社会政策としてのヤングケアラー支援>に組み入れる予定の対策の一つです。
そこに日経記事から、「児童福祉司」という高度専門職の配置を結びつけたわけです。
<5.総括:総合的包括的社会政策としてのヤングケアラー支援>にしっかり取り組む機会がきましたら、そこで再度触れることにします。

ヤングケアラーの人生が、運に左右されない社会を考える必要がある

これは、浜島氏の『子ども介護者』の中にある一文であり、私が思うところでもあります。
というか、この思いから、ヤングケアラーについて当サイトで取り上げることになったわけです。

ただ、家族の手伝いの一種、在り方として捉えられるケアについて、次のように指摘していることを一部加筆修正して紹介し、今回の締めくくりに当てたいと思います。

しかしながら、ケア役割が過度になり、健康、生活、人生にマイナスの影響、不利を与える場合もあり、ヤングケアラーへの支援の必要性がある。
(略)
ヤングケアラーは多様な側面を併せ持っており、彼らの存在や家族のケアそのものを否定する必要はない。
ただし、なかには過度な負担で健康を害する子どもがいること、家族愛にもとづくありふれた手伝いに見えても、それが子どもたちから学校に通い、学び、友人をつくる機会を奪ってしまっている場合があること、これらは子どもの人権にかかわる事柄であることを明確に認識する必要がある。
ケア経験やヤングケアラーの価値を認めながらも、彼らの抱える、抱えうる負担、困難を理解し、支援することが重要である。

次回のテーマをどうするかは、まだ決まっていません。


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