1. HOME
  2. Onologue
  3. Book
  4. 増える新規就農形態と広がる有機農業の課題:『日本の食と農の未来』から考える-2
Book

増える新規就農形態と広がる有機農業の課題:『日本の食と農の未来』から考える-2


2022年1月9日投稿記事
小口広太氏著「『日本の食と農の未来』から考える」シリーズ、始めます
を受けてのシリーズです。

第1回:グローバル・フードシステムを見直すべき時代:『日本の食と農の未来』から考える-1(2022/1/13)

 今回は、 <第2章 この時代に農業を仕事にするということ>と< 第3章 持続可能な農業としての「有機農業」を地域に広げる を取り上げます。

『日本の食と農の未来』から考える」シリーズ-2

第2章 この時代に農業を仕事にするということ>から

 初めに第2章ですが、構成は以下のとおりです。

第2章 この時代に農業を仕事にするということ
1.変わる農業への「まなざし」
・「ネガティブ」に語られる農業
・農業に向けられる「ポジティブ」なまなざし
2.新しく農業を始める人たち
・農業の始め方
・非農家出身、農家出身の就農の形
・存在感を増す「雇用就農」と「新規参入」
・非農家出身の若い世代から期待される農業
3.独立就農したい若い世代の姿
・日本農業経営大学校を卒業後、有機農家へ:荒木健太郎さん
・地域おこし協力隊を経て、ぶどう農家へ:鈴木寛太さん
・「段階的」かつ「戦略的」な就農
・就農ルートの多様化
・地域おこし協力隊と就農の親和性
4.独立就農者の姿
・独立就農者の経営タイプ
・多層的に広がる独立就農サポート
・柔軟なサポートと受け皿づくりの重要性


 例によって、この構成を私なりに整理・概括してみます。


ネガティブ農業からポジティブ農業へ

まず、前回記事で省略した、農業就労者数の減少と高齢化について、第1章の中から数字で示してみます。

農業就業人口とは

農業就業人口とは
1)自営農業のみに従事した者
2)自営農業以外の仕事に従事していても年間労働日数で自営農業が多い者
基幹的農業従事者とは
そのうち普段仕事として主に自営農業に従事している者

農業就業人口、基幹的農業従事者数の推移、状況

・1960年度1454万人 ⇒ 2016年度200万人割れ ⇒ 2019年度168万人
・全就業人口中の農業就業人口比:1950年47.1% ⇒ 2020年度2%
・2020年度年齢別基幹的農業従事者数:75歳以上31.7%、65歳以上69.4%、30代以下4.9%、40代以下10.9%

 以上の数字から、農業および農業分野がネガティブなイメージを持たれるのは、やむないことと言えるかもしれません。
 しかし、本書では、このところの若い世代の農業への関心の高まりを取り上げ、次節以降で、新規就農者数の増加と農業への意識の変化傾向取り上げ、農業がポジティブな産業・事業に変化してきていることをレポートしています。


新しく農業を始める! 新規就農の道、形態

 減少する農業就業人口ですが、そのなか、新たに農業に従事する人々が増えてきています。
 新たに農業に参画する新規就農者の形態は、以下のように多様です。

1)新規自営農業就農者:家族経営の世帯員で、親元に戻って自営農業に従事する人。Uターン就農
2)新規雇用就農者:新しく農業法人などの従業員として雇用され働く人
3)新規参入者:土地や資金などを自ら調達し、新しく農業経営を始める人。Iターン就農
 ・独立就農:経営資源を独自に調達
 ・第三者承継:既存経営の資源を引き継ぐ

 その一部は、元々親や実家が農業を担っていたのに対して、まったく農業経験がなかった人々です。
 そして参画・参入する形もさまざま。

非農家出身者の独立就農ルートの類型

 上記の新規就農者のうちの「独立就農」の就農ルートの例として、以下を挙げています。

1)研修 ⇒ 雇用就農・教育機関 ⇒ 独立
2)雇用就農 ⇒ 研修・教育機関 ⇒ 独立
3)教育機関 ⇒ 雇用就農・研修 ⇒ 独立
4)地域サポート人材 ⇒ 雇用就農・研修 ⇒ 独立


 教育機関には、以下が思い浮かびます。
・農業高校 ・各大学の農学部 ・公立の農業大学校 
・最近では注目される機会が多い、民間の日本農業経営大学校アグリイノベーション大学校

 農協や農業法人が独立就農をサポートするプログラムを提供する例も増加。
「地域サポート人材」は「地域おこし協力隊」という各自治体主導の活動で知られていますね。

独立就農者の経営タイプと多様なサポート

 次に、期待される独立就農者が、どんな形で誕生しているか、目指すその経営形態に焦点を当てると、こんなタイプに分かれるとします。

1)専業:農業が世帯の仕事の中心で、農業で生計を立てている
2)兼業:複数の仕事の中で農業が世帯の仕事の中心にある
 ・専業志向:将来的に農業専業をめざす。 農業専業で生計を立てたいが、まだ経営が安定化しないため、農外収入に頼らざるを得ない
 ・多就業志向(積極的兼業):専業をめざすのではなく、農業以外の仕事を組み合わせて生計を成り立たせ、それぞれの仕事に積極的な価値を見出している
3)自給+α:農業以外が世帯の仕事の中心だが、農産物等も販売し、収入を得ている
4)自給:農業以外が世帯の仕事の中心で、自給用のみの農業


 こうした独立就農者の誕生に、先述した、多様なルートにおけるサポートが欠かせないことはいうまでもありません。

 副業、趣味の領域からの「農業」参画・参入も

 企業に働く人たちの「副業」を認めることが当たり前の時代になっています。
 農業も「兼業」ではなく、「副業」と位置づけられて行なわれる仕事にされる時代といってもよいでしょう。
 あるいは「趣味」の領域であった「園芸」「菜園」が、副業農業に、兼業農業に変化していくこともこれからは、あるある、でしょう。
 こうした場合、当然、規模は求めることは不可能ですが、多様・多面的な付加価値を創造・創出する可能性は多々あると思います。
 そこにこそ、独立就農の面白さ、目標・目的があるのではとも。

一進一退の新規就農者数を、飛躍的に増やす方法


 農水省のホームページから<令和2年新規就農者調査結果>を検索。
 その中から一つだけ、以下のデータを転載しました。

 これで分かるように、新規就農者数は、全体の農業就労者の減少の一部を補充している効果はありますが、その減少を上回るほどの数値を示しているわけではありません。
 ネガティブではないが、ポジティブともいえない状況が続いている。
 そんな傾向、感じです。

食と農の安全保障政策としての食料自給自足政策を主軸とした長期ビジョン


 ある意味では、こうした停滞状況を打破する方法はあるのか。
 私は、食と農・畜産・漁業産業と直結する国民の生活の安心・安全保障政策を、長期的自給自足政策として合意形成し、その具体策を必要な財政策とともに打ち出すことで可能と考えています。

 <国土・資源政策2050年ビジョン>から転載した、以下の<3.食料、農・畜産・水産業安全保障安全保障・維持開発管理>にある「個別重点政策」がその方策であり、目標となります。
 新規就農者の飛躍的な増加は、3-1-4)に組み入れた(農家・農村・農業従事者・農業法人、地域農業等保護・育成・開発計画策定、運用管理)において計画化され、実現することになります。

3.食料、農・畜産・水産業安全保障・維持開発管理 (2021/12/28、2022/1/13、一部修正)

基本方針)
 さまざまなリスクに対応できる食料自給自足国家とその持続可能な社会システムを2050年までに構築し、その基盤の下にグローバル社会に貢献できる食料のサプライチェーンモデル、フードシステム・モデルを構築する。
(個別重点政策)
3-1 食料自給自足国家社会の拡充:農地実態調査、未耕作地集約、自治体別強化農産品目決定
1)食料品種別自給率調査及び長期自給率目標策定 (~2025年)
2)農地生産地実態調査、未耕作地等未利用地実態調査 (~2025年)
3)目標自給率実現品種・生産地域計画立案 (~2030年) 、都道府県別農産政策立案 (~2030年)、
  取り組み進捗・評価管理、食料品危機管理システム整備構築(2031年~)
  ※最重点品目:小麦
4)農家・農村・農業従事者・農業法人、地域農業等保護・育成・開発計画策定、運用管理(~2030年)
3-2 農・畜産・水産業の長期総合政策策定と持続的取り組み
1)畜産部門自給自足長期計画、振興支援計画策定、都道府県別計画、危機管理システム策定 (~2030年) 、各進捗・評価管理
2)水産部門、遠洋・近海漁業保全計画策定、養殖分野長期計画、危機管理システム策定 (~2030年)
3)食の安全性確保・持続性総合管理政策策定と運用管理(5年サイクルでの取り組み)
 ※種苗法・種子法等改定、遺伝子組み換え・ゲノム編集・農薬等問題
4)ローカル&グローバル・フードシステム、グローバルサプライチェーン長期方針及び計画立案 (~2030年)
3-3 食品・飲料製造産業の水平・垂直統合
1)食品・飲料製造産業原材料調達・内外依存度等実態調査及び長期方針 (~2030年)
2)基礎食品・飲料指定化と自給自足可能度評価、対策立案 (~2030年)
3)都道府県別受給可能度調査及び緊急時国内サプライチェーン構築計画 (~2030年)
4)グローバルサプライチェーン長期方針及び計画立案(~2030年)

第3章 持続可能な農業としての「有機農業」を地域に広げる>から

 次に第3章です。
 この章の構成は以下。

第3章 持続可能な農業としての「有機農業」を地域に広げる
1.農業の近代化と有機農業の「誕生」
・近代農業への「対抗」としての有機農業
・生産者と消費者の「関係性」の創造
・「有機農業推進法」の成立という画期
・「自然共生型農業」としての有機農業
2.独立就農者から支持される有機農業
・ 有機農業から見える「希望」
・独立就農者が「選択」する有機農業
・有機農業を「選択」する理由
・有機農業というさらなる「障壁」
・有機農業への参入ルートの広がり
3.独立就農者がつくる有機農業の地域的広がり
・先駆者としての霜里農場
・研修生の受け入れと就農サポート
・有機農業と地域をつなぐローカル・フードシステム
・地域資源を活用した循環型の有機農業
・有機農業が地域を変える
4.農協による有機農業の組織的展開:茨城県石岡市八郷地区
・農協が設立した有機栽培部会
・若い独立就農者を育てる研修制度の開始
・独立就農を見据えた「実践的な研修」
・ 有機栽培部会の中心を担う独立就農者
5.有機農業を実践する独立就農者が育つ
・独立就農者が定着できる「仕組みづくり」
・独立就農者の広がりが 独立就農者を呼び込む

 ここでは、私は有機農業に関しての門外漢なので、それについて説明・考察するには適さないと思っています。
 唯一、以前シリーズ化した、 鈴木宣弘氏著『農業消滅』シリーズの主題の一つだった<食と農の安全>と結びつく課題という認識をもっています。
(参考)
⇒ 鈴木宣弘氏著『農業消滅』から:2021年発刊新書考察シリーズ振り返り-5(2021/12/31)

 その前提で、具体的な取り組み例などは割愛し、有機農業の基本について触れるにとどめることにします。

有機農業と有機農業推進法

有機農業とは(有機農業推進法第2条から)

「有機農業」とは、化学的に合成された肥料および農薬を使用しないこと並びに遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。

有機農業推進法およびその基本理念

⇒ 有機農業の推進に関する法律 
 この法律自体は、リンクで見て頂ければわかりますが、随分あっさりしており、具体的な内容があまり盛り込まれていないものです。
 目立つのは、第3条の基本理念。
 以下に、そのまま転載しました。

有機農業推進法 基本理念) 
第三条 有機農業の推進は、農業の持続的な発展及び環境と調和のとれた農業生産の確保が重要であり、有機農業が農業の自然循環機能(農業生産活動が自然界における生物を介在する物質の循環に依存し、かつ、これを促進する機能をいう。)を大きく増進し、かつ、農業生産に由来する環境への負荷を低減するものであることにかんがみ、農業者が容易にこれに従事することができるようにすることを旨として、行われなければならない。
 有機農業の推進は、消費者の食料に対する需要が高度化し、かつ、多様化する中で、消費者の安全かつ良質な農産物に対する需要が増大していることを踏まえ、有機農業がこのような需要に対応した農産物の供給に資するものであることにかんがみ、農業者その他の関係者が積極的に有機農業により生産される農産物の生産、流通又は販売に取り組むことができるようにするとともに、消費者が容易に有機農業により生産される農産物を入手できるようにすることを旨として、行われなければならない。
 有機農業の推進は、消費者の有機農業及び有機農業により生産される農産物に対する理解の増進が重要であることにかんがみ、有機農業を行う農業者(以下「有機農業者」という。)その他の関係者と消費者との連携の促進を図りながら行われなければならない。
 有機農業の推進は、農業者その他の関係者の自主性を尊重しつつ、行われなければならない。


 具体的な内容の策定は、農水相および自治体関係部門に委ねられており、この法を見ている限りは有機農業についてほとんど何も知ることはできません。
 その中で目立つのは、環境問題との繋がり、食の安全性確保、そのための生産者と消費者との結びつきを重視している点です。
 すなわち、消費者が生活する地域と有機農業が行われる地域を結びつけるローカル・フードシステムを意識することが必然となるわけです。
 そこでは自然、大規模農業よりも、その地域地域における適正規模の農業と生産の安全性と持続性が課題となることも。
 では、最後に、その有機農業を推進する上での課題について確認しておくことにしましょう。

独立就農者にとっての有機農業の障壁

 環境問題への認識や食の安全・健康意識は、若い世代の方が高いとされています。
 新規に農業に関わることを志す人の多くは、こうしたことから有機農業への関心も高いといわれていますが、筆者はまだそこには困難が伴うことが多いとし、以下の障壁を提示しています。

1)慣行農法とは異なる農業技術に関して、集落住民からの教示を受けられず、生じた問題の独自の解決が必要
2)技術面に関して、普及員等からの指導が得られない、得にくい
3)慣行農法にみられる特定作物の奨励がなく(少なく)、既存の販路がないか限定されており、少量多品目生産を基本に独自で作目や販売方法を検討する必要
4)販路の確保が困難な場合、農業所得に制約・限界
5)生き方について、既存住民の理解を得ることが困難
6)有機農業に取り組む仲間がいない、少ない
7)農業経験の少ない非農家出身者にとって、生活面でのギャップに懸念
8)特に研修が重要


 しかし、こうしたことは想定内としての参加・参画でしょうし、情報収集や情報発信に関しては、若い世代の柔軟性と行動の速さは何よりの武器と思います。
 本書で少し気になったのは、しっかり調べたわけではないのですが、筆者が紹介する具体事例に関して、その主体となっている人の情報発信力が思うほど強くなく、サクサクっと欲しい情報に到達しなかったことです。
 時間をかければそれなりにヒットするのでしょうが。

 繰り返しになりますが、本書で随所に出てくる、先の構成にも表現されている、種々の成功モデル事例については、本シリーズではほとんど紹介しません。
 関心をお持ちでしたら、本書を入手頂くか、地方再生・創生をテーマとした多くの書でも知ることができると思いますのでご了承ください。


有機的な農業への取り組みを、自分流の働き方・生き方に組み入れて

 いすれにしても、上記の課題は、新規就農者の一つの典型としての話であり、そのプロセスは、先にあったとおり多様ですから、その活動の中で、知識・技術・ネットワークを少しずつ獲得、形成していくことができれば、と思います。

 持続可能性を重視することからの有機農業ですが、経済的な持続可能性を維持できなければ画に書いた餅。
 消費者の意識と経済性に関する価値観との整合も不可欠で、そういう意味では、状況に応じた、諸条件に応じたビジネススタイル、ビジネスモデルを研究・検討していく姿勢が大切と思います。
 その意味では、副業・兼業としての農業を想定して、有機的に、資金、時間、労力の使い方や、人と地域との関係作りを、楽しみながら実践していく、心のゆとりをもっていたいと。

 なお先に触れたローカル・フードシステムと有機農業との親和性については、次回の<第5章 食と農をつなぐCSAの可能性>の中で取り上げることにします。

 

 次回は、 <第4章 食と農のつなぎ方>と<第5章 食と農をつなぐCSAの可能性>を取り上げ、主にローカル・フードシステムの視点から考えてみます。

『日本の食と農の未来 「持続可能な食卓」を考える』構成

第1章 日本の食と農のいま
1.食の海外依存というリスク
・広がる食と農の距離
・食と農のグローバル化
・脆弱化する農業構造
・すぐそこに迫る食料危機
・コロナ禍の教訓
・外国人労働者の移動規制
・気候変動が与える農業への影響
・私たちの食卓が抱える「二重の脆弱性」
2.食の海外依存が生み出す「犠牲」
・フードシステムの「工業化」と地球温暖化の促進
・「構造的暴力」への加担
・土壌の劣化
・食料の収奪
3.SDGs時代の食と農
・人類共通の目標としてのSDGs
・食と農がSDGsに大きく貢献

第2章 この時代に農業を仕事にするということ
1.変わる農業への「まなざし」
・「ネガティブ」に語られる農業
・農業に向けられる「ポジティブ」なまなざし
2.新しく農業を始める人たち
・農業の始め方
・非農家出身、農家出身の就農の形
・存在感を増す「雇用就農」と「新規参入」
・非農家出身の若い世代から期待される農業
3.独立就農したい若い世代の姿
・日本農業経営大学校を卒業後、有機農家へ:荒木健太郎さん
・地域おこし協力隊を経て、ぶどう農家へ:鈴木寛太さん
・「段階的」かつ「戦略的」な就農
・就農ルートの多様化
・地域おこし協力隊と就農の親和性
4.独立就農者の姿
・独立就農者の経営タイプ
・多層的に広がる独立就農サポート
・柔軟なサポートと受け皿づくりの重要性

第3章 持続可能な農業としての「有機農業」を地域に広げる
1.農業の近代化と有機農業の「誕生」
・近代農業への「対抗」としての有機農業
・生産者と消費者の「関係性」の創造
・「有機農業推進法」の成立という画期
・「自然共生型農業」としての有機農業
2.独立就農者から支持される有機農業
・ 有機農業から見える「希望」
・独立就農者が「選択」する有機農業
・有機農業を「選択」する理由
・有機農業というさらなる「障壁」
・有機農業への参入ルートの広がり
3.独立就農者がつくる有機農業の地域的広がり
・先駆者としての霜里農場
・研修生の受け入れと就農サポート
・有機農業と地域をつなぐローカル・フードシステム
・地域資源を活用した循環型の有機農業
・有機農業が地域を変える
4.農協による有機農業の組織的展開:茨城県石岡市八郷地区
・農協が設立した有機栽培部会
・若い独立就農者を育てる研修制度の開始
・独立就農を見据えた「実践的な研修」
・ 有機栽培部会の中心を担う独立就農者
5.有機農業を実践する独立就農者が育つ
・独立就農者が定着できる「仕組みづくり」
・独立就農者の広がりが 独立就農者を呼び込む

第4章 食と農のつなぎ方
1.生産者と消費者がつくるオルタナティブ・フードシステム
・市場流通と市場外流通
・都市化と産業化の中で生まれた「オルタナティブ・フードシステム 」
・多彩に広がるオルタナティブ・フードシステム
・IT化とSNSの発展
・生産者とつながり、食材にこだわる飲食店
・自給農業と贈与のネットワーク
2.ローカルな食と農
・ローカル・フードシステムの広がり
・農産物直売所の多彩な工夫
・生産者と消費者が交流できるファーマーズマーケット
・有機農業と地域をつなぐ
・「オアシス21オーガニックファーマーズ朝市村」:愛知県名古屋市
・未来世代を育てる学校給食
・行政と農協が広げる学校給食の地産地消:東京都小平市
・地域のつながりがつくる「6次産業化」
・伝統的な食文化を継承する「株式会社小川の庄」:長野県上水内郡小川村
3.ローカル・フードシステムがつくる持続可能な地域
・ 生産者と消費者の暮らしを守り、育む
・環境・経済・社会の循環をつくり、地域を再生する
・コロナ禍で私たちの食卓は変わるのか

第5章 食と農をつなぐCSAの可能性
1. CSAは食と農をつなぐ切り札になるか

・世界的に広がるCSA
・CSAの「コミュニティ」は何を指すのか
・「食べる通信」がつくる CSAの形
・「関係人口」を育てる
・ 「鳴子の米プロジェクト」がつくるCSAの形
・消費者から「食の当事者」へ
・「コミュニケーションが支える農業」としてのCSA
2.有機の里づくり:埼玉県小川町下里一区
・農業の戦後史
・有機農業への転換を促した「地域の6次産業化」ネットワーク
・集落ぐるみの有機農業
・有機農業を軸にした地域づくり
3.企業版CSA「こめまめプロジェクト」
・NPO法法人生活工房つばさ・游の概要
・こめまめプロジェクトの開始
・買い支えの仕組みづくり
・交流の仕組みづくり
・「こめまめプロジェクト」がつくるCSA
4.食と農をつなぐコーディネーターの役割
・コーディネーターの条件
・持続可能な社会に向けて、みんなでつくる CSA

第6章 都市を耕す
1.都市農家の新たなステージ

・「肥大化」する都市
・減少する農地と「2022年問題」
・再評価される都市農業
・「地産地消」と「市民参加」を軸にした農のあるまちづくり
2.「耕す市民」を育てる
・耕す市民という「選択肢」
・農業体験農園と市民農園
・生協と組合員がつくる農園
・神奈川県横浜市泉区・「生活クラブ・みんなの農園」
・都市農業の発展を担う「援農ボランティア」
・援農ボランティアという「経営パートナー」
・神奈川県横浜市都筑区・「都筑農業ボランティアの会」
・耕すことで変わる食と農へのまなざし
3.コロナ禍で見直される「農」の力
・耕し続けた人たち、耕し始めた人たち
・なぜ、耕す市民は増えたのか
・やぼ耕作団が実践した耕す市民
・「自給」と「つながり」を大切にする「住み続けられる都市」へ

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


2023年12月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

記事アーカイブ