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「食料・農業・農村基本計画」「みどりの食料システム戦略」に農業政策転換の兆し:鈴木宣弘氏著『農業消滅』から-4

 鈴木宣弘氏著『農業消滅』(2021/7/15刊・平凡社新書)を参考に、日本の農業政策を国土・資源政策における重要な課題と位置づけて考察するシリーズ。
 前回までの3回の記事は次の通りです。
現在食料自給率38%、2035年の衝撃的予測と必要対策 :鈴木宣弘氏著『農業消滅』から-1(2021/12/11)
亡国危機をもたらす農業の「種の起源」喪失:鈴木宣弘氏著『農業消滅』から-2 (2021/12/26)
食料自給率、食の安全から守るべき農家・農業・農産物・農協:鈴木宣弘氏著『農業消滅』から-3 (2021/12/28)


 今回は最終回として、これまでのさまざまな問題提起を受けて、<第5章 安全保障の要としての国家戦略の欠如終章 日本の未来は守れるか> を用いてこのシリーズを総括します。

第5章 安全保障の要としての国家戦略の欠如>から

1)農業禍保護論の虚構その① もっとも守られた閉鎖市場か
2)虚構その② 政府が価格を決めて農産物を買い取る制度
3)虚構その③  農業所得は補助金漬けか
4)収入保険は「岩盤」ではない。
5)政策は現場の声がつくる
6)日本の農政は世界に逆行していないか
7)人口が減っても輸出で稼げば農業はバラ色なのか
8)GAP推進の意味を再検証する
9)食料難の記憶を忘れさせない欧米の考え方
10)消費者の購買力を高めるアメリカの政策
11)世界、特にアジア諸国との共生が必要不可欠
12)日米安保の幻想を根拠に犠牲になってはならない
13)貿易交渉の障害は農産物ではない
14)互恵的なアジア共通の農業政策がカギとなる
15)アジア全体での食料安全保障を

以上のように細かく展開されている章ですが、焦点を絞って整理し確認します。

農業過保護論批判及びその虚構打破のポイント

過保護なら、もっと所得も生産も増えてもいい日本の農業

 過保護と言われる日本農業だが、保護政策をやめれば自給率が上がるか?
 例えばTPPなどのショック療法(ショックドクトリン)で競争にさらせば強くなり、輸出産業になるか?
 とんでもない論理で、早期に関税撤廃したトウモロコシや大豆の自給率は0%、7%。
 食料自給率が38%の国の農産物関税が高いわけがない、と断じます。

対して米国は、競争力があるから輸出国になっているわけではなく、多い年には穀物輸出の補助金に1兆円を投じるなど、コストは高くても、自給は当たり前。
いかに増産して世界をコントロールするかという徹底した食料戦略で輸出国になっている、と違いを指摘します。

政府による価格設定・価格支持政策、農産物買い取り制度の欧米各国との比較

 次に、価格支持政策をほぼ廃止したWTO加盟国一の哀れな優等生と日本を嘆く理由は、他国は必要なものはしたたかに死守していることにあります。
 実は、欧米は、価格支持政策と直接払いの双方の利点を取り入れ、前者による水準の引き下げ分を直接払いに置き換えているに対して、日本だけが馬鹿正直に価格支持をほぼ廃止したと。
 実際には、米国・カナダ・EUなどにおいて穀物や乳製品を支持価格で買い入れ援助や輸出に回す等実施。
 米国では、輸出信用、全額補助の究極の輸出補助金である食料援助、同様の不足払いによる差額補填などで合計約1兆円の実質的な輸出補助金利用により「需要創出」した年もあるといいます。

 より具体的な日本の農政の冷酷な政策事例として、酪農・乳製品の取り扱いについても述べています。

戸別所得保障制度廃止に伴い導入の「収入保険」は、所得減少を泥沼化する欺瞞補助金制

 先の価格支持政策とは異なる農業・農家支援策として、以前よく耳にした「戸別所得補償制度」があります。
 この制度は今は廃止され、替わって「収入保険」方式が導入。
 しかし、この方式は、形を変えた補助金制度ですが、実態は、その保障の額が、底なし沼のように減額されていく「岩盤」ではない欺瞞の制度改悪と批判しています。
 そして、補助金政策について、以下提起します。

補助金で成り立つ欧米農家に倣い、食料安全保障政策確立を

 欧米主要国では、農業所得の90%以上が政府からの補助金で、米国の農業生産額に占める農業予算の割合が75%超。
 対する日本は、両指標とも30%台で、先進国中最低水準にある。
 すなわち、欧米では、命と環境と地域と国境を守る産業を、国民全体で支えるのが当たり前。
 農業政策は農家保護政策でなく、国民の安全保障政策であるという認識を確立し、「戸別所得保障」型の政策を、例えば「食料安保確立助成」等、国民に分かりやすい名称で再構築すべき。


 現在でも立憲民主党が復活を提案している農家への「戸別所得保障制度」。
 私も一時期、農家の戸別所得補償制度に疑問を抱いていました。
 理由は、何もしないことにさえ補助金が拠出されることへの疑問です。
 その疑問は今も持っており、食料自給率向上のために、コメ以外の農作物の生産・栽培に向けることへの補助金を強力に推し進めるべきと考えています。

日本の農政の諸矛盾

 その他では、以前、農産物の輸出に必須と喧伝されたGAP(Good Agricultural Practice 農業生産工程管理)への農水省の盲信とでもいうべき殆どのEU農家の認証未取得実態の紹介。
 戦中・戦後の食料難経験の伝承化の減縮、米国が行う低所得者層への食料の人道的支援=補助的栄養支援プログラムSNAPに類似する制度の未整備など、あまり知られていない農政関連問題が紹介されていることにも注目しておく必要があります。

 ここまで見てくると、欧米追随型農政に多種多様な問題があることを知らされます。
 見方を変えれば、敗戦国としての弱さとして、農業問題を人質にされているかのような農政を続けてきている感覚があります。
 その根源・本質は、日米安保条約そのものが抱えるものと同一・同質といえる気がします。
 とすれば、いきなり日米安保破棄・廃棄とは当然いかないですが、農業分野においてこそ、生活自衛・防衛の視点・方針を据えて、食と農の安保概念を急ぎ構築することで、今後の総合的な安全保障議論の先鞭をつけることを提起したいと思います。
 この時、日本独自での取り組みではなく、アジア諸国との連携を図り、そのリーダーシップを取るべきというのが筆者鈴木氏の提案です。

アジア全体での食の安全保障体制基盤構築活動を

 しかし、鈴木氏の提案は、これまで日本のアジア諸国の農政・農業問題に関しては、米国追随・追従の立場をそのまま、日本対アジア諸国との関係をコピーして、上から目線で臨んでいたことを改めるべきといい含めてのものです。
 欧米主導型で嫌々、あるいは渋々いうことを聞き、自国農業・農家に無理難題を強い続けてきたことを考えれば、アジア諸国も同様の立ち位置・立場での悩みや課題を抱え、感じていることは十分理解できるはず。
 それ故に、調整役・まとめ役は必要であり、経験も大いに役立つはず。
 ここでの具体的な鈴木氏の提案は省略しますが、シンパシーが比較的近く、過去の歴史的な関係からも共同体的機能を粘り強く形成する努力を積み上げ、積み重ねていくことは非常に意義深いことと思います。
 その活動、取り組みは、国家資本主義中国に先陣を許すことなく進めるべきことは言うまでもありません。

 そのためにも、食料自給率確保社会経済システム、食と農の安全保障システムのモデルを日本が開発し、そのシステム、ノウハウをアジア各国に移転する取り組みがもっともリーダーシップ国に相応しいものと考えるのです。
 話は外れますが、日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金制度も、日本が運用定着実績を挙げ、そのシステム、ノウハウをアジア諸国にモデルとして移管、導入支援する構想と同一・同質の取り組みと考えています。


終章 日本の未来は守れるか>から

 駆け足で、詳述された具体的事例は相当省略して最終章まできました。
 総括としての終章の構成は以下。

終章 日本の未来は守れるか
1)日本を守る食と農林漁業の未来を築くには
2)自由化は農家ではなく国民の命と健康の問題
3)カロリーベースと生産額ベースの自給率議論
4)私たちの命と暮らしを守るネットワークづくり
5)協同組合・互助組織の真の使命とは
6)真意が問われる「復活の基本計画」
7)欧米で進む農業のグリーン戦略を受けて
8)地域循環型の経済が私たちの命を守る道となる

 ここでもポイントを絞って概括に近い総括を行います。

カロリーベースの食料自給率と生産額ベースの食料自給率

生産額ベースの自給率が比較的高いことは、日本の農業が価格(付加価値)の高い品目の生産に努力している指標として意味がある。
しかし、(コロナ禍のように)「輸入がストップするような不測の事態に、国民に必要なカロリーをどれだけ国産で確保できるか」ということが、自給率を考える上で最重要な視点と捉えると、重視されるべきはカロリーベースの自給率である。

 この議論に関しては、私は、自給率算出と評価を行う上で、品種・品目ごとにどれをベースとするのが望ましいか決めるのがよいと考えています。
 加えて、カロリーベース、生産額ベースとは別の指標・基準があっても良いのでは、と漠然とですが思うことがよくあり、今後の課題としておきたいと思っています。

(参考)
⇒ 食料・水・空気・エネルギーの自給自足国家創造へ(2020/4/10)

 以降は、ほとんど本章の記述から、重要と考えた部分を引用することでご容赦頂きたいと思います。

地域循環型経済の基盤としての農業

兼業農家の果たす役割・意義

兼業農家の現在の主たる担い手が高齢化していても、兼業に出ていた次の世代の方が定年帰農する。
そしてまた、その次の世代が主として農外の仕事について・・・、という循環で、若手ではなくとも稲作の担い手が確保されるなら、「家」総体としては合理的・安定的で、一種の「強い」ビジネスモデルでもある。


地域コミュニティ形成の基盤としての農業

 個別経営も集落営農型システムも、自己の目先の利益だけを考えているものは成功していない。
 地域全体の将来と、そこに暮らすみんなの発展を考えて経営している人々が成功している。
 信頼が生まれ、農地が集まり、地域の人々が役割分担して、水管理や畦の草刈りなども可能になる。
 農業が、地域コミュニティの基盤を形成していることや、食料が身近で手に入るという価値を共有した地域住民と農家が支え合うことで、私たちの食の未来を切り開こうとする自発的な地域プロジェクトが芽生えつつある。


協同組合・共助組織の使命

流通・小売業界の取引交渉力の強力化により、中間マージンが大きくなり過ぎている。
だが、農協・漁協の共販によって流通業者の市場支配力が抑制されれば、あるいは、既存の流通が生協による共同購入に取って代わることによって、先述のマージンが縮小できれば、農家はいまより農産物を高く売ることができ、消費者はいまより安く買うことができる。
流通・小売業界に偏ったパワー・バランスを是正し、利益の分配を適正化し、生産者・消費者双方の利益を守る役割こそが協同組合の使命である。


コモンズ(共同資源)としての農地

重要なのは、農地や山や海はコモンズ(共同資源)であり、コモンズの悲劇(個々が目先の自己利益の最大化を目指して行動すると、資源が枯渇して共倒れする)が示すとおり、その自発的な共同管理で「悲劇」を回避してきた。
故に、農林水産業において協同組合による共同管理を否定するのは根本的な間違いである。

(参考)
⇒ 社会的共通資本とは:社会的共通資本とベーシック・インカム-1(2021/6/8)
⇒ 日本独自のベーシック・ペンションを社会的共通資本のモデルに:社会的共通資本とベーシック・インカム-2(2021/6/10)

命と暮らしを守るネットワーク

農産物の貿易自由化は農家にとってはデメリットでも、消費者にとってはメリット。
そう考えられがちだが、安全・安心な国産食料がいつでも手に(口に)入らなくなるリスクを考えれば、国民の命と健康に関わる問題であることは明らかだろう。
日本で、安心・安全な農産物を供給してくれる生産者をみんなで支えることが、実は、長期的にはもっとも安いのだ。
そして農家は、協同組合や共助組織に結集し、市民運動と連携して、自分たちこそが市民の命を守り、これからも守るとの自覚と誇りと覚悟を持つことが大切である。
そのことをもっと明確に伝え、消費者との双方向のネットワークを強化して、安くても不安な食料の侵入を排除し、自身の経営と地域の暮らしと国民の命を守らねばならない。
消費者は、それに応える義務があり、それこそが強い農林水産業である。

2020年「食料・農業・農村基本計画」、2021年「みどりの食料システム戦略」に注目

 最終章は、どうも教科書・教義的なまとめになっており、個人的にはあまり好きではない表現が多いのですが、全編を通じて、いわゆるリベラル、左派的な議論・主張の書なのでやむを得ないと考えています。

 他サイトで投稿の
鈴木宣弘氏著『農業消滅 農政の失敗が招く国家存亡の危機』:勝手にしん・せん書-2(2021/12/1)
という記事で書きましたが、鈴木氏は元官僚であり、退官後も、政府の関連会議などに数多く参加し、その行政事情に詳しい方です。

 本書の最後まで農業政策を批判してきたのは、そうした苦い経験に基づくものだったわけですが、最後の最後に、この2つの政府・官庁の変化・変貌を報告し、評価し、これからの農政への期待を表明することになりました。
 以下に、それぞれで強調し、評価している内容を引用して、本書の締めくくりにしたいと思います。
 なお、当計画・戦略について、機会があれば別途取り上げたいと思っています。

2020年「食料・農業・農村基本計画」から

「担い手」を中心としつつも、規模の大小を問わず、「半農半X」なども含む多様な農業経営体を、地域を支える重要な経営体として一体的に捉える姿勢が復活した。
この計画は、長期的・総合的な視点から、多様な農業経営の重要性をしっかりと位置付けて、2015年のよかった点を復活させ、バランスを回復した感がある。
「官邸農政」が基本的に続くなかで、省内の「抵抗勢力」を抑えて、バランスのとれた基本計画がある程度復活したことは、よい意味で驚きであった。

(参考)
⇒  「食料・農業・農村基本計画(令和2年3月)ー我が国の食と活力ある農業・農村を次の世代につなぐために

2021年「みどりの食料システム戦略」から

(略)世界の動きに、大きく水をあけられた感のある日本だったが、2021年に驚くべき展開が始まった。
2050年と、目標年次はEUの2030年より大幅にずらしたが、有機栽培面積を25%(100万ha)に拡大、化学農薬5割減、化学肥料3割減とEUとほぼ同じ画期的な目標値を、この戦略で農水省が打ち出した。
(略)
長期の目標なので、総論賛成はできた側面もあるが、農水省内の異論も克服され、農水省、農薬企業、農協が長期的な方向性について世界潮流への対応(代替農薬、代替肥料へのシフト)の必要性の認識を共有し、大きな目標に向けて合意できた意義は大きい。

(参考)
⇒  「みどりの食料システム戦略」

『農業消滅』から導き出す当シリーズ総括

 本書を紹介しつつ長期的な農業戦略・政策への反映事項などを考える目的とした本シリーズ。
 敢えて総括として私自身の意見をここで述べるのではなく、当サイトのカテゴリーLAND&RESOURCES<Ⅰ 国土・資源政策 2050年長期ビジョン及び長期重点戦略課題>に位置付ける「3.食料、農・畜産・水産業安全保障・維持開発管理 」の内容に必要事項を反映させることが、当初の目的であり、次の3つの視点で読み進めてきました。
 

 

『農業消滅』から読み取る3つの安全保障と2050長期ビジョンへの反映

1)食料の自給自足システム構築による国民生活と国家の安全保障
2)食料の安全安心生産・供給・管理システム構築による国民生活の健康安全保障
3)上記の食料の2領域での安全保障を実現する、産業としての農業とその資源としての農地及び農家・農業人の安全保障

 以上を踏まえ、本シリーズでの問題提起等を <Ⅰ 国土・資源政策 2050年長期ビジョン及び長期重点戦略課題>「3.食料、農・畜産・水産業安全保障・維持開発管理 」 に反映させ、その一部を以下のように修正しました。

3.食料、農・畜産・水産業安全保障・維持開発管理 (2021/12/28一部修正)

基本方針)
さまざまなリスクに対応できる食料自給自足国家とその持続可能な社会システムを2050年までに構築し、その基盤の下にグローバル社会に貢献できる食料のサプライチェーンモデルも構築する。
(個別重点政策)
3-1 食料自給自足国家社会の拡充:農地実態調査、未耕作地集約、自治体別強化農産品目決定
1)食料品種別自給率調査及び長期自給率目標策定 (~2025年)
2)農地生産地実態調査、未耕作地等未利用地実態調査 (~2025年)
3)目標自給率実現品種・生産地域計画立案 (~2030年) 、都道府県別農産政策立案 (~2030年)、
  取り組み進捗・評価管理、食料品危機管理システム整備構築(2031年~)
  ※最重点品目:小麦
4)農家・農村・農業従事者・農業法人、地域農業等保護・育成・開発計画策定、運用管理(~2030年)
3-2 農・畜産・水産業の長期総合政策策定と持続的取り組み
1)畜産部門自給自足長期計画、振興支援計画策定、都道府県別計画、危機管理システム策定 (~2030年) 、各進捗・評価管理
2)水産部門、遠洋・近海漁業保全計画策定、養殖分野長期計画、危機管理システム策定 (~2030年)
3)食の安全性確保・持続性総合管理政策策定と運用管理(5年サイクルでの取り組み)
 ※種苗法・種子法等改定、遺伝子組み換え・ゲノム編集・農薬等問題
4)グローバルサプライチェーン長期方針及び計画立案 (~2030年)
3-3 食品・飲料製造産業の水平・垂直統合
1)食品・飲料製造産業原材料調達・内外依存度等実態調査及び長期方針 (~2030年)
2)基礎食品・飲料指定化と自給自足可能度評価、対策立案 (~2030年)
3)都道府県別受給可能度調査及び緊急時国内サプライチェーン構築計画 (~2030年)
4)グローバルサプライチェーン長期方針及び計画立案(~2030年)

 また、本書以外にも参考にすべき新書等があり、上記の農水省の計画も確認しながら、来年も当政策の内容・在り方について、検討・考察作業を継続し、上記の個別政策に反映させていく予定です。

(参考): 鈴木宣弘氏著『農業消滅 農政の失敗が招く国家存亡の危機』 全体構成

はじめに
序章 飢餓は他人事ではない
・2035年には食料自給率が大幅に低下する
・コメ農家は存続さえ危うい
・なぜ、人道支援のコメの買い入れさえしないのか
第1章 2008年の教訓は生かされない
・輸出規制は簡単に起こる
・2008年の食料危機の背景には
・節操なき貿易自由化を突き進む
・畳みかける貿易自由化の現在地
・誰にとってのウィン・ウィンなのか
<コラム1>「公」が「私」に「私物化」されるメカニズム
第2章 種を制するものは世界を制す
・日本はグローバル企業の餌食になる
・亡国の種子法廃止
・種苗法改定は海外流出の歯止めになるのか
・種に知的財産権は馴染まない
・歴史的事実を踏まえて大きな流れ・背景を読む
・農産物検査法の関連規則改定の経緯
・種子法廃止に先立った農水省の通知に注目
<コラム2>「家族農業の10年」や「国際協同組合年」をめぐる動き
第3章 自由化と買い叩きにあう日本の農業
・厳しい農村の実態
・貿易自由化の犠牲とされ続けてきた農業分野
・買い叩かれる農産物
・いっそうの買い叩きのための農協攻撃
・農協改革の目的は「農業所得の向上」ではない
・国家私物化の実態
<コラム3>IMF・世銀の引き換え条件にFAOは骨抜きにされた
第4章 危ない食料は日本向け
・安全性を犠牲にしてまで安さに飛びつく私たち
・危険な食品は日本に向かう
・もう一つの成長ホルモンの危険性
・疑惑のトライアングル
・恐れずに真実を語る研究者と人々の行動が事態を動かす
・輸入小麦から検出される除草剤成分
・GM表示厳格化の名目の「非表示」化
・アメリカのGM表示をめぐる動きとGM表示法
・国産の安全神話の崩壊
・世界で強まる農薬規制とタイの衝撃
・グローバル種子・農薬企業をめぐる裁判の波紋
・世界のトレンドをつくるのは消費者
・「わからない」のが正しい
・自由貿易がもたらす、もう一つの健康被害
・安さのもう一つの秘密
第5章 安全保障の要としての国家戦略の欠如
・農業禍保護論の虚構その① もっとも守られた閉鎖市場か
・虚構その② 政府が価格を決めて農産物を買い取る制度
・虚構その③  農業所得は補助金漬けか
・収入保険は「岩盤」ではない。
・政策は現場の声がつくる
・日本の農政は世界に逆行していないか
・人口が減っても輸出で稼げば農業はバラ色なのか
・GAP推進の意味を再検証する
・食料難の記憶を忘れさせない欧米の考え方
・消費者の購買力を高めるアメリカの政策
・世界、特にアジア諸国との共生が必要不可欠
・日米安保の幻想を根拠に犠牲になってはならない
・貿易交渉の障害は農産物ではない
・互恵的なアジア共通の農業政策がカギとなる
・アジア全体での食料安全保障を

終章 日本の未来は守れるか
・日本を守る食と農林漁業の未来を築くには
・自由化は農家ではなく国民の命と健康の問題
・カロリーベースと生産額ベースの自給率議論
・私たちの命と暮らしを守るネットワークづくり
・協同組合・互助組織の真の使命とは
・真意が問われる「復活の基本計画」
・欧米で進む農業のグリーン戦略を受けて
・地域循環型の経済が私たちの命を守る道となる
おわりに

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