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BIノート

日本型ベーシックインカム、日銀BI特定デジタル通貨化の課題


日本型ベーシックインカム生活基礎年金制の導入を提案しているが、その中で、素人であることも手伝って、最も悩ましいのが、その給付を、日銀発行による専用デジタル通貨で行うことが可能かどうか、です。

その提案として、
ベーシックインカム専用デジタル暗号通貨化可能性の有無、導入の可否(2020/10/29)を行なっています。

ブロックチェーン技術という一般化された概念での技術そのものさえほとんど理解できないので、こうした提案を行うこと自体論外なのですが。
また、まだ専門家の直接の意見や、他の方々の感想も頂いていないのですが、私なりにできる再考察を継続してやっていこう、ということでの今回です。


世界的に中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行への期待が高まりつつあるなか、日銀が決済機構局にデジタル通貨グループを設置し、2021年度には実証実験を実施することを発表しています。

最近日経の<経済教室>で、「中銀デジタル通貨の課題」というテーマで、中條誠一中央大学名誉教授と山田剛志成城大学教授の小論が掲載されました。
加えて、他にも関連する記事を見ることができたので、それらを参考に、私のイメージを、少しでも現実に近づけることができるかどうか、という視点で考えてみます。

中條氏の小論は、「通貨発行の王道」として中銀デジタル通貨の発行を後押しするための課題の提示を目的としたものでした。
以下、そこで展開されていた内容を、私自身の学習のためにいくつかピックアップし、感じたところも加えていきます。



現状の通貨とデジタル通貨


今日発行されている通貨は、現金と預金であり、その他、クレジットカードや電子マネー、スマホ決済など、決済をスムーズに行える利便性を持った、通貨の補助・代用手段として機能する疑似通貨的なものがあります。

これに対して、価値の大きな変動や預け先からの流出など社会的問題が発生している、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いた、ビットコインなどの暗号通貨が、相当の種類、グローバル社会において発行され、インターネット上で取引されています。

そして、巨大インフラを持つ民間企業であるFacebookが、リブラという民間通貨を発行する計画を発表したことで危機感を感じた各国中央銀行が、自国のデジタル通貨発行の検討に舵を切ったわけです。


中銀によるデジタル通貨発行上の課題


各国の中央銀行が、デジタル通貨を発行するに当たって、克服すべき課題として、以下の3つがあるとします。

1.信用秩序を維持しうる通貨を発行するという管理および規制
2.通貨価値の安定を維持する、すなわち物価を安定させるための金融政策
3.その上で、通貨の発行を独占し、通貨発行益を得る権利

この3つの課題は、ベーシックインカムを、デジタル通貨で支給するに当たってだけでなく、通常の通貨で支給する場合にも共通のものでしょう。

すなわち、膨大な通貨がそのため発行・支給されるのですから、通貨の供給量が膨大なものとなり、インフレ、ハイパーインフレが発生するリスクが伴うわけです。
BI導入論者の一部は、その調整を日銀が、市中に流通する通貨及びBI用通貨の供給量をコントロールすることなどで、十分対応できるとしています。
また他のグループは、赤字国債の発行を繰り返しても、市場がコントロールすると楽観視していますし、通貨発行益そのものをBIの原資にする、という論もあります。

私は、経済の専門家ではないため、種々の経済理論が正しいのか間違っているのか評価判断する能力も興味関心もありませんが、基本的には、絶対的な経済理論などないと考える者です。
なので、考えうるリスクは、ゼロにはできないが、可能な範囲で、何かしらの規律性をもたせることで、影響を極力抑えるべき、と考えます。
そのためには、BI専用デジタル通貨が良いのではないか、ということでの提案です。

なお、前提として、同氏は、以下を確認しています。

・従来通り通貨の発行と決済システムの設計・構築は国家
・それによる円滑な決済のための技術開発、プラットフォームなどインフラの整備、顧客管理やサービス・決済情報の管理・活用は民間
というすみ分けを崩すべきではない。

ですがちょっと先走りすると、私の案では

BI専用デジタル通貨では、円滑な決済のための技術開発、プラットフォームなどのインフラ整備、口座保有者の管理、決済情報の管理も中銀が行う

と変更することになります。

日銀デジタル通貨発行上の課題とBI特定デジタル通貨のあり方

次に、日銀が中銀デジタル通貨を発行し、流通するためには、決済やファイナンスの仕組み、管理・規制の方法なども含め、通貨システムの全体像をデザインしなければならず、以下にその課題と対応策を示します。
それらについて、少しコメントを加えます。

1.膨大な日々の決済、効率的な金融仲介を担うべく、預金という通貨を信用創造してきた民間銀行をどう位置づけるか。
中銀デジタル通貨による決済は銀行の「中抜き」を意味するが、銀行を通じて発行するか否かで、その役割が変わってくる。

JBI(日本型ベーシックインカム)デジタル通貨は、日銀に国民が個人番号を紐付けしてもつ口座と、JBI決済専用で開設された法人番号と紐付けされた法人口座でのみで管理され、市中金融機関で決済されたり、預金されることはありません。
それ以外の通貨は、従来どおりのシステムで機能するため、市中銀行の役割は変わりません。

2.既存の通貨である現預金との関係をどうするか。
一般的に、中銀デジタル通貨は現預金との交換により発行されるが、現金ではキャッシュレス化の進展、預金では銀行の金融仲介への影響を勘案する必要がある。それにより発行量をどうコントロールするか、金利を付けるか否か、付ける場合の金利水準をどうするか。

3.金融政策への影響をどうするか。
現預金との交換で発行されても、交換された現預金が流通しなくなるため全体の通貨供給量は変わることがない。そこで金融政策に関しては量的な面でなく、金利政策面で考察する必要がある。
名目金利のゼロ制約から解放されるのか否か、現預金との関係で金利水準をどうするかを考察しなければならない。

JBIデジタル通貨には、市中金融機関は介在せず、金利は付きませんし、発光量は、支給する人口分という上限があります。
金利に関する政策・管理は必要ないわけです。
また、一定期間ごとに日銀が個人から回収または、企業が国に税や保険料として納付したものを含め国から手数料を控除して現金で買い取り、消却するため、発行残高のコントロールも行っていることになります。

4.金融危機やセキュリティーといったリスクへの対応
何らかの金融不安による深刻なデジタル上の取り付けが発生する危険性の防止や流動性不足に備えたり、災害時の使用不能や不正使用の危険性などに対応したりしなければならない。特に不正使用問題は取引履歴の管理と匿名性の両面から検討が必要である。

5.主要先進国の中銀デジタル通貨を国際通貨として円滑に機能させること。

セキュリティ問題はつきまといます。
ただ、個人番号と紐付けされていることで、第三者が利用する可能性は著しく低く、一定期間を超えての貯蓄(正確には保管)や他への譲渡・相続なため、不正使用問題は極めて起きにくいシステムで管理運用されます。
取引履歴管理も、当然、日銀に限定されます。
当然、日本という国内限定の地域通貨ですから、国際通貨としての対応は不要です。
また、災害時の使用不能は、システム上ありえます。しかし、現金や預金通帳・キャッシュカードの紛失はありませんから、ある意味、より安全性があるわけです。

ベーシックインカム専用デジタル暗号通貨化可能性の有無、導入の可否


デジタル通貨の管理とJBIデジタル通貨の管理

これ以降は、山田剛志成城大学教授の小論の中からいくつか参考にして、JBIデジタル通貨を考えます。

日銀法46条2項では「日本銀行が発行する銀行券は、法貨として無制限に通用する」と規定しており、この強制通用力をもつ円はどこでも使える。
日銀が発行するデジタル通貨も当然そうなるわけで、使える体制をつくらねばならない。
そこで、流通を可能とする同一のアプリ(日銀アプリ)を開発・提供し、すべての商店・企業が導入することで、隣接者間でデジタル法貨が流通する基盤ができる。
商店や企業はスマホなどに日銀アプリを入れておけば、日銀アプリ間でデジタル法貨が移動し、キャッシャー(会計所)は不要になる。

デジタル法貨の発行には価値が安全に移動し、強制通用力を確保するための仕組みが必須で、現在の振込のように隔地者間でデジタル法貨を安全に移動させる。
そのために、個人が日銀内に口座を持ち、インターネット経由で振込を指示し日銀内の口座間データを安全に移動できる。
発行されたデジタル法貨はその後、日銀アプリ間を移動することになる。


これが一般的なデジタル通貨の移動・管理システムですが、JBIでも基本は同じです。
ただ、どこでも使えるわけではなく、事前に承認され、決済端末を持つ事業所等だけに使用は限定されます。
口座間の通貨の移動は、通貨の使用時の決済(支払い・納付)のみというのが原則です。
自由に他の誰かの日銀口座に移動することはできず、極めてシンプルなシステムで足ります。

なお、アプリの開発は、民間ではなく、日銀自ら行い、国民が利用する、日銀に事前承認を得た事業所にそのシステムを無償で提供することになります。
場合によっては、利用料を設定する方法もあるかもしれません。
これにより、一部民業に影響を与えることにもなりますが、限定的と言えるでしょう。

ベーシックインカム専用デジタル暗号通貨化可能性の有無、導入の可否


日銀システムとマネロン不可能なJBI

データ自体が価値を持つデジタル法貨、安全な流通を可能とする日銀アプリ、そして個人や企業にデジタル法貨が発行される日銀口座をあわせて「日銀システム」と呼ぶとして、以下提起しています。

日銀システムでは、各利用者はネット経由で日銀口座にアクセスする。
また、コストと安全性の点で優れていると考えられる閉鎖型ブロックチェーン(分散型台帳)システムを用いて管理する。
日銀口座をマイナンバーにリンクさせデジタル法貨を利用すれば、取引履歴が明確になり、マネーロンダリング(資金洗浄)を防止できる。
日銀口座は同一組織の中にあるので資金移動に最も安全であり、瞬時に国民全体の資金移動を管理することも可能だろう。日銀口座は安全な資金移動やデジタル法貨の入出金に必須だ。

外部にデジタル法貨委員会的な機関・機能を設置し、閉鎖型のブロックチェーンシステムを採用して、分散して記帳する仕組みをとる。
万一ハッカーなどが日銀システムを破壊しても、分散記帳によることで、バックアップ可能な体制がとれることになる。

これも一般的なデジタル通貨を想定しての内容ですが、繰り返しになりますが、日本国内だけ通用する個人紐付き地域使途限定・期限付きデジタル通貨なので、マネロンの心配はまったくありません。

ベーシックインカム専用デジタル暗号通貨化可能性の有無、導入の可否


JBIデジタル通貨の履歴と個人情報問題

もう一つ、重要な課題がJBIデジタル通貨システムにあります。
それは、一般的にはリスクとみなされますが、JBIでは、そのリスクよりも価値を見出し、知恵を創造する価値に結びつと思いけることが可能と思います。

前者の側面では、個人情報の問題となります。
小論では、一般的なデジタル通貨システムを前提としてなので、こう問題提起しています。

日銀システムによるデジタル法貨の使用履歴は国民の経済活動の記録として非常に価値が高いビッグデータとなる。
しかし、その使用履歴情報の乱用は社会問題となりかねず、厳重な保護が必要となる。
これを匿名加工情報にして、いかに個人を特定できないように適切に利用させるかが課題となり、個人が特定されないような形での匿名加工情報に処理する必要がある。そのうえで、希望する事業所に適切に提供されねばならない。

JBI通貨の場合、利用方法・利用範囲は限定されるため、日銀がその情報を一元管理すればよいわけです。
個人レベルや決済された個別の事業所に関する情報を外部に公表・公開することはありえません。
他にも一般的に懸念される、マネロンや犯罪に関する情報も、この日銀システムにおいては、無用です。

もう一方の情報価値として、蓄積された通貨の利用情報、通貨発行・利用・処分・残高等の情報の処理・加工・活用は、公共に資するものとして基準を設け、その範囲で公開すればよいでしょう。


複数のデジタル通貨の一つとしてのJBIデジタル通貨

デジタル通貨の大きな特徴は「プログラムできるお金」であり、目的に応じた複数のデジタル通貨を発行することができるわけです。
日本型ベーシックインカムJBIデジタル通貨は、その一つという位置付けです。
しかも限定的なので、実験を行う上で好都合のデジタル通貨と言えるのではないでしょうか。

以上、一部重複する事項があったり、まとまりを欠く内容になってしまいました。
一般論としてのデジタル通貨に関する特徴と諸課題と、日本型ベーシックインカムで提案しているBI専用デジタル通貨との共通点、異なる点を比べることで、導入の可能性の有無・程度を考えたかったわけです。

これですっきり、自信を持って、とまではやはり程遠いのですが、以下で提起した内容においてあった、漠とした不安の多少の解消にはなったのかな、と思っています。

ベーシックインカム専用デジタル暗号通貨化可能性の有無、導入の可否

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