
女子会のノリで女性主体政治グループ、女性政党創設・活動はムリですか
2023/5/1付日経の<ダイバーシティ進化論>というコラムで、児玉治美アジア開発銀行副官房長が書いた以下の小文。
⇒ (ダイバーシティ進化論)「オールドボーイズクラブ」対策は どんどん女子会、連帯が力に アジア開発銀行副官房長 児玉治美 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
4月に読み終えている三浦まり氏著『さらば、男性政治』(2023/1/20刊・岩波新書)を題材として、女性政治グループ、女性政党創設待望論をなんとか今月から始めようと思案投げ首状態。
そこに、児玉治美氏の小文。
連載されている<ダイバーシティ進化論>における一文であり、同稿のアプローチ部分は、ジェンダー月間だった3月でのフィリピンのドイツ大使公邸での夕食会体験。
児玉氏の職場の女性幹部十数名も参加しての意見交換の機会をもち、ドイツにおける「フェミニスト外交政策」に関する情報入手を含め、女性間での経験と連帯共有から話が始まっている。

「オールドボーイズクラブ」対策のための、女性同士のネットワーク強化を
この体験から同氏が本論に導きだしたのが、
「女性は自身を過小評価しがちなので、女性の活躍を進めるには女性の自己肯定感を高める施策が必要だが、同時に女性同士のネットワークを強化し、「オールドボーイズクラブ」への対策を打つべきだ。」という言。
オールドボーイズクラブとは、飲み会、ゴルフ、社内の派閥等を通して自然に形成される、男性中心の非公式な組織内コミュニティで、男性同士のつきあいの中で組織の方針や人事が決まっていき、女性が取り残される。
男性上司の下では男性の方が女性より早く昇進する確率が高く、男性幹部が多い職場では女性に昇進のチャンスが巡ってこない可能性も、という例を挙げている。
組織内文化、企業内文化変革のために、どんどん女子会を!
こうした状況・事情を打破するために、どんどん女子会をやるべき。
これが同文テーマであり、結論。
・多くの職場で女性、特にシニアな女性が少数派である以上、女性が連帯してこそ力を得ることができる。
・女性特有の悩みや経験の共有により精神的孤立を避けられるだけでなく、キャリアアップや職場で女性の意見を反映するすべなどについてもヒントを得られる。
・意図的に部署やタイプの異なる人たちとの関係をつくっていく。
・家庭の事情で忙しい人も時間を効率よく使い、昼食時間にネットワーキングするなども。
・女性の多くは積極的なネットワーキングを打算的と見て避ける傾向にあるが、自身のキャリアアップや学び、女性の活躍、会社のパフォーマンス向上など、利点は計り知れない。
・女性同士はもちろん、男性との関係も含め、今こそネットワークを広げる時。
特に異論はないし、そうですね、という内容。
ですが・・・。

女性同士のネットワーク創りは、元来得意では?
「女性の多くは積極的なネットワーキングを打算的と見て避ける傾向にある」と児玉氏は指摘しているが、確か、「女性同士のネットワーク形成は得意」と著名な女性学者がおっしゃっていた気がする。
「女子会」も多種多様で、日常用語になっているはずだが、同一組織・企業内では困難ということだろうか。
単純に、イエスかノーかと色分けすることに意味があるわけではないので、ここでは、深掘りも、詮索も必要ないと思う。
女性主体の組織・企業には無用の心配?
読みながらすぐに思い浮かんだのは、オールドボーイズクラブへの対策・(対抗?)としての提案だが、そもそも女性主体の組織・企業にはその心配は要らないだろうということ。
女性がトップの組織・企業や圧倒的に女性スタッフが多数を占める組織・企業が、もっと増えてもよいと思う。
そうなれば、自ずと、オールドボーイズクラブを意識する必要はなくなるだろう。
次いで、ヤングボーイズクラブを支援する活動を起こしてもらえれば、と思ったりもする。
オールドボーイズクラブの象徴・国政打破のための女性主体政治グループ・政党ネットワーク創りを
「女子会」のノリで、女性主体の政治グループ・政党形成と活動を目的とするネットワークを創れないか。
ダイバシティ論には逆行すること、と批判を浴びそうだが、この考えは、数年前からもっており、昨年も以下で取り上げてきた。
<第1回>:女性主体政党・政治会派、2025年創設提案(2022/2/24)
<第2回>:女性主体政党・政治会派の理念・方針・政策の普遍性と独自性(2022/2/25)
<第3回>:女性主体政党・政治会派組織の整備・構築提案(2022/2/26)
<第4回>:政策も組織も世代を繋ぐ女性主体政党・政治会派の活動で、望ましい社会の構築へ(2022/2/27)

もちろん、何かを動かすことは端から不可能と思ってのものだったが、今年1月に先述した三浦まり氏の著『さらば、男性政治』が発刊されたので、今回、同書を題材として用い、再度提案してみようということだ。
それ以外に、前田健太郎氏著『女性のいない民主主義』(2019/9/20刊・岩波新書)や川上高志氏著『検証 政治改革』(2022/2/18刊・岩波新書)等も参考にと思っており、どのようにシリーズを構成し、進めるか、まだ整理できていない状況です。
しかし、なんとか今月中には、新シリーズをスタートさせます。
(参考)『さらば、男性政治』構成
第1章 男性ばかりの政治
第2章 20年の停滞がもたらしたもの ー ジェンダー平等後進国が作り出した生きづらさ
第3章 女性を排除する日本の政治風土と選挙文化
第4章 女性に待ち受ける困難 ー障壁を乗り越える
第5章 ミソジニーとどう闘うか
第6章 なぜクオータが必要か
第7章 ジェンダー平等で多様性のある政治に向けて

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